光触媒いろは

漆喰外壁への光触媒コーティングの施工方法

HOME / 光触媒いろは / 漆喰外壁への光触媒コーティングの施工方法
投稿日: / 最終更新日:
漆喰外壁への光触媒コーティングの施工方法

漆喰外壁は、お城でも使われている素材で、瓦と組み合わせて日本ならではの風合いを出すことができる壁材です。耐久性もあります。

漆喰外壁は、塗装されたばかりのときは眩いばかりの白色なのですが、時間と共に黒ずんでいきます。

漆喰外壁の黒ずみを防止する方法として、光触媒コーティングがおすすめです。光触媒が、漆喰に付着した汚れを分解し、雨水によるセルフクリーニング効果で汚れを流れ落としてくれ、メンテナンスの手間やコストが軽減されるからです。

また、湿気のある場所では漆喰に発生するコケやカビを光触媒が分解してくれます。弊社の光触媒コーティング剤であれば、白さを10~20年以上保つので、光触媒コーティングをした漆喰外壁と、そうでない漆喰外壁とでは、数年後では白さがまったく異なるくらいの差になります。

この記事では、漆喰外壁に光触媒コーティング施工をする方法を解説いたします。

漆喰の白さを保つためのコーティングをお考えの方はもちろんのこと、これから光触媒コーティングを新規事業として取り入れたい方も、ぜひご参考になさってください。

漆喰外壁が汚れる理由

漆喰外壁が使われている場所は、観光地の和食の飲食店やお城といった、多くの人に見られる場所です。そういった場所の漆喰外壁が汚れてきたら、印象をも悪くしてしまう恐れがあります。

漆喰外壁の汚れの原因は、主に次の3つです。

  • 空気中や雨水の中の汚れ(油分や砂、PM2.5など)
  • カビ

空気中や雨水の中の汚れは、油分の汚れや砂の汚れ、排気ガスの汚れなど、いろいろな汚れがあります。まず油分が漆喰外壁に付着し、その油分に細かい砂の汚れやPM2.5といった汚れが付着して黒くなっていきます。

カビは湿気の多い漆喰壁に発生しやすいです。特に地面に近い箇所の水分が乾燥しにくい箇所に発生します。水はけの悪い地面や、裏路地の暗く湿った場所、近くに大木などがあって日陰になりやすい場所で、カビが発生しやすいです。

苔もカビと同様です。苔は特に林に近い漆喰壁で、ずっと日陰になっている場所に発生しやすいです。

これらの漆喰外壁の汚れは、光触媒コーティングで防止ができます。空気中や雨水の中の汚れはセルフクリーニング効果によって、カビやコケは防汚や防カビの効果によって、漆喰の白さを保ちます。

漆喰外壁に使用する光触媒コーティング剤

高い効果を得るためには、漆喰外壁の状況に応じて光触媒コーティング剤の種類を選ぶことが大事です。

漆喰外壁に使用する弊社製品の光触媒コーティング剤は、次の2種類です。

これらのコーティング剤の特徴は次の通りです。

屋外用光触媒コーティング剤(BX01)の特徴

屋外用光触媒コーティング剤(BX01)

屋外用光触媒コーティング剤(BX01)は、酸化チタン光触媒を使ったコーティング剤です。酸化チタンを強力に定着させるための接着剤(バインダー)にも酸化チタンを使っています。

紫外線が当たる外壁に塗装することで、強力な防カビ・防苔・防汚効果を発揮します。もちろん、セルフクリーニング効果も期待できます。

漆喰のpHはアルカリ性ですので、酸化チタンが腐食しませんから相性は抜群ですので、耐久性が10年~20年あり、それだけ防汚効果が持続します。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の特徴

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、世界で初めて銅ドープ酸化チタン光触媒を使ったコーティング剤です。これも接着剤(バインダー)に酸化チタンを使っており、耐久性は10年以上です。

屋外用光触媒コーティング剤(BX01)に使用されている酸化チタンは、紫外線にしか反応しません。屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)に使用されている銅ドープ酸化チタンは、可視光でも光触媒の効果を発揮する成分です。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、名称が「屋内用」となっていますが、屋外にも利用が可能で、漆喰外壁の中でも直射日光が当たりにくい、屋外用光触媒コーティング剤(BX01)では防カビやコケ防止などの効果が弱い箇所に使用します。

外壁塗装での耐久性は10年以上です。事例は少ないですが、使用条件によっては20年以上持つケースもあると思います。

屋外用と屋内用の使い分け

屋外用の光触媒成分には酸化チタンが用いられており、紫外線に反応して、光触媒の効果を発揮します。屋内用には銅ドープ酸化チタンが使用されており、これは紫外線だけでなく可視光にも反応します。

漆喰外壁に直射日光が当たる箇所には、屋外用を使用します。直射に甲が当たらない箇所には室内用を使用します。直射日光が当たらない箇所は、次のような箇所です。

  • 破風の下側
  • 北側の外壁
  • 隣の家や木々が近くにあり日陰になりやすい場所

どちらを使用するか迷ったら、室内用をご利用ください。

漆喰外壁に光触媒コーティング施工をするための機材

漆喰に光触媒コーティングをするための機材は、次のものを利用します。

  • ABAC温風低圧塗装機
  • 脚立や足場
  • ヘルメットや安全帯、防塵メガネ、防塵マスクなどの安全器具
  • 電源ドラム
  • 投光器
  • 漆喰の清掃機材

