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銅ドープ酸化チタン光触媒で加工されたフェイクグリーンは消臭効果が高い

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光触媒で消臭・抗菌・アレルゲン分解。光触媒加工はコーティング加工で。部屋で効果のあるのは銅ドープ酸化チタン
銅ドープ酸化チタン光触媒で加工されたフェイクグリーンは消臭効果が高い

フェイクグリーンとは、人工観葉植物や造花といわれるものです。

水やりをしなくても、いつも緑色であったり、花が咲いていたりするので、手間なく部屋の雰囲気を変えることができます。

駅前のデパートでは、ホールの壁面にフェイクグリーンが一面に設置されていることもあります。

テーマパークでも、アトラクションの屋外や室内をフェイクグリーンで装飾していることもあります。

そのようなフェイクグリーンですが、中には光触媒コーティング加工されたものもあります。

光触媒コーティング加工されたフェイクグリーンを室内で利用する場合は、室内でも効果の高い光触媒成分が加工されたものをお選びください。光触媒にはいくつかの種類があり、室内ではまったく効果のない光触媒成分も存在します。

そして、室内ではほとんど効果のない光触媒成分が加工された詐欺的なフェイクグリーンも存在します。

この記事では、光触媒コーティング加工されたフェイクグリーンの効果や、光触媒成分の一種「銅ドープ酸化チタン」を加工したフェイクグリーンの性能などをご説明いたします。

フェイクグリーンに光触媒コーティング加工して
得られる効果とは?

光触媒コーティング加工されたフェイクグリーンを部屋の中に置いておくと、次のような効果があります。

  • 臭いの消臭
  • 除菌
  • アレルゲンの分解

光触媒は、光が当たると菌類や臭い成分、アレルゲンといった微細なものを酸化分解する性質があります。部屋の中の空気は、人間の目には見えませんが、菌類や臭いなどがたくさん浮遊しています。それらが光触媒コーティング加工されたフェイクグリーンに触れると、分解されます。

また、テーマパークなどの屋外に設置されるフェイクグリーンは、防汚効果があります。防汚効果とは、雨水によって埃などの汚れが自動的に落ちていくセルフクリーニング効果のことです。

光触媒は親水性効果を発揮するので、フェイクグリーンに雨水が当たると水がフェイクグリーンの表面に馴染んで汚れを浮かせ、付着した汚れが雨水の流れといっしょに落ちていきます。雨が降らないシーズンであれば、高圧洗浄機で水をかけるだけで汚れを落とすことができます。

フェイクグリーンに光触媒コーティング加工をすることで、美しい状態を保ったり、掃除がしやすくなったりします。

フェイクグリーンの光触媒加工の方法

フェイクグリーンに光触媒の効果を付与する加工方法は、次の2種類あります。

  • プラスチック素材に光触媒成分を練り込む方法
  • 出来上がったフェイクグリーンの表面を光触媒コーティング加工する方法

2つの加工方法の比較

1つ目は、プラスチック素材そのものに光触媒成分を混ぜ込んで、フェイクグリーンに成型するものです。この場合、光触媒成分が素材の表面に出てきたものだけが、光触媒効果を発揮しプラスチックの内部に埋まっているものは効果がありません。そのため、触媒効果の高いフェイクグリーンに仕上げるためには、たくさんの光触媒成分を練り込む必要あがり、ムダが多くなってしまいます。

2つ目の方法は、成型されたフェイクグリーンの表面に、クリア塗装ができる光触媒コーティング剤を塗布する加工方法です。クリア塗装とは、透明な塗装のことで、フェイクグリーンの装飾性を損なうことなく光触媒加工ができます。そして、フェイクグリーンの表面のみに光触媒加工がなされるため、光触媒成分のムダ遣いを防ぐことができます。

「光触媒コーティング剤の塗装では、光触媒が落ちやすいのではないか?耐久性が悪いのではないか?」とお考えの方もいらっしゃいますが、ご安心ください。接着成分にアモルファス酸化チタンを使ったものであれば、塗装面に強固に定着するので、耐久性はとても高いです。

フェイクグリーンの光触媒加工では、光触媒コーティング加工が現実的です。

直射日光が当たるフェイクグリーンには下地保護剤の塗装を

光触媒コーティング加工を行うと、部屋の中の菌類や臭い成分、アレルゲンなどを分解してくれるのですが、その分解はフェイクグリーンのプラスチックにも及びます。特に、直射日光などの強い光が当たるフェイクグリーンは、光触媒の効果によって劣化が早まったり、色あせが起きたりする場合があります。

光触媒からプラスチックの劣化を防ぐために、光触媒コーティング加工をする前に、下地保護剤をコーティングしておきます。その上から光触媒コーティングを行います。下地保護剤の名称は「プライマー」といいます。

直射日光が当たらない場所に置かれるフェイクグリーンは、プライマーの塗装は必要ございません。

フェイクグリーンの光触媒コーティング加工方法

光触媒コーティング加工の流れは、次のように行います。

  1. フェイクグリーンの清掃
  2. プライマーの塗装
  3. 光触媒コーティング塗装

まずフェイクグリーンに付着した汚れを落とします。一見して汚れていないように見えても、目に見えない細かな埃が付着しています。埃が付着したまま光触媒コーティング塗装をすると、埃といっしょに光触媒コーティングが落ちてしまうため、耐久性が悪くなるからです。

清掃は、きれいなタオルを濡らしてふき取るだけで良いと思います。

プライマーや光触媒コーティング剤の塗装は、光触媒コーティング剤専用の塗装機械とスプレーガンを用います。フェイクグリーンの葉の表と裏など、全体を2度ほど塗り重ねます。弊社では、塗装機械としてABAC温風低圧塗装機SG-91をおすすめしています。

