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室内の光触媒コーティング

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室内の光触媒コーティング

光触媒コーティングは効果が正しく発揮されたら、とてもメリットが大きいと考えます。

ところが、世の中の施工業者には光触媒の知識が乏しいところが少なからずあり、正しく施工されていない現状があります。

また、光触媒メーカーでも、効果がほとんど無い使われ方をしていても、見て見ぬふりをしているところもあるようです。

弊社では、効果の高い光触媒製品を開発し、それを正しく使用してもらえるようにPRしています。そして、お客様に多くのメリットが得られ、かつ施工店にも利益が得られる経済の正しい循環を創っていきたいと思っています。

この記事では、そういった願いを込めつつ、室内の光触媒コーティングについて、光触媒の効果や種類、施工方法など、全般的に解説したいと思います。

一般消費者様や施工店に、室内の光触媒コーティングの正しい知識を持っていただき、一般消費者様は正しく施工してくれる施工店を選ぶ目を持っていただけたらと思います。施工店には、お客様にご満足いただける光触媒コーティング施工をしていただきたいと思います。

光触媒のメカニズムと光触媒コーティング

光触媒が効果を発揮するメカニズム

光触媒とは、光が当たると触媒効果を発揮する成分のことです。光触媒によって得られる主な触媒効果とは、触れるものを酸化分解するという効果です。

光触媒に光が当たると、空気中の酸素や水分と反応して、OHラジカルと言われる活性酸素を発生させます。OHラジカルは強い酸化力を持ち、触れるものを酸化分解する性質があります。この効果を利用して、さまざまな効果を発揮するわけです。

光触媒のメカニズム。OHラジカルが細菌類・ウイルス・臭いを分解

この効果は、光触媒がごく微量であったとしても強く出ます。その理由は、化学変化を起こしても光触媒そのものは無くならないからです。光が当たり続ける限りOHラジカルを半永久的に発生し続けます。

光触媒コーティングとは?

光触媒は金属の微粒子ですが、それを室内に使用する方法は、光触媒の微粒子を使った液剤を塗布します。その液剤のことを、光触媒コーティング剤といいます。

光触媒コーティング剤を施工することを、「光触媒コーティング施工」とか単に「光触媒コーティング」といいます。

光触媒コーティング剤として実用化されている光触媒の種類は、主に5種類あります。その5種類は後ほど解説いたしますが、それぞれ特性が異なるので、室内ではほとんど効果の無い成分もあれば、高い効果が得られる成分もあります。

室内で光触媒を利用し満足な効果を得るためには、室内でも効果の高い光触媒の種類を選び、正しく施工することが大切です。効果の高い光触媒成分は、後ほどご紹介いたします。

室内の光触媒コーティングによって得られる効果

室内に、効果の高い光触媒成分を使った光触媒コーティングすると、得られる効果はたくさんあります。

室内空間を除菌・抗菌

室内の壁紙や天井、床、カーペットといったものに光触媒コーティングをしておくと、そこに触れる細菌類やウイルスが、光触媒によって分解され、除菌や抗菌ができます。

除菌とは、細菌類の数を減らすこと、抗菌とは細菌類の数が増えないようにすることです。光触媒コーティングを行えば、除菌と抗菌の両方ができます。

室内の消臭

室内で発生する多くの臭いは有機物ですから、OHラジカルによって酸化分解されます。臭いを別の香りでごまかすような消臭スプレーとは違い、光触媒は臭い成分そのものを酸化分解してしまうので、根本的な消臭ができます。

カビの臭い、ペット周りの臭い、生ごみの臭い、油の臭い、新築や新車の臭いなど、いろいろな臭いを分解消臭できます。

壁紙の防カビ

北側の部屋で、部屋を閉め切って空気がこもりやすい部屋、結露しやすい部屋では、壁紙にカビが発生することがあります。脱衣所などの湿気が発生しやすい場所の天井などもカビが発生しやすいです。

