
ドラッグストアで市販されている消臭・除菌スプレーに次亜塩素酸スプレーがあります。
それに対して、ドラッグストアでは現在のところ市販されていませんが、消臭・抗菌スプレーとして光触媒スプレーというものがあります。
次亜塩素酸スプレーと光触媒スプレーの効果は、「除菌」と「抗菌」の部分が違います。
この記事では、次亜塩素酸スプレーと光触媒スプレーの効果の違いを、さまざまな面で比較したいと思います。
効果を発揮するメカニズムの違い
次亜塩素酸スプレーが消臭や除菌の効果を発揮する成分は、次亜塩素酸です。次亜塩素酸は液体ですが、それを水で希釈したものをスプレーボトルに充填しています。その液剤のことを、次亜塩素酸水といいます。
光触媒スプレーが、消臭や抗菌を発揮する成分は、光触媒です。光触媒は微粉末の個体ですが、それを水に混合したものをスプレーボトルに充填しています。その液剤のことを、光触媒分散液とか光触媒分散剤といいます。
次亜塩素酸は、それが匂い成分や細菌類やウイルスに触れると、それらを酸化分解してくれる性質があります。その効果によって、消臭や除菌ができます。
それに対して光触媒スプレーは、光触媒成分の微粉末に光が当たると、空気中の酸素や水と反応して、OHラジカルと言われる活性酸素を発生させます。そのOHラジカルによって、匂い成分や細菌類などを酸化分解します。
効果が持続する長さの違い
次亜塩素酸スプレーは、消臭や除菌をした後、次亜塩素酸は成分が消えてなくなるので、連続的に消臭や除菌ができません。そのため、一時的に細菌類やウイルスを除去できるということで、「除菌」ができます。
光触媒スプレーは、消臭や抗菌をしたその後も、塗布面に光触媒成分は残り続けるので、光が当たりさえすれば、匂い成分や細菌類などを酸化分解し続けてくれます。そのため、継続的に細菌類やウイルスの増殖を抑えてくれるということで、「抗菌」ができます。
効果を発揮する条件の違い
次亜塩素酸スプレーや光触媒スプレーが、効果を発揮する条件に違いがあります。
次亜塩素酸スプレーは、塗布するとその液体の状態のときに、匂い成分や細菌類が触れることで酸化分解ができます。液体が蒸発してしまったら、消臭や除菌ができません。
それに対して光触媒スプレーは、塗布した後に光触媒が含まれる液体が乾燥してから効果を発揮します。
しかし、光触媒スプレーを塗布したらすぐに消臭効果が実感できる場合もあります。それは、匂い成分が光触媒スプレーの液剤に吸収されるからです。その液剤の水分が蒸発していくと、いずれ匂い成分が光触媒に接触します。そのときに発生したOHラジカルによって、匂い成分が消臭されます。細菌類も同様です。
次亜塩素酸スプレーは液体の状態で、光触媒スプレーは液体が蒸発した状態で効果を発揮します。
効果の高さを決めるもの
次亜塩素酸スプレーと光触媒スプレーの効果の高さは比較したことはございませんが、それぞれの効果の高さを決める性質が異なります。
次亜塩素酸スプレーの効果の高さは濃度
次亜塩素酸スプレーの効果の高さは、液剤に含まれる次亜塩素酸の濃度に影響します。濃度が高ければ、それだけ効果が高いです。
一般的な次亜塩素酸スプレーの濃度は100ppmです。クリニックなどで使用される場合、もしくはしっかりと除菌ができるスプレーの場合は、200ppmのものが多いです。
効果の高い次亜塩素酸スプレーを選びたい場合は200ppmのものをお選びください。
光触媒スプレーの効果の高さは成分の種類と添加量
光触媒スプレーの効果の高さは、使用されている光触媒成分の種類と、その添加量によって異なります。
光触媒と言ってもいろいろな種類があり、効果の高いものもあれば、まったく効果が期待できないものもあります。
光触媒スプレーとして実用化されている光触媒の種類は、主に次の4種類ございます。
- 酸化チタン
- 銅ドープ酸化チタン
- 窒素ドープ酸化チタン
- 酸化タングステン
これらの中で、室内利用する場合にまったく効果が期待できないものが、酸化チタンです。なぜなら、酸化チタンは紫外線にのみ反応して消臭や抗菌ができるのですが、室内にはほとんど紫外線が存在しませんから、消臭や抗菌ができません。
それ以外の光触媒の種類、銅ドープ酸化チタンや窒素ドープ酸化チタン、酸化タングステンは室内でも効果を発揮しますが、その効果の高さが異なります。これらの中でもっとも効果の高いものは、銅ドープ酸化チタンです。
他の光触媒成分と比べると、10~20倍くらいの効果の高さがあります。

