
学校環境衛生基準では、学校のホルムアルデヒド濃度の基準は、「100μg/m3 以下であること」と定められています。
学校のホルムアルデヒド除去におすすめの方法は、銅ドープ酸化チタン光触媒による分解です。
この記事では、銅ドープ酸化チタンのメリットや効果の高さ、施工方法などを解説します。
学校のホルムアルデヒド濃度基準値
学校は、たくさんの生徒が学生生活を送る場です。学生さんの健康を守るためにも、ホルムアルデヒド濃度については、定期的に検査しておくべきでしょう。
学校の室内は、文部科学省によってホルムアルデヒド濃度の基準値が定められています。
文部科学省の学校環境衛生管理マニュアルに記載されている「学校環境衛生基準」では、ホルムアルデヒド濃度の基準は、「100μg/m3 以下であること」と定められています。
100μg/m3とは、教室の空気1m3の中に含まれるホルムアルデヒドの質量が100μgです。25℃であれば、0.08ppmです。
また、トルエンについては、毎学年1回定期に行うこととなっています。
これらの数値は、厚生労働省が定める住宅の指針値と同じです。(厚生労働省ホームページ「室内空気中化学物質の室内濃度指針値について」を参照)
ホルムアルデヒド濃度の測定方法は、地方自治体が明確に定めているので、各自治体にお問い合わせください。
ホルムアルデヒドはどこから発生するのか?
ホルムアルデヒドが発生するのは、樹脂接着剤、塗料といったものから揮発してきます。
例えば、次のような場所です。
- 印刷物
- 机
- パソコンやOA機器、家電製品
- 什器類
- ワックス
パソコンを使う部屋、内装工事をした部屋などでは、ホルムアルデヒド濃度が高くなりやすいです。もちろん、ホルムアルデヒド以外の濃度も高まることもあります。
リフォームでは、「シックハウス対策」としてF☆☆☆☆(フォースター)の建材を利用すると思います。しかし、F☆☆☆☆の建材も、ホルムアルデヒドがゼロというわけではありません。また、ホルムアルデヒドがゼロであったとしても、他の化学物質が揮発していることが多いです。
ホルムアルデヒド除去
ホルムアルデヒドを除去する方法には、
- 換気
- 吸着
- 分解
この3種類が主なものです。基本的には、換気を行うことが大切です。しかし、教室の環境によっては、換気ができない場合も多いと思います。
吸着は、ホルムアルデヒドの吸着剤や活性炭などを用いる方法です。しかし、吸着量には限界があり、また教室全体に吸着剤を設置することは、現実的ではないので、あまり推奨できません。
ホルムアルデヒド除去には、光触媒による分解をおすすめします。
光触媒とは?
光触媒とは、光が当たると、ホルムアルデヒドを分解する性質を持つ物質です。光が当たり続ける限り、ホルムアルデヒドを分解し続ける性質があるので、ホルムアルデヒド除去におすすめ
光触媒の利用方法は、光触媒を使ったコーティング剤(光触媒コーティング剤)を、教室内全体に塗布する方法です。
吸着剤と比べて、次のようなメリットがあります。
- 交換の手間がいらない(メンテナンスフリー)
- 光が当たりさえすれば、ホルムアルデヒドを分解し続けてくれる(効果が半永久的)
光触媒に光が当たると、表面に電子が飛び出します。その電子が、空気中の酸素や水と反応して、OHラジカルを生み出します。
OHラジカルは、強い酸化力を持つので、ホルムアルデヒドに触れると酸化分解し、最終的に水と二酸化炭素になります。
しかも、光触媒はOHラジカルによって酸化分解されないため、光が当たり続ける限り、ホルムアルデヒドを分解し続けてくれます。
光触媒を使うと、このメカニズムで、ホルムアルデヒドを無害化できます。

光触媒の種類
光触媒には、いろいろな種類があります。ホルムアルデヒド対策用として利用される光触媒コーティング剤には、主に
- 酸化チタン
- 銅ドープ酸化チタン
- 窒素ドープ酸化チタン
- 酸化タングステン
このどれかが利用されています。
これらは、どれでも良いわけではなく、効果の高さが異なります。
これらの中でもっとも効果が高いものが、銅ドープ酸化チタンです。反対に、もっとも効果が無いものが酸化チタンです。
酸化チタンに効果が無い理由
酸化チタンは、アナターゼ型と言われる結晶構造のものが、光触媒として利用されます。それを、アナターゼ酸化チタンといいます。
アナターゼ酸化チタンは、紫外線が当たると、ホルムアルデヒドを分解する性質を持ちます。
ところが、教室で紫外線が当たる場所と言えば、窓際だけです。
他の箇所は、紫外線の反射光が当たるかもしれませんが、効果が弱まります。
また、教室を使用する時間帯は、直射日光が入ってくる時間帯だけとは限りません。また、曇りや雨の日は、効果が著しく弱まります。

銅ドープ酸化チタンとは?

