光触媒いろは

防カビコーティングとは?防カビの基本と種類

HOME / 光触媒いろは / 防カビコーティングとは?防カビの基本と種類
投稿日: / 最終更新日:
防カビコーティングとは?防カビの基本と種類

防カビコーティングとは、住宅の室内や外壁に発生するカビを防止する塗装のことです。

防カビコーティングにはいろいろな種類があり、防カビコーティング剤という名前のものは、透明な塗料を塗装します。

この記事では、住宅でカビが発生しやすい場所やカビ対策の方法など、住宅におけるカビ対策の基本を解説しつつ、防カビコーティングの種類や光触媒による防カビコーティングについて解説いたします。

住宅でカビが発生しやすい場所

住宅のトラブルの中で、カビは高い頻度で発生します。カビが発生しやすい場所は、水気の多い場所ですが、次のような場所で発生しやすいです。

  • お風呂場
  • キッチンの流し
  • 洗面台
  • 窓ガラスのパッキン
  • 壁紙

お風呂場やキッチンで、流し台では普段から水を使っているので、カビが発生しやすいです。

窓ガラスのパッキンは、窓ガラスが結露したときにその水分でパッキン部分にカビが発生しやすいです。10年も利用している窓ガラスであれば、ガラス部分やアルミサッシ部分にもカビが発生することもあります。

壁紙は、冬場であれば窓付近の冷えるところが結露してカビが生えたり、お風呂場の脱衣所の天井などでカビが発生することもあります。特に、締め切って換気していない部屋では、カビが発生しやすいです。

別荘や離れなどの普段利用しない家があれば、カビの温床になりやすいです。

カビの性質

カビは、湿気があれば何でも栄養にして発生します。

壁紙であれば、壁紙の成分を栄養としてカビが発生します。窓ガラスやアルミサッシであれば、カビの栄養源となるものは無さそうですが、水滴の中に含まれる成分を栄養にして発生しているのだと思います。

ガラスやアルミサッシはともかく、カビが発生すると、菌糸といわれる根を張ります。この根が残っていたら、表面のカビを除去しても、菌糸からまたカビが伸びてくるので、カビが再発しやすい状態になります。

ですから、カビが発生する前に対策することが大事です。

住宅のカビ対策の方法

カビの発生原因は、カビ菌や胞子が存在している状態のところに湿気があることです。しかも、そこに栄養があればカビが成長しやすい環境です。それらのどれかが無ければ、カビは発生しません。

カビ対策の基本

するとカビ対策は、次のようになります。

  • 湿気対策 ⇒ 換気や除湿
  • 栄養素対策 ⇒ 掃除
  • カビ菌・胞子対策 ⇒ 掃除や漂白、防カビコーティング

換気や除湿によって、部屋の相対湿度が60%以下になるようにすると、カビが発生しにくくなるようです。60%を超えるようであっても、換気をして部屋の空気を対流させてあげることで、カビ対策になります。

栄養素は掃除が基本ですが、壁紙自体がすでにカビ菌の栄養源ですから、掃除にも限度があります。カビ菌・胞子対策としての掃除や漂白は効果的です。しかし、天井や壁の高いところの掃除は、プロに任せることになります。

ハウスクリーニングか?防カビコーティングか?

プロに掃除を依頼すると、依頼する回数に応じて費用が高くなります。その費用を抑える方法として、防カビコーティングがあります。防カビコーティングの持続期間が長ければ、カビ対策でプロのハウスクリーニングに依頼する頻度が減り、経済的になります。

通常であれば、天井などにカビが発生してからハウスクリーニングに依頼することが多いと思います。なぜなら、まさか自宅の壁紙にカビが発生するとは、誰も思いません。新築住宅であれば、なおさらです。

カビが発生すると、カビが根付いてしまうので、ハウスクリーニングに依頼してカビを掃除してもらったとしても、また来年にはカビが再発することになると思います。

そうなる前に、新築のときに防カビコーティングをした方が得策です。

防カビコーティングを選ぶポイント

防カビコーティングを選ぶポイントは、次のようになります。

  1. そもそも防カビができるのか?
  2. 防カビの持続期間は何年か?

製品によっては、まったく防カビができずに、「半年ほどでカビが発生してしまった」という製品もあるほどです。

防カビ効果が高いものであっても、持続期間が短いものであれば、経済的ではありません。防カビの効果があり、なおかつ、その効果が持続する期間が長いものを選ぶことが大事です。

次に防カビコーティングの種類を解説するので、防カビの効果の高さや持続期間を考慮して、比較してください。

防カビコーティングの種類

防カビコーティングの種類を、成分で分類すると、主に次のようなものがあります。

  • 防カビ剤のコーティング
  • 無機系コーティング/フッ素系コーティング
  • 光触媒コーティング

他にも防カビコーティングの種類はあると思いますが、マイナーなものになります。

防カビ剤のコーティング

防カビ剤コーティングは、カビ菌が嫌がる成分をコーティングするものです。防カビ剤としては、金属イオンのものや化学物質、天然由来のものなど、いろいろな種類があります。金属系のものは、金属が溶けだしていくので、それが無くなったら効果は終わりです。

