購入したばかりの新車は、新車特有の臭いがします。この臭いによって、頭痛がしたり、気分が悪くなったりする人もいるようです。
この臭いの原因は、揮発性有機化合物(VOC)の臭いです。
新車の臭いを消臭することは、身体の健康にも良いことだと思います。新車の臭い対策は、弊社にときどきお問い合わせをいただくことでもあります。
この記事では、「新車の臭い対策は、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒スプレーや光触媒コーティング塗装がおすすめ」ということを解説いたします。
新車の臭いの原因はVOC
新車の臭いの原因は、揮発性有機化合物(VOC)の臭いです。この臭いによって、頭痛がしたり気分が悪くなったりする人がいます。いわゆるシックハウス症候群と同じ症状です。
「自動車酔いかな?」と思ったとしても、もしかしたらVOCが原因の場合もあると思います。
自動車メーカーに対して、「VOCが出ないようにしてもらいたい」と言ったところで、対策は非常に難しいです。なぜなら、VOCは自動車の素材であるウレタンやプラスチック、接着剤などから出てくるものだからです。
新車の臭いがイヤで、「ウレタンやプラスチック、接着剤を使わない自動車が欲しい」とするならば、内装に天然素材だけを使用した自動車になりますから、現実的ではございません。シートの表装は麻、中綿は羊毛フェルト、マットは羊毛じゅうたん、フロントパネルは木製、ガラスの目地は天然ゴムといった具合でしょうか?
それらは1~2年で劣化するので、補修も大変だと思います。
シックハウスの対策として、ホルムアルデヒド対策がなされた住宅は多いと思います。しかし、シックハウスの原因物質は、ホルムアルデヒドだけではありません。アセトアルデヒドやトルエン、キシレン、スチレン、パラジクロロベンゼンといったいろいろな化学物質が原因しているといわれています。
シックハウスの原因とされる化学物質の種類は、株式会社分析センター「シックハウスの法規制」が参考になります。
新車の臭いは、半年から1年ほど続くと思います。炎天下に自動車を駐車している場合には、自動車の中が高温になり、VOCが揮発しやすくなります。すると、VOCは早く蒸発し切って、新車の臭いが早くなくなります。
新車の臭いがどうしてもイヤな場合は、中古車を購入することをおすすめします。新車をすでに購入してしまって臭いが気になる方、新車の臭いをユーザー様から相談された自動車店様は、以下の対策についてご覧ください。
新車の臭いを消臭する方法
新車の臭いを消臭する方法は、換気をすることが一番です。自動車のエアコンを使用するときに内気循環ではなく外気導入を選んだり、窓を開けたりして、車内のVOCを換気してください。
市販の消臭剤は効果があるのか?
新車の臭いの消臭で多くの人が考えがちの方法は、ドラッグストアなどで市販されている消臭スプレーの利用です。
それらの消臭スプレーは、「臭いを包み込んで消臭」と言われるものもありますが、実際には臭いが消えているわけではなく、別の臭いで、消したい臭いをごまかしていることが現状です。
また芳香剤によって消臭を考える人もいますが、芳香剤を使用しても臭いが消えたわけではありません。
やはり、VOCを分解する方法にて、新車の臭いを対策した方が良いと思います。
おすすめの方法は光触媒による分解
VOCを分解する方法はいくつかありますが、自動車に設置し、効果の高い方法としては、光触媒による分解がおすすめです。
光触媒とは、光エネルギーを受けたら強力な酸化剤となるOHラジカルを発生させ、有機物を酸化分解する性質があります。しかし、光触媒そのものは変化しませんから、光触媒がずっと存在し続けたら、有機物を半永久的に分解し続けてくれます。
車内でVOCの消臭効果が高い光触媒成分
光触媒といっても、酸化チタンや酸化タングステンなど、たくさんの種類があります。「どのような光触媒成分を使ったら自動車のVOCを分解できるのか?」ということですが、結論から述べると銅ドープ酸化チタンを使った光触媒製品を使ってください。その理由を解説します。
車内に入る光の性質
光触媒にはいろいろな成分がありますが、もっとも利用されている成分が酸化チタンです。酸化チタンは、紫外線が当たると強い触媒の効果を発揮します。
ところが、自動車のガラスには紫外線カットガラスが使用されているため、いくら車内に直射日光が射しこんだとしても、酸化チタンではVOCを分解するほどの効果を発揮してくれません。
そこで、紫外線でなくても触媒の効果を発揮してくれる光触媒成分を利用することになります。それらの成分のことを、可視光応答型光触媒といいます。
VOCが分解できる可視光応答型光触媒
市販されている光触媒製品に利用されている可視光応答型光触媒は、次の種類があります。
- 銅ドープ酸化チタン
- 窒素ドープ酸化チタン
- 鉄ドープ酸化チタン
- 酸化タングステン
- タングステン・ドープ酸化チタン
これらはどれも可視光に反応して触媒の効果を発揮する成分です。これらは、どれを利用しても良いというわけではなく、VOCを分解するほどの強力な酸化力を持ったものを利用すべきです。
その成分は、銅ドープ酸化チタンです。これらの中で唯一、自動車の車内でVOCを強力に分解できる成分です。
他の成分もVOCを分解できると思いますが、「新車の臭いが一瞬で消えた」と実感できるものは、銅ドープ酸化チタンだけになります。
銅ドープ酸化チタンとは?