ABAC温風低圧塗装機は、ドイツABAC社製の塗装機械です。写真は小型の温風低圧塗装機SG-91です。

ABAC温風低圧塗装機とスプレーガン

ABAC温風低圧塗装機から出るスプレーの空気は、吸入温度よりも15℃ほど高い温風が噴き出すので、塗布した光触媒コーティング剤が乾燥しやすいという特長があります。

ABACのスプレーガンからは、噴霧する塗料を包み込むようなエアカーテンが噴出します。このエアカーテンによって、塗料が飛び散ることを防いでくれるので、一般的なスプレーガンと比べると塗料が漆喰外壁に定着する割合、塗着効率が70%程度と、圧倒的に高いです。

ABACのスプレーガンから出るエアカーテンが光触媒コーティング剤を包み込み塗着効率が70%

弊社にて、ABAC温風低圧塗装機や専用のスプレーノズルを販売しています。ABAC温風低圧塗装機の詳細は、ABAC温風低圧塗装機SG-91をご覧ください。

漆喰外壁への光触媒コーティングの施工手順

漆喰外壁に光触媒コーティング施工をする手順は次の通りです。

  1. 足場の設置
  2. 光触媒コーティング剤が付着してはいけない箇所の養生
  3. 漆喰外壁の洗浄
  4. 光触媒コーティング剤の塗装
  5. 乾燥
  6. スプレーガンの洗浄
  7. 養生撤去
  8. 足場撤去

光触媒コーティング剤が付着してはいけない箇所の養生

光触媒コーティングが付着してはいけない箇所には、塗装作業前に養生をしておきます。養生をすべき主な箇所は、次の通りです。

  • 窓ガラス
  • 漆喰外壁の近くにある植木
  • 近くに駐車してある自動車
  • 漆喰外壁に設置してある電灯や電気コンセント

窓ガラスに光触媒コーティング屋外用光触媒コーティング剤(BX01)や屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗装すると、窓ガラスに酸化チタン特有の模様が出てしまい、窓からの景観が悪くなる恐れがあります。窓ガラスは、必ず養生するようにしてください。

窓ガラスを防汚したい場合は、窓ガラス専用の光触媒コーティング剤を用いてください。弊社製品は、ガラス用光触媒コーティング剤(BTG01)です。

漆喰外壁の洗浄

漆喰外壁が汚れている場合は、光触媒コーティング塗装をする前に洗浄をします。漆喰外壁が汚れたまま光触媒コーティングをすると、汚れが脱落していくときに光触媒コーティング剤も脱落してしまい、耐久性が弱くなるからです。

漆喰外壁の洗浄は、高圧洗浄機や硬いブラスの使用は避けるべきことがいわれています。苔やカビが発生している場合は、専用の洗浄液を使用して落とすと良いでしょう。それらの洗浄液も、充分に洗い流すようにしてください。

漆喰外壁があまりにも汚れているときは、漆喰の塗り直しをした方が良い場合もあります。漆喰外壁を塗り直した直後であれば、洗浄せずに光触媒コーティングをしても良いです。

光触媒コーティング剤の塗装

ABAC温風低圧塗装機の専用ノズル

光触媒コーティング剤の塗装には、専用の塗装機械とスプレーガンを用います。弊社では、ABAC温風低圧塗装機と専用のスプレーノズルの利用を推奨しています。

ABAC温風低圧塗装機は、その名の通り温風が噴き出るので、光触媒コーティング剤を塗布すると乾燥しやすいです。従って、気温が低くてスプレーされた液剤が乾燥し難い場合でも温風が出ますので、使用する事が出来ます。

また専用のスプレーノズルは、ノズル口径がφ0.5mmのものを利用します。通常であれば、塗装になれていないときはφ0.3mmで塗装をするのですが、漆喰外壁は白色なので光触媒コーティング剤を塗布しすぎても、色が目立ちません。φ0.5mmのノズル口径で、素早く塗装をしてください。

ABAC温風低圧塗装機やスプレーノズルなどの施工機材は、弊社でも販売しておりますので、お気軽にご相談ください。

スプレーガンの洗浄

塗装が終わったら、スプレーガンをイオン交換水で洗浄します。スプレーガンの洗浄を怠ると、スプレーガンに光触媒がこびりついてしまうからです。

スプレーノズルは細い針金を通して洗浄します。

洗浄用のイオン交換水は、弊社でも10L単位で販売しているので、どうぞご利用ください。名称は、洗浄液CW01です。

漆喰外壁の光触媒コーティングを依頼したい方

漆喰外壁の光触媒コーティングを依頼したい方は、弊社もしくは弊社施工代理店までご相談ください。漆喰外壁の光触媒コーティング施工ができる施工代理店一覧は、低層外壁の光触媒コーティング施工代理店をご覧ください。

まずは、お電話やメールフォームからご連絡をいただき、施工をご希望される場所の所在地やどのような建物なのか、規模などをお聞かせください。概算のお見積もりをさせていただきます。

なお正式な施工費用は、漆喰外壁の洗浄の手間や塗装面積、足場や養生の必要性などによって異なります。

光触媒コーティングを新規事業として取り入れたい方へ

光触媒コーティングを新規事業として取り入れたい方に向けて、弊社では次のようなサービスをご提供しています。

  • 光触媒コーティング施工講習会の開催
  • 光触媒コーティング剤や施工機材の販売
  • 施工現場での指導
  • ホームページ掲載やチラシ提供などの販売支援

まずは、弊社が開催している光触媒コーティング施工講習会をご利用ください。これから光触媒コーティングを新規事業として取り入れたい企業様だけでなく、新人社員に施工方法を教えたい企業様にもご利用いただけます。

光触媒コーティング施工講習会は、佐賀県の弊社工場にてご受講いただくか、もしくは御社への出張開催も可能です。施工講習会を修了された方には、終了証を発行しています。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

光触媒いろは一覧


ページトップ