家の中で湿気の多いところや結露する場所には、黒カビが出ることがあります。毎年、冬から梅雨に掛けてのシーズンは、カビが多く発生してしまいます。
お風呂場は、季節を問わずにカビが発生しやすいです。浴室や洗面などの水回りや結露しやすい窓、湿気が溜まりやすいクロスなどはもちろんのこと、ロフトも湿気がこもりやすいので、カビが発生しやすいです。お風呂場やロフトは、手が届きやすいので掃除しやすいですが、天井や梁などの手の届きにくい高い場所にカビが発生すると、ご自身での掃除は大変です。
冷房のシーズンの食品工場では、エアコンフィルターやエアコン内部にカビが発生することを抑えたいものです。
そこでカビ対策として、内壁やエアコン内部などを防カビコーティングする方法があります。防カビコーティングに効果と耐久性があれば、毎年、掃除やカビ対策に奔走しなくてよくなります。
この記事では、光触媒による耐久性の高い防カビコーティングを解説いたします。
そもそも光触媒とは?
光触媒とは、光のエネルギーを受けると有機物を分解する効果が出る物質のことです。光触媒は、私達のような大きな体にはほとんど無害なのですが、カビや雑菌といった小さな細胞を分解して、その増殖を抑える働きがあります。
そのような効果のある光触媒を塗布することで、防カビコーティングができます。
光触媒の代表格と言えば酸化チタンです。チタンという金属の名前は聞いたことがあると思います。それが酸素と結びついた酸化チタンで、その中でも、結晶構造が「アナターゼ」といわれるものは、紫外線や紫色の光を受けると、カビの発生を抑える効果があります。
酸化チタンは、日焼け止めクリームや化粧品にも添加されるものですので、身体に安全で、防カビ効果がある優れものです。
ナノサイズの酸化チタンを液体に混ぜ込んで塗装することを、光触媒コーティングと言います。酸化チタンを塗装するので、「チタンコーティング」といわれることもあります。
また、弊社が開発した屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、酸化チタンが室内の蛍光灯などの光でも高い光触媒の効果が出るように銅を添加しています。
酸化チタンは銅を配合することで、蛍光灯の光でも高い光触媒の効果を発揮することを、弊社が世界で初めて発見し、特許を取得しました。
とあるメーカーの光触媒コーティング剤を利用されるようになった施工業者様は、「以前に他社の光触媒コーティング剤を利用していたが、カビが発生して頻繁にクレームになっていた。イリス製品を使用するようになってから、そういったクレームが一切発生しなくなった」と、喜びのお声をいただいたこともあります。
蛍光灯の光でも高い光触媒効果を発揮することは、防カビコーティングにとって重要性なことなので、後ほどご説明いたします。
光触媒コーティングの防カビ効果
なぜ他社メーカーの光触媒の防カビコーティングを利用したら、カビが発生してしまったのでしょうか?
光触媒コーティングは防カビ効果がありますが、室内の防カビでは「どのような光触媒コーティング剤でも効果があるとは限らない」ということをご説明したいと思います。
光触媒の原理
光触媒は、光のエネルギーを受けると酸素原子と水素原子が1つずつ結合したOHラジカル(ヒドロキシルラジカル)という物質がつくられます。その物質が有機物にくっつくと、その有機物が酸化して分解されてしまいます。最終的には、水と二酸化炭素などの無害なものに分解されます。
光触媒に光が当ってOHラジカルが発生し、そこにカビなどの雑菌が触れると、カビが酸化されて死んでしまうので、カビが増殖しなくなります。カビの細胞壁にOHラジカルが当たり、細胞壁が酸化されて、細胞が死んでしまうからだと思われます。
そのようにして、自宅の壁や窓の縁、カーテン、お風呂場などの結露しやすい場所に光触媒塗装をしておくと、カビの発生を抑制してくれるのです。
防カビ効果の高い光触媒の成分は?
光触媒として効果の高い成分は、酸化チタンです。酸化チタンが防カビの効果を発揮する光は「紫外線」です。紫外線は太陽光に多く含まれているので、太陽光が当たる場所では防カビの効果を発揮します。
カビが発生しやすい場所は、太陽光が当たらない場所ですので、「酸化チタンの光触媒では、効果がない」といわれています。
そこで、酸化タングステンなどの可視光でも光触媒効果のある成分を用いた防カビコーティングを利用しないといけません。
ところが、酸化タングステンは酸化チタンと比べて、光触媒の効果が弱いので、防カビの効果が期待できない場合があります。
酸化チタンに銅をハイブリッドした可視光応答型光触媒とは?
