PRODUCTS EXPERIMENT
光触媒コーティング剤のT4ファージ抗ウイルス試験
佐賀大学農学部の研究室にて、T4ファージのブランク、ならびにT4ファージを屋外用光触媒コーティング剤（BX01）や酸化チタンに銅を添加した屋内用光触媒コーティング剤（BX01-AB1）を塗布したタイルに落とし、ブラックライト、蛍光灯、暗所でT4ファージの抗ウイルス効果を比較試験していただきました。
※ この試験結果は、あくまでも試験での効果ですので、効果を保証するものではありません。
試験の条件
試験材料
- 使用培地：Meat Extract 1.0%、Polypepton 1.0%、Yeast Extract 0.3%、NaCl 0.5% Agar1.5%
- 室内の明るさ：20μW/cm2（薄暗い）
- ブラックライト：300μW/cm2
- 蛍光灯：20μW/cm2
- 暗室：0μW/cm2
実験方法
- サンプルを滅菌シャーレにおいた。
- 2.0×105CFU／mLの菌液を100μLチタンコーティングしたタイル上に落とした。
- サンプルは室温で0、15、30分、ブラックライト、蛍光灯、暗所で反応させた。
- 各時間ごとに菌液を洗浄し、回収した。
- 回収した菌液を100μLとT4ファージ液を混合し、重層法で行った。
- 15時間・37℃培養後、コロニーカウントを行った
ブラックライト（紫外線）下での試験結果
CFUとは、菌のコロニー形成単位です。ブランクは、何も塗布していないものです。時間の経過とともにブランクよりもCFUの数値が減っていると、T4ファージに対する抗ウイルス作用があると言えます。
試験結果を確認しましょう。試験開始から30分後を比較すると、ブランクはほとんどT4ファージが減っていませんが、酸化チタンのみの屋外用光触媒コーティング剤（BX01）はほとんどゼロに減っています。酸化チタンに銅がハイブリッドされている屋内用光触媒コーティング剤（BX01-AB1）は、T4ファージが検出されませんでした。
蛍光灯下での試験結果
同様に蛍光灯下での比較試験結果を見ましょう。蛍光灯では、酸化チタンが光触媒効果を活性化させる紫外線量が少ないので、T4ファージの抗ウイルス効果も低いことが予想されます。
ブランクでは、ブラックライトと同様にほぼ自然にウイルスが減っていっている状態です。屋外用光触媒コーティング剤（BX01）の30分後の結果は、T4ファージが1/10程度に減少しています。ブラックライト（紫外線）と比べたらT4ファージの抗ウイルス効果が低いですが、抗ウイルスできていると言えます。
屋内用光触媒コーティング剤（BX01-AB1）は、30分後にはT4ファージの数が約1/50に減少しています。蛍光灯下でも、紫外線に反応しやすいBX01よりも、可視光応答型のBX01-AB1の方が抗ウイルスの力が強いと言えます。
暗所での試験結果
この図は、暗所においての同様の試験結果です。蛍光灯下よりもさらに、抗ウイルスの効果が低いことが予想されます。
屋外用光触媒コーティング剤（BX01）は、T4ファージの数が1/4程度に減少しました。屋内用光触媒コーティング剤（BX01-AB1）は、暗所においてもT4ファージに対して抗ウイルス効果があるようで、30分後にはT4ファージの数が1/10以下に減少しています。
屋内用光触媒コーティング剤（BX01-AB1）は、地下室や暗い場所でも、T4ファージの抗ウイルス力があると言えます。