化学物質系のものは、身体への心配もありますが、効果は高いと思います。天然由来のものは身体に安心ですが、効果は低い可能性があります。

無機系コーティング/フッ素系コーティング

無機コーティングでは、湿気や栄養、カビ菌を遮断して、カビが発生しないようにするタイプです。

フッ素コーティングは、フッ素樹脂をコーティング塗装して、栄養源となる汚れやカビ菌などを壁に寄せ付けないようにするものです。

どちらも、汚れを防止してくれるのですが、壁が汚れないわけではありません。その代わり、汚れたら掃除ですぐに落とせると思います。

耐久性は、どちらも高いと思います。しかし、カビ菌を殺菌するようなものではありません。防カビ剤と組み合わせた製品もありますが、防カビ剤自体の持続期間は短いものが多いと思われます。

光触媒コーティング

光触媒は、光触媒成分をコーティングして、カビ菌や栄養源となる汚れを分解するものです。

光触媒コーティングは、防カビだけではなく、除菌や消臭、化学物質やアレルゲンの分解などもしてくれるので、防カビに併せて、様々な効果を得たい方にはおすすめです。

光触媒コーティング剤の効果と持続期間は、コーティング剤に使用されている光触媒成分や接着成分に大きく左右されます。

光触媒成分には、酸化チタン系のものと酸化タングステン系の2種類が、防カビコーティングで使用される主な成分です。室内で使用する場合は、可視光応答型光触媒といわれる、室内の光でも効果のある成分を選ぶことが必須となります。

光触媒成分が効果的なもので、接着成分が耐久性の高い光触媒コーティング剤を選べば、10年以上防カビ効果を持続してくれます。

光触媒の防カビコーティングの効果と持続期間

次に、光触媒による防カビコーティングで使用される、防カビ効果の高い光触媒成分と持続期間の長い接着成分について解説いたします。

室内でも防カビ効果の高い光触媒成分は?

防カビコーティングとして実用化されている光触媒成分の主なものは、次のものになります。

  • 酸化チタン
  • 銅ドープ酸化チタン
  • 窒素ドープ酸化チタン
  • 鉄ドープ酸化チタン
  • 酸化タングステン

これらの中で、室内でもっとも防カビ効果の高い成分は銅ドープ酸化チタンです。

酸化チタンは、紫外線にしか反応しないので、紫外線が多い屋外では絶大的な効果を発揮しますが、室内では防カビ効果はほとんどありません。外壁の防カビであれば、酸化チタンを使った防カビコーティングがおすすめです。

窒素ドープ酸化チタンや酸化タングステンは、室内の光でも効果があるのですが、銅ドープ酸化チタンと比べたら、かなり効果が劣ります。

とあるメーカーの酸化タングステン光触媒製品の試験データを確認したことがあります。そのデータでは、手術室ほどの明るさの光を照射して、「除菌ができた」と述べていました。手術室向けに販売しようとしていたのかもしれませんが、室内の光はその1/5ほどの明るさですから、防カビは難しいと言えます。

そして、残る鉄ドープ酸化チタンですが、「なぜこの成分が実用化されたのか?」と疑うほどの効果しかありません。市販されている鉄ドープ酸化チタン光触媒コーティング剤は、何か特別な成分が添加されて、効果が高いのかもしれません。

さて、銅ドープ酸化チタンは、室内の弱い光でも防カビ効果があるわけですが、他の光触媒成分には無い、特別な効果があります。それは、暗所でも防カビができるという効果です。

光が当たるともちろん防カビ効果が高まりますが、暗所でも防カビができ、さらには除菌や消臭、化学物質やアレルゲンの分解ができるわけですから、とても魅力的な成分となります。

光触媒成分は劣化しない

先ほど、防カビ剤は、成分が無くなってしまったら、防カビ効果が無くなるわけですから、持続期間が短いことを解説しました。銅ドープ酸化チタンを使った防カビコーティング剤を利用したとしても、持続期間が短ければ、利用するに値しません。

光触媒は、触媒といわれる所以があります。

触媒とは、それに触れたものを変性させる効果を持ちますが、触媒の素材そのものは変化しない性質があります。そして、光触媒とは光が当たると触媒の効果を発揮するものです。つまり、光触媒は成分が壁に付着し続けたら、防カビをし続けてくれる効果があります。

光触媒は完全に劣化しないとは言えませんが、一般的な使用条件であれば、半永久的です。光触媒成分を、強固な接着剤で壁面に接着できたら、防カビの効果が長期間持続します。

持続期間の長い接着成分は?

では、光触媒を付着させる接着成分は、どういったものなのでしょうか?

一般的な光触媒コーティング剤の接着剤(バインダー)には、アモルファス酸化チタンが用いられています。アモルファス酸化チタンとは、非結晶でナノサイズの酸化チタンです。これをゾル状にしたものを塗布すると、ほとんどの塗布面で強固に接着する性質を持ちます。

さらには、アモルファス酸化チタンは無機物ですから、光触媒によって自ら劣化することはありません。

銅ドープ酸化チタンとアモルファス酸化チタンを組み合わせた防カビコーティング剤は、防カビ効果が高く、持続期間も10年以上ととても長いものになります。

以上、防カビの基本や防カビコーティングの種類、光触媒コーティングによる防カビで効果が高く持続期間の長いものを解説いたしました。

最後にPRをさせてください。

銅ドープ酸化チタンを使った持続期間の長い防カビコーティングは、弊社が開発した屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を使っている塗装業者にご依頼ください。この光触媒製品は、世界で初めて銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤です。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を使っている塗装業者の一覧は、室内の光触媒コーティング施工代理店をご覧ください。

ご相談、ご依頼をお待ちしております。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

光触媒いろは一覧


ページトップ