
弊社には、特殊清掃の消臭剤のお問い合わせや、消臭施工のご相談をいただくことがあります。
ご相談いただく特殊清掃にはいくつかの種類がありますが、主なものとしては、次の2種類になります。
- 火事の消臭
- 最期を迎えられた方の消臭
弊社はそのどちらにも実績があり、「何を試しても消臭できなかったが、イリスにお願いしたら消えた」とお喜びいただいています。最初から弊社にお願いしていただけたら、もっと費用が安く済むため、先にご相談いただけたらと思います。
この記事では、特殊清掃の消臭剤に採用される光触媒コーティング剤「屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)」をご紹介しつつ、よく「消臭できない」と評判のオゾン脱臭との比較、光触媒コーティングの施工事例や施工方法などをご説明いたします。
特殊清掃の消臭剤として採用された
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)
まず、特殊清掃の消臭剤として採用された屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の解説をいたします。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)とはどういった消臭剤か?

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、名称の中に「光触媒コーティング剤」とあります。光触媒コーティング剤とは、光触媒成分をコーティング塗装できる液剤のことです。
光触媒とは、光が当たることで消臭や抗菌といった効果を発揮する成分です。弊社では、銅ドープ酸化チタンと言われる、室内の弱い光や、さらには光が当たっていなくても強力に消臭ができる成分を開発しました。
その成分の名称を「銅ドープ酸化チタン(銅担持酸化チタン)」といいますが、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)には銅ドープ酸化チタンが使用されています。その成分の効果が高いので、特殊清掃での消臭剤として利用されています。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の成分
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の成分は次のものを利用しています。
光触媒成分 | 銅ドープ酸化チタン |
バインダー成分 | アモルファス酸化チタン |
その他の成分 | 水 |
光触媒とは、よくご存じだと思いますが、光の力によって消臭ができる成分です。銅ドープ酸化チタンは、弊社の特許技術によってアナターゼ酸化チタンの表面に銅を結合させたものです。この銅ドープ酸化チタンが、特殊清掃で強力な消臭効果を発揮します。
バインダー成分とは、接着剤のことです。コーティング塗装をする液剤には、バインダー成分が必ず入っています。バインダー成分にアモルファス酸化チタンを利用していることで、特殊清掃の消臭剤としても相性が良いのです。それについては、後述いたします。
添加されている成分は無機成分で、アルコールフリー・無臭ですから、「有機塗料が使えない」とか「香りが出るものは使えない」という現場にも利用ができます。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の特長
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の特長は次の通りです。
- 銅ドープ酸化チタンを使っているので、消臭効果が高い
- 銅ドープ酸化チタンは、光が当たっていなくても消臭ができる
- バインダー成分にアモルファス酸化チタンを利用しているので、特殊清掃と相性が良い。
- コーティング塗装ができるので、長期間継続的に消臭し続けてくれる
どの特長も特殊清掃で求められる効果です。これらすべての特長を兼ね備える光触媒コーティング剤を開発しているメーカーは少ないと思います。
例えば、銅ドープ酸化チタンが用いられている光触媒コーティング剤を製造しているメーカーはとても少ないです。また、バインダー成分にフッ素樹脂を用いているところもあったり、なるべく耐久性を短くして、3~5年に1回の頻度でコーティング施工を繰り返してもらいたいと考えている製品もあるからです。
光触媒コーティング剤に添加されている成分によっては、これらの効果が得られないものもあるので、他社製品をご利用になられる場合は、できましたら先に弊社までご相談いただきたく存じます。