光触媒コーティングをすることで、カビ菌を分解してくれるので、壁紙の防カビができます。

お風呂の防カビ

防カビは壁紙だけでなく、お風呂場でも可能です。カビは湿気が原因となりますが、お風呂場は換気をしていても湿気やすい環境です。掃除をしないで放置していたら、新築物件であってもすぐにカビが発生します。

光触媒コーティングをしておけば、カビの発生を抑制できますし、カビが発生しても掃除をしたらすぐに落とせるようになります。

新築の匂いを消臭

新築の匂いの原因は、建材に用いられている有機溶剤が揮発したガスです。このガスのことを、揮発性有機化合物(VOC)といいます。VOCも、光触媒によって酸化分解される対象ですから、部屋全体を光触媒コーティングしておけば、新築の匂いを消臭してくれます。

ペット周りの除菌・消臭

ペットを室内で飼っている部屋では、ペット特有の匂いがします。ペットのオシッコや餌の匂いで、独特の臭いが立ち込めています。爬虫類を飼われている方はなおさらのことでしょう。場合によっては部屋中に空気清浄機を設置している方もいらっしゃいます。

ちなみに、機種によっては空気清浄機の中にも光触媒コーティング塗装できる場合があります。

部屋全体を光触媒コーティングしておけば、部屋中が消臭効果を発揮してくれるので、空気清浄機よりも消臭効果が高まることが多いです。

ペットの寝床やフローリング、ペットのトイレなどに光触媒コーティングをしておけば、除菌や消臭ができます。

アレルゲンの分解

光触媒コーティングは、室内のアレルゲンを分解してくれる効果もあります。花粉やペット、化学物質などに敏感な方は、ぜひお試しいただきたいと思います。

効果を保証するものではありませんが、お客様の声で「花粉症が改善した」というお声をいただくこともあります。

ときどき「花粉も分解できますか?」と訊かれることもありますが、花粉はサイズが大きいので実質的に分解はできません。花粉のアレルゲンでしたら分解ができます。

トイレの抗菌・消臭

光触媒コーティングで、トイレの抗菌・消臭ができます。トイレの便器、床、トイレマット、手洗い、壁などといった箇所に光触媒コーティングができます。

トイレの光触媒コーティングは、トイレの匂いが気になる飲食店でもよくご相談があります。

玄関や下駄箱の消臭

玄関や下駄箱は、靴の臭いに悩まされることがあります。備長炭などを入れて消臭する方もいらっしゃいますが、光触媒コーティングの方がより効果的です。

光触媒コーティングをされる方の中には、「ブーツの中にも光触媒コーティングしてほしい」とご依頼いただくこともあります。光触媒コーティングは、ブーツの中の抗菌・消臭にも適しています。

室内用光触媒コーティング剤の種類と効果の高さ

光触媒コーティング剤として利用される光触媒には、いろいろな種類があります。市販されている光触媒コーティング剤に利用される光触媒の種類は、主に次のものがあります。

  • 酸化チタン
  • 銅ドープ酸化チタン
  • 窒素ドープ酸化チタン
  • 鉄ドープ酸化チタン
  • 酸化タングステン

これらの光触媒成分は、どれも室内で効果があるわけではありません。ほとんど効果のないものもあるので、選択を間違うと「費用だけかかって効果無し」です。実際に、効果の無い成分をあたかも高い効果があるようにPRしているメーカーもあるので、注意が必要です。

酸化チタン光触媒コーティングは室内での効果はほとんど無し

室内で効果の無い光触媒の代表が、酸化チタンです。酸化チタンは、紫外線が当たることで、とても高い効果を発揮しますが、紫外線以外の光では、ほとんど効果がありません。

室内ではどうでしょうか?

