漆喰は塗装をした直後は、真っ白で美しい外壁になります。
近年、姫路城が大規模改修され、真っ白に生まれ変わった姫路城が、「白すぎる」ということでも話題になったことがありました。
そのような真っ白な漆喰でも、経年で少しずつ黒ずんでいき、10年も経過したら、黒く汚れてきます。漆喰は白いだけに、汚れが目立ちます。
そのような漆喰外壁を、光触媒コーティングで汚れから守ることができることを、ご存じでしょうか?
この記事では、漆喰の汚れ防止を光触媒コーティングで行った事例を交えて、その効果について解説いたします。漆喰外壁が汚れて困っている方、漆喰の塗り替えを検討されている方は、ぜひご覧ください。
漆喰の光触媒コーティング施工事例
次の写真をご覧ください。この写真は、漆喰を使った店舗の外壁に、光触媒コーティングをしてから、20年が経過した写真です。
この建物は外壁全体が漆喰でできていて、その部分をすべて光触媒コーティングしました。ただし、屋根が突き出た部分(破風)は、光触媒コーティングをしていませんでした。
光触媒コーティングをした漆喰は、20年経過しても白いままです。ところが、破風部分は黒い汚れが目立っています。
このように、漆喰外壁に光触媒コーティングをすることによって、漆喰の汚れ防止ができます。しかも、光触媒コーティングは、耐久性が高いので20年経過しても白さを保つことができます。
これだけ長い年月の間、白さを保つことができるので、漆喰外壁の清掃や塗り直しは必要ありません。長期的に見たら、漆喰外壁のメンテナンス費用が、圧倒的に安価になります。また、お城の漆喰外壁では景観を保ったり、酒蔵などの漆喰外壁では企業イメージの低下を防いだりできます。
光触媒が漆喰の汚れを防止するメカニズム
光触媒コーティングによって、漆喰外壁の汚れ防止ができるメカニズムをご説明します。
光触媒の親水性による汚れ防止
次の図をご覧ください。この図は、漆喰外壁に光触媒コーティングし、その面に付着した汚れが雨水とともに流れ落ちていくイメージです。
光触媒は、親水性と言って、水と馴染みやすい性質があります。雨が降ると、ガラス面の雨水ははじかれて落ちていきますが、光触媒の塗装面は水が全体的に馴染んで広がります。そのイメージが左側の「①光触媒塗装面に雨水が馴染む」になります。
次に、中央の「②光触媒塗装面と汚れの間に雨水が入り込む」をご覧ください。光触媒の親水性によって馴染んだ水が、光触媒と汚れの間に入り込んでいきます。その結果、右の「③薄いと一緒に汚れが落ちていく」の図のように、汚れが落ちていきます。
これが、光触媒が雨水を利用して漆喰外壁の汚れを落とすメカニズムです。
また、光触媒は有機物を分解する効果があります。漆喰が汚れるのは、表面がザラザラしているので、空気中の油分が付着しやすく、その油分によってPM2.5などの汚れが付着しますが、漆喰に付着した油分などの有機物は光触媒で分解されて雨水で流れ落ちますので油分などの汚れが漆喰に付着したまま残ることはありません。
OHラジカルによるカビやコケの汚れ防止
北側や狭い場所のジメジメした箇所や、日光が当たりにくい箇所では、カビやコケが発生することがあります。
先ほど、光触媒は有機物を分解する効果があることを述べましたが、もう少し詳しく申しますと、光触媒は光エネルギー受けると、表面にOHラジカルという物質を発生させます。このOHラジカルは微生物にとってはとても厄介なもので、高い抗酸化力によって微生物が分解されてしまいます。
つまり、漆喰外壁に付着したカビ菌やコケ、それらの胞子は、光触媒によって分解されてしまいます。
そのようにして、光触媒が漆喰外壁をカビやコケの汚れを防止してくれます。
漆喰外壁の汚れ防止に最適な光触媒コーティング塗料
漆喰外壁の汚れ防止に最適な光触媒コーティング塗料は、酸化チタン光触媒を使った光触媒コーティング塗料です。酸化チタン光触媒は、太陽光の紫外線を受けると、強力に光触媒効果を発揮するからです。
弊社製品であれば、屋外用光触媒コーティング剤(BX01)です。
しかし、軒下は軒先により雨が当り難く油分などの汚れを分解しても汚れが雨で流れず、汚れたままの様に見える場合があります。そのような場合は、水を掛けて頂きますと、汚れは水と一緒に流れ落ち、汚れは取り除かれます。
また、北側の外壁や薄暗い場所は、太陽光の紫外線が当り難いので、そういった箇所では、酸化チタン光触媒ではなく、紫外線でなくても高い光触媒効果を発揮する銅ドープ酸化チタン光触媒を用います。
弊社製品であれば、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)です。
どちらも、外壁塗装であれば耐久性は、実績で10年~20年、もしくはそれ以上あります。
なお、光触媒コーティング塗装には専用の塗装装置とスプレーガンを用います。塗装装置には、ABAC温風低圧塗装機を、スプレーガンには口径がφ0.3~φ0.5mmの小口径のノズルのものをおすすめします。
以上、漆喰外壁の汚れ防止に光触媒コーティングの有効性について、施工事例やメカニズム、光触媒コーティング塗料の選び方などをご説明いたしました。
光触媒コーティングをするためには、足場を組んだり外壁の汚れを落とさないといけません。施工費用を安価に抑えるのであれば、新築のときか漆喰の塗り替えをした直後がタイミングです。外壁の足場が撤去される前に、漆喰外壁を光触媒コーティング塗装します。
弊社製品を使った漆喰外壁の光触媒コーティング施工なら、弊社もしくは弊社製品を扱う施工代理店までご相談ください。施工代理店の一覧はこちらです。
ご連絡をお待ちしています。
この記事の著者/責任者
株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。