新築一戸建てを建てたときや新築マンションを購入したときに、引っ越しをする前に、屋内の壁や壁紙クロスに防カビコーティングをすることをおすすめします。
「新築なのだから、防カビは必要ない」とお考えかもしれませんが、高気密・高断熱の住宅では、冬に窓際や天井付近が結露し、1年目でも黒カビが発生してしまうことがあるからです。
また、引っ越し前でないと、防カビコーティング施工の前に部屋の掃除や片付けが必要となり、施工費用が高くなってしまうからです。
防カビコーティングの種類はさまざまありますが、カビ菌を光の力で分解してカビの発生を抑えてくれる光触媒コーティングが効果的です。
新築住宅を長く快適に使用するために、そしてメンテナンスが軽減されてライフサイクルコストが安くなるという観点から、光触媒の防カビコーティングをおすすめしています。
このコラムでは、新築住宅であってもカビが生えてしまう理由や、カビ対策や防カビコーティングについて解説いたします。
なぜ新築でもカビが発生してしまうのか?
新築住宅でもカビが発生してしまうことに驚かれた方もいらっしゃることでしょう。
カビは有機物だけでなく無機物でも、何でも餌にして繁殖してしまいます。例えばキッチンでは、新しいまな板でも、使用後に濡れたまま洗わないでそのまま放置しておいたら、まな板がカビてくると思います。それと同様に、新築であっても壁が濡れていたら、壁材の成分を餌にしてカビが発生してしまいます。
カビ菌は空気中に浮遊しているので、どこからともなく入ってきて、少しずつ増えていってしまいます。
一度、カビが生えてしまったら、表面を漂白しても、カビの根っこが内部まで入り込んでいるので、カビが生えやすくなります。
新築物件では、カビが根っこを張っていないので、カビが目に見えるくらいまで成長するのに時間がかかります。また、木造住宅であれば、スギやヒノキから出てくる成分に抗菌作用があるので、カビの発生を抑えてくれる効果があります。
しかし、結露するなどして壁が濡れたままであれば、新築であっても、そこ部分にカビが発生してしまうのです。
室内のカビ対策の基本
カビが発生する場所には、次の3点があります。このどれかが無ければ、カビは発生しません。
- カビ菌
- 湿気(水分)
- カビの餌
カビ菌を取り除くためには、空気中のカビ菌であればカビ菌対策ができる空気清浄機を用いると良いと思います。壁に付着しているカビ菌は、カビ菌の抗菌剤を塗っておけば、カビの発生を抑えてくれます。
湿気は、換気が基本です。冬になれば、部屋の壁が湿気ている箇所を発見し、その部屋の換気を頻繁に行うことが大事です。
最近の一戸建ては、シックハウス対策として24時間換気が当たり前になっていますが、換気扇を止めてしまう人もいるようです。また新築マンションであれば、24時間換気をしているところは少ないと思います。そうすると、結露の原因にもなります。
カビの餌は、そもそも壁紙が有機物であれば、それがカビの餌になってしまうので、防ぐことは難しいと思います。また、湿気の中には、カビの餌となるものが含まれている場合もあります。そういった成分を分解してくれるものを塗布しておけば、カビの発生を抑えられます。
新築住宅に引っ越す前に防カビコーティングを
住宅の防カビコーティングをするタイミングは、カビが発生したときではなく、新築のときです。新築のときに防カビコーティングをする理由は、
- 部屋の片付けが必要ない
- 防カビコーティング剤の塗装面を掃除しなくて良い
これらの理由について、少し解説いたします。
引っ越し前なら部屋の片付けが必要ない
部屋全体に防カビコーティングをする場合、塗装のジャマにならないように、部屋の片付けを行い、家具や荷物などを部屋から出さないといけません。押し入れやクローゼットの中も防カビコーティングしてもらおうと思ったら、片付け作業が相当な手間となってしまいます。
塗装業者によっては、そういった片付け作業をしてくれるところもありますが、別料金となっていることが多いので、料金が高くなってしまいます。
また、防カビコーティング塗装が乾いたら、家具や荷物を元の位置に戻さないといけません。
新築住宅であれば、部屋の中に荷物が何もないので、引っ越し前に防カビコーティング塗装をすると、片付けの費用がかからないので、施工費用が割安になります。
新築なら防カビコーティング剤の塗装面を掃除しなくて良い
部屋にカビが発生するようになってくるようであれば、部屋の壁はだいぶ汚れてきていると思います。部屋がLDKであれば、油汚れが壁紙に溜まっていることもあります。
掃除グッズにアルカリ電解水があります。アルカリ電解水は、汚れを浮かせてふき取ることができる、不思議な水です。アルカリ電解水を使って壁紙クロスを拭いたら、すぐに雑巾が黄色くなってしまいます。部屋の中は、思った以上に汚れています。
部屋の壁に防カビコーティング塗装する場合は、その前に壁の汚れを落とすことが大事です。もし、汚れの上から防カビコーティング塗装をしたら、汚れを落とすときに防カビコーティング塗装が落ちてしまうかもしれません。
新築物件であれば、壁紙クロスを貼って間もないので、汚れる前の状態ですから、防カビコーティングのベストな状態です。
また、お風呂や洗面台、トイレなどの水回りは、使用し始めたらすぐに汚れてしまいます。水回りの防カビコーティングも、新築であれば使用する前の状態で、リフォームをした後であればその直後に行うことをおすすめします。
防カビコーティングに光触媒がおすすめの理由
では、「どのような防カビコーティング剤を利用したら良いのか?」ということですが、光触媒の防カビコーティング剤を選ぶこととをおすすめする理由をお伝えします。
主な防カビコーティング剤の種類
防カビコーティング剤の主な種類は、次のようなものがあります。
- 抗菌成分の防カビコーティング剤
- フッ素などの汚れを防ぐ防カビコーティング剤
- 光触媒の防カビコーティング剤
抗菌成分は、カビ菌を抗菌してくれるものです。それを壁に塗装することで、カビの発生を抑えてくれます。
汚れを防ぐ成分としては、フッ素樹脂をコーティングするものがあります。フッ素樹脂コーティングすることで、壁が汚れなくなり、カビの発生を抑えてくれます。抗菌成分と併せると、より強い防カビコーティング剤となります。
光触媒は、光の力で半永久的に、抗菌だけでなくカビの餌をも分解してくれるので、汚れや臭いの成分も分解してくれます。
光触媒とは?