室内には、蛍光灯やLED照明といった照明の光がありますが、それらには紫外線がほとんど含まれていませんから、酸化チタンでは効果がほとんどありません。

酸化チタンは室内などの紫外線でないとほとんど反応しない

少し厳密にご説明しますと、「ほとんど無い」と述べましたが、実はほんの僅かに効果があります。そこで、光触媒メーカーの中には、「酸化チタンを大量に添加したら効果が出るのではないか」と言って、濃度の濃い光触媒コーティング剤を販売しているところもあります。そのような製品を利用すると、塗装面が酸化チタンの色である白色の模様が出てしまいます。

酸化チタンであったとしても、このように部屋中を真っ白になるくらいに塗装したら、効果があります。しかし、そのようなことをすると、光触媒コーティング剤の費用が高くなります。部屋中が真っ白になることを望む方はいらっしゃらないことでしょう。

ドープの意味と可視光応答型光触媒

酸化チタン結晶にナノサイズの酸化銅を結合

上記の光触媒の種類の中で、酸化チタン以外のものは、効果の高低はさておき、部屋の中で効果があります。

それらの中に「ドープ」という言葉が名称に入っているものがあります。ドープとは、「添加した」という意味ですが、光触媒の業界では「結合させた」という意味になります。例えば、銅ドープ酸化チタンは、ナノサイズの酸化チタン結晶の表面にナノサイズの酸化チタンを結合させた成分です。

酸化チタンは、紫外線にしか反応しませんが、銅や窒素、鉄などの別の物質を結合させると、紫外線だけでなく、部屋の中の光にも反応する性質を持つようになります。部屋の中の光は目に見える光ですから、可視光と言われます。可視光が当たっても効果を発揮する光触媒の種類を総称して、可視光応答型光触媒といいます。

上記の光触媒の種類の中で、酸化チタン以外のものは、すべて可視光応答型光触媒です。少なくとも、可視光応答型光触媒をご利用なさってください。

酸化タングステンは効果が弱い

銅ドープ酸化チタンや窒素ドープ酸化チタン、鉄ドープ酸化チタンは、酸化チタンに他の物質をドープしていますが、酸化タングステンはそれそのままで可視光応答型光触媒です。

酸化チタンに別の物質をドープさせるためには、製造技術が必要となりますが、酸化タングステンは比較的手に入れやすい光触媒成分です。そこで、酸化タングステンを使った光触媒コーティング剤を開発しているメーカーもあります。

ところが、酸化タングステンは抗菌や消臭の効果がとても低いことが知られています。

実際に、酸化タングステンを用いた光触媒コーティング剤を製造販売しているメーカーのHPを見ると、試験結果に「1,000lxの蛍光灯の光を当てて菌の数が減った。臭いが分解できた。」と記載されていることがあります。

1,000lxと言えば、明るい昼間のオフィスよりもさらに明るい光で、手術室並みの明るさです。そのような明るい光を当てると、「除菌や消臭ができて当たり前だ」とさえ感じます。

実際に光触媒コーティングを利用する室内では、室内の照度は夜は500lx以下がほとんどですし、薄暗い200lxの場所もありますし、就寝時は消灯をします。そういった環境では酸化タングステンには効果がほとんどありません。

200lxと1000lxの明るさ比較。1,000lxは手術室並みの明るさ

薄暗い光の下や暗所でも効果の高い銅ドープ酸化チタン

上記の光触媒の種類の中で、室内でもっとも効果が高いものは銅ドープ酸化チタンです。銅ドープ酸化チタンは、他の光触媒の種類よりも、10倍以上の効果を発揮します。

銅ドープ酸化チタンの効果を100としたときの他の光触媒との効果比較

また、添加されたナノサイズの酸化銅が、光が当たっていなくても触媒効果を発揮するため、薄暗い光のときや、消灯をした暗所でも抗菌や消臭などの効果を発揮してくれます。

直射日光、明るい部屋、薄暗い部屋、消灯した部屋のそれぞれの部屋で効果のある光触媒の種類

室内に銅ドープ酸化チタンを利用するメリット

室内に銅ドープ酸化チタンを利用するメリットを、もう少し具体的にご説明いたします。

200lxほどの薄暗い光でも効果を発揮

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティングを行えば、200lxという薄暗い室内でも、抗菌や消臭といった効果があります。

