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窓ガラスに光触媒コーティング塗装をするメリット

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窓ガラスに光触媒コーティング塗装をするメリット

窓ガラスは、時間とともに空気中の微細なホコリや水滴の汚れが付着して、汚れが目立ってきます。汚れたら掃除をしたら良いのですが、窓ガラスの掃除は骨が折れます。

マンションやオフィスビルなどの高層階の窓ガラスは、プロに依頼しないと掃除ができないことが多いです。一戸建ての窓ガラスは、掃除がしやすいように思っている方は多いのですが、掃除がしやすいのは1階やベランダの窓ガラスであって、2階の窓ガラスは掃除がたいへんです。窓ガラスの掃除は手間やコストがかかります。

そこで、窓ガラスを光触媒コーティングすることで、汚れにくい窓ガラスにすることはいかがでしょうか?

光触媒コーティングをすると、窓ガラスが汚れる原因となる油膜を分解してくれ、分解された汚れは雨水とともに流れていくようになります。そのようにして、窓ガラスの汚れが自然に落ちていくようになります。

このような自分で汚れを落としてくれる機能のことを、セルフクリーニングと言います。

窓ガラスに光触媒コーティングするメリット

窓ガラスが汚れるのは、窓ガラスの表面に油膜が付き、そこに汚れの成分が付着し蓄積されるからです。

光触媒は、光のエネルギーを受けると光触媒の表面にOHラジカルが発生する性質があります。このOHラジカルは強い酸化力があるので、油膜が分解され、汚れが落ちていきます。

また、光触媒は親水性があります。親水性とは、水と馴染む性質のことです。本来ガラスは水をはじく性質がありますが、ガラス表面を光触媒コーティングすることで、窓ガラスに親水性を持たせることができます。

ガラスが水をはじくと、ガラス面に付着している汚れが落ちにくいのですが、親水性があると汚れと水が馴染んで浮き上がります。そして、水といっしょに汚れが流れていきます。

このようにして、窓ガラスに光触媒コーティングをすると、窓ガラスが自ら汚れを落とすセルフクリーニング機能を持つようになり、汚れにくくなるわけです。

窓ガラスの防汚に求められる光触媒の性質

窓ガラスに光触媒コーティングをして防汚効果を持たせるためには、次の3つの性質があることはもちろんですが、高い効果をもたらすことが条件になります。

  1. 汚れの分解性能の高さ
  2. 高い親水性
  3. ガラス面への高い定着力(耐久性の高さ)

汚れの分解性能の高さ

光触媒といっても材質にはいろいろな種類がありますが、光触媒の性能が高いと、油膜の汚れを分解する効果が高くなります。また、光触媒を塗装する分量が多くなると、汚れを分解する能力も高まります。

しかし、光触媒を塗装する分量が多くなると、ガラス面への定着性が悪くなりやすくなり、またガラス面に色が出やすいので、なるべく効果が高い成分で分量を少なくすることがポイントです。

汚れの分解性能がもっとも高い成分は酸化チタンです。

高い親水性

光触媒コーティングによって窓ガラスに親水性が出ますが、親水性の効果が高いと、雨水とガラス面が馴染みやすいので、汚れが落ちやすくなります。また、雨の日に窓ガラスに雨水が付着しても、ガラス面と雨水が一体化してなじむので、外の景色が見やすくなります。

高い親水性を持つ光触媒の成分は酸化タングステンです。

ガラス面への高い定着力(耐久性の高さ)

ガラス面への定着力によって、光触媒コーティングの耐久性が左右されます。しかし、酸化チタンや酸化タングステンはパウダー状ですので、そのままではガラス面に定着することはありません。

ガラス面は水をはじく性質がありますが、水以外のものも寄せ付けない性質があります。ガラス面に定着し、固化する成分は限られてきます。また、ガラス面に光触媒を定着させるための成分が、光触媒によって分解されてもいけません。

それらを考慮した最適な定着材が、非結晶の酸化チタン(アモルファス酸化チタン)です。

まとめると、窓ガラスに最適な光触媒コーティング剤は、酸化チタンと酸化タングステンを混合したもので、定着材としてアモルファス酸化チタンを用いたものになります。

弊社が製造する窓ガラス用光触媒コーティング剤

弊社では、業務用製品としてガラス用光触媒コーティング剤(BTG01)を製造販売しております。

次の写真をご覧ください。この写真は、弊社の業務用光触媒コーティング剤を施工した建物です。

ガラス用光触媒コーティング剤(BTG01)の施工例

このような高い建物の窓ガラスは、清掃するとなるとコストがかかります。光触媒コーティング塗装で防汚することで、清掃の頻度を大幅に減らすことができます。(外壁も同様です)

