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屋外用光触媒コーティング剤BX01の塗装方法や注意点

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屋外用光触媒コーティング剤BX01の塗装方法や注意点

この記事では、光触媒コーティングを新規事業として導入をご検討されている塗装業者様に向けて、屋外用光触媒コーティング剤BX01で光触媒コーティングするときの施工手順、施工時の注意点、光触媒コーティング施工の見積方法、施工で用いる機材や使用する材料(消耗品)などを解説いたします。

屋外用光触媒コーティング剤BX01は、外壁や看板の防汚や防カビ、防苔、防汚(セルフクリーニング)を目的とした光触媒コーティングです。一般住宅やビル、駅舎の外壁などいろいろな建物に利用されています。

弊社では光触媒コーティング施工講習会を開催しているので、施工技術を習得されたい企業様や個人事業主の方は、ぜひご利用ください。

屋外用光触媒コーティング剤BX01を外壁や看板などに塗装したいとお考えのご利用者様は、弊社もしくは弊社製品を扱う施工代理店にご相談ください。一般住宅や擁壁などの低層外壁の塗装ができる施工代理店一覧は、低層外壁の光触媒コーティング施工代理店をご覧ください。ビルやマンションなどの高層外壁への塗装は、高層外壁の光触媒コーティング施工代理店をご覧ください。

屋外用光触媒コーティング剤BX01を塗装できる箇所

屋外用光触媒コーティング剤BX01を塗装できる箇所は、次のような材質の箇所です。

  • 金属製の外壁
  • タイル
  • コンクリートやモルタル(打ちっぱなし)
  • ペンキ(看板や外壁、サイディング、雨戸など)
  • 土壁や石壁
  • 漆喰
  • 石膏ボード
  • アスファルト

屋外用光触媒コーティング剤BX01で、これらの防汚や防カビ、防苔ができます。耐久性は、10年~20年です。

屋外用光触媒コーティング剤BX01の施工手順

最初に、屋外用光触媒コーティング剤BX01を施工する手順から解説します。全体の流れは次の通りです。

  1. 近隣への事前説明
  2. 足場の設置
  3. 塗装面の清掃
  4. 塗料の付着を避けたい箇所の養生
  5. 屋外用光触媒コーティング剤BX01の塗装
  6. 乾燥
  7. 片付け、塗装機材の清掃
  8. 足場の撤去

少し解説を加えたいと思います。

近隣への事前説明

光触媒コーティングをする前に、近隣への説明が大事です。光触媒コーティング剤は、塗料やペンキと異なって、飛び散っても害はありませんが、施工で誤解されてもいけません。また、隣接する場所に自動車が駐車されていたら、自動車に光触媒コーティング塗料がかからないようにしなければいけません。

作業中に近隣からクレームがあり、お客様にご迷惑をかけないようにするためにも、施工前に近隣への事前説明が大事です。出来れば、施工日よりも前の日に説明しておくことをおすすめします。

塗料の付着を避けたい箇所の養生

屋外用光触媒コーティング剤BX01を塗装する前に、屋外用光触媒コーティング剤BX01が付着してはいけない箇所を養生します。

養生の方法は、一般的な塗装のときと同じ要領で、ビニールシートと養生テープを用います。

屋外用光触媒コーティング剤BX01が付着してはいけない箇所は、次のような箇所です。

  • 窓ガラス
  • 植木や花壇
  • 照明や屋外コンセント
  • その他、屋外用光触媒コーティング剤BX01が付着してほしくない箇所

塗装面の清掃

屋外用光触媒コーティング剤BX01を塗装する前に、塗装面を清掃します。

塗装面が黒くなっていたり、苔が生えていたりすることがありますが、そういったものはすべて洗い落としてください。

清掃しないで屋外用光触媒コーティング剤BX01を塗装すると、塗装面に付着した汚れが落ちるときに光触媒コーティングも落ちてしまうので、耐久性が悪くなるからです。

塗装前に、専用の洗浄剤や高圧洗浄機、ウエスなどで塗装面を必ず清掃してください。洗浄後は、洗浄液をよく洗い落とし、よく乾燥させてから、光触媒コーティングを行ってください。

