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銅ドープ酸化チタンとは?室内でも高い光触媒効果を発揮

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銅ドープ酸化チタンとは?室内でも高い光触媒効果を発揮

光触媒の成分は、たくさんの種類があります。その一つに、表題にもなっている「銅ドープ酸化チタン」という成分があります。

この成分は弊社が世界で初めて発見し、光触媒を研究しているさまざまな大学や研究機関、企業で話題になりました。

ある研究者によると、「銅ドープ酸化チタンよりも強力な光触媒成分は、なかなか発見できないだろう」ということでした。

もし、銅ドープ酸化チタンよりも強力な光触媒が発見されたとしても、安価で身体にも安全で使い勝手の良い成分とは限りません。

この記事では、銅ドープ酸化チタンの意味や開発エピソード、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒製品をご紹介しつつ、銅ドープ酸化チタンの魅力に迫りたいと思います。

銅ドープ酸化チタンとは?

まず、銅ドープ酸化チタンの意味や製法、性質をご説明いたします。

銅ドープ酸化チタンの意味

銅は、10円玉の原料と同じ銅です。ドープとは、「添加した」「加えた」という意味です。酸化チタンは、チタンという金属を酸化させた光触媒成分です。つまり、銅ドープ酸化チタンとは、酸化チタンに銅を加えた成分です。

銅を加えた酸化チタン以外にも、窒素を加えた酸化チタンもあります。その成分は、窒素ドープ酸化チタンといいます。

銅ドープ酸化チタンの製法

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤の製法は、一般的なゾルゲル法を用いて、品質を高めるための工夫をして製造しています。その工夫には、一部に特許技術を用いています。詳しい製法はヒミツです。

弊社が銅ドープ酸化チタンを発見してから、20年以上が経過します。弊社で特許を取得したという理由もあるのですが、20年経過した現在でも他社の類似品はほとんど見かけません。

単純に銅を混ぜるだけであれば、光触媒メーカーであればできると思いますが、それを光触媒コーティング剤に仕上げることは、どうやら難しいようです。

他の光触媒メーカーからは、銅ドープ酸化チタンの製品をほとんど見かけませんので、製法の発見に苦労されているようです。弊社が製造した銅ドープ酸化チタンの原液を仕入れて、それを利用している光触媒メーカーもあります。

銅ドープ酸化チタンの性質

単なる酸化チタンではなく、「なぜ銅ドープ酸化チタンでないといけないのか?」ということですが、それは可視光活性の強度がポイントです。

酸化チタンは、光の波長が380nmよりも短い紫外線を受けることで、強力な光触媒効果を発揮します。「酸化チタンは、紫外線で光触媒活性する」ということです。

光触媒は有機物を分解したり、親水性の効果があったりしますが、有機物が分解できるということは、除菌や防カビ、消臭などの効果があるということです。

ところが、除菌や防カビ、消臭をしたい場所は室内がほとんどですので、紫外線が少ないため、酸化チタンは光触媒活性しません。そのため、「酸化チタンは、室内では光触媒の効果がない」と言われています。

そのような性質の酸化チタンですが、銅を添加した銅ドープ酸化チタンであれば、室内の蛍光灯やLED照明などの光でも光触媒活性し、かつ酸化チタンが紫外線の元で強力に活性化するのと同じように、強力な光触媒効果が出るのです。

室内を光触媒コーティングで、除菌、防カビ、消臭などをしたい場合は、「銅ドープ酸化チタンでないとほとんど効果は無い」と言えます。

銅ドープ酸化チタンを発見した経緯

弊社は、もともと農業関連の事業でスタートした会社です。その当時、「野菜の腐敗を止めることができないか?」というご相談をいただき、光触媒で野菜の熟成を促進させるエチレンガスの分解することを検討しました。

そして、酸化チタンと紫外線ランプを組み合わせた装置を開発し、エチレンガスを分解できました。

その直後に、「酸化チタンが、紫外線ランプが無くても室内の光で強力な光触媒活性が得られないだろうか?」と考えました。そして、光触媒メーカーの各社に相談したところ、「そのような成分は出来るはずがない」と一蹴されてしまいました。

そこで、「ならば自社で開発しよう」と思い至り、文献調査から始めました。酸化チタンを可視光活性させることは、世界で初めての試みでしたので、文献などあるはずがありません。

藁をもすがる気持ちで光触媒に関する論文を調べていたところ、海外の論文に「酸化チタンに何かを添加する」ということが書かれていたので、いろいろな成分を添加して実験してみることにしました。その後に、本当に山のような失敗を繰り返します。

実験を開始してから2年が経過し、資金も底をつき、諦めようかと悩んでいたときに、ふと「銅を添加したらいいのではないか?」とインスピレーションがありました。

銅は、抗菌性があり、しかも触媒としての性質もあるので「物は試しだ」ということで実験しました。なぜかすんなりと銅を光触媒ゾルに添加することに成功し、出来上がった成分で可視光応答試験したところ、可視光でも強力に活性することを発見してしまったのです。

この銅ドープ酸化チタンが可視光活性することを、特許を申請してから発表したところ、さまざまな研究所やメーカーから問い合わせが来ました。さまざまな研究機関が発表している、銅ドープ酸化チタンの実験結果の多くは、弊社製品を利用してくださっています。

弊社としても、銅ドープ酸化チタンの光触媒効果の高さは疑問だったので、さまざまな第三者機関に、抗菌効果、抗ウイルス効果、防カビ効果、防臭効果、さまざまな有機溶剤の分解効果、安全性などを試験してもらいました。

その結果、あらゆる試験で効果の非常なる高さが確認できました。

その試験結果に自信を持った弊社は、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒製品を次々とリリースしていきました。

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒製品

室内の光でも、とても効果の高い銅ドープ酸化チタンを使った光触媒製品は、用途に合わせて様々な種類がございます。

これら銅ドープ酸化チタンを使った液剤の製造の他にも、弊社では不織布に銅ドープ酸化チタンをコーティングしたり、活性炭の表面のみに塗装したりする技術などを有しています。お客様のご要望に合わせて、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒製品のOEM/ODM製造にも対応いたします。

以上、銅ドープ酸化チタンの意味や開発エピソード、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒製品をご紹介いたしました。

光触媒製品を試験されたい方は、試験用として特別価格で販売しております。また、光触媒製品や光触媒を使った装置の開発、OEM/ODM製造も承っています。弊社まで、お気軽にご相談ください。

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティングのご依頼は、弊社もしくは弊社製品を取り扱う施工代理店までご相談ください。施工代理店一覧は、こちらのページです。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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