室内で消臭効果を発揮したい場面は、夜の食事の後のキッチンやリビングです。そのときの明るさは、200~300lxほどであることが多いです。そういった明るさの光の下でも抗菌や消臭ができるのは、銅ドープ酸化チタンのみです。

200lxという明るさの数値は、地下鉄の抗菌コーティング施工でも基準になることがあります。地下鉄の抗菌コーティング施工の入札条件として、実際に「蛍光灯かLED照明の光で、200lxの明るさでも抗菌効果が5年以上保てること。またその実績があること。」という条件がありました。

確かに、地下鉄では蛍光灯かLED照明しかありませんし、車内は薄暗い箇所もあります。そういった箇所でも抗菌ができるようにするためには、銅ドープ酸化チタンしかありません。

この条件を達成できる光触媒コーティング剤は、当時は弊社製品の屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)しかありませんでした。入札のご担当者様は、弊社製品の効果の高さをどこかでお知りになられ、そのような条件を入れられたのだと思います。

銅ドープ酸化チタンならいろいろな種類のVOCの分解が可能

銅ドープ酸化チタンは、いろいろな種類のVOCの分解が可能です。VOCは、新築物件では必ず発生するものです。ホルムアルデヒドの揮発量が少ない認定建材を使用したとしても、ホルムアルデヒド以外の化学物質がふんだんに利用されていることが多いです。

化学物質に敏感な方にとっては大変なことです。シックハウスの原因物質には、100種類以上あると言われています。例えば、キシレンやスチレン、トルエンといった成分があります。

キシレンやスチレン、トルエンは、ベンゼン環を持つ化学物質です。ベンゼン環は光触媒では分解が難しいことが知られています。ところが、銅ドープ酸化チタンは、それらを強力に分解する性質を持ちます。

先日もリフォームをされた工務店から「部屋の中のトルエンの濃度が下がらないので施工してもらいたい」とご依頼をいただきました。

24時間効果を発揮

一般的な光触媒は、紫外線や可視光が当たっているときにしか効果を発揮しません。それらの光の明るさが明るいほど効果が高くなります。反対に光が一定以下になると、効果がほぼ無くなります。銅ドープ酸化チタンはナノサイズの酸化銅が、光が当たっていなくても効果を発揮することは、先ほどお伝えした通りです。

室内では、寝ている間は部屋を暗くしますから、一般的な光触媒では抗菌や消臭、アレルゲンの分解といった効果がありません。銅ドープ酸化チタンは暗所でも効果を発揮しますから、24時間効果を発揮する唯一の光触媒だと言えます。

クローゼット内や押し入れ内でも効果を発揮

普段は点灯させないお風呂場や、いつも締めきっている下駄箱やクローゼットの中は、一般的な光触媒では効果がありません。銅ドープ酸化チタンは、そういった場所でも除菌や消臭などができます。もちろん、地下室でも効果を発揮します。

スパイスやニンニク、香水の臭いも分解

スパイスやニンニク、香水といった臭いは、臭いが強いので、銅ドープ酸化チタンでないと消臭が難しいと言えます。

最近では、賃貸マンションでアジア系の方々が住まわれ退去された後の、ニンニクやスパイスの匂いの消臭にお困りの方が増えています。また、ホテルで宿泊客の香水の匂いの消臭にお困りの方もいらっしゃいます。

そういった匂いの消臭にも銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティングがおすすめです。

銅ドープ酸化チタンを使った
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)

銅ドープ酸化チタンを使った弊社の光触媒コーティング剤「屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)」を解説いたします。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の1Lボトル、5Lまたは10Lバロンボックス

完全な無機塗料

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の成分は、次の3種類の無機成分しか使用しておりませんので、完全な無機塗料です。アルコール類や有機溶剤などは使用していません。

