光触媒いろは

車に酸化チタンコーティングしても除菌・消臭効果が低い理由

HOME / 光触媒いろは / 車に酸化チタンコーティングしても除菌・消臭効果が低い理由
投稿日:
車に酸化チタンコーティングしても除菌・消臭効果が低い理由

車の車内を光触媒コーティングして、除菌・消臭をしている自動車メーカーが増えてきました。

車の車内は、掃除機を掛けられても洗浄ができないので、食べ物をこぼしたら臭いが出ますし、雑菌も繁殖しているはずです。

そのようなことで、光触媒コーティングの利用が増えてきました。

光触媒コーティング剤に用いられている光触媒成分には、酸化チタンや酸化タングステンなど、さまざまな成分が利用されています。

酸化チタンは、光触媒の効果が高いことが知られていますが、車の車内では、除菌・消臭効果は、とても低い場合があります。

その原因は、酸化チタンと車の窓ガラスの性質に原因があります。

また、酸化タングステンなどの酸化チタン以外の光触媒コーティングも利用されているようですが、効果のほどは今一つです。

この記事では、酸化チタンコーティングは、高い除菌・消臭効果で知られていますが、なぜ車には効果が低いのか、効果のある光触媒成分は何か、また弊社が大手自動車メーカーに卸している製品は、なぜ20年以上も採用され続けているのか、それらの理由をご説明します。

酸化チタンコーティングは車には効果が低い理由

最初に、車では酸化チタンコーティングの効果が低い理由を述べたいと思います。

酸化チタンが活性化する条件

光触媒は光エネルギーを受けることで、触媒の効果を発揮するものです。光触媒の効果を発揮する状態のことを、「活性化する」といいます。

光触媒に、どのような種類の光が当たると活性化するのかは、光触媒成分によって異なります。

例えば、光触媒の効果が高いと言われる酸化チタンであれば、紫外線が当たれば活性化します。それ以外の光では活性化しないので、除菌や消臭の効果はありません。

車は、直射日光が当たる場所にあるので、紫外線を多く含む太陽光の光が降り注いでいるわけですから、その光がそのまま酸化チタンコーティングに当たると、高い除菌・消臭効果が得られます。

車内の光は紫外線が少ない

では、車に酸化チタンコーティング施工をしたら、なぜ効果が無いのでしょうか?

それは、車内には紫外線が少ないからです。

自動車の窓ガラスは、ほとんどが酸化セリウムと酸化チタンが練り込まれた「UVカットガラス」が利用されています。UVは、ウルトラバイオレットの略で、紫外線のことです。それをカットするガラスですから、そのガラスを通る光から、紫外線が除去されてしまいます。

高性能な窓ガラスですと、「UVを99%カット」と謳っているものもあります。

紫外線が99%もカットされてしまったら、車に酸化チタンコーティングしても、その性能が1%ほどしか発揮されないことになります。そうなると、除菌や消臭ができません。

そのようなことで、酸化チタンコーティングは車には効果がないのです。

このことは、バスや電車の車内も同じです。

可視光でも反応する光触媒成分

車の除菌や消臭の効果のある光触媒成分は、UVカットガラスを通過した光でも効果のある光触媒成分を使わないといけません。

可視光に反応するが効果の弱い光触媒成分もある

可視光に反応する光触媒成分はあります。例えば、酸化タングステンです。

酸化タングステンは、確かに可視光で活性化するのですが、光触媒としての効果は弱いことで知られています。

車用ではありませんが、屋内用として利用されている酸化タングステンコーティングを利用していた業者さんが、「半年ほどでカビが発生してクレームになった」ということで、弊社の光触媒コーティング剤に切り替えられたこともありました。

大手自動車メーカーが利用している酸化タングステンも同様に、効果の持続期間を6ヶ月としているところもあります。弊社製品が10年以上の耐久性があることと比べたら、大手メーカーの光触媒コーティングは、耐久性が1/20以下となります。

また、別のデータの比較ですが、弊社製品は、可視光での性能比較をすると、酸化タングステンよりも10倍以上の除菌効果を確認したこともあります。

耐久性が悪く、効果も低い製品がとても多いことを、ご留意ください。

可視光で応答する酸化チタン

メーカーによっては、可視光で応答する酸化チタンコーティングを製造しているところもあります。弊社もその1社です。

さて、酸化チタンを可視光で活性化させるためには、何か別の成分を加えることが基本です。

酸化チタンが可視光で活性化する成分は、いろいろな種類があります。しかし、多くのメーカー製品では、確かに可視光で活性化しているのですが、その強さがとても弱いのです。

