
施工直後の外壁はキレイでも、日数の経過とともに、外壁に黒色や緑色の汚れやカビ、コケが付着して、外壁の見栄えが悪くなることがあります。
それらの汚れは、掃除をしてもまたすぐに汚れてくることもあります。
カビとコケは、見分けが難しいです。ですから、その両方を対策できる外壁コーティングを行えば良いと思います。
この記事では、外壁のカビとコケの両方を防止できる、銅ドープ酸化チタンを使った外壁コーティングについて解説いたします。
外壁のカビとコケの両方を防止できる光触媒コーティング
カビやコケの防止には、それぞれに対応した外壁コーティング剤が存在していますが、両方の対策ができる外壁コーティング剤は、数が限られます。
その中で、効果が高く、耐久性もあるものが、光触媒コーティングです。
光触媒コーティングとは、光触媒成分が添加された水溶性コーティング剤を利用する施工方法です。
光触媒とは、光が当たると触れるものを酸化分解する性質を持つ物質です。主な光触媒成分として、酸化チタンが用いられます。
外壁に光触媒コーティング施工しておけば、日光の光で触媒効果を発揮し、外壁に付着するカビやコケを分解し続けてくれます。
光触媒コーティングは、基本的に無色透明ですから、外壁の色が変わったり、施工した後が目立ったりすることはありません。
ただし、外壁のカビやコケを防止するためには、銅ドープ酸化チタンと言われる光触媒成分を使った外壁コーティングを行う必要があります。
カビとコケを防止できる銅ドープ酸化チタンとは?
銅ドープ酸化チタンとは、酸化チタン光触媒の結晶の表面に酸化銅を結合させた光触媒です。
酸化チタン光触媒を使ったコーティング剤でも、直射日光の紫外線が当たるところでは、外壁のカビやコケを防止してくれます。酸化チタンは、紫外線が当たることで、防カビや防苔ができます。
ところが、紫外線が当たらない場所、例えば北側の外壁や、隣の建物によって日陰になるような外壁ですと、紫外線がほとんど当たらないため、カビやコケが発生します。
カビやコケが発生しやすい場所は、直射日光が当たりにくいジメジメした場所ですから、そういった外壁に酸化チタン光触媒を使った外壁コーティングでは意味がありません。

そこで、銅ドープ酸化チタンの登場です。
銅ドープ酸化チタンは、紫外線はもちろんのこと、可視光でもカビやコケを分解する性質があります。
北側の外壁や、隣接する建物によって影になりやすい外壁は、銅ドープ酸化チタンを利用することで、カビがコケを防止してくれます。
光触媒コーティング剤と光触媒塗料の違い
外壁に光触媒を利用する方法として、光触媒コーティング剤の他に、光触媒塗料があります。光触媒コーティング剤は水のような液剤ですが、光触媒塗料とはペンキのような樹脂製の塗料です。
光触媒塗料には、酸化チタン光触媒を添加したものしか存在しませんので、紫外線が当たらない北側の外壁に使用しても、効果がありません。
以前に、大手工務店から弊社にあったご相談で、「光触媒塗料を使用したが、コケが発生してしまったので、イリス製品で対策ができるか?」というお問い合わせをいただいたことがあります。施主様は、「外壁の美しさが10年間保たれる」と説明を聞いて光触媒塗料を使用したのですが、3年ほど経過して北側の外壁にコケが発生して汚れてしまいました。
もちろん、弊社の銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング施工でコケ防止は可能です。
このように、光触媒を使った製品でも、光触媒の種類を正しく選ぶ必要があること、外壁のカビやコケを防止するためには、銅ドープ酸化チタンが適していることを、覚えておいてください。
銅ドープ酸化チタンによる外壁コーティングの方法
銅ドープ酸化チタンによる外壁コーティングの方法を解説します。
使用する光触媒コーティング剤

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤は、弊社製品では屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)です。
この製品の名称は、「屋内用」となっていますが、外壁にも使用できます。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の成分は、光触媒成分として銅ドープ酸化チタンを、コーティング成分としてアモルファス酸化チタンを、その他に水を使用しています。水溶性の無機塗料です。
| 光触媒成分 | 銅ドープ酸化チタン |
|---|---|
| 接着成分(バインダー) | アモルファス酸化チタン |
| その他 | 水 |
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗布できる外壁は、
- 樹脂系サイディング
- 石材外壁
- 打ちっぱなしコンクリート
- 漆喰や珪藻土の外壁
- 石膏ボード
- タイル
- レンガ
- 木材
- ペンキ塗装の外壁
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の耐久性は、外壁の環境にもよりますが、10年以上効果が持続するように液剤を調合しています。
10年ほどと効果の持続期間が長い理由は、銅ドープ酸化チタンとアモルファス酸化チタンは、どちらも無機成分なので光触媒効果によって劣化することはありませんし、同じ酸化チタンなので相性が良いためです。
銅ドープ酸化チタンコーティング剤のスプレー装置
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗布するスプレー装置には、ABAC(アバック)温風低圧塗装機を推奨しています。次の写真は、ABAC温風低圧塗装機SG-91です。