銅ドープ酸化チタンは、どういった光触媒成分なのかを、念のため解説いたします。
まず、銅は電線や10円玉などで利用されている銅です。酸化チタンとは、光触媒成分の一種です。ドープとは、「添加した」とか「加えた」という意味ですが、光触媒の世界では「結合させた」という意味の方が適切です。
銅ドープ酸化チタンとは、基材となる酸化チタンに助触媒として銅を結合させて、酸化チタンが可視光でも活性化するようにした光触媒成分です。
弊社が行った試験によると、酸化チタンでは分解できなかったVOCが、銅ドープ酸化チタンでは急速に分解できたこともありました。その試験の詳細は、「揮発性有機化合物(VOC)を分解できる光触媒成分とは?」をご覧ください。
VOCの分解に高い効果を発揮する銅ドープ酸化チタンですが、この成分を世界で初めて発見したのは、弊社です。
銅ドープ酸化チタンと銅ハイブリッド酸化チタンの違い
銅ドープ酸化チタンに似た成分として、銅ハイブリッド酸化チタンというものが存在します。銅ハイブリッド酸化チタンとは、酸化チタンを使った液剤に、銅イオンを混ぜただけのものです。
酸化チタンと銅が結合していなくて、銅がイオンとして存在していますから、酸化チタンは紫外線にしか反応しません。つまり、自動車の車内では、銅ハイブリッド酸化チタンでは新車の臭いが分解できないことを意味します。
銅ハイブリッド酸化チタンは、使いどころによっては効果は高いと思いますが、新車の臭いの分解を目的とするのであれば効果が無いので、間違わないようにしてください。
実のところ、銅ドープ酸化チタンを使った製品の中には、消費者に分かりやすくするために「銅ハイブリッド酸化チタン」と称しているものもありますから、紛らわしくなっています。
弊社が銅ドープ酸化チタン液剤を卸している光触媒メーカーもあるのですが、そのメーカーの光触媒スプレーであれば、新車の臭いの消臭に効果があります。また、大手自動車メーカーやトラックのメーカーなどで、弊社の銅ドープ酸化チタンを使った液剤や塗装を純正品として販売しているところもあります。
ちなみに、銅ドープ酸化チタンを採用した高級車の新車からは、新車特有の臭いはしません。
もし、購入しようとしている光触媒スプレーの成分が本物であるのか心配であるなら、弊社までお気軽にお問い合わせください。
銅ドープ酸化チタンの利用方法
銅ドープ酸化チタンによって新車の臭いが分解できることを、ご理解いただけたと思います。
次に、銅ドープ酸化チタンを自動車に利用する方法を解説いたします。利用方法は、次の2種類になります。
- 臭いが気になるときに光触媒スプレーをする方法
- 車内を光触媒コーティング塗装する方法
光触媒スプレーの利用は手軽ですが、定着剤が使用されていないので、頻繁にスプレーする必要があります。後者であれば強力に臭いを分解し続けてくれますが、コストが高くなります。
それぞれ、弊社の製品を解説いたします。
銅ドープ酸化チタンを使った光触媒スプレー「アキュートクリーン」
光触媒スプレー「アキュートクリーン」は、世界初の銅ドープ酸化チタンを使ったコンシューマ向けの製品です。ご家庭向けに開発した製品ですが、新車の臭いも強力に消臭してくれます。
新車に乗り込むときに、車内空間全体にアキュートクリーンを3~4回ほどスプレーしてください。すると、新車の臭いが一瞬で消臭されます。
銅ドープ酸化チタンは、タバコの臭いも消臭してくれます。タバコの臭いを消臭できるほどの強力な光触媒成分は少ないですが、銅ドープ酸化チタンであれば一瞬で消臭ができます。
次に説明する光触媒コーティングの方が強力なのですが、「銅ドープ酸化チタンの実力を知りたい」という方は、手軽な光触媒スプレーからご利用になられると良いと思います。
強力に消臭・除菌したい場合は光触媒コーティング塗装がおすすめ
アキュートクリーンは、新車の臭いが気になるときにスプレーするものですが、銅ドープ酸化チタンを車内全体にコーティング塗装する製品もございます。その製品名は、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)です。
この製品は、弊社が銅ドープ酸化チタンを世界で初めて発見し、光触媒コーティング剤としてリリースしたときに、大手自動車メーカー様の目に留まりました。そのメーカー様からのご依頼により、自動車専用として開発したものです。
それ以来、弊社のこの製品は、その自動車メーカー様の高級車に純正品としてご利用し続けていただいています。
車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の塗装は、誰にでもできるわけではなく、専用のスプレー装置を利用しなければいけません。ですので、施工は弊社製品を扱う塗装業者にお任せいただくことになります。塗装業者の一覧は、「自動車内装の光触媒コーティング施工代理店」をご覧ください。
以上、新車の臭いの原因や新車の臭いを強力に消臭できる光触媒成分「銅ドープ酸化チタン」の魅力、それを使った光触媒スプレーや光触媒コーティング塗装について解説いたしました。
光触媒コーティング施工は、費用が高くなるので、まずは光触媒スプレー「アキュートクリーン」をご利用いただいて、銅ドープ酸化チタンの効果を確かめられても良いと思います。
新車の臭いの消臭なら、ぜひ弊社の銅ドープ酸化チタンを使った製品をお試しください。
この記事の著者/責任者
株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。