銅ドープ酸化チタンとは、特許製法でアナターゼ酸化チタンの表面に酸化銅を結合させた、ナノサイズの微粒子です。
アナターゼ酸化チタン単体では、紫外線が当たったときでないと効果が出ません。
それに対して銅ドープ酸化チタンは、ナノサイズの酸化銅によって、効率よく電子が飛び出すようになるので、白色LEDや蛍光灯の光、昼間のある程度の明るさの可視光があれば、ホルムアルデヒドを分解できます。

銅ドープ酸化チタンによって、ホルムアルデヒドを分解できるかを試験しました。
テドラーバッグにホルムアルデヒドと空気を入れて濃度が25ppmとなるようにし、銅ドープ酸化チタンをコートしたアルミ板と、ブランクのアルミ板を入れて、それぞれ蛍光灯(40Wを2本、UV強度約2μW)を1m上から照射し、ホルムアルデヒドの濃度を30分毎に測定しました。
その結果が次の図です。ホルムアルデヒド濃度が下がっていることが判ります。

銅ドープ酸化チタンと他の光触媒との効果比較
また、銅ドープ酸化チタンは光触媒としての効果にナノサイズの酸化銅の触媒効果が加わるので、その相乗効果によって、効率よくホルムアルデヒドを分解できるようです。
そのため、明るさが200Lx(ルクス)ほどの薄暗い部屋では、他の光触媒と比べて、10~20倍ほどの効果があります。

銅ドープ酸化チタンならホルムアルデヒド以外も分解除去
ホルムアルデヒドは、揮発性有機化合物(VOC)の一種です。VOCの種類は、他にも100種類とも200種類とも言われています。
その中には、「光触媒では分解ができない」ということで知られている、芳香族化合物も含まれます。
芳香族化合物とは、ベンゼン基を持つ化学物質です。ベンゼン基は、炭素が強固に結合しているので、一般的な光触媒では分解ができません。
次の図をご覧ください。これは、アナターゼ酸化チタンに紫外線を照射して、芳香族化合物の一種であるトルエンの分解を試みた試験結果です。

アナターゼ酸化チタンは、紫外線が当たるとホルムアルデヒドを分解する性質を持ちます。ところが、ベンゼン基を持つトルエンは、分解ができません。
それに対して、銅ドープ酸化チタンはどうでしょうか?
上図に、銅ドープ酸化チタンで同条件にて試験した結果を重ねたものが、次の図です。

銅ドープ酸化チタンは、試験開始直後からグングンと分解して、濃度が下がっています。
トルエンについては、毎学年1回定期に行うことになっていますが、トルエン除去についても、銅ドープ酸化チタンは効果があります。
銅ドープ酸化チタンを利用するメリット
ホルムアルデヒド除去に銅ドープ酸化チタンを利用するメリットは、
- 数ある光触媒の中で効果がもっとも高いこと
- 白色LEDや蛍光灯の光でも、ホルムアルデヒドを分解してくれること
- 光が当たり続ける限り、ホルムアルデヒドを分解し続けてくれること
- ホルムアルデヒド以外のVOCガスも分解できること
銅ドープ酸化チタンの利用方法

銅ドープ酸化チタンの利用方法は、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤を、教室全体に塗布することです。
弊社製品は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)です。
この製品は、学校での使用に次のような理由で適しています。
- 有機溶剤を利用していない、完全な無機塗料
- 防炎規制がある場所でも、手軽に利用できる
ホルムアルデヒド除去を目的としているので、有機溶剤を使った光触媒コーティング剤は、利用できません。屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の成分は、
- 銅ドープ酸化チタン
- アモルファス酸化チタン
- 水
この3種類だけです。アモルファス酸化チタンは、非結晶の酸化チタンのことです。接着成分として添加しています。
ノンアルコール、無香料です。さらに、他社製品のように、フッ素樹脂や有機溶剤は、利用していません。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)が塗布できる材質
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、次のような素材に塗布ができます。
- 壁紙
- ペンキ
- コンクリート
- パーケット
- 石膏ボード
- Pタイル
- 漆喰
このように、さまざまな材質のものに塗布することができます。教室の壁や天井、床、ロッカーなど、教室全体に塗布しておけば、それだけホルムアルデヒドが銅ドープ酸化チタンに振れやすくなり、効果的です。
ちなみに、厨房に塗布しておけば、厨房の抗菌や抗ウイルス、防カビ、消臭といった効果もあります。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の施工方法
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の施工は、次の流れで行います。
- 什器や荷物の移動
- 塗布面の清掃
- 養生
- 下地保護剤の塗布
- 乾燥
- 屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の塗布
- 乾燥
- 復旧
養生(ようじょう)とは、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗布しない箇所に、ビニールシートやビニールテープで覆う工程のことです。
養生する箇所は、主に
- 照明器具
- コンセント
- ガラス
下地保護剤は、銅ドープ酸化チタンによって塗布面が劣化することを防ぐために塗布します。塗布する箇所は、直射日光が当たる箇所で、有機物の材質の箇所のみです。
下地保護剤や屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の乾燥時間は、夏は30分、冬は2時間です。乾燥している間に、隣の部屋を施工し、施工の生産性を高めます。
施工のご依頼
学校のホルムアルデヒド除去施工なら、銅ドープ酸化チタンのパイオニア、イリスにお任せください。
弊社は、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤のメーカーですが、施工技術も提供している関係ことから、施工も承っています。
弊社の営業エリアは、福岡県、滋賀県、長崎県ですが、弊社の業務用製品を扱う施工代理店が、全国にございます。
弊社までご連絡をいただけましたら、お近くの施工代理店をご紹介いたします。

この記事の著者/責任者

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。
