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銅ドープ酸化チタンのノロウイルスに対する抗ウイルス効果

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銅ドープ酸化チタンのノロウイルスに対する抗ウイルス効果

銅ドープ酸化チタンを使った、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、ノロウイルス(ネコカリシウイルスによる代替)の抗ウイルス効果が実証されています。

その試験結果の詳細は、「光触媒コーティング剤のノロウイルスに対する抗ウイルス試験」をご参照ください。

このページの内容は、難しい用語が用いられていたり、解りにくい部分もあるので、解説をしたいと思います。

ノロウイルス代替とは?

まず、「ネコカリシウイルス(ノロウイルス代替)」という言葉があります。

ノロウイルスを使って抗ウイルス試験をするためには、ノロウイルスを培養しないといけません。ところが、ノロウイルスの培養は今現在のところ難しいようですから、ネコカリシウイルスが用いられます。

試験を行って、「ネコカリシウイルスが減る、もしくはネコカリシウイルスが増殖しないようであれば、ノロウイルスに対しても効果がある」ということで、代替試験が行われているようです。

光照射条件

光照射の条件は、次の3種類でお願いしました。

  • 明所(200lx、シャープカットフィルタType B)
  • 明所(500lx、シャープカットフィルタType B)
  • 暗所

ここで、シャープカットフィルタとは、特定の波長をカットするフィルターのことです。

JIS R 1756に準じた試験では、次のようにあるので、それに準じた試験となります。

  • 照度:500 lx
  • シャープカットフィルタ:Type-B
  • 光照射時間:4時間

照度とは、要するに明るさのことです。単位のlxは、「ルクス」と呼びます。500lxと言えば、昼間のオフィスほどの明るさになります。そのような明るい光では、銅ドープ酸化チタンは強く反応して当たり前ですから、200lxと暗所での試験も行っていただきました。

200lxは、夜のリビングや、ご家庭のトイレほどの明るさになります。夜の飲食店は薄暗いところが多いですから、200lxや暗所でもノロウイルス対策に効果があれば、価値があると言えます。

光源には、「東芝ネオライン白色FL20SW 20W」が用いられていますが、これは一般的な蛍光灯です。蛍光灯の光で効果があれば、銅ドープ酸化チタンを室内で利用したときに、ノロウイルス対策ができることを意味します。

蛍光灯で効果があれば、一般的な白色LEDでも効果が期待できます。

試験結果

試験結果では、感染価の数が調べられています。感染価とは、細胞感染性を持つウイルス粒子の数のことです。試験前後で、感染価が小さくなっていると、抗ウイルスができていることを意味します。

試験結果の表は次の通りです。

試験品試験条件照射時間
0時間
(直後)
4時間
未加工品(無加工ガラス板)暗所1.4×1072.0×107
抗菌性光触媒「BX01-AB1」塗布タイル ー2.0×104
未加工品(無加工ガラス板)明所
(200lx+Type B)
 ーl.7×106
抗菌性光触媒「BX01-AB1」塗布タイル ー3.0×104
未加工品(無加工ガラス板)明所
(500lx+Type B)
 ー7.1×106
抗菌性光触媒「BX01-AB1」塗布タイル ー8.2×103

要するに、暗所でも200lxでも500lxでも、ウイルスの感染価が小さくなっているので、銅ドープ酸化チタンでノロウイルスの対策ができることを示唆しています。

ただし、これの試験結果は、あくまでもラボでの一定の条件下での試験結果ですから、あらゆる条件下での性能を保証するものではございません。「ノロウイルス対策ができる可能性がある」ということで、留めておいていただけたらと思います。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、ノロウイリスの抗ウイルス試験以外にも、次の細菌類やウイルスに対しても効果があることを確認しております。

銅ドープ酸化チタンを使った抗菌・消臭コーティング施工のご相談は、イリスまでお気軽にご連絡ください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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