光触媒は、光のエネルギーを受けて有機物を分解する効果があります。主な光触媒成分は酸化チタンです。
酸化チタンなどの光触媒成分をコーティング剤として、部屋に塗装することで、除菌・防カビ効果、消臭効果、有機化合物(VOC)の分解・除去といった効果が得られることが期待できます。
「期待できる」と書いたのは、理由があります。
それは、これらの効果の高さは、光触媒コーティング塗料によって異なるからです。製品によっては、耐久性が悪かったり、効果がまったくなかったりするものもあります。
室内に光触媒コーティングすることの主なデメリットは、次の目次の通りです。
これらのデメリットは、どれも「塗料によっては・・・」という条件があります。また、これら全てのデメリットの無い製品は、今のところ存在しませんが、光触媒コーティングで失敗しないためにも、ぜひこの記事を一読ください。
これらのデメリットについて解説しつつ、弊社が開発した屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の魅力をお伝えします。
塗料によって光触媒コーティングができない材質がある
光触媒コーティング塗料は、光触媒成分を塗装面に定着させるための定着材(バインダー)にいろいろな成分が用いられています。
塗料によっては、バインダーに有機溶剤を利用していて、pHが酸性のものもあるので、塗装面が溶けてしまう成分には塗装ができないというデメリットがあります。
pHが中性のバインダーとしては、アモルファス酸化チタンやシリカがあります。これらの成分は、ほとんどあらゆる成分に塗装することができます。しかし、塗料によっては、水をはじく場所には塗装ができない場合があります。
弊社が開発した屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、ガラス面以外のほとんどの場所に使用できるように、成分を調合した塗料です。しかし、キッチンのシンクやトイレの便器、お風呂場のバスタブや床といった、食器や物が当たる場所や頻繁に掃除をする場所では、光触媒コーティングが剥がれやすいです。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、室内の壁紙への光触媒コーティングであれば10年、塗装箇所などの条件によってはそれ以上の効果の持続期間があるのですが、掃除を頻繁にするような場所は、効果の持続期間がそれよりも短くなります。
後ほど解説しますが、他社製品では持続期間が1年ほどのものもあるので、注意が必要です。
塗料によってはクリア塗装ができない
クリア塗装とは、透明な塗装のことです。光触媒コーティング塗料は、種類によってクリア塗装ができないというデメリットがあります。
クリア塗装ができない塗料には、光触媒成分の白色が出てしまうものと、ペンキのようにあらかじめ色が付いているものがあります。
光触媒の白色が出てしまう塗料
光触媒コーティング塗料は、塗布量が多いと塗装面が白くなる場合があり、塗装箇所の景観を損ねてしまうことがあります。
このような現象が起こるのは、ナノサイズの細かな酸化チタンを用いていないか、光触媒コーティング剤を塗装する技術者の腕が未熟か、また光触媒専用の塗装装置やスプレーガンを用いていないかです。
塗料によっては、光触媒成分の調合が悪くて、クリア塗装の難易度が高いものもあると思います。
ペンキのように色が決まっている塗料
また、塗料によっては、外壁に塗装するペンキのように色が決まっているものもあります。色の選択肢が少ないというデメリットがあります。
このような塗料は外壁用ですので、室内に塗装すると、溶剤の臭いが室内に充満するので、室内用としては現実的ではありません。
クリア塗装ができる光触媒コーティングであれば、下地のペンキの色の選択肢が多くなります。
弊社が開発した屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、クリア塗装ができ、なおかつ光触媒の効果を最大限に引き出すための、10nmサイズの酸化チタンを用いています。この塗料は、薄く均一に塗装することで、クリア塗装が可能です。
また、塗料には臭いがありませんので、室内に塗装しても塗料の臭いが充満することはありません。
効果の高い光触媒コーティング塗装は
業者に依頼しないといけない
効果の高い光触媒コーティング塗装をしてもらう場合には、業者に依頼して施工してもらうことになります。その手間やコスト面がデメリットの一つと言えます。
効果の高い光触媒コーティング塗料は自分で塗装できない
塗料によっては、自分で光触媒コーティングができるものも市販されています。
しかし、そういった塗料は、光触媒の効果が弱いものが多いと思います。なぜなら、光触媒の効果は、塗装する光触媒成分量の多さによっても決まるのですが、自分で塗装するものは成分量が少ないからです。