スプレーノズルにφ0.3~0.5mmの小口径ノズルを装着し、塗料カップに液剤を充填して塗布します。
スプレーノズルからは、次の図のように、噴霧する液剤を包み込むようにエアカーテンが噴き出します。このエアカーテンにより、液剤の塗着効率が約70%と、他社のスプレー装置よりも圧倒的に高くなり、微風の日でも外壁コーティング施工が可能です。

施工の流れ
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を使った外壁コーティング施工の流れは、
- 近隣への事前説明
- 足場の設置
- 養生
- 外壁の清掃
- 屋外用プライマー(ASS01)の塗布(必要な箇所のみ)
- 屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の塗布
- 足場や養生の撤去
外壁コーティングの前に、近隣にどのような施工をするのか説明に回ります。脚立で届かない位置をコーティングする場合は、足場を設置します。
養生とは、外壁コーティングをしない箇所をビニールシートなどで覆う作業のことです。例えば窓ガラスや街灯、コンセントなどを養生します。また、外壁の近くにある植木や自動車などにも養生をします。
外壁の清掃では、カビやコケを除去するための洗剤やブラシ、高圧洗浄機などを用います。外壁を水で流した後は、外壁が乾燥するまで待ちます。外壁が湿気ていると、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗布できないからです。
屋外用プライマー(ASS01)の塗布については、次の節でご説明します。
屋外用プライマー(ASS01)や屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗布した後は、乾燥するまで待ちます。乾燥時間は、夏であれば30分ほど、冬であれば2時間ほどです。
屋外用プライマー(ASS01)の塗布について

銅ドープ酸化チタンコーティングをすると、カビやコケを分解してくれますが、それと同時に外壁の表面を分解し、劣化を促進させる恐れがあります。
劣化が促進しやすい材質は、樹脂やペンキといった有機物です。それらが劣化すると言っても、色あせをする程度です。ペンキであれば、チョーキングが起きやすくなります。とはいえ、劣化を促進させるので、対策をします。
その対策が、下地保護剤「屋外用プライマー(ASS01)」の塗布です。
あらかじめ屋外用プライマー(ASS01)を塗布しておくと、銅ドープ酸化チタンと外壁が直接触れることがありませんから、銅ドープ酸化チタンによる外壁の劣化を防いでくれます。

コンクリートや石材、漆喰といった、銅ドープ酸化チタンによって劣化しない材質の外壁には、屋外用プライマー(ASS01)による下地保護は必要ありません。
屋外用プライマー(ASS01)を塗布する機材は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)と同様にABAC温風低圧塗装機を用います。
外壁コーティングの費用
銅ドープ酸化チタンによる外壁コーティングの費用は、次の費用の合算になります。
- 現地調査(必要であれば)
- 機材準備や養生の設置・撤去などの諸経費
- 足場の設置費(必要であれば)
- 外壁の洗浄費用
- 塗布面積に比例した費用(2,500円/m2)
- 交通費や駐車場代
- 出張費用
費用の内訳
現地調査費用は、現地調査が必要な場合にかかる費用です。交通費や駐車場代が主な費用になります。
諸経費は、5~10万円ほどです。足場の費用は、高い位置に施工する場合に必要となります。一般的な戸建て住宅であれば、足場の費用は、20~30万円です。外壁の洗浄費用は、外壁の面積やカビやコケの汚れの程度にもよります。
塗布面積に比例した費用は、1平米当たり2,500円(税別)です。200m2の外壁であれば、50万円になります。
交通費は自動車専用道路を使用する場合の代金です。駐車場は、料金のかかる駐車場に停める必要がある場合に、実費がかかります。出張費は、施工が複数日に渡る場合に、その宿泊の実費がかかる場合があります。
新築工事中の足場撤去前の施工がお得
外壁コーティングは、新築工事中の足場撤去前に施工すると費用がお得になります。
その理由は、足場を設置する費用が節約できること、それに外壁がまだカビやコケで汚れていないため、清掃費用が安くなることです。
外壁コーティングができない天気
施工現場が、次のような天気の場合は施工ができませんから、再度スケジュール調整が必要になります。
- 雨の日、もしくは雨上がりで外壁が濡れている場合
- 風が強い日
- 気温が5℃以下の日
外壁が濡れていたら屋外用プライマー(ASS01)や屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の塗布ができません。
風が強い日は、スプレーした液剤が風で流されるので、均一な塗布ができないため、施工ができません。弱い風の日であれば、ABAC温風低圧塗装機を用いたら施工は可能です。
気温が5℃以下の日は、塗布する液剤が凍ってしまう恐れがあります。液剤が凍ると成分が変性し、効果や耐久性が落ちてしまう恐れがあります。
以上、外壁のカビとコケの両方を防止できる外壁コーティングについて解説いたしました。
ポイントは、銅ドープ酸化チタンを使った外壁コーティング剤を使用することです。弊社製品であれば、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)です。屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、名称が「屋内用」となっていますが、さまざまな材質の外壁に利用ができます。
外壁に発生するカビやコケを防止する外壁コーティングなら、イリスまでお気軽にご相談ください。
弊社の液剤を扱う施工代理店が全国にございます。弊社までご相談をいただけましたら、お近くの施工代理店よりご連絡をするように手配いたします。

この記事の著者/責任者

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。