施工時の注意点

施工時の注意点をいくつか解説いたします。

専用の塗装装置とスプレーガンを用いて塗装すること

屋外用光触媒コーティング剤BX01の塗装は、専用の塗装装置とスプレーガンを用いてください。

専用の塗装装置としておすすめの製品は、ABAC温風低圧塗装機です。ABACは「アバック」と呼びます。次の写真は、ABAC温風低圧塗装機SG-91です。

ABAC温風低圧塗装機とスプレーガン

次の図は、オプション品のキャリングハーネスでABAC温風低圧塗装機SG-91を背負っている様子です。

オプション品のキャリングハーネスでABAC温風低圧塗装機SG-91を背負っている様子

外壁塗装では、広い面積を光触媒コーティングするので、ABAC温風低圧塗装機の移動が多くなり、また塗料の補充回数が多くなります。ABAC温風低圧塗装機SG-91には、キャリングハーネスや補助タンクのオプション品(簡易圧送キット)があるので、それを利用すると、作業効率が高まります。

屋外用光触媒コーティング剤BX01は、粘性が低い水のような塗料ですので、一般的なスプレーガンで塗装すると、塗料を吹き出し過ぎてしまいます。塗料をたくさん使用すると、それだけ光触媒の効果が高くなるかもしれませんが、酸化チタン特有の色合いが出てしまって、見栄えを損なうことがあります。

また、ABAC温風低圧塗装機のスプレーガンは、噴霧する液剤を包み込むようにエアカーテンが出ます。それにより、噴霧された屋外用光触媒コーティング剤BX01が塗装面に定着する割合(塗着効率)が高くなります。

ABACのスプレーガンから出るエアカーテンが光触媒コーティング剤を包み込み塗着効率が70%

また、スプレーガンのノズル口径は、φ0.3mm~φ0.5mmといった小口径のものを使用します。ABAC温風低圧塗装機と小口径ノズルを組み合わせることで、屋外用光触媒コーティング剤BX01を吹き付け過ぎることなく、塗装面が美しく仕上がります。

弊社にて、ABAC温風低圧塗装機や専用のスプレーノズルを販売しています。ABAC温風低圧塗装機の詳細は、ABAC温風低圧塗装機SG-91をご覧ください。

下地が有機物の箇所は下地剤(プライマー)を塗装すること

下地が有機物の箇所は下地剤(プライマー)を塗装すること

屋外用光触媒コーティング剤BX01は、とても光触媒効果の高い成分を用いています。そして、光触媒効果によって有機物を分解する性質があります。その性質によって、防カビや防苔ができます。

さて、屋外用光触媒コーティング剤BX01を看板に塗装する場合は、塗装面の下地がペンキや塗料が用いられています。ペンキや塗料は有機物ですので、屋外用光触媒コーティング剤BX01によって劣化しまうことがあります。

屋外用光触媒コーティング剤BX01を有機物に塗装する場合は、塗装面の下地に、あらかじめ屋外用プライマーASS01を塗装しておきます。

屋外用プライマーASS01は、光触媒で劣化しない成分を使っており、下地を光触媒による劣化から保護してくれます。

コンクリート(打ち放し)に塗装する場合はコンクリート用プライマー(セラミックプライマー)を利用

コンクリート(打ち放し)は、水分によって劣化しやすい材質です。光触媒コーティング剤は、親水性の効果によって水分を引き寄せてしまいます。そのため、雨が降った後にコンクリートが湿気っぽくなり、コンクリートの劣化を早めてしまう恐れがあります。

コンクリート(打ち放し)に光触媒コーティングする場合は、コンクリートの劣化を防止するために、水を弾く成分を下地として塗装しておくことをおすすめします。

ただし、水を弾く成分なら何でも良いわけではありません。フッ素樹脂塗装をすると、光触媒コーティング剤を弾いてしまい、均一に塗装ができないからです。

弊社がおすすめする下地剤は、コンクリート用プライマー(セラミックプライマー)です。セラミックプライマーはクリア塗装ができる製品で、コンクリートの水を弾いて、内部に雨水が浸透することを防ぎ、耐久性を高めます。

セラミックプライマーは水を弾きますが、屋外用光触媒コーティング剤BX01は均一に塗装ができるのでご安心ください。

コンクリート(打ち放し)に光触媒コーティングする方法については、「コンクリート打ち放しに光触媒コーティングする方法」もご参照ください。

ガラス面には塗装しないこと

ガラス面への光触媒コーティングはBTG01を使用すること

屋外用光触媒コーティング剤BX01をガラス面に塗装すると、虹色の模様が出てしまうことがあります。窓ガラスへの塗装は避けるために、施工前に窓ガラスへの養生を欠かさないようにお願いします。