光触媒銅ドープ酸化チタン
接着成分(バインダー)アモルファス酸化チタン
その他

光触媒成分には、銅ドープ酸化チタンを使用しています。この原材料は、アナターゼ酸化チタンと銅です。アナターゼ酸化チタンのアナターゼとは、結晶構造の名称です。一般的な酸化チタンには、このアナターゼ酸化チタンが利用されています。その結晶の表面に、銅が結合されています。

この結合方法は、弊社の特許技術です。

無機塗料ですと、ホテルの室内や商業施設内といった防炎規制のある場所でも、ご利用いただけます。

バインダーにアモルファス酸化チタンを採用し効果は10年以上

接着成分(バインダー)は、銅ドープ酸化チタンを塗装面に接着する成分のことです。市販されている光触媒コーティング剤には、バインダーにアモルファス酸化チタンかフッ素樹脂が用いられます。弊社製品は、完全な無機塗料を実現するためにアモルファス酸化チタンを用いています。

アモルファス酸化チタンとは、非結晶の酸化チタンのことです。これを光触媒成分といっしょにゾルゲル法で水と馴染ませたものが光触媒コーティング剤となります。

フッ素樹脂は有機物ですから、光触媒によって分解される対象となります。中には、ナフィオンのように光触媒に強いフッ素樹脂もありますが、基本的に耐久性が低いので、効果の持続期間が5年ほどのものが多いです。それに対してアモルファス酸化チタンを使った製品は、利用環境によりますが、基本的に効果の持続期間が10年以上あります。

室内で塗装できる箇所

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、室内のさまざまな材質に塗装ができます。

  • 壁紙
  • 布や皮
  • ステンレス
  • 樹脂やプラスチック
  • 衛生陶器
  • タイル
  • 石材

室内の塗装できる箇所としては、次のようなものがあります。

  • ウッドパネル
  • 壁紙クロス
  • ソファー(布や皮)
  • テーブルや椅子
  • ベッドや布団
  • タイルカーペット
  • カーペット、フロアマット
  • ウッドフローリング
  • トイレの便器や洗面台などの衛生陶器
  • お風呂のタイルや樹脂パネル、浴槽
  • キッチンパネル
  • カーテン/シャワーカーテン
  • ステンレス製の手すりやドアノブ
  • エアコンの中
  • 押し入れやクローゼット、ウォークインクローゼットの中
  • 下駄箱や玄関収納の中
  • 床タイル
  • クッションタイル

反対に塗装できない箇所は、窓ガラスや鏡などのガラス製品、家電製品や照明、コンセントなどの漏電の恐れがあるものです。

塗装方法

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の塗装は、専用の塗装機械とスプレーガンを用いて拭きつけ塗装するか、不織布などで拭きとるように塗装をします。塗装機械とスプレーガンには、それらがセットになったABAC(アバック)温風低圧塗装機を推奨します。

ABAC温風低圧塗装機SG-91とスプレーガン

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、ABAC温風低圧塗装機で塗布することを想定して粘性や成分を調整しています。

スプレーガンのノズル口径には0.3~0.5mmといった小口径のノズルを用います。それ以上のノズル口径ですと、光触媒コーティング剤を吹き出し過ぎてしまい、均一に塗装することが困難になるからです。塗装に慣れないうちは、0.3mmを用いてください。

購入方法

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、一般消費者のお客様には基本的に販売をお断りしています。弊社の施工代理店ならびに販売代理店に卸販売しています。

この製品は、薄く、むらなく均一に塗装するために、塗装技術を要するためです。

ご購入になりたい方は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の塗装技術を習得されて、弊社の施工代理店になっていただく必要があります。

弊社では、光触媒の知識や光触媒コーティング剤の施工方法を学べる施工講習会を開催しています。施工講習会の内容や受講方法、費用などについては、光触媒コーティング施工代理店募集のご案内をご覧ください。

施工での注意点

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を使って室内塗装をするときに、注意すべき点がいくつかあります。