そして、光触媒スプレーの効果の高さは、光触媒成分の添加量によって異なります。もちろん、添加量の多い光触媒スプレーの方が効果は高いです。
ただし、銅ドープ酸化チタンは他の光触媒成分よりも10~20倍効果が高いわけですから、銅ドープ酸化チタンを使用した方が良いです。
銅ドープ酸化チタン以外の光触媒を使って、銅ドープ酸化チタンと同等の効果の高さを得ようとすると、スプレーしたところが光触媒成分の色で真っ白になります。
使用環境と保管の違い
次亜塩素酸水は、紫外線と熱に弱い成分です。そのため、直射日光が当たると次亜塩素酸が分解されてしまって、成分が無くなってしまいます。また、熱でも分解されやすいです。一説では、60℃以上で効果が弱まるとされています。
次亜塩素酸スプレーの保管は、冷暗所に保管します。
一方、光触媒スプレーは、紫外線が当たると分解されるどころか、より活性化して匂い成分や細菌類を酸化分解しやすくなります。また温度も600℃以上の高温に耐えられるので、ガスコンロの抗菌にもご利用いただけます。
ただし、ずっと直射日光が当たり続ける環境では、品質が劣化する恐れがあります。例えば、毎日直射日光が当たる環境では、「3か月後に劣化し始める」という具合です。また、スプレーボトルのまま高温の場所に置いておくと、スプレーボトルが変形するかもしれませんし、液剤の水分が蒸発して、液剤が変質する恐れがあります。
ですから、光触媒スプレーも次亜塩素酸スプレーと同様に、冷暗所に保管なさってください。
噴霧器による空間消臭
次亜塩素酸水は、超音波加湿器に入れて使用することができ、部屋の中に次亜塩素酸を噴霧することができます。それによって、空間消臭や空間除菌ができます。
次亜塩素酸は熱に弱いので、加熱式の加湿器に入れて使用すると成分が変性してしまうので、超音波加湿器を利用します。
それに対して光触媒剤は、加湿器に入れて噴霧することはできません。スプレーボトルを使って手動で塗布します。
光触媒で室内を継続的に抗菌・消臭したい場合は、光触媒コーティング施工をご利用ください。
銅ドープ酸化チタンを使った光触媒スプレー
銅ドープ酸化チタンを使った光触媒スプレーは、弊社製品には用途に合わせて4種類あります。
- 汎用的な消臭・抗菌スプレー「アキュートクリーン」
- ペット用の消臭・抗菌スプレー「ペットの消臭」
- 衣類用の消臭・抗菌スプレー「汗臭ゼロ」
- 強い匂いの消臭スプレー「ホントに消臭」
どれを使用しようか迷われた場合は、アキュートクリーンをご利用ください。
原材料 | 酸化チタン、銅、水(純水) |
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容量 | 200mL(600回ほどスプレー可) |
価格 | 2,200円(税込) |
トイレの匂いの消臭、カーテンやソファー、布団など布類の匂いの消臭、壁紙の防カビ、新車の匂いの消臭など、いろいろな箇所の消臭や抗菌でご利用いただけます。
特に強い匂いの消臭にご実感いたけることが多く、トイレや新車の匂い、香水の匂いでは、「匂いが消えた」と口コミをいただくことが多いです。
匂いにお困りの方は、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒スプレー「アキュートクリーン」をお試しください。

この記事の著者/責任者

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。