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光触媒観葉植物で除菌・消臭ができる仕組みと効果の高い製品の選び方

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光触媒観葉植物で除菌・消臭ができる仕組みと効果の高い製品の選び方

人工観葉植物は、室内のインテリアや商業ビルの装飾で、よく利用されています。

人工観葉植物を選んでいると「光触媒」と書かれたものがあります。これは光触媒コーティングされた人工観葉植物のことです。略して「光触媒観葉植物」といいます。

後ほど解説いたしますが、光触媒観葉植物を部屋の中に置いておくと、部屋の空気中の雑菌やウイルスを分解してくれたり、臭いを消臭してくれたりします。

ただし、どのような光触媒成分を使った光触媒観葉植物か、光触媒成分の種類を間違うと、効果が弱かったり、まったく効果のないものもあります。

この記事では、「光触媒観葉植物の光触媒コーティングの意味や効果」、「光触媒によって除菌や消臭ができる仕組み」、「効果の無いもの・効果の高いもの」を、光触媒メーカーが本音トークで解説いたします。

光触媒観葉植物を購入しようとお考えの方は、ぜひ参考になさってください。

光触媒コーティングとは?

光触媒コーティングとは、酸化チタンなどの光触媒成分をコーティング塗装することです。光触媒コーティングに利用する液剤には、ナノサイズの光触媒成分が分散して溶け込んでいます。

溶け込んでいると言っても、塩水のようなイオンで液体になっているのではなく、牛乳のようにナノサイズの粒子が分散していると言った方が正確な表現となります。

クリア塗装ができることが光触媒コーティング剤としての性質の一つ

光触媒コーティング剤としての条件は、光触媒の効果があることは述べるまでもありません。

光触媒コーティング塗装は、スプレーで行いますが、均一にクリア塗装をするためには、専用の塗装機械を用います。クリア塗装とは、透明な塗装のことです。

人工観葉植物に光触媒コーティングをするときは、クリア塗装ができることも、光触媒コーティング剤に求められる性質となります。クリア塗装ができなければ、光触媒成分の色が出てしまって、人工観葉植物の見栄えが悪くなるからです。

光触媒コーティング剤に用いられる光触媒成分の種類

光触媒コーティング剤に利用される光触媒成分には、いろいろな種類があります。業務用として市販されている光触媒コーティング剤に用いられている光触媒成分の種類は、次のものがあります。

  • 酸化チタン
  • 銅ドープ酸化チタン
  • 窒素ドープ酸化チタン
  • 鉄ドープ酸化チタン
  • 酸化タングステン
  • タングステン・ドープ酸化チタン
  • 銅ハイブリッド酸化チタン

酸化チタンとは、金属であるチタンが酸化したものです。酸化チタンのナノサイズの粉末をコーティング剤に利用します。酸化タングステンも同様に、タングステンという金属が酸化した粉末が利用されます。

銅ドープ酸化チタンとは、酸化チタンに銅を結合させた成分です。それによって酸化チタンの性能を高めています。窒素や鉄も同様です。「ドープ」とは、「添加した」という意味ですが、光触媒では「結合させた」という意味の方が正確です。

銅ハイブリッド酸化チタンは、酸化チタンコーティング剤に銅イオンを混ぜただけのものです。ハイブリッドとは「掛け合わせた」という意味ですが、酸化チタンの性質に、銅イオンの性質が加わっただけものです。

銅ドープ酸化チタンも、広義な意味では銅ハイブリッド酸化チタンと同義と言えますが、銅ハイブリッド酸化チタンは、銅ドープ酸化チタンのように酸化チタンの性能を高めるという効果はありませんから、基本的に別ものとお考えください。

銅ハイブリッド光触媒と銅ドープ光触媒の違いは、「ハイブリッド光触媒とは?ドープとの違い」をご覧ください。

これらの成分の種類によって、反応する光の種類、反応の強さ、光触媒コーティング剤に添加できる量が異なります。

人工観葉植物は室内で利用されるので、そのことを考慮したときに、もっとも効果がある成分は「銅ドープ酸化チタン」と言われる成分です。この成分については、後ほど解説いたします。