オゾン脱臭との比較
オゾン脱臭は、オゾン脱臭装置を起動させて、オゾンの酸化力で消臭をするものです。オゾン脱臭装置は簡単な構造の装置で、数千円から10数万円のものまでいろいろな種類があり、Amazonでも購入ができます。値段の差は、オゾンの発生量の差であることが多いです。
オゾンは空気中に漂っている臭い成分を、酸化分解して消臭ができます。オゾン脱臭装置の電源をONにするとオゾンが発生しますが、OFFにするとオゾンが出なくなります。
部屋の中をスケルトン状態にして清掃を終えたら、オゾン脱臭装置を部屋の中で起動させます。そして部屋の中の臭いが消えるまで、装置を起動させたままにしておきます。期間は臭いが消えるまでですから、1ヶ月ほどかかる場合が多いと思います。
特殊清掃で利用するオゾン脱臭装置は、オゾンの発生量が多いものを利用するか、何台か設置することになります。それだけ特殊清掃での臭いは強いことや、オゾンでは消臭に時間がかかるからです。場合によっては1ヶ月ほど設置して経過を待つことになることもあったり、1ヶ月経過しても臭いが消えていなくて弊社にご相談をいただくこともあります。
それに対して光触媒コーティング塗装では、もちろん特殊清掃での臭いが消臭できる成分「銅ドープ酸化チタン」を使っての条件となりますが、臭いが出てくる箇所を光触媒コーティング塗装し、出てこようとしている臭いを分解消臭するものです。そして、臭いの原因物質を分解してくれます。
まとめると、次のようになります。
オゾン脱臭 | 銅ドープ酸化チタン 光触媒コーティング | |
消臭効果 | 弱い | 強い |
継続期間 | 装置をONにしている間のみ | 半永久的 |
施工期間 | 1ヶ月ほど | 施工は1日 経過を見て1週間ほど |
臭気測定 | ゼロにならないこともある | ゼロになる |
身体への安全性 | オゾンは身体に悪い | 安全 |
費用 | 安い | 高い |
オゾンは身体に悪いと言われていますが、装置をOFFにしたらオゾンが発生しなくなるので、部屋の中のオゾン濃度は下がります。
バインダー成分と特殊清掃の相性について

光触媒コーティング剤には、バインダー成分が添加されています。バインダー成分とは、接着成分のことで、銅ドープ酸化チタンを塗装面に接着するための成分です。
光触媒コーティング剤に利用されるバインダー成分は、一般的に次の2種類があります。
- アモルファス酸化チタン
- フッ素樹脂
アモルファス酸化チタンとは、非結晶の酸化チタンのことです。これを液剤にしたものを塗布して乾燥させたら、塗布面に強固に付着することが知られています。また、アモルファス酸化チタンは、原材料が酸化チタンですから光触媒によって分解されない成分です。つまり、アモルファス酸化チタンを使った光触媒コーティング剤は、耐久性がとても高いのです。
もう一つ、アモルファス酸化チタンには特殊清掃での消臭では欠かせない特性があります。それは、スケルトンの状態で光触媒コーティング塗装をするわけですが、その上から壁紙クロスを貼っても、剝がれにくいという特性です。ですから、壁紙クロスや建材の下で特殊清掃の臭いを消臭し続けてくれるわけです。
それに対してフッ素樹脂は、光触媒で分解の対象となる有機物でできているわけです。中には、ナフィオンのように光触媒に分解されにくいバインダー成分を用いている光触媒コーティング剤もありますが、基本的に分解されます。光触媒で分解される成分を使ったものは、特殊清掃の消臭剤としては不向きと言えます。
またフッ素は、何でも弾いてしまう性質を持ちます。可能性としてですが、フッ素樹脂が壁紙クロスの糊を弾いてしまうことになり、何年かしたら壁紙が剥がれてくることになりかねません。
そのようなことで、「特殊清掃と相性の良いバインダー成分はアモルファス酸化チタンである」と覚えておいてください。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の
特殊清掃事例
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)が特殊清掃の消臭剤として採用された事例をご紹介いたします。
最期を迎えられた方がお住まいだった賃貸物件の消臭
賃貸物件で最期を迎えられた方がいらっしゃいました。発見は1週間ほど経過してからだったようです。夏場だったこともあり、近隣の人からの通報で発見されました。