フェイクグリーンの光触媒コーティング加工は、このような専用機械を用いるため、一般の方が加工を行うことは難しいと思います。ですので、光触媒コーティング加工されたフェイクグリーンをお求めください。

フェイクグリーンに用いられる光触媒成分の種類

フェイクグリーンに用いられる光触媒成分の種類をご説明いたします。成分の種類について把握していないと、除菌や消臭といった効果がまったく無いフェイクグリーンを購入してしまうことになるので、ここの内容はしっかりご理解ください。

フェイクグリーンに使用されている光触媒成分の種類は、主に次のものになります。

  • 酸化チタン
  • 銅ドープ酸化チタン(銅担持酸化チタン)
  • 酸化タングステン

これ以外の光触媒成分が使用される場合もあるかもしれませんが、弊社では把握しておりません。この種類のものが一般的だと思います。

光の波長と色の関係

次の虹色の図は光の波長と色の関係です。そこに、それぞれの光触媒成分が反応する領域を描き加えたものです。光触媒成分が効果を発揮するときは、光触媒成分が反応する波長の光が当ったときです。

光の波長とは、光が振動する幅のことです。その振動の幅によって、見える光の色が異なり、400nm付近だと紫色に見えます。460nm付近ではシアン、700nm付近では赤色に見えます。単位の「nm」は、ナノメートルといいます。

紫色よりも波長が短い光が紫外線、780nmよりも波長の長い光が赤外線です。

アナターゼ型酸化チタンは、波長が380nmよりも短い波長の光、つまり紫外線に反応することが判ります。銅ドープ酸化チタンは、紫外線から480nmのシアンまでの光に反応します。酸化タングステンは、紫外線から460nmの青色の光までに反応します。

酸化チタンの性質

これらの光触媒成分の中でもっとも利用されているものが酸化チタンです。酸化チタンといっても、アナターゼ型という名前の結晶構造を持つ、ナノサイズの酸化チタンが用いられます。アナターゼ型酸化チタンは紫外線が当たることで、強い触媒効果を発揮することが知られています。

紫外線では強い触媒効果を発揮するものの、それ以外の光、例えば青色の光や黄色の光といった、人の目で見える光ではまったく触媒効果が出ません。

このことは何を意味するか、お気づきでしょうか?

つまり、部屋の中ではまったく効果を発揮しないことを意味します。紫外線が当たる場所というのは、屋外で直射日光が当たる場所のことです。直射日光が当たれば強い効果を発揮しますが、夜に蛍光灯やLED電球といった照明の元では、まったく効果がありません。

酸化チタン加工されたフェイクグリーンは、直射日光が当たる屋外での防汚効果のあるフェイクグリーンとして最適です。

弊社の光触媒コーティング剤とプライマーは、次の製品になります。

銅ドープ酸化チタンの性質

銅ドープ酸化チタン(銅担持酸化チタン)とは、アナターゼ型酸化チタンにナノサイズの酸化銅を特殊製法で結合させた成分のことです。ドープとは、「添加した」という意味ですが、酸化銅粉末を単に入れて混ぜただけではなく、酸化チタンに結合させた成分になります。

酸化チタンは紫外線にしか反応しないことをお伝えしましたが、銅ドープ酸化チタンは蛍光灯やLED照明の光にも反応して、高い触媒効果を発揮するようになります。

また、銅ドープ酸化チタンには他のどの光触媒も持たない、特殊な効果があります。その効果とは、「暗闇でも触媒効果を発揮する」という性質です。その理由は、添加されたナノサイズの酸化銅が、光が当たらない環境でも触媒効果を発揮するためと考えます。つまり、暗闇でも除菌や消臭をしてくれるのです。

弊社の光触媒コーティング剤とプライマーは、次の製品になります。

酸化タングステンの性質

酸化タングステンは、そのままの状態でも銅ドープ酸化チタンと同様に蛍光灯やLED照明の光に反応する性質があります。

部屋の中で利用するフェイクグリーンでは、銅ドープ酸化チタンか酸化タングステンを使って光触媒コーティング加工をしたものを利用することが、最低条件となります。

しかし、効果の高さを比較すると、暗い部屋では銅ドープ酸化チタンの方が酸化タングステンよりも触媒効果が10倍以上高く、暗闇でも触媒効果があるので、銅ドープ酸化チタンを使ったフェイクグリーンの方が良いと思います。そのため、弊社では酸化タングステンのみを使った光触媒コーティング剤は製造しておりません。

銅ドープ酸化チタンで加工された
フェイクグリーンが買えるところ

銅ドープ酸化チタンで加工されたフェイクグリーンの製造は、今のところ「花緑の楽園」という業者のみでしか作られていません。ご購入は、花緑の楽園の通販サイトかAmazonにて直接購入されるか、花緑の楽園が卸している販売店から購入するかのどちらかです。

もし、この記事をご覧になられている方が、フェイクグリーンの製造業者様で、「銅ドープ酸化チタンを加工して、効果の高いフェイクグリーンを製造したい」とお考えであれば、ぜひ弊社までご相談ください。

なぜ弊社かと申しますと、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤の製造特許を取得したのは弊社だからです。弊社の光触媒製品を扱う施工代理店や販売代理店にご相談いただいてもかまいません。

光触媒コーティング加工方法を習得されたい方は、弊社にて光触媒コーティング施工講習会を開催しています。また、弊社では塗装機材も販売しているので、併せてご利用ください。施工講習会や施工機材ご購入についての詳細は、光触媒コーティング施工代理店募集のご案内をご覧ください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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