光触媒観葉植物の効果

光触媒観葉植物を部屋の中に置いたときに得られる効果は、細かく説明すると次の通りです。

  • 菌類やウイルスの除菌
  • ペットやタバコなどの臭いの消臭
  • 揮発性有機化合物(VOC)の分解
  • アレルゲンの分解

インテリアとしての装飾性だけでなく、これらの効果が得られます。

菌類やウイルス、臭い成分などが光触媒観葉植物に接触したら、分解ができます。室内全体を除菌したい場合は、室内全体に光触媒コーティングをした方が良いですが、光触媒観葉植物を置き、空気が循環していれば、室内をある程度の除菌や消臭が可能です。

揮発性有機化合物(VOC)とは、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド、トルエンなどの住宅用建材に利用されている化学物質です。それが部屋の中に揮発してきたものをVOCといい、シックハウス症候群の原因とされています。

アレルゲンとは、アレルギーの原因となる物質のことです。主に花粉から出るアレルゲンが有名です。そういった成分も、光触媒観葉植物に触れることで分解が可能です。

ここで、「分解が可能だ」と述べましたが、分解ができるためには条件があります。それを次の除菌・消臭の仕組みにて解説いたします。その条件を知ることは、効果の高い光触媒観葉植物を選ぶときのポイントにもなるので、しっかりお読みいただけたらと思います。

光触媒観葉植物による除菌・消臭の仕組み

光触媒観葉植物によって除菌・消臭ができる仕組みを解説いたします。少し難しい用語が出てきますが、がんばってついて来てください。

光触媒で除菌ができる仕組み

光触媒は、光が当たるとその表面にOHラジカルといわれる活性酸素を発生させます。光触媒が効果を発揮する仕組みには、このOHラジカルの発生が大事です。

OHラジカルは、強い酸化力を持った活性酸素なので、有機物などとすぐにくっついて酸化分解させてしまいます。酸化分解されていったものは、最終的には、水や二酸化炭素などの無機物に変化します。

光触媒が酸化分解できると言っても、光触媒成分の大きさと比べると菌類の大きさは、石油タンカーとオモチャの舟くらいの大きさの差ですから、菌をすべて酸化分解できるわけではありません。ましてや、花粉はさらに大きなサイズになります。

いずれ酸化分解できるかもしれませんが、膨大な時間がかかることでしょう。

光触媒が除菌できる理由は、菌類の表面の膜や鞭毛、細胞壁などの細かなパーツを分解してくれます。ウイルスであれば、スパイクといった突起などを分解してくれます。そのようにして、菌類の活動を弱めたり、ウイルスの感染力を奪ったりして、人に悪さができなくするわけです。

光触媒で消臭ができる仕組み

消臭も同様です。臭いの元となる成分は、人やペットから出るアンモニア、トリメチルアミンや加齢臭の原因も2-ノネナールという有機物もあります。このような臭い成分は、光触媒によって分解ができます。

これらの臭い成分が部屋の中を浮遊していますが、それを鼻から大量に吸い込んだら臭いとして感じます。それが光触媒観葉植物に触れて分解されて、水や二酸化炭素などに変化したら、それが鼻から吸い込んでも臭いはしません。

そのような仕組みで消臭ができるわけです。

光触媒成分によって反応が異なる光の種類

光にはいろいろな色があります。虹色には、紫色、青色、水色(シアン)、緑色、黄色、だいだい色、赤色といった7色の光がありますが、光にも種類があります。

光の波長と色の関係

また、紫色よりも強いエネルギーを持つ光は、紫外線といわれます。ドラッグストアなどで販売されている日焼け止めクリームには、「UVカット」といった言葉が書かれていますが、このUVは紫外線のことです。

このように、光にはいろいろな種類がありますが、どの光に反応して除菌や消臭の効果を発揮するかは、光触媒成分の種類によって異なります。

冒頭でご紹介した光触媒成分の種類に、反応する光の種類を書き加えてみたいと思います。

光触媒成分の種類反応する光の種類
酸化チタン紫外線
銅ドープ酸化チタン紫外線、紫色、青色、水色(シアン)
窒素ドープ酸化チタン紫外線、紫色~青紫色
鉄ドープ酸化チタン紫外線、紫色~青紫色
酸化タングステン紫外線、紫色、青色、水色(シアン)
銅ハイブリッド酸化チタン紫外線