光触媒とは、光が当たることで、とそこに触れているものを分解する成分のことです。光触媒は、触媒と言われるだけあって、成分そのものが変性することはありません。半永久です。
光触媒として人の身体に安全で、なおかつ光触媒としての効果の高い成分は、酸化チタンです。酸化チタンは、光の中でも特に紫外線を受けることで光触媒の効果を強力に発揮し、カビ菌や汚れの成分を分解してくれます。
光触媒の防カビコーティング剤は、ナノレベルの細かな酸化チタンの粒子を用いたコーティング剤です。
新築のときに光触媒コーティングをしておくと、壁にカビ菌が付着したときに分解してくれるので、カビ菌が根っこを張ることを防いでくれます。
光触媒コーティング剤がおすすめの理由
酸化チタンには、さまざまな結晶構造があります。その中でも「アナターゼ」と言われる結晶構造のものがもっとも光触媒としての効果が高いことが知られています。また、酸化チタンには、「アモルファス」と言われる非結晶構造のものもあります。アモルファス酸化チタンは、塗装面に強力に付着するので、防カビコーティングの耐久性が飛躍的に高くなります。
基本的にこの2種類の酸化チタンを混ぜ合わせて、防カビコーティング剤をつくります。
アナターゼとアモルファスの酸化チタンを含む光触媒コーティング剤は、他の防カビコーティング剤と比べて、次のような効果をすべて持っているという優れた特長があります。
- カビ菌を分解してくれる
- 効果は半永久
- 耐久性が非常に高い
光触媒で防カビコーティングができる場所
弊社の光触媒コーティング剤であれば、新築一戸建てや新築マンションの次のような場所に光触媒コーティング塗装が可能です。
- 壁紙クロス
- お風呂の壁
- トイレの壁やシャワートイレの装置
- エアコン内部
- 押し入れの中
- カーテン
- 外壁
別荘であれば、普段は利用しないので薄暗く、風通しもありませんから、カビが発生しやすい環境です。そういった別荘の防カビや消臭にも、光触媒をご利用いただけます。
お風呂の壁やシャワートイレの装置、エアコン内部などのプラスチックの部分は、プラスチック塗装に対応した光触媒コーティング塗料であれば、塗装が可能です。プラスチックは、水をはじく性質を持っているので、プラスチック塗装に対応した光触媒コーティング剤でないと、適切に塗装ができないからです。
なお、弊社はプラスチック塗装用に屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を改良した製品がございます。その製品ですと、プラスチック塗装に対応しています。
外壁の防カビをしたい場合は、外壁用光触媒コーティング剤を用いてください。
光触媒は防カビだけでなく、塗装面に消臭や抗菌の機能を持たせることができます。ですので、下駄箱の消臭や靴の中の除菌、キッチンの除菌、VOC対策などが可能です。
内装に光触媒コーティング塗装をするときの注意点
光触媒コーティング塗装は、防カビコーティングとして理想的な効果がありますが、内装に施工するときに注意点があります。それは、
- 塗装に専用スプレーと熟練が必要
- 酸化チタンを用いた可視光応答型光触媒コーティング剤を選ぶこと
- 直射日光の当たる箇所はプライマーを利用すること
塗装に専用スプレーと熟練が必要
光触媒コーティング剤は、耐久性が高いことを述べましたが、これは塗装に失敗してもやり直しが効かないことを意味しています。
そのため、光触媒コーティング剤の塗装には、専用スプレーと塗装技術が必要です。
「塗装が失敗することはあるのか?」ということですが、失敗した状態とは、塗装しすぎて白い粉のようなものが付着したようになった状態です。光触媒は、超微細な白い粉です。それを内装に塗装するので、塗装し過ぎてしまったら、白い粉が出てきたようになってしまいます。
酸化チタン光触媒コーティング剤は、薄く均等に塗装することができたら、クリア塗装が可能です。クリア塗装とは、透明な塗装のことです。
塗装し過ぎたら白くなる場合がありますが、もちろん白い壁紙への塗装では、酸化チタンの白色が目立たないので、塗りすぎで白色が出たとしても問題は無いと思います。
ただし、窓ガラスに近い場所では、窓ガラスを養生(マスキング)して、窓ガラスに光触媒コーティング剤がかからないようにしてください。窓ガラスに光触媒の防カビコーティング剤が付着すると、窓ガラスに虹色のまだら模様が出てしまう場合があるからです。
