弊社や弊社の施工代理店では、室内の光触媒加工をしています。
そのユーザー様からのご要望で、「部屋の内装だけでなく、カーテンにも光触媒加工をしてもらいたい」と依頼される場合があります。もちろん、カーテンの光触媒加工にも対応しています。
カーテンを光触媒加工したい方の中には、「自分で光触媒加工をしたい」とご要望される方がいらっしゃいますが、カーテンの光触媒加工には専用の塗装機材が必要ですので、施工店にお任せいただくことになります。
カーテンを光触媒加工するのではなく、手軽に除菌・消臭するのであれば、光触媒のご家庭用除菌・消臭スプレー「アキュートクリーン」をご利用ください。
この記事では、部屋のカーテンの光触媒加工をご希望されるユーザー様はどのような準備が必要なのか、光触媒加工の施工業者は、カーテンをどのような手順で加工したらいいのかを解説いたします。
カーテンを光触媒加工する前の準備
カーテンの光触媒加工を依頼したら、施工日までに、カーテンを洗濯してください。
カーテンに汚れが付着していると、その汚れの上から光触媒コーティングすることになるので、汚れが分解されて落ちていくときに、光触媒コーティングも落ちてしまうからです。
光触媒コーティングの耐久性を高めるためにも、カーテンを洗濯し、汚れを落としておいてください。
カーテンを洗濯機で洗うときは、大型の洗濯ネットを利用すると、洗濯機によるダメージからカーテン地を守ります。
カーテンを干すときは、物干し竿に掛けて干しても良いのですが、よく脱水したカーテンをカーテンレールに掛けて、窓を開けておく方法でも乾かすことができます。
レースカーテンと遮光カーテンは、「どちらを窓側に掛けるのか?」ですが、どちらでもかまいません。一般的にはレースカーテンを窓側に、遮光カーテンを部屋側にすることになっています。
レースカーテンは白色ですので、光を反射しやすいため、「部屋が明るくなる」ということで、レースカーテンを部屋側に掛ける方もいらっしゃいます。
カーテンをどのように利用し、どのように光触媒加工するかによって、施工費用が異なります。
カーテンを光触媒加工する機材と材料
カーテンを光触媒加工する機材には、温風低圧塗装機と光触媒コーティング剤専用のスプレーガンを用います。
弊社では、温風低圧塗装機にはABAC社製のものを、スプレーガンのノズルはφ0.3mm~φ0.5mmといった小口径のものを利用することを推奨しています。ABAC温風低圧塗装機の電源電圧はAC100Vですので、ご家庭の電源を利用できます。
弊社にて、ABAC温風低圧塗装機や専用のスプレーノズルを販売しています。ABAC温風低圧塗装機の詳細は、ABAC温風低圧塗装機SG-91をご覧ください。
塗料は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)と屋内用プライマー(AS01)を用います。使用量の目安はそれぞれ50m2/Lです。カーテンの面積に合わせてご発注ください。
プライマーは、光触媒がカーテンを劣化させることを防ぐために利用する下地剤です。光触媒加工をする前に、プライマーを下塗りします。
カーテンにプライマーをしないで光触媒加工すると、カーテンの直射日光が当たる部分が劣化し、色あせしたり、カーテンから焦げたような臭いが出たりします。
カーテンを光触媒加工する手順
カーテンを光触媒加工する手順は、遮光カーテンを光触媒加工するときに、片面で良いのか、それとも両面したいのかによって異なります。
遮光カーテンの片面に光触媒加工する場合の手順
遮光カーテンの片面に光触媒加工する場合の手順は、次の通りです。
- 窓ガラスやサッシの養生
- レースカーテンのプライマー塗装
- レースカーテンの光触媒コーティング塗装
- 遮光カーテンの光触媒コーティング塗装
準備として、窓ガラスやサッシに光触媒コーティング剤やプライマーが掛からないようにするために、その部分を養生しておきます。
窓ガラスやサッシの養生を終えたら、レースカーテンのプライマー塗装から始めます。
カーテンの光触媒コーティング塗装は、それぞれ部屋側から塗装をします。
それぞれ塗装する面は、部屋側からのみ行います。レースカーテンは網目のようなものですので、塗装の勢いで塗料が裏側にも回り込みます。また、遮光カーテンは部屋側の面が汚れるので、そちらの面だけでかまいません。
遮光カーテンの両面に光触媒加工する場合の手順
ユーザー様から「遮光カーテンは両面を加工してもらいたい」とご依頼をいただくこともあります。その場合の加工手順は、次の通りです。
- 窓ガラスやサッシの養生
- レースカーテンのプライマー塗装
- レースカーテンの光触媒コーティング塗装
- 遮光カーテンの窓側をプライマー塗装
- 遮光カーテンの両面を光触媒コーティング塗装
遮光カーテンの窓側は直射日光が当たるので、レースカーテンと同様に光触媒によって遮光カーテンが劣化しないように、プライマーを先に塗装します。
このように、ユーザー様のご要望に応じて塗料の分量と施工の手間が異なるので、施工費用も異なります。お見積もりの段階で、ユーザー様に確認しておくことが大事です。
レースカーテンを部屋側に掛けるユーザー様の場合
レースカーテンを部屋側に掛けるユーザー様の場合は、レースカーテンに直射日光が当たらないので、「プライマーは必要ない」とお考えのユーザー様もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、プライマーの手間が減るのであれば、それだけ光触媒加工の費用が安くなります。
そのときに、レースカーテンをこれからもずっと部屋側のみに使用し続けるのかをご確認し、念押ししてください。何年か経過して、レースカーテンを窓側に掛けてしまうこともあるからです。
病院・医療用カーテンの場合
病院やクリニックなどで、ベッドを囲むための病院・医療用カーテンも、光触媒加工方法は他のカーテンと同じです。
直射日光が当たらない場所のカーテンであれば、カーテンを掛けたまま、両面を光触媒コーティング塗装してください。
直射日光が当たる場所のカーテンは、その部分をプライマー塗装して乾燥させてから、光触媒コーティング塗装をします。
以上、カーテンを光触媒加工したい場合の、ユーザー様や施工店の準備、光触媒コーティング剤やプライマーの塗装方法について解説いたしました。
カーテンの光触媒加工をご希望の方は、弊社までお気軽にご連絡ください。
この記事の著者/責任者
株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。