弊社製品にはガラス用光触媒コーティング剤BTG01があるので、窓ガラスに光触媒コーティングして防汚したい場合には、そちらの製品をご利用ください。

光触媒コーティング施工の見積もり方法

屋外用光触媒コーティング剤BX01の塗装を見積もる方法を解説します。見積金額は、基本的に次の内容の合算で決まります。金額は、施工代理店様にて自由に決めていただいてかまいません。

  • 塗装面の面積
  • 足場の有無
  • 養生費
  • 出張費と駐車場代
  • その他諸経費(ゴミの廃棄など)

塗装面の面積による見積もりの算出

塗装面の面積によって、屋外用光触媒コーティング剤BX01や屋外用プライマーASS01の使用量が変わってきます。どちらも、50m2/Lです。1リットルで、50m2の面積を塗装できます。

また、塗装面の面積によって、施工する時間も決まります。すると、そこから人件費が算出できます。

塗装面の面積によって、塗料の分量と人件費が決まるので、その合算で見積を算出することができます。

高い場所に塗装する場合の見積もりの算出

高い場所に光触媒コーティング塗装する場合、足場を組まないといけない場所もあるかもしれません。戸建てであったとしても、2階の外壁塗装は、延長ノズルを用いたとしても困難になります。

このように、高い場所への塗装は足場を組む必要があるので、高い場所への塗装の有無によっても、料金が異なってきます。

出張費と駐車場代について

出張費は、施工店がある出発地点から、お客様の場所がどれだけ離れているのかによって決まります。例えば、「自動車で1時間以内であれば、出張費が無料」とか、「50kmを超え100kmまでの場所は、出張費が1万円」といった具合に、時間や距離で決めておくと良いと思います。

また、都心では自動車を施工場所の前に駐車しておくことができないので、近くの駐車場を借りることになります。その費用もかかります。

北側や密集した場所の湿気っぽい外壁への塗装

北側や密集した場所の湿気っぽい場所にある外壁は、カビや苔で黒色や緑色になっていることがあります。そういった場所は紫外線量が少ないので、屋外用光触媒コーティング剤BX01では、防カビや防苔効果が弱い場合が多いです。

そういった場所に使用する光触媒コーティング剤は、屋外用光触媒コーティング剤BX01ではなく屋内用光触媒コーティング剤BX01-AB1を使用することをおすすめします。

屋内用光触媒コーティング剤BX01-AB1は可視光応答型酸化チタンを使用しているので、薄暗くても防カビや防苔効果を発揮するからです。

光触媒コーティング施工で用いる機材

屋外用光触媒コーティング剤BX01を塗装する場合の、基本的な施工機材をまとめると次のものになります。

  • ABAC温風低圧塗装機一式
  • 電源ドラム
  • 脚立や足場
  • 方位磁針(念のため)
  • 安全帯やヘルメット、防塵メガネ、防塵マスク
  • 清掃用道具
  • ブルーシートや養生ボードといった養生資材
  • 投光器

使用する材料(消耗品)

屋外用光触媒コーティング剤BX01の塗装で使用する消耗品は、次のものになります。

  • 屋外用光触媒コーティング剤BX01
  • 屋内用光触媒コーティング剤BX01-AB1(念のため)
  • 屋外用プライマーASS01
  • 養生テープなどの養生資材
  • ノズル清掃用の純水

施工現場には、どれも予備として少し多めに持って行っておいた方が良いです。

光触媒コーティング施工講習会のご案内

以上、屋外用光触媒コーティング剤BX01の塗装方法や注意点を解説いたしました。他の光触媒コーティング剤については、こちらのコラムをご覧ください。

弊社では、光触媒コーティングを新規事業として取り入れたいとお考えの企業様、個人事業主の方に向けて、光触媒コーティング施工講習会を開催しています。

施工講習会の開催日は、お客様のご都合の良い日程に合わせます。ご予約をいただいて、日程の合う日を決めます。

開催場所は、弊社の佐賀工場、もしくは御社にて行います。ベテランの職人が施工方法を丁寧にお教えします。

また、初めての施工では弊社スタッフが施工に同行するサービスも行っています。初めて光触媒コーティングを行うときでも安心して施工ができます。

光触媒コーティング施工講習会にご興味のある企業様、弊社製品を扱う施工代理店登録をご希望の方は、光触媒コーティング施工代理店募集のご案内をご覧ください。

光触媒コーティング施工の事業化なら、弊社までお気軽にご相談ください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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