とあるメーカー製品では、室内の明かりよりも2倍の光の強さを照射して、「黄色ブドウ球菌や大腸菌が24時間で除去できる」ということを述べているものがあります。弊社製品であれば、その半分の光の強さでも、3時間後には除去できています。

つまり、弊社製品の方が、15倍ほど効果が高いことになります。

酸化チタンを可視光で活性化させられたとしても、効果が高いとは限らないことをご留意ください。

本当に効果のあるものは銅ドープ酸化チタン

では、車の光触媒コーティング剤として効果の高い光触媒成分は、「銅ドープ酸化チタン」です。

弊社が世界で初めて発見した銅ドープ酸化チタンは、発表当時、多くの反響をいただきました。そして、さまざまな研究機関での追試対象となり、その効果の高さやメカニズムが解明されていきました。

さらには、銅ドープ酸化チタンは、光が当たらない暗所でも、除菌・消臭効果があることが判明しました。つまり、昼間だけでなく、夜間でも車の除菌・消臭をしてくれる成分であることが分かりました。

銅ドープ酸化チタンによるVOCの分解

新車の自動車には、特有の化学物質の臭いである揮発性有機化合物(VOC)が出ています。VOCは、自動車部品に使用されている成分です。

化学物質に敏感な人は、VOCでアレルギー反応を引き起こすと言われています。

弊社が発見した銅ドープ酸化チタンは、自動車の新車が発する特有の化学物質の臭いであるVOCをも分解してくれる効果を発見しました。

VOCの一部の成分は、酸化タングステンや酸化チタンでも分解できることが、各社光触媒メーカーから資料が出ています。その中で、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドといった、比較的簡単に分解される成分のみで試験されていることがほとんどで、他の成分ではあまり調べられていません。

弊社では、銅ドープ酸化チタンが、トルエンやキシレン、スチレンなどのVOCも分解することを確認しています。これらの成分は、酸化チタン光触媒に紫外線を照射しても分解が難しいとされている成分ですが、銅ドープ酸化チタンを利用すると、容易に分解される結果が得られました。

実際に新車に塗装した結果、自動車の車内では、化学物質の臭いがまったく感じられませんでした。

銅ドープ酸化チタンを使った車用光触媒コーティング剤

最後に、銅ドープ酸化チタンを使用した車用光触媒コーティング剤をご紹介したいと思います。

銅ドープ酸化チタンを使った車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)

車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)

弊社が開発した、銅ドープ酸化チタンを使った車用光触媒コーティング剤は、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)という名称で販売しています。

この製品は、20年以上前から、日本を代表する自動車メーカーの高級車の標準品として利用され続けています。

この製品は、車の黒いシーツに塗装をしても、クリア塗装ができ、なおかつ当時日本一の効果と耐久性が高いことを理由に採用されました。

もともとお取り引きを開始するときに、担当者様が「3年車検のときに、光触媒コーティングの塗り直しをしたい」と言っておられました。ところが、3年経過しても塗り直しのご依頼が入らず、車のカタログを見ると5年保証となっていることを考えると、3年を超えて5年以上ご満足いただけていることと思います。

車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)を使用するときの注意点

車用プライマー(ASR02-C)

車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)を使用するときの注意点は、「効果が強すぎる」ということに起因します。

つまり、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)をそのまま塗装してしまったら、塗装面のシートやプラスチック類を劣化させてしまう恐れがあります。

そこで、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)を塗装する前に、シートやプラスチック類を光触媒の劣化から保護するための、下地剤(プライマー)を先に塗装することが必要です。その製品は、車用プライマー(ASR02-C)です。

車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)をご利用になられる場合は、必ず車用プライマー(ASR02-C)とセットでご利用ください。

以上、車の酸化チタンコーティングは除菌・消臭効果が低い理由や、各社メーカーの光触媒成分の効果の低さについて、また最強の光触媒成分が「銅ドープ酸化チタン」であることをご説明しました。

銅ドープ酸化チタンを使った車用光触媒コーティング剤をご利用になられたい方は、ぜひ弊社までご相談ください。

弊社では、自動車整備会社様にも製品を販売しています。自動車整備のお客様への高付加価値サービスとしてご利用いただけます。特に、高級車をご利用になられている方に、ご提案なさってみてください。

ご利用方法は、御社にて光触媒コーティング施工方法を習得するパターンと、弊社の施工代理店が出張で施工するパターンの2種類がございます。前者の場合は、施工方法をお教えする施工講習会を開催しているので、ぜひご利用ください。

車の光触媒コーティング施工をしたいとお考えの、コンシューマのお客様には、弊社もしくは自動車内装の光触媒コーティング施工代理店に直接ご相談ください。自動車内装の光触媒コーティング施工代理店の一覧は、こちらのページです。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

光触媒いろは一覧


ページトップ