光触媒スプレー「アキュートクリーン」の使い方と用途

市販されている光触媒スプレーに利用される光触媒の種類

光触媒と言っても、たくさんの種類があります。市販の光触媒スプレーとして実用化されている光触媒の種類には、次のものがあります。

• 酸化チタン
• 銅ドープ酸化チタン
• 窒素ドープ酸化チタン
• 鉄ドープ酸化チタン
• 酸化タングステン

これらの中で、室内でもっとも効果の高い光触媒は銅ドープ酸化チタンであることが知られています。

ちなみに、酸化チタンを使った光触媒スプレーが市販品として多く利用されています。ところが、酸化チタンは室内では効果がほとんど無いことをお伝えしたいと思います。その理由は、酸化チタンは紫外線が当たる場所でしか効果が無いからです。

室内は紫外線がほとんどありませんから、酸化チタンを使った光触媒スプレーは、室内利用では意味が無いものと同じです。紫外線が当たる場所のみ効果がありますから、ピクニックのときの手の消毒ぐらいでしたら、利用できるのではないでしょうか？

覚えておいていただきたいことは、光触媒にはたくさんの種類がありますが、「室内でも高い効果のある光触媒は銅ドープ酸化チタン」ということです。

アキュートクリーンの光触媒成分は「銅ドープ酸化チタン」

アキュートクリーンには、もちろん銅ドープ酸化チタンを使用しています。

銅ドープ酸化チタンとは、酸化チタン結晶の表面にナノサイズの酸化銅を結合させた特殊な光触媒です。東京大学の先生が、「銅ドープ酸化チタンを超えるものは、今世紀には生まれないだろう」とまでおっしゃられた成分です。

ちなみに、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒スプレーを実用化したのは、弊社が世界初です。

薄暗い光でも除菌・消臭できる

200lx（ルクス）は薄暗い光です。薄暗い光でも除菌・消臭ができるのが、アキュートクリーンにも利用されている銅ドープ酸化チタンです。

他社製品でも、室内の光で除菌・消臭ができるものが市販されていますが、試験結果を確認すると「1,000lxの蛍光灯の光を照射」とありました。1,000lxと言えば手術室並みです。明るい光を当てて除菌できることは、当たり前のことです。

さらには、1,000lxの光を照射していても、細菌類や臭気が下がっていく速度が遅いものでした。銅ドープ酸化チタンは、200lxでも細菌類や臭気がグングンと下がっていくことを考慮すると、他社の光触媒スプレーと比べると、10倍以上の効果があるものと考えます。

光が無くても除菌・消臭できる

光が当たっていなくても除菌・消臭ができることは、すでに光触媒の効果を超えていると思います。他の光触媒成分と比べても、薄暗い場所や暗所で消臭ができることは、魅力的な性質だと言えます。

室内で利用する場合、光が当たらない場所も除菌・消臭したいこともあります。例えば、次のような場所です。

• 下駄箱の中
• ブーツや革靴の中
• クローゼットや押し入れの中
• 布団

光触媒スプレーの中で、が光がなくても効果を発揮するものは、銅ドープ酸化チタンを使っている「アキュートクリーン」だけです。

いろいろなVOCを分解

VOCの分解で、他社製品を調べていると「ホルムアルデヒドを分解」と記載されているものが多いです。弊社が思うことですが、ホルムアルデヒドは簡単に分解ができます。ですから、分解できて当たり前なのです。

銅ドープ酸化チタンは、トルエンやキシレンをグングンと分解していくことを発見しました。「光触媒ではトルエンやキシレンの分解は難しい」と聞いていたので、分解できることに当事者も驚いたくらいです。

その試験結果については、「揮発性有機化合物(VOC)を分解できる光触媒成分とは？」をご参照ください。

トルエンやキシレンといったVOCは、「酸化チタンに紫外線を照射しても分解が難しい」と言われています。弊社にて、酸化チタンに紫外線を照射して分解試験しましたが、分解できませんでした。酸化チタンに紫外線を照射しても分解できないのですから、他の光触媒成分も同様のはずです。

銅ドープ酸化チタンが残る限り除菌・消臭をし続ける

アキュートクリーンに添加されている銅ドープ酸化チタンは、ナノサイズの結晶が用いられています。銅ドープ酸化チタン結晶のサイズは、髪の毛の太さと比べると1/10,000程度の大きさと考えられます。

その程度の大きさの結晶を塗布するわけですから、塗布の凸凹に入り込んでいき、そこに銅ドープ酸化チタンが残りやすいという性質があります。銅ドープ酸化チタンが残るということは、その部分を除菌・消臭し続けてくれることを意味します。

弊社の試験で、手指消毒でよく利用されるイソプロピルアルコール（IPA）とアキュートクリーンにて、ATP量（生物汚れの量）を比較しました。すると、アキュートクリーンはIPAよりもATP量が半減しました。また、IPAを塗布した箇所はATP量が増加していきましたが、アキュートクリーンを塗布した箇所は雑巾で水拭きをしても1週間以上ATP量が増加しませんでした。

雑巾で水拭きをしても除菌をし続けているということは、ナノサイズの銅ドープ酸化チタンが隙間に入り込んで除菌し続けてくれていることが考えられます。

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。