そこでおすすめの光触媒が、弊社が世界で初めて発見し実用化した酸化チタンに銅をハイブリッドした可視光応答型の光触媒です。
酸化チタンは、通常は紫外線や紫色の光にのみ反応するのですが、「銅ハイブリッド酸化チタン」の光触媒は、蛍光灯などの光でも光触媒の効果が発揮されるので、室内でも防カビ効果があります。
例えば、地下室や押し入れの中、倉庫、ゴミ置き場、普段閉め切っている別荘なども、防カビの効果があります。弊社製品を用いた光触媒塗装は、さまざまな場所で防カビコーティングとして利用ができます。
光触媒による防カビコーティングの耐久性
可視光応答型光触媒コーティングの防カビ効果の高さについては、ご理解いただけたことでしょう。しかし、耐久性が良くなければ、頻繁に防カビコーティングをすることになるので、コストが高くなってしまいます。光触媒コーティングの耐久性はどうなのでしょうか?
とある大手メーカーの製品は、「1年ほどで光触媒の効果がなくなって、カビが生えてクレームになった」と聞いたことがあります。
弊社製品は、室内の塗装では10年以上の耐久性があります。
その理由は、弊社製品には、光触媒の微粒子が壁に定着しやすくなる成分を添加しているからです。また、弊社製品の施工は、弊社から認定の受けた施工代理店が行います。施工代理店には、弊社が認定する光触媒コーティング施工技術者が所属しているので、正しく施工してくれます。
それらの組み合わせで、光触媒による防カビコーティングの耐久性は、基本的に10年以上持続します。
とある施工業者様から、「あまりにも耐久性があり、効果が長く持続するので、あまり儲けにならない」と笑いながらお叱りをいただいたこともありました。しかし、お客様からのクレームがないどころか、お客様から感謝されるので、その施工業者様は弊社製品をご利用し続けてくださっています。
光触媒による防カビコーティングは業者に依頼すべき?
光触媒による防カビコーティングを行いたい場所が、どういった場所かによって、業者に依頼すべきかが異なります。
ビジネスの場の防カビコーティング
厨房や食品工場などの、防カビが徹底される場所であれば、光触媒の防カビコーティング業者に依頼して施工をしてもらうべきでしょう。施工してもらいたい箇所が室内なのか室外なのか、光触媒コーティングをしてもらいたい場所によって、薬剤を変えないといけません。
薬剤の選定は、プロの見立てで行った方が良いと思います。なぜなら、外装塗装であっても内装用を利用した方が良い場合もあるからです。
施工を依頼される場合は、まずテストとして光触媒による防カビコーティングが効果的かどうかを、部分的に塗装して実験してから、施設全体に取り入れた方が良いと思います。効果のないものを全体に塗装してしまったら、泣き寝入りしかありません。
弊社や弊社の施工代理店では、屋内の光触媒コーティングを行うときは、ご希望のお客様にルミテスターと言って壁面の雑菌等の汚れを測定してから塗装し、塗装後にもう一度チェックを行っています。光触媒コーティングの前後の調査を行うことで、高い効果をご実感いただけます。
ご家庭での防カビコーティング
家庭用の防カビとして光触媒コーティングをしたい場合は、もちろん業者に依頼した方が効果的ですが、弊社の家庭用光触媒スプレー「アキュートクリーン」でも十分に防カビ効果があります。
塗装したい箇所を清掃して、すでにカビが発生している場合は、漂白剤を用いてカビを漂白・除去し、また次亜塩素酸などで除菌し、その場所を十分に乾かしてから、アキュートクリーンを塗布します。
防カビのためにアキュートクリーンを塗布する場合は、使用箇所にしっかりと塗布するようにしてください。二重に塗布することが、おすすめの塗布方法です。
業者に依頼すれば、専用の液剤で正しく防カビコーティングを行ってもらえます。その場合は、塗布面の荷物や棚などをあらかじめ自分たちで移動させておくと、施工費用が安くなることが多いです。
防カビコーティングの方法の一つとして、光触媒コーティングを解説いたしました。
光触媒による防カビコーティング塗装のご依頼は、弊社までお気軽にご相談ください。弊社の場所は佐賀県ですが、全国に弊社の施工業者がありますので、ご紹介させていただきます。弊社の光触媒コーティング剤を用いた防カビコーティング施工を行っている施工代理店一覧は、こちらのページをご覧ください。
また、弊社では施工業者の募集を随時行っています。
弊社では、光触媒コーティングの施工方法を学ぶことができる施工講習会を、随時開催しています。施工講習会にご参加いただけますと、施工代理店になることができ、弊社製品を卸価格で仕入れられるなどの、さまざまなメリットが得られます。光触媒コーティングを新規事業として取り入れたい企業様はぜひご連絡ください。
光触媒による防カビコーティングのことなら、弊社までお気軽にご相談ください。
この記事の著者/責任者
株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。