光触媒成分を多く塗装したら、光触媒効果が高くなるのですが、先ほどご説明したように塗装面が白色化するので、「クリア塗装にならない」というデメリットがあるからです。
塗装面が白色の壁紙といったものであれば、白色化が目立たないので、そういった面には光触媒コーティング塗料を塗り過ぎても良いと思います。しかし、すべての塗装面が白色とは限りません。そのため、光触媒成分をかなり抑えているものと思います。
弊社が開発した屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、塗装方法を熟知した施工技術者でないと、クリア塗装ができません。
また、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、薄く塗装してもとても効果が高いので、直射日光が当たる場所には、下地を保護するプライマーを先に塗装する必要があります。そういった知識も必要になるため、弊社製品の塗装には、施工代理店にご依頼いただくことになります。
効果の高い塗料は施工費用がかかる
効果の高い塗料を塗装する場合は、施工業者に依頼することになるので、施工費用がかかります。屋内に効果の高い塗料を正しく塗装するためには、このデメリットは仕方がないことでもあります。
その代わり、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、とても耐久性が高く、5年~10年以上効果が持続します。持続期間の長い塗料を使えば、それだけ再塗装の回数を減らすことができるので、トータルで施工費用を安く抑えることができます。
室内の塗装では、吹き抜けであったとしても、脚立や梯子で壁や天井に塗装ができますが、ホールなどの広い空間であれば、高い位置の塗装のために、足場を組まないといけない場合があります。足場を利用する場合は、その工事費もかかります。
広いホールでは、座席や手の届く範囲での塗装をご希望される方もいらっしゃいます。そのようにして施工費用を安価に抑えることも可能です。
部屋全体を塗装する場合は家具の移動や養生が必要
部屋全体に光触媒コーティングをするときには、家具の移動が必要になることはもちろんのことです。それに加え、光触媒コーティング塗料がかかってはいけない場所には、養生をしなければいけません。養生とは、ビニールシートなどでカバーをすることです。
家具の後ろ側まで塗装をしないと、家具を移動させたときに、光触媒コーティングされていない部分がむき出しになるので、光触媒の効果が落ちてしまいます。
もし、「家具を移動させないで、壁紙が見えているところだけ塗装してもらいたい」ということであれば、家具に光触媒コーティング塗料がかからないように養生をします。
また、窓ガラスや電気コンセント、蛍光灯、床などにも屋内用の光触媒コーティング塗料がかかってはいけませんので、それらにも養生をします。
家具の移動や養生を考えると、新築住宅や建築中のときに光触媒コーティング施工をすることをおすすめします。
効果の高い光触媒コーティング塗料を用いる場合は下地保護が必要
光触媒コーティング塗装をご希望される方は、効果の高い光触媒コーティング塗料を使用されたいことと思います。しかし、効果の高い光触媒コーティング剤ほど、塗装面の下地を傷めてしまうことがあります。
光触媒は、有機物を分解する性質がありますが、特に直射日光が当たる部分は、光触媒の効果が強く出過ぎてしまって、下地を傷めてしまうことがあります。
それを防止するための方法もあります。
- 直射日光が当たる部分は効果の弱い光触媒コーティング剤を使う
- 直射日光が当たる部分に下地剤(プライマー)を利用する
後者は、プライマー塗装と光触媒コーティング塗料の塗装の2回の塗装を行うので、施工費用が高くなります。前者であれば、施工費用を安く抑えることができます。
さらに施工費用を安く抑えるために、直射日光が当たる部分だけでなく、部屋全体を効果の弱い光触媒コーティング塗料を塗装する業者もあります。
どちらを選ぶのかは、エンドユーザー様のご希望によります。価格が安くて効果の弱いものを選ぶのか、それとも費用は高くなるが効果の高い光触媒コーティング塗料を選ぶのかです。
弊社では、室内塗装用の下地剤(プライマー)として、屋内用プライマー(AS01)を開発しました。
性能の高い光触媒コーティング塗料の見分けが難しい
光触媒コーティング塗料の性能は、光触媒の効果の高さと持続期間の長さで検討します。光触媒の効果が高く、持続期間の長い光触媒コーティング塗料を選ぶことが大事であることは、述べるまでもありません。
各社、光触媒コーティング塗料を製造しているメーカーは、「自社製品は効果が高い」と謳っています。当然ながら、弊社もそのように述べています。効果の有無は、どのメーカー製品でも「効果がある」と言って、それらしい試験結果のグラフなどを掲載して効果がありそうです。しかし、先ほど述べたように、効果があるように見えて、実のところ効果がない製品も少なからず存在します。