酸化チタンを用いた可視光応答型光触媒コーティング剤を選ぶこと
光触媒の成分や光触媒コーティング剤にはいろいろな種類があり、もちろん光触媒コーティング剤であれば、何でも良いわけではありません。
光触媒とは何かの解説のときに、「酸化チタンは、紫外線を受けて光触媒の効果を強力に発揮し、カビ菌や汚れの成分を分解すること」を述べました。つまり、室内では紫外線が少ないので、光触媒の効果が発揮されません。
酸化チタン以外の成分で、室内の明かりでも光触媒の効果が出る成分を用いた光触媒コーティング剤もあることはあるのですが、そういった成分は光触媒の効果が弱いので、カビが発生してしまって、クレームになることが多いようです。
そこで、「酸化チタンが室内でも効果を発揮する方法は無いか?」ということですが、その方法はあります。それは、弊社が世界で初めて発見した、銅を添加した「銅ドープ酸化チタン光触媒」を利用することです。この成分は、今現在のところ、室内の明かりでも高い防カビ効果を発揮することが知られています。
他社から、いろいろな成分の光触媒が販売されています。例えば、銀や窒素、亜鉛などを添加したものがあります。室内では、それらのどの成分よりも銅ドープ酸化チタンの方が、数倍効果が高いことを、弊社の試験で確認しています。
室内の明かりでも光触媒の効果を発揮するものを、可視光応答型光触媒と言います。そして、酸化チタンを使った最も効果の高い可視光応答型光触媒が、弊社が開発し特許を取得した、銅ドープ酸化チタンです。
直射日光の当たる箇所はプライマーを塗装してもらうこと
酸化チタンは、紫外線で強力な光触媒の効果を発揮します。そして、カビ菌や汚れの成分などの有機物を強力に分解してくれます。すると、室内でも太陽の光が射しこんで、紫外線が当たる部分では、壁の成分を劣化させてしまう恐れがあるわけです。
窓際を光触媒の防カビコーティングをする場合は、何か対策をしなければいけません。
そこで、弊社では「プライマー」と言われる下地剤を開発しました。この下地剤を下塗りしておくと、アナターゼ酸化チタンが壁面に直接触れないので、そこに紫外線が当たっても壁面を劣化することを防いでくれます。
このようなプライマーも塗装してくれる業者に依頼することで、強力な防カビ効果のある光触媒コーティング塗装ができます。
プライマーは開発が難しいので、プライマーの開発ができない光触媒メーカーは、酸化チタンの量を減らしたり、別の成分を混ぜたりして、効果を下げたコーティング剤を販売しているところもあります。そういった防カビコーティング剤を塗装してしまったら、先ほど解説したように、クレームになります。
光触媒の防カビコーティング剤は、酸化チタンの可視光応答型光触媒を用いていること。そして、プライマーを扱っていること。さらには、防カビコーティングを自分で行うのではなく、専用の塗装スプレーで施工してもらえる業者に施工してもらうことが大事です。
内装の光触媒コーティングならイリスの業務用光触媒製品
弊社が取り扱う製品で、内装の防カビコーティングをする場合には、次の業務用製品をご利用ください。
一般のお客様で新築住宅の防カビコーティング塗装を依頼したい方は、弊社の施工代理店をご利用ください。新築一戸建てを防カビコーティングしたい方は、新築一戸建ての光触媒コーティング施工代理店を、新築マンションの方は新築マンションの光触媒コーティング施工代理店をご覧ください。
また、内装塗装をされている業者様で、弊社の業務用光触媒製品を用いたい方、光触媒施工の新規事業を立ち上げたい方は、お気軽にご相談ください。弊社では、御社の事業拡大のために、次のようなサービスをご提供しています。
- 施工講習会や販売講習会の開催
- チラシなどの販促ツールのご提供
- 集客ホームページ制作支援
- 集客ホームページ制作支援
- エンドクライアント様へのアンケートや電話対応などのフォロー
施工代理店募集のご案内は、光触媒コーティング施工代理店募集のご案内をご覧ください。
光触媒コーティングのことなら、弊社までお気軽にご相談ください。
この記事の著者/責任者
株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。