直射日光が当たる箇所への塗装

室内では、紫外線がほとんど存在しませんから、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を利用することで効果を発揮します。紫外線が当たる場所では、もっと強く効果が発揮されます。

室内は基本的に紫外線が存在しませんが、直射日光が入る場所では、一時的にでも強い紫外線が当たります。そういった場所では、銅ドープ酸化チタンが強く反応するため、塗装面が有機物であればそれを劣化させる恐れがあります。

例えば、壁紙やフローリング、ソファー、カーテンといったものは、直射日光が当たることがあります。

劣化と言っても、塗装後すぐにボロボロになるわけではなく、「何年か経過したら劣化が進んでいた」という具合です。劣化すると、色あせが起きたり、茶色く変色したりします。塗料の場合には、チョーキングと言って白い粉を吹いたようになる場合もあります。

下地保護剤、屋内用プライマー(AS01)

直射日光が当たる場所に屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗装する場合は、そこが有機物であるならば塗装前に、予め屋内用プライマー(AS01)を予め塗装しておきます。

すると、銅ドープ酸化チタンが塗装面に直接触れなくなるので、下地の劣化を防いでくれます。

銅ドープ酸化チタンに直射日光が当たると有機物の塗装面が劣化しやすい。プライマーが光触媒と有機物の接触を防ぎ、劣化を防止する

部屋の中に臭いの発生源がある場合

部屋の中に臭いの発生源がある場合は、室内を光触媒コーティングしても、臭いが部屋の中に漂うので、消臭し切れない場合があります。

臭いの発生源を部屋の外に出したら、次第に臭いが消えていきます。

特に倉庫やトイレで臭いの発生元がある場合は、光触媒コーティングをしても「臭いが消えていない」とクレームがある場合があります。光触媒コーティングの前に、出来る限り臭いの発生源を入念に除去しておいてください。

光触媒コーティングした箇所に埃や汚れが蓄積された場合

光触媒コーティングした箇所に埃や汚れが蓄積されると、光触媒と臭いの接触が妨げられて、消臭効果が落ちてしまう場合があります。

そういった場合は、光触媒コーティングした箇所を清掃してください。埃や汚れを清掃すれば、また光触媒がむき出しになりますから、消臭効果が戻ります。

清掃方法は、水拭きする程度で良いです。汚れが光触媒で分解されているので、水拭きだけでも汚れを落とすことができます。

火災の匂いの消臭利用

火災の匂いの消臭では、専門の業者にスケルトンの状態で煤を落としてもらってから、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗布します。

火災の匂いが少しでも残ると、そこに住む人にとっては苦痛ですから、塗布量を多くします。

具体的には、ノズル口径0.5mmを使い、少しゆっくりと塗布してください。それの縦横塗装を2セット行います。

塗装後はすぐに臭気が下がり、時間の経過とともに煤が分解されて匂いが収まっていきます。銅ドープ酸化チタンは、光がなくても消臭ができるので、その後にリフォームを行って壁紙が貼られたとしても、その内部で煤の匂いを分解し続けてくれます。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)のバインダーには、アモルファス酸化チタンを用いていますから、その上から壁紙クロスを貼り付けることができます。アモルファス酸化チタンは糊と相性が良い成分です。

火災の消臭については、「火災の匂い消しならご相談ください!光触媒消臭剤のイリス」をご参照ください。

施工の手間が増えてしまうプライマーは必要か?

先ほど、光触媒コーティングした箇所に直射日光が当たることによって有機物の下地が劣化することをお伝えしました。また、その対策として、予めプライマーを塗装しておき、光触媒と下地が接触することを防ぐこともお伝えしました。

よく施工代理店をご希望の方から、「他社製品でプライマーを必要としないワンコートの光触媒コーティング剤もある。イリス製品もそのような製品は出来ないのか?」とご相談いただくことがあります。

