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酸化チタンの光触媒コーティング

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酸化チタンの光触媒とは?

酸化チタンの光触媒コーティング

酸化チタンとは、金属であるチタンが酸化したものです。酸化チタンにはいろいろな結晶構造のものがありますが、その中でもアナターゼと言われる結晶構造のものは、光触媒としての効果が高いことで知られています。

酸化チタン(アナターゼ)は、紫外線や紫色の光のエネルギーを受けることで、OHラジカルを発生させる性質があります。OHラジカルに触れた有機物は酸化します。つまり、有機物である雑菌や微生物、カビなどの真菌類、ウイルス、臭いの元となる物質、有機系の化学物質を分解することができます。

酸化チタンは、日焼け止めクリームや化粧品など、肌に使用するものにも含まれている金属ですので、身体には無害とされています。

光触媒は、強力に除菌や病カビ、消臭、有機化合物の分解をしてくれて、なおかつ人の身体にとって安全です。

以下、光触媒コーティングについて、次の目次に沿ってご説明いたします。

光触媒コーティングとは?

光触媒コーティングとは、上記のような性質を持つ光触媒を、コーティング塗装することです。弊社では、光触媒を使ったコーティング剤を開発しておりますが、そういったものを塗装することです。

強力な光触媒の効果を持つ酸化チタンをコーティングすることができたら、塗装面には次のような効果が付与されます。

  • 除菌
  • 防カビ
  • 消臭
  • 防汚
  • 有機化合物の分解

これらすべての効果のある酸化チタンの光触媒コーティングは、さまざまな場所で利用されています。

光触媒コーティングの意味をもっと詳しく知りたい方は、「光触媒コーティングとは?」をご覧ください。光触媒の効果については、「光触媒コーティング塗装の効果とは?」をご覧ください。

酸化チタンの光触媒コーティングの用途例

弊社の光触媒コーティング剤が利用されている場所は、賃貸物件、ホテルの客室や厨房、飲食店、ビルやマンションなどの外壁や窓ガラス、学校や保育園、ペットショップの店内、ゴミ収集車、エアコンや空気清浄機のフィルターなど、多岐にわたります。

酸化チタンの光触媒コーティング塗装を厨房で行うと、厨房の除菌ができます。また、光触媒は有機物の汚れを分解する効果や親水性の性質があるので、油汚れなどが付着しても、光触媒コーティングをした場所は、清掃が容易になります。

室内やバスルームなどの結露しやすい場所は、黒カビが発生しやすいものです。そういった室内を光触媒コーティングすると、カビの発生を抑え、内装の痛みを防いでくれます。

外壁に光触媒コーティングをすると、外壁が汚れにくくなったり、汚れが付着したとしても雨水で簡単に洗い流され、外壁の美しさを保つことができます。

酸化チタンの光触媒コーティング剤の弱点と克服方法

強力な光触媒の効果を有する酸化チタンを用いた光触媒コーティング剤ですが、どのような薬剤を選んだら良いのか、薬剤を塗装するときの注意をご理解いただき、ご利用ください。

酸化チタンが光触媒コーティング剤そのものを分解する?

酸化チタンには、有機物や化学物質を分解する光触媒の効果がありますが、その効果によって、光触媒コーティング剤そのものを分解してしまう可能性があります。

酸化チタンを塗装したとしても、塗装面に付着したら、薬剤そのものを分解して、酸化チタンが剥離してしまって、塗装面の光触媒の効果がなくなってしまうのです。

そこで、弊社は光触媒コーティング剤に、塗装面に定着しやすく、また光触媒によって分解されない成分を添加しました。そして、酸化チタンの光触媒コーティングが塗装面に定着する耐久性を高めることに成功しました。

このように、光触媒コーティング剤が長期間定着するような、耐久性の高い光触媒コーティング剤を選ぶことが大事です。

酸化チタンの光触媒コーティング剤が塗装面を劣化させる?

次に、酸化チタンの光触媒コーティング剤を塗装が、塗装した壁面そのものを分解する可能性があります。

例えば、ペンキが塗られた場所に、直接、酸化チタンを用いた光触媒コーティングを塗装すると、ペンキが劣化して、白い粉が付着したようになります。このことを、チョーキングと言います。古いペンキの看板は、白くなりますが、そのような状態がチョーキングです。

ペンキはいずれ劣化してチョーキングを起こしますが、光触媒コーティング剤が劣化を早めてしまうのです。

外壁といった太陽の光が直接当たる箇所には、光触媒の効果が強く出てしまうので、弊社では光触媒コーティング塗装をする前に、塗装面を保護するために下地剤としてプライマーと言われる塗料を下塗りします。プライマーが、塗装面と光触媒コーティング剤を隔離してくれるので、塗装面が劣化することを防いでくれます。

酸化チタンは光の当たらない場所は光触媒効果がない!?

酸化チタンの光触媒コーティングは、紫外線や紫色の光が当たる場所であれば、除菌や防カビなどの効果を発揮しやすいのですが、紫外線や紫色の光が当たらない場所では、光触媒の効果がありません。

光が当たる場所でも、夕方の赤い光では光触媒の効果が下がってしまいます。

そこで、弊社の光触媒コーティング剤は、酸化チタンに銅を添加することによって、可視光線下や光の弱い場所や暗い場所であったとしても、光触媒の効果が発揮されるように改良し、酸化チタンの弱点を克服しました。

可視光線でも光触媒の効果が出るものを、可視光応答型光触媒と言います。酸化チタンに銅を添加した高い効果のある可視光応答型光触媒は、弊社が世界で初めて発見し、実用化しました。また、銅の成分によって、光が弱いところでも防カビや除菌などの効果が出ているようです。そのため、室内でも防カビの効果があるので、新築マンションの室内塗装などでもご好評をいただいております。

可視光応答型光触媒の製品の詳細は、「屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)」をご覧ください。

以上、酸化チタンの光触媒コーティングについて、効果や用途、弱点などをご説明いたしました。暗い場所でも光触媒の効果が出る、室内用の光触媒コーティング剤をお求めであれば、ぜひ弊社までご相談ください。また、光触媒コーティング塗装のご依頼も、お気軽にご相談ください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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