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酸化チタン光触媒コーティングが効果を発揮する場所とは?

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酸化チタン光触媒コーティングが効果を発揮する場所とは?

酸化チタンは、光触媒の成分としてもっとも利用されています。紫外線が当たることで、次の効果を発揮します。

  • 除菌
  • 防カビ
  • 消臭
  • ホルムアルデヒドなどのVOCの分解
  • 防汚(セルフクリーニング)

この記事では、酸化チタン光触媒コーティングが効果を発揮する場所やそこでの効果、外壁に酸化チタン光触媒コーティングするときの注意点、紫外線が当たらない場所でも酸化チタン光触媒に効果を発揮させる方法と銅ドープ酸化チタン光触媒の魅力を解説いたします。

酸化チタン光触媒コーティングが効果を発揮する場所

酸化チタン光触媒は、紫外線に反応して光触媒の効果を発揮する物質です。それをコーティング剤にしたものが、酸化チタン光触媒コーティング剤です。

酸化チタン光触媒コーティングが効果を発揮する場所は、紫外線が当たるところのみですから、次の2箇所になります。

  • 直射日光が当たる場所
  • 紫外線ランプを使用する場所

直射日光が当たる場所

直射日光が当たる場所は、もちろん屋外です。屋外で直射日光が当たる場所は、とても強い紫外線が当たります。そのため、酸化チタンが光触媒の効果を強く発揮します。

そして、光触媒コーティング塗装をする場所と言えば、外壁や看板、屋根、窓ガラスです。

それらの材質は、樹脂製の建材、漆喰、石材、ペンキなどの塗料、ガラスといったものです。酸化チタン光触媒コーティング剤は、それらの材質に塗装することができます。

紫外線ランプを使用する場所

直射日光が当たらない場所でも、紫外線ランプを点灯させ、紫外線を照射したら、光触媒の効果を発揮します。紫外線ランプは、ネット通販でも購入ができるものです。紫外線を照射することで、酸化チタンが活性化し、光触媒の効果が得られます。

直射日光は屋外のみに限定されますが、紫外線ランプを使用すると、どこでも光触媒の効果を得ることができます。

室内はもちろんのこと、ダクトやチャンバーの中、水中でも光触媒の効果を得ることができます。

酸化チタン光触媒で得られる効果とは?

直射日光が当たる場所、紫外線ランプを照射する場所それぞれで、酸化チタンに期待する効果が異なります。

直射日光が当たる場所での効果

直射日光が当たる場所では、外壁や窓ガラスといった場所に期待する効果は、次のものです。

  • 防汚(セルフクリーニング)
  • 防カビ
  • コケ防止

防汚(セルフクリーニング)

防汚とは、壁や窓ガラスなどの汚れを防止するものです。セルフクリーニングとは、光触媒の効果によって、汚れが雨水で流されていって、勝手に汚れが落ちていく効果のことです。

酸化チタンは、紫外線を吸収すると強い酸化力が出ます。それにより壁面に付着した汚れを分解します。そして、親水性の効果によって、雨水と壁面が馴染んで、汚れの間に入り込み、汚れが落ちていく仕組みです。

防カビ・コケ防止

酸化チタンは、紫外線を吸収して発揮する酸化力によって、微細な有機物を分解します。

湿気っぽい外壁や漆喰壁は、カビや苔が発生することがあります。カビや苔は微細な有機物ですから、酸化チタンの酸化力によって酸化され、分解されていきます。

その効果によって防カビ・コケ防止ができるのです。

紫外線ランプを使用する場所での効果

紫外線ランプを使用できれば、どこでも酸化チタン光触媒を活性化させることができます。

空気の除菌・消臭

空気ダクトやチャンバー、エアフィルターなどに酸化チタン光触媒をコーティングすることで、空気の除菌・消臭、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドの分解ができます。

ただし、トルエンやキシレン、スチレンなどのベンゼン環を持つVOCの分解は、紫外線を照射しても難しいようです。光触媒でVOCを分解をするなら、酸化チタンではなく銅ドープ酸化チタンを用いるべきです。また、銅ドープ酸化チタンに紫外線ランプを組み合わせると効果的です。光触媒によるVOCの分解については、「揮発性有機化合物(VOC)を分解できる光触媒成分とは?」をご参照ください。

酸化チタンコーティングをしたら、紫外線が当たらないと効果がありませんから、「室内に紫外線ランプを設置したらいいのでは?」とお考えの方もいらっしゃいます。そうすると室内でも効果が出ますが、紫外線ランプを点灯していると、紫外線が人体にも悪影響を及ぼす可能性があるので、あまりおすすめできません。

水質浄化

また、水中のフィルターに酸化チタン光触媒コーティングをして、紫外線を照射すると、水中の雑菌や苔類、微生物、有機物などを分解することができ、水質浄化や消臭ができます。

屋外の装置では、紫外線ランプと太陽光を組み合わせることもできます。

光触媒による水質浄化については、「光触媒による水質浄化の方法と水質浄化装置の検討」をご参照ください。

外壁に酸化チタン光触媒コーティングするときの注意点

外壁に酸化チタン光触媒コーティングをするときに、1つ注意点があります。それは、酸化チタン光触媒によって、塗料が劣化するということです。

塗装面の塗料を分解しチョーキングが発生する

酸化チタン光触媒は紫外線を吸収すると、高い光触媒効果を発揮します。そして、直射日光が当たる場所では、その効果も飛躍的に高くなります。その光触媒効果によって、有機物を分解してしまうのです。

外壁に塗られた塗料は、ほとんどのものが有機物でできています。つまり、光触媒の効果によって塗料が分解されて、劣化するのです。

塗料が劣化したら白い粉のようなものが表面に付着します。そこを手で触ると、手が白くなります。色あせた看板、屋外プールの水色の塗料が塗られた部分を触ると、白い粉が付着してしまいますが、それは太陽光による劣化です。