※ 色はおおよその色味になります。

室内で効果が期待できない光触媒成分

これらの中で、室内で効果が期待できない光触媒成分は「酸化チタン」と「銅ハイブリッド酸化チタン」です。なぜなら、紫外線にしか反応しないからです。

もし室内に紫外線がさんさんと降り注いでいたら、光触媒観葉植物は効果を発揮することと思います。窓から直射日光が射しこんでいるところに、酸化チタンコーティングされた光触媒観葉植物を置いておけば、除菌・消臭効果が出ます。また、室内にブラックライトを常に点灯させて、光触媒観葉植物に照射しておけば効果が期待できます。

昼間は仕事で出ていることが多いですから、除菌や消臭をしたいのは帰宅してからの、夜間のことと思います。ですので、直射日光は期待できません。ブラックライトを常に点灯させておくことも、特別な装飾をしている部屋でなければ、ありえません。

また、銅ハイブリッド酸化チタンは、銅イオンが触媒の効果を発揮します。添加されている銅イオンは、光がなくても除菌効果を発揮しますが、銅イオンが脱落していくので銅ドープ酸化チタンよりも早く効果がなくなります。

もともと酸化チタンは室内では効果が無いわけですから、「銅イオンだけを塗装したら良いのではないか?」とさえ思えてなりません。

そのようなことから、光触媒観葉植物を選ぶときは、最低でも酸化チタン以外の光触媒成分がコーティングされている製品を、選ぶ必要があります。また、銅ハイブリッド酸化チタンを選ぶのであれば、銅ドープ酸化チタンを選んだ方が圧倒的に良いと思います。

効果の高い光触媒観葉植物とは?

ここで、「上記の成分の中で、いったいどれを選べば良いのか?」ということですが、弊社がおすすめする成分は、銅ドープ酸化チタンです。

なぜ銅ドープ酸化チタンは効果が高いのか?

窒素ドープ酸化チタンや鉄ドープ酸化チタン、酸化タングステンの3種類は、紫色などの光でも反応して、除菌や消臭の効果を発揮しますから、室内のLED照明や蛍光灯でも反応してくれます。

ところが、これらの成分は光触媒コーティング剤にするときに、「液剤の中にあまり多くの光触媒成分を混ぜ込むことができない」という特性があります。多く混ぜ過ぎてしまうと、析出といって、光触媒コーティング剤の中に光触媒成分が結晶として出てきてしまい、塗料として使い物にならなくなります。また、ゲル化といって、光触媒コーティング剤の粘性が高くなり、正しく塗装ができなくなります。

それに対して、銅ドープ酸化チタンは光触媒コーティング剤の中に、比較的多くの量を混ぜ込むことができ、なおかつ反応する光の種類も多いことから、「光触媒観葉植物にしたときに効果が高い」と言えます。

銅ドープ酸化チタンは夜間でも効果がある!?

さらに、銅ドープ酸化チタンは光が当たっていない夜間でも、除菌や消臭の効果があることが、実証されています。

光触媒は光が当たることで、除菌や消臭ができるのですが、銅ドープ酸化チタンはもちろん光が当たることによって強い除菌力や消臭力を発揮しますが、光がなくても除菌や消臭ができるのです。

その理由はまだ解明されていませんが、おそらく酸化チタンに結合させたナノサイズの酸化銅が触媒の効果を発揮しているものと考えます。

銅ドープ酸化チタンをコーティングした光触媒観葉植物を室内に置いておくと、外出中で室内のカーテンを閉め切って、電気も切っていたとしても、除菌や消臭をし続けてくれます。

暗所でも効果があるという性質は、トイレの消臭にも有効です。トイレは使用していない間は電気を切っていて暗いのですが、銅ドープ酸化チタンならその間にも消臭してくれることは、大きなメリットとなります。

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒観葉植物は
どこで買えるのか?

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒観葉植物は、今のところ「花緑の楽園」という業者のみでしか作られていません。花緑の楽園の通販サイトもしくはAmazonにて購入できます。

この業者以外のところでは、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒観葉植物は見たことがありません。

「見たことが無い」と言い切れる理由は、銅ドープ酸化チタンの製造特許を弊社が持っており、弊社の光触媒コーティング剤は、花緑の楽園にしか卸していないからです。

反対に、花緑の楽園は間違いなく銅ドープ酸化チタンを使った除菌・消臭効果の高い光触媒観葉植物を製造しているわけですから、効果の高い光触媒観葉植物をご購入いただけます。

光触媒観葉植物をご検討されている方は、花緑の楽園の通販サイトをぜひご覧ください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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