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銀イオンと銅ドープ酸化チタンの消臭メカニズムの違い

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銀イオンと銅ドープ酸化チタンの消臭メカニズムの違い

銀イオンは、デオドラントに添加されている成分として、よく見かけます。

室内の消臭で、よくある勘違いとして、「銀イオンは消臭効果がある」と思っておられる方がいらっしゃいます。

「え?銀イオンで消臭はできないの?」と思われた方もいらっしゃることでしょう。

銅ドープ酸化チタンとは、光触媒(ひかりしょくばい)の一種で、消臭効果の高さと安全性が知られています。

この記事では、抗菌防臭と分解消臭や、銀イオンと銅ドープ酸化チタンの消臭メカニズムの違いについて解説いたします。

抗菌防臭と分解消臭

消臭方法にはいくつかの方法があります。主な方法としては、抗菌消臭(抗菌防臭)と分解消臭です。他にも、吸着やマスキングなどがあります。

抗菌防臭とは?

抗菌防臭とは、匂いの発生原因となる細菌類の繁殖を抑え、匂いが出ることを防ぐ方法です。

匂いが出ることを防ぐので、「防臭」という名称です。匂いを消すわけではありませんが、抗菌消臭と言われることもあります。

例えば、汗の匂いや生乾きの匂い、生ゴミや魚の生臭い匂いなどは、細菌類が原因と言われています。それらの匂いの発生を防ぐために、細菌類の繁殖を抑えるわけです。

分解消臭とは?

分解消臭とは、匂い成分を分解して、匂いの無い成分に分解する方法です。

例えば、加齢臭の匂いは「ノネナール」という物質です。これを酸化分解すると、水と二酸化炭素になります。水や二酸化炭素は匂いがありませんから、ノネナールを分解消臭したことになります。

銅ドープ酸化チタンとは?

ここで、銅ドープ酸化チタンとは何かをご説明いたします。冒頭では、光触媒の一種とお伝えしましたが、銅ドープ酸化チタンという名称を初めてお聴きになる方も多いことと思います。

銅ドープ酸化チタンの意味

まず、名称にある「ドープ」の意味ですが、元々は「添加した」という意味です。光触媒では、ドープの意味は「結合させた」という意味の方が適切です。

銅ドープ酸化チタンとは、アナターゼ酸化チタン結晶の表面に、酸化銅を結合させた成分です。「ドープ」の別名は「担持(たんじ)」といいます。ですので、銅ドープ酸化チタンの別名として「銅担持酸化チタン」ともいいます。

最近、少し有名になってきたのか、「銅ドープ酸化チタン」で検索回数も多くなってきました。

なぜ銅を添加しているのか?

一般的によく利用されている光触媒「酸化チタン」は、紫外線が当たらないと効果がありません。ですので、消臭といった室内での利用では、効果がありません。

そこで、酸化チタンが室内でも効果を発揮するように、別の物質をドープさせて、可視光でも応答させることができます。そのように、可視光で応答する光触媒のことを、可視光応答型光触媒(かしこうおうとうがたひかりしょくばい)といいます。

酸化チタンに別の物質をドープして、室内用として実用化されている光触媒の種類は、次のものがあります。

  • 銅ドープ酸化チタン
  • 窒素ドープ酸化チタン
  • 鉄ドープ酸化チタン

これらの中で、銅ドープ酸化チタンが室内でもっとも効果の高いことが知られています。

銅ドープ酸化チタンの効果

銅ドープ酸化チタンは、室内の光が当たることで表面に電子と正孔が出現します。それらが空気中の酸素や水と反応して、OHラジカルと言われる活性酸素を発生させます。

銅ドープ酸化チタンが室内の光でOHラジカルを発生させ、抗菌・消臭・化学物質の分解をするメカニズム

OHラジカルは、強い活性酸素ですから、それに触れるものを酸化分解する性質があります。

OHラジカルに細菌類が触れると、細菌類の表面の粘膜や鞭毛などの突起、細胞壁などを分解して、細菌類の活動を抑制したり死滅させたりすることができます。

また、匂い成分がOHラジカルに触れると、匂い成分を酸化分解し、水や二酸化炭素などの匂いの無い成分、もしくは匂いの弱い成分に分解され、消臭ができます。

そのような分解が行われても、銅ドープ酸化チタンは変質しませんから、銅ドープ酸化チタンに光が当たり続ける限り、抗菌や消臭をし続けてくれるわけです。

そのようなメカニズムで、抗菌防臭と分解消臭の両方ができます。

OHラジカルの安全性は?