そのような現象のことを、チョーキングといいます。酸化チタン光触媒は、塗料の劣化を早めてしまい、チョーキングが発生しやすくなります。

酸化チタン光触媒による劣化を防ぐ方法

上記のような酸化チタン光触媒による劣化を防ぐ方法もあります。それは、光触媒コーティング塗装をする前に、下地剤を塗装することです。下地剤を先に塗って、下地の塗料と光触媒コーティング剤に含まれる酸化チタンが、直接触れないようにするのです。

そのような下地剤のことを、プライマーといいます。プライマーには、次の性能が求められます。

  • 酸化チタン光触媒によって分解されない成分であること
  • 塗装面に強く固定され、酸化チタン光触媒をも強く固定すること(耐久性が高いこと)
  • 経年劣化しにくいものであること

光触媒コーティングの業者選びでの注意点

プライマーの開発は、いろいろと難しいものがあります。

プライマーを開発する技術のない光触媒メーカーは、光触媒コーティング剤の効果を抑えた製品で対応しているところもあります。光触媒の効果を抑えてしまったら、光触媒コーティング塗装をする意味が無くなってしまいます。

また、メーカーによっては、プライマー自体が劣化するものを発売しているところもあり、5年ほどで下地の塗料を劣化させるものもあります。

外壁に光触媒コーティングをするときは、光触媒コーティング剤の効果の高さと、プライマーの性能の高さの2点に注意することが大切です。

弊社のプライマー製品については、「屋外用プライマー(ASS01)」をご覧ください。

酸化チタンに効果がありそうでない場所とは?

酸化チタンが光触媒の効果を発揮しそうで、実は発揮しいくい場所があります。その代表的な場所は、自動車の車内と直射日光が入る部屋です。それぞれその理由を解説いたします。

自動車の車内

酸化チタン光触媒は、紫外線が当たることで効果を発揮しますから、直射日光が当たりやすい自動車の車内では、除菌や消臭、防カビができそうです。しかし、自動車の窓ガラスは紫外線防止ガラスが使用されています。

一般的には「紫外線が90%ほどカットされる」とされていますが、中には99%カットするものもあります。太陽光の光は確かに強いですが、紫外線が90%や99%もカットされてしまったら、酸化チタンの効果が本来の10%や1%に下がってしまいます。

自動車の車内には、可視光でも反応しやすい光触媒成分、「可視光応答型光触媒」を用いることが必須となります。おすすめの成分は、後ほどご紹介しますが、銅ドープ酸化チタンです。

自動車の車内でも効果のある光触媒成分については、「車内の光触媒コーティングで効果があるのは可視光応答型光触媒」もご参照ください。

直射日光が入る室内

住宅の室内は、蛍光灯やLED照明からはほとんど紫外線が出ていませんから、酸化チタン光触媒は効果がありません。ところが、窓から直射日光が入る部屋では、多少なりとも効果があると思います。

しかし、窓から入る紫外線が当たる箇所は、カーテンです。カーテンに酸化チタン光触媒をコーティングしておけば、直射日光が当たる時間帯だけ、除菌や消臭の効果を発揮します。それ以外の時間は、まったく効果がありません。

一時的に除菌や消臭ができたとしても、その時間帯には部屋に人が居ないこともあります。部屋全体を除菌・消臭したいのであれば、夜にも触媒の効果を発揮する成分を使った光触媒コーティング剤を選び、それを部屋全体にコーティングすることが大事です。

室内でも効果の高い光触媒コーティング剤をお探しの方は、「室内でも効果の高い光触媒コーティング剤とは?」もご参照ください。

紫外線が当たらない場所でも
酸化チタン光触媒に効果を発揮させる方法

酸化チタン光触媒は、紫外線が当たらないと、光触媒としての効果を発揮しないことを述べました。その酸化チタンを、紫外線でなく可視光を当てても効果を発揮させる方法があります。

その方法とは、酸化チタンに別の成分を添加することです。

今現在、酸化チタンに添加することで可視光応答をする成分は、主に次のものが知られています。

  • 窒素
  • 炭素
  • 白金
  • ニッケル
  • 亜鉛

これらの中で、可視光で最も光触媒の効果を発揮するものは、「銅」です。銅を添加した酸化チタンのことを、「銅ドープ酸化チタン」といいます。

可視光下における銅ドープ酸化チタンの除菌・消臭効果の高さは、他の光触媒成分と比較しても、数倍以上の効果を発揮することが知られています。

また、銅ドープ酸化チタンは、他の光触媒成分には無い、驚くべき性質があります。それは、暗所でも触媒効果を発揮することです。暗所では、銀イオンの入った除菌・消臭スプレー、デオドラントスプレーなどが市販されていますが、銅ドープ酸化チタンの方が除菌・消臭効果が高いようです。

このようなことから、室内の除菌・消臭をしたいなら、室内に酸化チタン光触媒コーティング塗装をして紫外線ランプを点灯させるよりも、銅ドープ酸化チタン光触媒コーティング塗装をした方が効率的だと言えます。

銅ドープ酸化チタンの詳細は、「銅ドープ酸化チタンとは?室内でも高い光触媒効果を発揮」をご参照ください。

以上、酸化チタン光触媒コーティングが効果を発揮する場所やそこでの効果、外壁に酸化チタン光触媒コーティングするときの注意点、紫外線が当たらない場所でも酸化チタン光触媒に効果を発揮させる方法と銅ドープ酸化チタンの魅力を解説いたしました。

酸化チタン光触媒をご家庭で利用される場合は、屋外のみに限定となります。室内の除菌・消臭、防カビをしたい場合には、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤をご利用ください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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