PRODUCTS EXPERIMENT
光触媒コーティング剤の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化試験
弊社にて開発した酸化チタン光触媒コーティング剤が、新型コロナウイルス対策に効果があるのかを調べるため、厚生労働省登録検査機関の一つ、株式会社中部衛生検査センターにて「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するウイルス不活化試験」をしていただきました。弊社が開発した酸化チタン光触媒コーティング剤にて、新型コロナウイルスの減少(除菌)を確認できました。
※ この試験結果は、あくまでも試験での効果ですので、あらゆる場面での抗ウイルス効果を保証するものではありません。
以下、試験結果の内容です。
報告書発行番号および発行日
中衛検 第20-VI-017-2号
2021年3月27日
試験実施日
2021年2月13日~2021年3月15日
試験目的
検体の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するウイルス不活化試験
検体
光触媒をコーティングした布・光触媒をコーティングしていない布
試験概要
検体に新型コロナウイルスのウイルス浮遊液を接触、指定の条件下で2時間作用した。作用後にJIS L 1922:2016(繊維製品の抗ウイルス性試験方法)に準拠した試験法でウイルス感染価を測定した。
試験方法
試験ウイルス
SARS-CoV-2 JPN/TY /WK-521(新型コロナウイルス)
使用細胞
VeroE6/TMPRSS2細胞(JCRB1819)
使用培地
1.細胞増殖培地
ダルベッコ変法イーグル培地(ナカライテスク株式会社)に牛胎児血清を5%、ペニシリン(100U/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)、ジェネティシン(G418)(1mg/mL)加えたものを使用した。
2.細胞維持培地
ダルベッコ変法イーグル培地(ナカライテスク株式会社)に牛胎児血清を2%、ペニシリン(100U/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)、ジェネティシン(G418)(1mg/mL)加えたものを使用した。
ウイルス浮遊液の調整
1.細胞の培養
細胞増殖培地を用い、使用細胞を組織培養フラスコ内に単層培養した。
2.ウイルスの接種
単層培養後にフラスコ内から細胞増殖培地を除き、試験ウイルスを接種した。次に、細胞維持培地を加えて37℃土1℃の炭酸ガスインキュベーター(CO2濃度:5%)内で5日間培養した。
3.ウイルス浮遊液の調整
培養後、倒立位相差顕微鏡を用いて細胞の形態を観察し、細胞に形態変化(細胞変性効果: CPE)が起こっていることを確認した。次に、培養液を遠心分離(3500rpm/min、10min)し、得られた上清をウイルス浮遊液とした。
4.ウイルス浮遊液の脱塩限外ろ過
ウイルス浮遊液500μLを100kDaの限外ろ過膜によるろ過を行い、限外ろ過膜に残った液へ滅菌蒸留水500μLを添加、混合し再度限外ろ過を行った。この操作を2回繰り返して実施し、限外ろ過膜に残った液を滅菌蒸留水500μLで混合し、ウイルス浮遊液の脱塩処理を行った。
試験操作
照度計にて実施環境の照度を測定し、1000Luxはシャーレ表面にパラフィルムを貼付、0Luxはシャーレ表面をアルミ箔で遮光し、検体に当たる照度を指定された照度へ調整した。
検体を滅菌シャーレに入れ、コーティング面を上面とし、検体表面に脱塩処理を行ったウイルス液200μLを添加した。冷却ブロックで約4℃での冷却を行いながら作用させ、2時間後に細胞維持培地を用いて100倍に希釈し、ウイルス感染価を測定した。
ウイルス感染価の測定
細胞増殖培地を用い、使用細胞を組織培養用マイクロプレート(平底96穴)内で単層培養した後、細胞増殖培地を除き、細胞維持培地で洗浄し、細胞維持培地を取り除いた。
次に、100倍希釈後の作用液を、細胞維持培地を用いて3倍段階希釈した。その段階希釈液100μLを4穴ずつに接種し、37℃土1℃の炭酸ガスインキュベーター(CO2濃度:5%)内で1時間使用細胞へ感染させた。
感染後、希釈液をすべて除去し、細胞維持培地を用いて2回洗浄し、新たな細胞維持培地を入れ、3日間培養した。
培養後、倒立位相差顕微鏡を用いて細胞の形態変化(細胞変性効果: CPE)の有無を観察し、Behrens-Karber法により50%組織培養感染量(TCID50)を算出して作用液1mL当たりのウイルス感染価に換算した。
試験結果
予備試験
各検体を滅菌精製水または細胞維持培地で10倍することにより、検体の影響を受けずにウイルス感染価が測定出来る事を確認した。
ウイルス感染価の測定(試験実施条件:1000Lux・2時間)
対象 | Log TCID50/mL | LRV対数減少値 | 減少% |
コーティング剤あり | 2,98 | 1.07 | 91.56 |
コーティング剤なし | 4.06 | ― | ― |
弊社が開発した酸化チタン光触媒コーティング剤にて、新型コロナウイルスの減少(除菌)を確認できました。
※ この試験結果は、あくまでも試験での効果ですので、あらゆる場面での抗ウイルス効果を保証するものではありません。