
湿っぽい場所に建つ建物の外壁には、コケが発生することがあります。
特に、コンクリート外壁にコケが発生することが多いと思います。
戸建て住宅のサイディングでも、地面がいつも湿っている場所は、腰の高さくらいまで、コケが発生することがあります。
白い外壁だとコケの緑色は目立ちやすいですし、ホテルなどの施設ではコケが汚れに見えて売上に影響があるかもしれません。
そういった外壁に発生するコケ対策には、コケ落とし専用の薬剤もあれば、光触媒コーティングもあります。
この記事では、光触媒コーティングによるコケ対策をするときに、外壁のコケ対策で酸化チタンでは対策できない場所があることや、酸化チタンでは効果がない場所はどうしたらいいのかを、お伝えしたいと思います。
光触媒コーティングのメリット
外壁に発生したコケを薬剤で取り除く場合は、その効果が一時的もしくは短期間であることが多いです。
それに対して光触媒コーティングによるコケ対策は、弊社の製品であれば最長10年以上も効果が持続することもあります。
光触媒とは、光が当たるとコケや胞子を酸化分解する性質があります。そして、それらを酸化分解しても、光触媒自体は劣化しませんから、外壁に光触媒成分が付着し続けると、効果が半永久的に継続します。
このように、効果が長期間にわたって持続することが、光触媒コーティングのメリットです。
酸化チタンの性質
光触媒成分には、いろいろな種類があります。酸化チタンは、光触媒コーティングでもっとも多く利用されている成分です。
酸化チタンには、いくつかの結晶構造があり、光触媒としてはアナターゼ型と言われる結晶構造の微粉末が利用されています。(それを、アナターゼ酸化チタンとも言われますが、以下、アナターゼ酸化チタンについて解説します。)
さて、光触媒は光が当たるとコケを酸化分解する性質が出ますが、酸化チタンは光の種類の中でも紫外線が当たると効果を発揮します。なぜ、紫外線が当たることで効果が出るのかは、「光触媒加工をすると何と反応して抗菌・消臭効果が出るのか?」をご参照ください。
そのため、酸化チタンを使った光触媒コーティングを外壁に利用すると、直射日光が当たる箇所でないとコケ対策ができません。なぜなら、日陰の場所は紫外線がほとんど当たらないため、酸化チタンが効果を発揮しないからです。
直射日光が当たらない場所のコケ対策の方法
光触媒コーティングはコケ対策の効果が長期間持続するというメリットがあります。ところが、直射日光が当たらない場所は、酸化チタンでは効果がありません。
そこで、日陰になってしまう場所のコケ対策は、できないのでしょうか?
実は、直射日光が当たらなくても、ある程度の明るい光があればコケ対策ができる光触媒の種類があります。その光触媒とは、銅ドープ酸化チタンです。
銅ドープ酸化チタンとは、特許製法にてアナターゼ酸化チタン結晶の表面に酸化銅を結合させた成分です。
酸化チタン単体だと紫外線が当たらないと効果がありませんが、銅ドープ酸化チタンは青色やシアンといった可視光でも効果があります。つまり、直射日光が当たる場所はもちろんのこと、ある程度の明るさがあれば、コケ対策ができます。
直射日光が当たる外壁は酸化チタンが最適ですが、直射日光が当たらない日陰になる外壁は銅ドープ酸化チタンをご利用ください。
| 直射日光が当たる外壁 | 酸化チタン |
|---|---|
| 日陰になる外壁 | 銅ドープ酸化チタン |
銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤は、イリス製品であれば、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)です。
製品名は「屋内用」となっていますが、屋外でも利用できます。
この製品は、もともとは紫外線がほとんど無い室内でも、抗菌や消臭といった効果のある光触媒コーティング剤として開発しました。
これを外壁に利用することで、日陰になる場所でもコケ対策ができるわけです。
| 光触媒成分 | 銅ドープ酸化チタン |
|---|---|
| 接着成分(バインダー) | アモルファス酸化チタン |
| その他 | 水 |
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の利用方法
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の利用方法は、専用のスプレー装置「ABAC(アバック)温風低圧塗装機」を利用します。次の写真は、ABAC温風低圧塗装機SG-91です。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗布できる外壁の材質
このスプレー装置のスプレーガンに液剤を充填して塗布します。塗布できる外壁の材質は、
- ペンキ塗装の外壁(看板を含む)
- サイディング(樹脂製、窯業系)
- 漆喰や珪藻土の外壁
- 石膏ボード
- タイル
- レンガ
- 石材
- 打ちっ放しコンクリート外壁
- 木材
基礎部分はコンクリートであることが多いですが、その部分にも利用できます。
施工の流れ
施工の流れは、簡単には次の流れで行います。
- 養生
- 洗浄
- 劣化防止剤の塗布
- 光触媒コーティング剤の塗布
すでにコケが発生している外壁は、まず高圧洗浄機や専用の洗浄剤などを用いてコケを取り除きます。街灯や屋外コンセントなどを養生して、洗浄を行います。
光触媒コーティング塗装をするときは、窓ガラスに養生をします。窓ガラスに光触媒コーティング剤がかかると、ガラス面を見る角度によっては虹色が出てしまうからです。
光触媒コーティング剤を塗布する前に、劣化防止剤を塗布します。劣化防止剤については、次にご説明します。
外壁の高い場所を施工する場合は、足場を設置する場合もあります。
下地の劣化防止
外壁に光触媒コーティングをする場合に、ご注意いただきたいことがあります。それは、光触媒による下地の劣化です。
有機物の外壁の劣化防止
効果の高い光触媒コーティング剤を塗布したときに、直射日光が当たる場所では、光触媒の効果が強く出てしまい、有機物の下地の劣化を早めてしまう恐れがあります。劣化と言っても、すぐにボロボロになるわけではなく、2~3年ほどで色あせしたり、変色したりします。
劣化防止方法は、外壁に光触媒コーティング塗装をする前に、あらかじめ劣化防止剤(プライマー)を塗布することです。


