冷蔵庫を利用していると、さまざまなお困りごとがあります。例えば、
- 冷蔵庫の中が臭い
- 冷蔵庫の中にカビが生えた
- 野菜が劣化しやすい
ご家庭であれ、業務用であれ、冷蔵庫の掃除は頻繁にできませんから、こういった悩みが付きものです。これらの悩みを、光触媒コーティングで解決ができるかもしれません。それが光触媒コーティングによるメリットになります。
正しい光触媒コーティング剤を選び、冷蔵庫の中を塗装すると、冷蔵庫内の消臭や防カビができ、野菜の熟成や劣化を遅らせることができます。
光触媒は冷蔵庫にとってメリットが多いものの、現状として冷蔵庫に使用しても効果の無い光触媒成分も存在しますし、今ひとつ光触媒の魅力が正しく伝わっていこともあり、現在はあまり利用されていないように感じます。
この記事では、冷蔵庫の中を光触媒コーティングするメリットを解説しつつ、光触媒の性質やどのような光触媒成分を選んだら高い効果が得られるのか、冷蔵庫の中の光触媒コーティング方法などを解説いたします。
冷蔵庫に利用したときに、「本当に効果のある光触媒成分とは何か?」を知っていただけたらと思います。
光触媒とは?
光触媒とは、光が当たると触媒の効果を発揮し、有機物を酸化分解する成分のことです。一般的に利用されている光触媒成分は、酸化チタンがあります。
酸化チタンは、紫外線が当たると強い酸化力が出て、それに触れるものを酸化分解するという触媒の効果を発揮します。
その酸化力を活用できれば、冷蔵庫の中の臭い成分やカビや菌類、エチレンガスなどを分解できます。
エチレンガスは、野菜から出るガスで、これによって野菜が自ら熟成を促します。エチレンガスを分解できたら、野菜の劣化を阻止することができ、長持ちします。
冷蔵庫の中は光が無いから効果なし!?
光触媒は、光が当たることで触媒の効果を発揮します。酸化チタンは紫外線が当たることで効果を発揮するわけです。しかし、冷蔵庫の中は真っ暗です。
そこで、冷蔵庫の中で光触媒の効果を発揮させるためには、冷蔵庫の中に光源を入れたら良いです。酸化チタンの効果を引き出すためには、紫外線を発するブラックライトを設置したら良いというわけです。
ただし、冷蔵庫の中で紫外線ランプを照射していると、酸化チタンが活性化して良いかもしれませんが、紫外線によって食材がダメになる可能性もあります。
酸化チタン以外の、普通の光で反応する光触媒成分を利用すると良いです。
実は、光がなくても効果のある光触媒もあります。後ほどご紹介する「銅ドープ酸化チタン」と言われる光触媒成分です。
冷蔵庫の中で可視光応答型光触媒を利用する方法
光触媒成分は、酸化チタン以外にも本当にたくさんの種類があります。室内用の光触媒コーティング剤として実用化されている成分の中で、LED照明などの光でも反応する成分は、次の4種類です。
- 銅ドープ酸化チタン
- 窒素ドープ酸化チタン
- 鉄ドープ酸化チタン
- 酸化タングステン
酸化チタンは紫外線にしか反応しませんが、酸化チタンに銅や窒素、鉄といった別の成分を結合させることで、LED照明の光にも反応し、触媒の効果を発揮するようになります。酸化タングステンは、それそのままでLED照明の光に反応します。
これらの成分を使うことで、庫内に常にLED照明の明かりを灯しておけば、触媒の効果を発揮し、冷蔵庫の中の消臭や防カビなどをしてくれます。
冷蔵ショーケースはともかく、野菜を保存する冷蔵庫の中は暗い方が良いと思われます。明るいと、野菜が光合成をして熟成が進んでしまう可能性があるからです。その場合には、光触媒コーティングは冷蔵庫のフィルター部分に塗装して、そこだけに光を当てると良いです。
その場合には、フィルター部分の防カビはできますが、冷蔵庫内の壁面の防カビはできません。
銅ドープ酸化チタンのメリット
上記の4成分の中で、銅ドープ酸化チタンだけが特別な性質を持っています。それは、「光がなくても防カビや消臭などの効果を発揮する」というものです。「冷蔵庫の壁面の防カビもしたい」という場合であれば、銅ドープ酸化チタンを用いてください。
もちろん銅ドープ酸化チタンも、光を当てると触媒の効果を発揮しますが、暗所でも光を当てたときほどとはいきませんが、防カビや消臭の効果があります。
それ以外の光触媒成分であれば、常に光を当てておかないといけませんが、銅ドープ酸化チタンだけは、光がなくても効果があるのです。
銅ドープ酸化チタンだけが、唯一、暗くても触媒の効果を発揮するので、冷蔵庫内全体に塗装しておけば、防カビや消臭、エチレンガスの分解ができます。エチレンガスの分解については、「光触媒によるエチレンガスの分解」をご覧ください。
ちなみに、銅ドープ酸化チタンの製造技術は、弊社が開発し特許を取得しました。
冷蔵庫の中の光触媒コーティング方法
冷蔵庫の中に光触媒コーティングする方法は、光触媒コーティング剤を塗装します。塗装には、光触媒専用の塗装機械とスプレーガンを用います。
銅ドープ酸化チタンを使った冷蔵庫の中のプラスチックに塗装する場合は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)をご利用ください。
冷蔵庫によっては、扉や壁面、トレイなどにガラスを使用しているものもあります。ガラス面に塗装する場合は、別途「銅ドープ酸化チタンを使ったガラス用光触媒コーティング剤」を開発いたしますので、冷蔵庫メーカー様はお気軽にご相談ください。
冷蔵庫の中だけですと、光触媒コーティング剤はほんの少ししか使用しませんから、価格はとても安価です。屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、1Lで50m2ほど塗装できるので、冷蔵庫の中だけの塗装であれば、1Lで20台や30台といった台数を塗装できると思います。
すでにご家庭に導入済みの冷蔵庫を光触媒コーティングしてもらいたいという、コンシューマのお客様には、弊社の光触媒製品を扱う施工業者に依頼することになります。
「冷蔵庫内を手軽に防カビ、消臭したい」という方は、光触媒のご家庭用除菌・消臭スプレー「アキュートクリーン」をご利用ください。
冷蔵庫以外のご家庭での光触媒コーティング
冷蔵庫の中の光触媒コーティングを施工業者に依頼すると、それだけだと出張費が割高になります。リビングやキッチン、お風呂場やトイレなどの光触媒コーティング施工のついでに、冷蔵庫内の塗装もご依頼いただいた方が良いです。
光触媒コーティング施工のおすすめ箇所は、次のような箇所になります。
- キッチン
- リビング
- お風呂場
- トイレ
- 玄関や下駄箱
光触媒コーティングをすることによって、これらの場所の抗菌や消臭、アレルゲンの分解などができます。ペットを部屋の中で飼っている方、赤ちゃんがいて雑菌が気になる方、アレルギー源が気になる方には、特におすすめです。
室内の光触媒コーティングは、もちろん銅ドープ酸化チタンを使った施工をおすすめします。
室内の光触媒コーティング施工なら、弊社もしくは弊社の施工代理店までご相談ください。弊社製品を扱う施工代理店一覧は、こちらのページをご覧ください。
この記事の著者/責任者
株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。