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ABAC温風低圧塗装機SG-91と光触媒コーティング塗装方法

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ABAC温風低圧塗装機SG-91と光触媒コーティング塗装方法

この記事は、これから光触媒コーティングを事業として始めたい方に向けて、光触媒コーティング塗装に最適な塗装機械、ABAC温風低圧塗装機SG-91を解説します。

光触媒コーティング塗装では、専用の塗装機械を用いますが、光触媒コーティング塗装をされる企業様には、ABAC温風低圧塗装機SG-91をおすすめしています。

もちろん他の機械でも光触媒コーティング塗装が可能ですが、ABAC温風低圧塗装機SG-91ですと塗装作業がしやすいので、作業効率を高めることができます。

弊社でもABAC製品を扱っており、ABAC温風低圧塗装機SG-91光触媒塗装セットを販売しています。どうぞご利用ください。

ABAC温風低圧塗装機とは?

最初にABAC温風低圧塗装機を解説します。

ABACとは?

ABACとは、呼び方は「アバック」です。ABACはドイツのメーカーで、空気圧機器メーカーです。主にコンプレッサーを製造販売しています。

弊社では、光触媒コーティングにABAC製の温風低圧塗装機の利用を推奨しています。

温風低圧塗装機とは?

温風低圧塗装機とは、温風で低圧のエアーが出てくる装置です。エアーが温風で出てくるので、冬場の塗装でも塗料が乾燥しやすくなります。

ABAC温風低圧塗装機は、スプレーガンの形状が特殊で、液剤を噴霧するときに、エアカーテンがそれを包むように噴き出ます。そのため、光触媒コーティング剤が飛び散ることを防いでくれるので、塗着効率が70%ほどと高くなり、光触媒コーティング剤のムダを減らします。

スプレーガンの特殊形状については、後述いたします。

ABAC温風低圧塗装機SG-91の外観

ABAC温風低圧塗装機SG-91の外観は写真の通りです。

ABAC温風低圧塗装機SG-91とスプレーガン

ブロアーユニット本体の大きさは、自転車のカゴに入るほどの大きさです。

本体にホースを差し込まれ、その先端にはスプレーガンが接続されています。ホースの長さは5mです。

スプレーガンの塗料カップに光触媒コーティングを充填し、電源をONにして、風量を調節し、スプレーガンのトリガーを引いたら、光触媒コーティング剤が噴霧されます。

ABAC温風低圧塗装機SG-91の魅力

弊社おすすめ、ABAC温風低圧塗装機SG-91の魅力に触れたいと思います。

SG-91ブロアーユニット(本体)の諸元

寸法(幅)300×(奥行)190×(高)280(mm)
本体重量4.2kg
動作電圧AC100V(50/60Hz)
消費電力450~1,130W
電源コード3m
絶縁二重絶縁
送風量最大2,300L/min
送風圧力最高0.0225MPa(0.225kgf/cm2)

電源は、コンセントの電源(電灯電源100V)を使用します。

オプション品と組み合わせて作業性を高められるSG-91

ABAC温風低圧塗装機にはいろいろな種類がありますが、SG-91は持ち運びが便利な小型タイプです。小型形状は、特に屋内での光触媒コーティング施工で役立ちます。

オプション品のキャリングハーネスを利用すると、SG-91を背負うことができます。

また、簡易圧送キットを利用すると、塗料が1L入るようになります。タンクを腰に装着でき、スプレーガンの塗料タンクを利用しなくても良くなるので、作業性が高まります。

写真のように、オプション品のキャリングハーネスと簡易圧送キットを組み合わせて利用することで、SG-91を背負い、大容量の塗料タンクを腰に付けて作業することができるので、作業性を各段に高めることができます。

オプション品のキャリングハーネスでABAC温風低圧塗装機SG-91を背負っている様子

スプレーガンの塗着効率は約70%

塗着効率とは、噴出した塗料が塗装面に付着する割合のことです。

ABAC温風低圧塗装機のスプレーガンの塗着効率は、30cmほど離して塗装すると、約70%です。一般的なスプレーガンでは、20~30%、高くても50%ほどですから、約70%の高さは魅力的です。

塗着効率が高い理由は、次の図のように、スプレーガンから噴霧される光触媒コーティング剤を包むように、エアカーテンも噴出されるからです。

ABACのスプレーガンから出るエアカーテンが光触媒コーティング剤を包み込み塗着効率が70%

塗着効率が高いと、それだけ光触媒コーティング剤をムダにしないで塗装ができるので、施工コストを下げることができます。

スプレーガンのパターン形状

スプレーガンのパターンとは、噴霧される液剤の形状です。スプレーガンの先端にあるフロースリーブを手で回転させて、即時にパターンを変更できます。フロースリーブはクランプナットで固定されているので、それを緩めて回転させます。

次の図をご覧ください。フロースリーブを縦にすると、スプレーパターンが横長になります。この状態ですと、スプレーガンを上下に振って塗装します。また、フロースリーブを横にすると、スプレーパターンが縦長になるので、スプレーガンを左右に振って塗装します。

