
光触媒コーティングされた人工観葉植物のことを、光触媒観葉植物と言われる場合があります。
生きている観葉植物は手入れをしないと枯れてしまうことがありますが、光触媒観葉植物は枯れることはありません。
ところが、手入れをしないと光触媒の効果が落ちてしまう場合があります。
「光触媒観葉植物はメンテナンスフリー」と書かれている場合があるかもしれませんが、埃や汚れが付着してしまったら、光触媒の効果が落ちてしまいます。
この記事では、光触媒観葉植物の手入れの方法をご紹介します。
光触媒観葉植物に用いられる光触媒の種類と効果
光触媒観葉植物の効果
光触媒は、光が当たることで触媒効果を発揮し、それに触れている菌やウイルス、臭い、アレルゲンといったものを分解してくれる効果があります。
光触媒観葉植物は、光が当たることで部屋の中の空気の除菌や消臭、アレルゲンの分解などができることが期待できます。
「期待できる」と述べた理由は、光触媒にはいろいろな種類があり、効果の強いものから弱いもの、まったく効果が無いのに「なぜ効果が無いのに販売されているのだろうか?」と思ってしまうようなものもあります。
光触媒の種類と効果の高さ
ほとんど効果が無い光触媒の種類は酸化チタンです。市販されている光触媒観葉植物の多くに、酸化チタンが用いられていますが、ほとんど効果がありません。
その理由は、酸化チタンは紫外線が当たることで除菌や消臭などの効果を発揮する成分だからです。光触媒観葉植物は室内で利用されるので、ほとんど効果がないわけです。

酸化チタンを用いたものは、最初から効果がありませんから、観賞用としてご利用なさってください。
銅ドープ酸化チタンという種類の光触媒を利用した場合には、室内の光でも強い効果を発揮し、その効果の高さは他の光触媒と比べて10倍以上です。また、銅ドープ酸化チタンなら光が当たっていなくても除菌や消臭の効果が得られます。そのことについては、「消臭効果の高い光触媒観葉植物の選び方とは?」をご覧ください。


埃や汚れがたまると光触媒の効果が落ちる
光触媒観葉植物は、表面に光触媒コーティング加工がなされています。その表面の光触媒に光が当たっている状態で、菌や臭い成分が接触すると、それらが酸化分解されます。銅ドープ酸化チタンは、光が当たっていなくても、それに触れたら分解されます。
光触媒観葉植物を部屋の中に置いておくと、その表面に埃や汚れが付着します。
特に部屋の中で油料理などをしていると、それが部屋の中を巡って、光触媒観葉植物に付着します。家の中でご飯の匂いがしてきたら、たいていは油分が飛んできているとお考えください。
光触媒観葉植物に油分が付着すると、光触媒が油分に覆われて光触媒の効果が弱まります。油分は光触媒によっていずれは分解されるものと思いますが、分解する速度よりも油分が付着する速度が速いと、油分が蓄積されていきます。目に見えないほどの薄い膜であったとしても、光触媒が遮られてしまいます。
そこに埃や汚れが付着していき、さらに光触媒の効果が落ちていくわけです。
ただし、酸化チタンを用いたものは、先ほどご説明したように室内では紫外線がほとんどありませんから、最初から効果がほとんどありませんので、手入れをしても効果が出ることはありません。
光触媒観葉植物の手入れ方法
光触媒観葉植物の手入は簡単です。表面の埃や汚れをふき取るだけです。油分が付着していたとしても、銅ドープ酸化チタンは油分を分解する性質があるので、洗剤を用いなくても拭くだけで油汚れも落とせます。
洗うときは、手や布などの柔らかいもので洗うようにしてください。スポンジたわしを利用するときは、柔らかい側を利用してください。硬い側を利用すると、光触媒が擦られて落ちてしまう場合があります。
濡れてしまったら湿気を拭き取っても良いですし、自然乾燥でもかまいません。
光触媒観葉植物の表面が塗れている間は、光触媒の効果が弱くなりますが、乾燥すると効果が出てきます。
拭き掃除や洗剤の利用では光触媒は落ちません
「光触媒観葉植物を洗ったら、光触媒が落ちてしまうのではないか?」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、光触媒コーティング加工された製品であれば、落ちる心配はありません。
光触媒コーティングをするときに、光触媒成分と接着成分の両方を吹き付けるからです。接着成分は人工観葉植物の表面に強固に光触媒成分を接着してくれます。
表面を引っかいて傷が付くぐらいだと光触媒が落ちることもありますが、手や布などで擦ったくらいでは落ちません。新しいスポンジたわしの硬いところを利用して洗うと、光触媒が擦れて落ちる可能性があります。
ただし、メーカーによっては接着成分が入っていない光触媒スプレーを利用しているものもあるかもしれません。そういった製品だと、洗ったら光触媒が落ちていってしまうので、効果が無くなってしまいます。汚れても効果が無くなりますし、洗っても効果が無くなるわけです。

弊社が開発した銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤「屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)」が利用された光触媒観葉植物であれば、耐久性の高い接着成分が入っていますから、効果が10年程度継続すると思います。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を使った光触媒観葉植物を製造販売しているメーカーは、花緑の楽園です。
以上、光触媒観葉植物の手入れ方法をご説明いたしました。
部屋の中を光触媒で除菌や消臭をしたい場合には、光触媒観葉植物では光触媒の面積が小さいので、銅ドープ酸化チタンを利用した製品であったとしても今一つ効果が感じられない場合があります。そういったときは、部屋全体を銅ドープ酸化チタンでコーティング塗装することをおすすめします。
手軽に光触媒をご利用になられたい場合は、光触媒スプレーがございます。弊社製品の光触媒スプレーは、「アキュートクリーン」というものを販売しているので、どうぞご利用ください。

この記事の著者/責任者

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。