プライマーは、直射日光が当たる箇所の下地の劣化を防止するものですが、下地が劣化しない光触媒コーティング剤が、確かに他社ではリリースされています。

光触媒は下地を傷めずに高い効果を得ることができないので、ワンコートの光触媒コーティング剤は効果が弱いということを意味します。

直射日光が当たる箇所にプライマーを必要とする製品は、実は光触媒の効果が高いのです。

ワンコートの光触媒コーティング剤とプライマーを必要とする光触媒コーティング剤の違い

室内の光触媒コーティング施工ご依頼から施工までの流れ

室内の光触媒コーティング施工ご依頼から施工までの基本的な流れをご説明いたします。弊社の施工代理店よって、または施工内容によっては、流れが若干異なる場合があります。

1.施工のご相談

弊社もしくは施工代理店までご相談ください。弊社の施工ご相談フォームはこちらです。

施工ご依頼の理由や施工内容をお教えください。理由によっては施工内容が変わる場合があるからです。

2.物件の図面のご提供

概算見積もりを出すために、施工面積がわかる図面をお送りください。手書きでもかまいません。

3.概算見積もり

現場の場所や施工内容、施工面積などから概算見積もりを作成いたします。金額にご納得が頂けましたら、仮契約をしていただきます。

4.現地調査

正式なお見積もりが出せない場合には、現地調査をさせていただく場合がございます。現地調査は、場所や調査内容によっては有料となる場合もございます。

5.ご提案と正式なお見積もり

現地調査の内容などを踏まえ、施工内容のご提案や正式なお見積もりを出させていただきます。施工内容や金額にご納得いただけましたら、ご発注をください。施工日時の調整を行います。

6.施工実施

お約束の日時に伺い、施工を行います。施工には、水道やトイレなどをお借りする場合がございます。

室内の光触媒コーティング施工の流れ

室内の光触媒コーティング施工の流れは、次の通りです。

  1. 家具や備品の移動
  2. 施工前のATP値測定や臭気測定
  3. 足場の設置(必要であれば)
  4. 塗装面の清掃
  5. 養生
  6. 屋内用プライマー(AS01)の塗装
  7. 屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の塗装
  8. 施工後のATP値測定や臭気測定

ATP値測定と臭気測定

ATP測定には、キッコーマンから発売されているルミテスターと試薬(ルシパック)を用います。

ルミテスターとは、キッコーマンが開発したATP値を測定できる検査装置です。ATP値とは、簡単に言えば、生物汚れを数値化したものです。ATP値が高いと、それだけ細菌類などの汚れが多いことを意味します。

臭気測定には臭気測定器を用います。臭気測定器は臭気の強さを数値で表すことができます。

施工前後でATP値や臭気を測定することで、光触媒コーティングの効果を計ることができます。

除菌や抗菌を気にされている方にはATP測定を、匂いを気にされている方には臭気測定を行います。施工後直後でもそれらの数値が大幅に下がることが多いので、お客様に喜ばれます。

養生

窓ガラスの養生の事例

養生とは、光触媒コーティング剤を塗装しない箇所にビニールシートや養生テープなどで覆う作業のことです。養生をする箇所は、次の箇所です。

  • 窓ガラスや鏡などのガラス面
  • 家電製品
  • 照明やコンセント
  • その他の光触媒コーティング塗装をしない箇所

液剤の乾燥

屋内用プライマー(AS01)や屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗装したら乾燥するまで待ちます。時間は、夏場であれば30分ほど、冬場であれば2時間ほどです。それぞれの液剤は、塗布後にすぐに乾燥したように見えますが、バインダーが固まるまで時間を待つため、長めの時間を待ちます。

冬場の乾燥には、エアコンで暖房運転するかジェットヒーター等の温風を発生するサーキュレータを用いることをおすすめします。

室内の光触媒コーティングで使用する機材

室内の光触媒コーティングで使用する機材は、主に次のものがあります。

  • 清掃機具(バケツやウエス、スポンジ、中性洗剤、漂白剤など)
  • 養生シートや養生テープ
  • 屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)
  • 屋内用プライマー(AS01)
  • 軽量カップ
  • ABAC温風低圧塗装機
  • 不織布
  • サーキュレータ
  • 延長コード
  • 脚立
  • カメラ