その後に部屋の中は、片付けを行った後にスケルトン状態にしましたが、まだ臭いが残っている状態でした。そこでオゾン脱臭装置を用いて脱臭されたようですが、1週間ほど経過しても臭いが消えずにお困りでした。そこで弊社の噂を聞きつけてくださり、お問い合わせをいただきました。
当時、弊社では初めての消臭事例だったので、「施工したことがないので、やってみないと判らない」ということで、テスト的に施工をさせていただきました。すると臭いがすぐに消えました。
賃貸物件での火事後の臭いの消臭
弊社の消臭施工は、大手マンション管理会社様にもご利用いただいています。物件を多く管理なされていると、ときどき火事に遭遇されるようです。
火事の後の消臭は保険外になる場合がほとんどですから、物件のオーナー様のご判断で施工されることになります。
火事の臭い対策は、まずスケルトン状態にしてグラインダーでコンクリートの表面を削るなどして、煤を取り除きます。それでも臭いが残っているので、消臭施工を行います。
その管理会社様からのご依頼は、オゾン脱臭を行ってそれでも臭いが消えない場合に弊社の施工代理店にご相談をいただきます。オゾン脱臭では、先ほどご説明したように消臭に時間がかかるので、その間、ホテルなどに宿泊されると費用がかかってしまいます。できましたら、短期間で消臭が出来る弊社の消臭剤をご利用いただきたいと思います。
特殊清掃での消臭のご依頼方法
特殊清掃のご依頼方法は、弊社もしくは弊社の施工代理店まで直接ご相談ください。
特殊清掃の後の消臭を行う施工代理店
マテリアルリサーチ【東京都】
若手技術者の多い東京の施工店です。火事の消臭とオフィスの抗菌施工に力を入れています。スケルトンの状態でご依頼ください。
所在地 〒160-0007 東京都新宿区荒木町7-2 安藤ビル3階
電話 03-3356-1107
Good Job Company【神奈川県】
塗装に精通したベテラン技術者が所属する施工店です。火事と最期の消臭のどちらにも対応しています。スケルトンの状態でご依頼ください。
所在地 〒224-0035 神奈川県横浜市都筑区新栄町12-3 ピア高瀬201
電話 045-628-9784
フューチャーアンドエコロジーズ【神奈川県・高知県】
実績の多い施工店です。火事と最期の消臭のどちらにも対応しています。スケルトンの状態でご依頼ください。
所在地 〒249-0004 神奈川県逗子市沼間1-4-20
電話 090-1408-2152
イリス光触媒コーティング施工部【佐賀県】
弊社の光触媒コーティング施工部です。火事と最期の消臭のどちらにも対応しています。スケルトンの状態でご依頼ください。
所在地 〒844-0027 佐賀県西松浦郡有田町南原甲503
電話 0955-41-0011
ご依頼から施工までの流れ

施工の概算見積もりは無料です。現地に行っての調査の場合は、出張費がかかる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
ご依頼から施工までの流れは、基本的に次の手順になります。
- 弊社もしくは施工代理店までご連絡ください
- 間取りがわかる図面などや現場の写真などをお送りください(オンライン通話で現場を見せていただく場合もあります)
- 概算見積もり
- 現地調査
- 正式なお見積もり
- ご発注
- 施工実施
ご連絡方法は、弊社(0955-41-0011)もしくは施工代理店にお電話をいただくか「光触媒コーティング施工ご依頼フォーム」よりご連絡ください。
施工の手順は、基本的に次の通りです。
- スケルトンの状態にし、煤を除去してもらう(専門業者にご依頼ください)
- 臭気を測定する
- 塗装面の清掃を行う
- 光触媒コーティング塗装を行う
- 施工直後に臭気測定を行う
- 1週間後に臭気を測定する
- リフォーム(リフォーム業者にご依頼ください)
- 再度、光触媒コーティング塗装を行う(必要な場合)
以上、特殊清掃での消臭剤として採用されたイリスの光触媒業務用製品をご紹介いたしました。
銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤は、オゾン脱臭と比較して工期が短く、消臭が継続的です。また、弊社の屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、耐久性が高くスケルトンの状態での施工と相性が良いこともお伝えしました。
弊社製品が、特殊清掃の消臭剤としてとても有効であることをご理解いただけたことと思います。
消臭施工のご依頼は、弊社までお気軽にご連絡ください。
この記事の著者/責任者

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。