ABACのスプレーガンのノズルパターン。フロースリーブの角度調整で横楕円形(縦吹き)、円形(丸吹き)、縦楕円形(横吹き)に変えられる

その中間の斜めにすると、スプレーパターンが円形になりますが、光触媒コーティングでは使用しません。

このように、塗装の方向が縦方向や横方向でパターンの形状を変更して行います。

ABAC温風低圧塗装機SG-91で光触媒コーティング塗装する方法

ABAC温風低圧塗装機SG-91を用いて、光触媒コーティング塗装する方法を解説いたします。お伝えしたいことは、次の4点です。

  • 小口径のスプレーノズルを用いる
  • 30cmほど離して1m/sの速度でスプレーする
  • 塗装方法
  • 使用後はスプレーガンやスプレーノズルを清掃する

小口径のスプレーノズルを用いる

光触媒コーティング剤は、粘性がとても低い塗料です。そのため、スプレーノズルの口径が大きいと液剤を噴霧し過ぎてしまい、均一で美しい塗装ができない場合があります。

スプレーノズルの口径は、φ0.3mm~φ0.5mmの小口径のものを利用することをおすすめします。

30cmほど離して1m/sの速度でスプレーする

光触媒コーティング塗装では、通常はスプレーノズルを塗装面から30cmほど離して行います。スプレーノズルが塗装面に近いと、「塗着効率が高くなるので良い」と考える人もいますが、均一な塗装をするためのスプレーガンの操作が難しくなります。

スプレーガンの移動は、30cmほどの距離を維持しつつ塗装面に対して平行移動させます。移動速度は、1m/sほどの速度が標準です。この速度を維持して塗装することで、均一な塗装ができます。

スプレーガンの正しい動かし方(平行移動)と間違った動かし方

光触媒コーティング塗装は、塗装されたかどうかを目で見ることが難しいですが、本当に薄く塗装するだけで効果があります。

塗装方法

スプレーガンは片手で持ち、塗装面に対して垂直に構えます。もう片手は、エアホースを持ち、エアホースが塗装面に接触しないようにすると、塗装がしやすいです。

スプレーガンの操作

スプレーガン操作は、次の図のように、左右に塗装した後に上下に塗装し、塗装面全体を塗装します。この縦横の塗装で1セットとします。ガラス塗装の場合は、この操作を1セット行います。それ以外の外壁塗装や室内の塗装などでは2セット行います。

光触媒コーティング塗装するときのスプレーガンの操作。左右の塗装後に上下に塗装する。

塗装面は目算で決める

たいていの塗装では、塗装面は広いので、何度かに分けて塗装をします。目算で、手の届く範囲の1.5m~2m四方の大きさを決め、そこに塗装していきます。塗装し終えたら、移動して次の目算の場所に塗装します。そのように連続して塗装し、壁面の全面を塗装していきます。

タイルのような面を塗装する場合は、タイルの継目が目印となるので、塗装箇所を決めやすいです。そのように、壁面の形状で塗装面を決める場合もあります。

縦横でパターン形状を変更する

縦横の塗装でのスプレーノズルのパターン形状は、横方向の塗装ではパターン幅を縦長に変更して行います。縦方向の塗装では、パターン幅を横長に変更して行います。

スプレーノズルのパターン形状は円形にでき、「パターン形状の切り替えをしなくても良くなる」と考えがちですが、円形ですと作業性が悪くなるばかりか、光触媒コーティング剤を塗装し過ぎてしまう場合があります。円形で使用することは、ほとんどありません。

スプレーガンの手の細かな動きについては、光触媒コーティング施工講習会にてお教えいたしますので、ご参加いただき習得なさってください。

使用後はスプレーガンやスプレーノズルを清掃する

塗装作業が終わったら、できればその日のうちにスプレーガンやスプレーノズルを清掃してください。特にスプレーノズルの清掃は大事です。

スプレーガンやスプレーノズルの洗浄液は、純粋を使用します。弊社では、スプレーガン用洗浄液(CW01)という名称で純粋を販売しているので、どうぞご利用ください。

スプレーノズルを清掃するときは、必ず孔に清掃針を通してください。光触媒コーティング剤は固化するので、スプレーノズルの孔を塞いでいく場合があるからです。

スプレーガンの清掃の流れや詳細は、「光触媒コーティング剤で使用したスプレーガンの洗浄方法」をご参照ください。

光触媒コーティング剤の塗装の方法やスプレーガンやスプレーノズルの清掃方法などを実地で学びたい方は、弊社にて開催している光触媒コーティング施工講習会をご利用ください。

以上、光触媒コーティング塗装に最適な塗装機械、ABAC温風低圧塗装機SG-91と光触媒コーティング剤の塗装方法を解説いたしました。

光触媒コーティング剤の種類別の塗装方法と注意点についての記事も、併せてご覧ください。

光触媒コーティング塗装の事業化をお考えの方は、ぜひABAC温風低圧塗装機SG-91をご検討ください。弊社では、ABAC温風低圧塗装機SG-91と光触媒コーティング用のスプレーノズルがセットになった光触媒塗装セットを販売しています。どうぞご利用ください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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