OHラジカルは活性酸素ですから、「身体に安全なのだろうか?」と思われたことでしょう。もちろん、銅ドープ酸化チタンが危険なものであれば、そういったものは利用すべきではありません。

OHラジカルの半減期、つまり発生して半分に減るまでの時間は、0.000000001秒(1ns)ほどと言われています。ごく一瞬です。反応しなければ、すぐに水などに戻ります。

また、OHラジカルと身体のサイズを比べると、身体はとても巨大なものですから、小石と惑星ほどの差があるので、誤差にもならないと思います。

銀イオンの効果

さて、銀イオンの効果ですが、それは抗菌です。

銀イオンは、プラスの電荷を持っているので、細菌類の細胞に入り込むと、細菌類から電子を奪いタンパク質を変質させて、細胞分裂ができなくなったり、そのストレスで活性酸素が発生して死滅したりするそうです。

そのようなメカニズムで抗菌ができるようです。(詳細は、日本化学会「銀イオンや銅イオンの抗菌性」をご参照ください。)

銀イオンは、細菌類の抑制には効果があっても、匂い成分と反応はしませんから、匂い成分を分解することができません。

そのようなメカニズムで、分解消臭はできませんが、抗菌防臭のみができます。

銀イオンと銅ドープ酸化チタンの消臭方法の違い、まとめ

銀イオンと銅ドープ酸化チタンの消臭方法の違いをまとめると、次のようになります。

抗菌防臭分解消臭
銀イオン×
銅ドープ酸化チタン

「銅ドープ酸化チタンと銀イオンの抗菌力は、どちらが高いのか?」ということになりますが、おそらく紫外線や明るい光が当たる環境であれば、銅ドープ酸化チタンの方が、抗菌力が高い可能性があります。

夜などの薄暗い光の環境や、消灯した場所であれば、銀イオンの方が、抗菌力が高いです。

消臭ではありませんが、お風呂場といった明かりが少ない環境の防カビでは、銅ドープ酸化チタンのみを使ったコーティング施工では、防カビが難しいため、銅ドープ酸化チタンに銀イオンを添加したコーティング剤を利用します。

ともあれ、銀イオンは細菌類の繁殖を抑える防臭のみできますが、出てきてしまった匂いの消臭はできません。

服から出る匂いは、細菌類が原因となる匂いと、皮脂が酸化して出てくる匂いがあります。銀イオンは細菌類が原因となる匂いの防臭はできますが、皮脂が酸化して出てくる匂いの消臭はできません。

それに対して銅ドープ酸化チタンは、細菌類の繁殖を抑えつつ、出てきた匂いも分解消臭ができるので、高い消臭効果が期待できます。銅ドープ酸化チタンなら、細菌類と皮脂の両方の匂いを防ぐことができます。

服から出る匂いを消臭するなら銅ドープ酸化チタン

服から出る匂いの消臭なら、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒スプレーをおすすめします。

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒スプレー「アキュートクリーン」

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒スプレー「アキュートクリーン」

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒スプレーなら「アキュートクリーン」です。

銅ドープ酸化チタンを使っているので、細菌類が原因となる匂いも、皮脂が酸化して発生する匂いも、両方の匂いにアプローチします。

アキュートクリーンの成分は、銅ドープ酸化チタンと水だけの液剤ですから、アルコールフリーで無香料です。

スリムボトルですから、カバンに入れて持ち運ぶこともできます。

原材料酸化チタン、銅、水
アルコール無添加(ノンアルコール)
香料無添加(無香料)
容量200mL(600回ほどスプレー可)
価格2,200円(税込)

アキュートクリーンで消臭できる匂いの種類

アキュートクリーンで消臭できる匂いは、加齢臭や脇汗の匂いなどといった服の匂いだけではありません。次のようなものがあります。

  • タバコの匂い
  • 生乾きの匂い
  • カビの匂い
  • ペットの匂い
  • トイレの匂い
  • 介護の匂い
  • 香水の匂い
  • 焼肉やニンニクの匂い
  • 新築やリフォーム後の匂い
  • 新車の匂い
  • ホルムアルデヒドなどの化学物質の匂い

服だけでなく、部屋や自動車でもご利用いただけます。

匂いにお困りなら、抗菌防臭と分解消臭ができる、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒スプレー「アキュートクリーン」をお試しください。

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この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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