光触媒コーティングをするとなると、足場を組んで施工をすることになるので、コストが高くなります。そのため、光触媒コーティング剤の耐久性はなるべく高い方が良いわけです。

ちなみに弊社のガラス用光触媒コーティング剤(BTG01)の耐久性は、5年以上です。窓ガラスに塗装してから5年以上経過して、汚れが目立ち始めたら再塗装のタイミングです。

窓ガラスの光触媒コーティング塗装の流れ

窓ガラスに光触媒コーティング塗装の大まかな流れをご説明します。

1.機材の準備

窓ガラスの光触媒コーティング施工を行うための機材を準備します。準備するものは、次のものです。

  • ABAC温風低圧塗装機の機材一式
  • ガラス用スプレーノズル(ノズル口径0.3mm)
  • ガラス用光触媒コーティング剤(BTG01)
  • 窓ガラスの掃除キット
  • ノズル洗浄液
  • 電源コードや脚立など
  • 養生(マスキング)の資材
  • 防塵メガネや防塵マスク、安全帯やヘルメットなどの安全用具

ガラス用光触媒コーティング剤の分量は、100m2に対して1Lです。塗装する窓ガラスの面積から使用する光触媒コーティング剤の量を算出する目安にしてください。

2.窓ガラスの清掃

窓ガラスには汚れが付着しているので、それを丁寧に清掃します。光触媒コーティング塗装をする前に窓ガラスを丁寧に清掃する理由は、光触媒コーティングの耐久性を高めるためです。

窓ガラスの汚れの上から光触媒コーティングをすると、汚れといっしょに光触媒コーティング塗装も落ちてしまいます。窓ガラスをしっかり掃除をしてから光触媒コーティング剤を塗装すると、窓ガラスに光触媒がしっかりと定着し、長持ちします。

窓ガラスの清掃では、特に窓ガラスの目地からしみ出しているシリコンオイルは、専用の洗浄液で磨いてください。目地に使用されているシーリング材からオイルがしみ出しているので、そのオイルも光触媒で分解されるからです。

また、窓ガラスの清掃で使用した洗浄液が窓ガラスに残らないように、洗い流すようにしてください。

3.光触媒コーティング塗装

光触媒コーティング剤の塗装は、ABAC温風低圧塗装機と光触媒コーティング剤専用スプレーを用いて行います。窓ガラス用は、ノズル口径0.3mmのスプレーノズルを用います。

ABAC温風低圧塗装機のノズルは、スプレーノズルから噴き出た霧をエアーカーテンで包む構造になっているので、光触媒コーティング剤が飛び散らずにガラス面に定着しやすくなります。すると、光触媒コーティング剤を無駄なく利用できます。

光触媒コーティング剤専用ノズルは、ノズルの口径が0.3~0.6mmと、ペンキの塗装よりもかなり小口径です。ペンキ用の大口径ノズルで塗装すると、光触媒コーティング剤が飛び散ってしまいます。

塗装は、均等に行います。光触媒コーティング剤が均等に塗装されないと、虹色のような色むらが出る場合があります。

現場によっては足場の組立てや近隣住民への工事の通達、近隣の自動車などの養生などを行います。

これらの塗装方法を学びたい方は、弊社開催の施工講習会をご利用ください。

自動車の窓ガラス塗装は禁止

自動車の窓ガラスには、光触媒コーティング塗装をしないようにしてください。自動車の窓ガラスに塗装をして、色むらが出てしまったら、自動車の運転に支障をきたすことがあるからです。

光触媒コーティングによって、自動車の窓ガラスに親水性が出ますが、雨の日の見栄えは掃除していない窓ガラスのような感じになります。それを撥水させるようにするために、撥水コーティングをすると、光触媒の成分が撥水コートを分解するので、効果が持続しません。

そのようなことから、自動車の光触媒コーティングは車内のみにしておき、窓ガラスにはなさらない方が良いです。

以上、一戸建てやマンション、オフィスビルなどの窓ガラスに光触媒コーティング塗装をするメリットとして、セルフクリーニング機能による防汚効果について述べてきました。

窓ガラスを光触媒コーティング塗装することによって、窓ガラスに防汚効果を持たせることができるので、窓ガラス清掃の回数を減らしてコスト削減につなげることができます。

弊社では、ガラス用光触媒コーティング剤の卸販売や光触媒加工、施工の斡旋をしています。窓ガラスの光触媒コーティング剤や施工のことなら、イリスまでご相談ください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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