それを見分けることは困難なことも、デメリットの一つです。
塗料によっては室内では光触媒の効果が無い
光触媒コーティング塗料によっては、室内ではまったく効果のないものもあります。このデメリットに「えー?」と驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。
光触媒コーティング塗料の主成分は、酸化チタンです。酸化チタンは、紫色から紫外線の波長の光を受けることによって、光触媒の効果を発揮する性質を持っています。ところが、室内では、酸化チタンが効果を発揮するための、紫色や紫外線の光が少ないのです。
そのため、光触媒成分に酸化チタンのみを使用した光触媒コーティング塗料では、光触媒の効果がほとんどなくて、室内にカビが生えてクレームになることもあります。
弊社と提携している施工代理店の中には、過去に別のメーカーの光触媒コーティング塗料を使っていたことがあったそうです。その塗料を使って新築の光触媒コーティングをしていたのですが、1年もしないうちにカビが生えてしまって、クレームが頻繁に入ってきたそうです。
ここで、「酸化チタン以外の成分で、室内の光でも効果のある光触媒成分を用いたら良いのでは?」という考えに至ります。そのような成分として代表的なものが、酸化タングステンです。ところが、酸化タングステンにもデメリットがあります。それは、確かに室内の光でも光触媒の効果が出るのですが、効果が弱いのです。
以前に、家庭用機器のメーカーが、酸化タングステンをコーティングした製品を販売していたことがありましたが、数年後には撤退していたので、効果が弱くてクレームになったのでしょう。
ちなみに、弊社の光触媒コーティング塗料では、持続期間もありますが、室内に利用してすぐにカビが生えてクレームになったことはありません。
その理由は、室内の光でも光触媒の効果が高い光触媒成分を用いているからです。その成分を、「銅ドープ酸化チタン」といいます。
そこで室内でも効果のある製品の見分け方として、室内用光触媒コーティング塗料は、「銅ドープ酸化チタンを使っているか?」という点で、効果の有無を判断することをおすすめします。
もちろん、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は銅ドープ酸化チタンを用いています。
持続期間が短い光触媒コーティング塗料がある
先ほど、弊社が開発した屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の持続期間は5年~10年、塗装場所によってはそれ以上の効果が持続することを述べました。
光触媒は、化学変化が起きなければ光触媒の効果が半永久に持続します。しかし、光触媒を塗装したら、塗装面からいずれは少しずつ落ちていき、効果が数年で失われます。
市販の製品の持続期間を調べていると、短いもので1年、長くても3年という製品もあります。
弊社製品で5年~10年という持続期間を出せるのですから、他社製品もそれだけの持続期間を出せるはずです。なぜ持続期間の長い製品を開発しないのかは、理由があります。
それは、儲けられないからです。
頻繁に塗料を利用してもらえたら、塗料メーカーとしては売上高を増やすことができます。また、施工は専門のプロが行うわけですから、その人たちも頻繁に仕事が入り、売上高を増やすことができます。そのため、施工店によっては「利益を得たいから、持続期間の短い塗料を利用している」という業者もあるのです。
このデメリットを知っていないと、数年毎に施工費用がかかって、トータルで高額になることもあるのです。
弊社は、お客様のメリットのために、世界一の効果のある光触媒コーティング塗料を販売することを目標として、それを実現してきました。また、弊社製品を扱う施工代理店は、弊社のその気概にご納得いただき、お客様のメリットを考えて持続期間の長い製品を利用してくださっています。
持続期間の長い室内用光触媒コーティングなら、弊社の施工代理店をご利用ください。施工代理店一覧は、こちらのページです。
以上、室内に光触媒コーティング塗装するときのデメリットをまとめました。
新築を購入したり、引っ越しをしたりして、「室内を光触媒コーティングしたい」とお考えの方は、ぜひこの記事のデメリットをご参考になられて、効果の高い光触媒コーティング塗料による施工をされることを願います。
また、室内でも効果の高い銅ドープ酸化チタンを使った、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の施工なら、弊社もしくは弊社の施工代理店までご依頼ください。施工代理店一覧はこちらのページです。
この記事の著者/責任者
株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。