イリス製品であれば、屋外用プライマー(ASS01)です。
屋外用プライマー(ASS01)を塗布すべき材質は、主に次のような有機物の外壁です。
- ペンキを塗装してある外壁
- 樹脂系サイディング
- 木材
屋外用プライマー(ASS01)の塗布方法は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)と同様にABAC温風低圧塗装機を用いて行います。
コンクリート外壁の劣化防止
コンクリート外壁に光触媒コーティングをすると、光触媒による親水性の効果によって、コンクリートに水分が入り、中性化が起こりやすくなります。コンクリートが中性化すると、中の鉄筋が錆びて、コンクリートの浮きなどの劣化が起こりやすくなります。
これも外壁の色あせと同様に、すぐに中性化が起こるわけではなく、水分が入りやすくなります。
それを防止する方法として、光触媒コーティング剤を塗布する前に、あらかじめコンクリート用セラミックプライマーを塗布することです。

弊社でも、セラミックプライマーを販売しています。品名は、コンクリート用プライマーです。
セラミックプライマーをコンクリートの表面に塗布することで、コンクリートが水を弾くようになります。
すると、光触媒によって引き寄せられた水分が、コンクリート内にしみ込まないようになります。
セラミックプライマーの塗布は、ペイントローラーや刷毛で行います。
劣化防止の必要がない光触媒コーティング剤に注意
光触媒コーティング剤のメーカーによっては、「劣化防止が必要無い」という製品が市販されていることがあります。
そういった製品は、実のところ、光触媒の効果が弱いのです。
外壁用劣化防止剤は、製造がとても難しいので、技術力の低いメーカーは、苦肉の策として、光触媒の添加量を低く抑え、効果を弱めて販売しているところもあります。
劣化防止剤の塗布が必要なければ、施工費用が安くて済みますが、効果が無ければ本末転倒ですから、下地保護剤を開発しているメーカーの光触媒コーティング剤をご利用ください。
銅ドープ酸化チタンを使ったコケ対策施工のご依頼
銅ドープ酸化チタンを使ったコケ対策施工のご相談は、イリスまでお気軽にご連絡ください。
イリスでは、弊社製品を扱う施工代理店が全国にございます。
また、弊社の光触媒コーティング施工部では、福岡県、佐賀県、長崎県にてコケ対策施工を承っています。
コケ対策施工では、施工箇所によっては対応ができない場合もございますので、まずは弊社までご相談ください。

この記事の著者/責任者

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。