室内の光触媒コーティングの施工費用

室内の光触媒コーティングの施工費用は、細かく項目を出すと、次のようなものになります。これらの中には、費用がかからないものや、合算されて「諸経費」とされるものもあります。

  • 現地調査の費用
  • 現場管理費
  • 機材の準備費
  • 家具の移動や部屋の清掃費用
  • ATP値や臭気の測定費
  • 足場の費用(足場が必要であれば)
  • 養生の費用
  • 光触媒コーティング剤の塗装費用(塗装面積に応じて費用がかかる)
  • 報告書作成費用(報告書が必要であれば)
  • 駐車場代や出張費
  • 宿泊費(複数日に渡って出張する場合)

これらの項目の中の光触媒コーティング剤の塗装費用の相場は、弊社の光触媒製品を扱う施工業者様であれば、平米単価は2,500円~3,500円(税別)ほどです。東京都などの都心であれば4,000~5,000円/m2(税別)になることもあります。

手軽に銅ドープ酸化チタンの効果を確かめる方法

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒スプレー「アキュートクリーン」

銅ドープ酸化チタンを使って室内を光触媒コーティングすれば、高い効果が得られますが、本当に効果があるのか手軽に調べる方法があります。それは、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒スプレーを利用することです。

弊社の製品であれば、光触媒スプレー「アキュートクリーン」がございます。

この製品は、銅ドープ酸化チタンを一般のご家庭でも手軽にご利用いただけるように開発した製品です。

バインダー成分が入っておりませんから、銅ドープ酸化チタンが塗布面に接着することはありませんが、銅ドープ酸化チタンはナノサイズですから、塗布面の隙間に入り込んで、ある程度の期間は銅ドープ酸化チタンが留まり続けてくれます。

空気中の匂いであれば、短時間で消臭できることが多いです。しみ込んだ匂いには、何度もスプレーしておいてください。次第に匂いが元から分解されて消臭されていくはずです。

アキュートクリーンを頻繁にご利用になられている東京の方から、「今年は花粉症の症状がほとんど出なかった」「古いタンスの臭いが消えた」とご感想をいただいたこともあります。

以上、室内の光触媒コーティングについて、全般的に解説いたしました。長い文章でしたが、最後までご覧くださり、ありがとうございます。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を使った施工をお求めの方は、弊社もしくは弊社の業務用製品を扱う施工代理店まで、お気軽にご相談ください。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の施工代理店をご希望の方は、こちらのページをご覧ください。

施工ご相談・ご依頼フォーム

また、弊社の業務用製品を扱う施工代理店をご希望の企業様や個人事業主の方は、弊社までご相談ください。施工代理店になるための流れは、光触媒コーティング施工代理店募集のご案内をご覧ください。

施工代理店には、弊社製品の施工技術を習得されましたら、ご登録いただけます。習得には、有償となりますが、施工講習会を開催しております。

施工代理店になられましたら、次のようなメリットがあります。

  • 弊社製品を卸価格でご購入いただけます。
  • 販売数にノルマはありません。
  • 弊社のホームページで貴社をPRいたします。
  • 施工のご案内チラシやアキュートクリーンなどのチラシのデザインをご利用いただけます。貴社名を入れる修正は、無料で対応しています。
  • 基本的に弊社では光触媒コーティング施工を行っておりません。弊社に光触媒コーティング施工のご依頼があった場合は、お近くの施工代理店にお願いしているので、貴社に仕事を斡旋することもございます。
  • 施工依頼が多く入ったり、大規模案件の相談があったりした場合は、塗装機械のレンタルや施工技術者の派遣もいたします。
  • 他の施工代理店からの技術情報で必要なものを共有いたします。

施工代理店にご興味のある方、弊社といっしょに銅ドープ酸化チタンの利用を広げていきたい方は、弊社までお気軽にご相談ください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

光触媒いろは一覧


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