部屋の空気の消臭を期待して、光触媒加工された人工観葉植物を部屋に置いている方は、少なからずいらっしゃいます。
飲食店などでも、光触媒加工された人工観葉植物を置いているところもあります。
そういった光触媒加工された人工観葉植物が、「本当に消臭ができているのだろうか?」と疑問になった人もいることでしょう。
結論から述べると、光触媒加工された人工観葉植物での部屋の消臭は難しいですが、効果のある成分も存在します。その成分とは「銅ドープ酸化チタン」です。
光触媒加工された人工観葉植物で部屋の消臭が難しい理由や、効果のある光触媒成分「銅ドープ酸化チタン」とはどういったものなのかをご説明いたします。
光触媒加工された人工観葉植物で部屋の消臭が難しい理由
光触媒加工された人工観葉植物が部屋の消臭が難しいパターンは、次の通りです。
- 効果の弱い光触媒が使われている
- 光触媒が活性化する光が当たっていない
- 光触媒に臭い成分が当たっていない
- 臭い成分の供給量が多いので、分解が間に合わない
- 光触媒で分解できない臭い成分を分解したい
これらを解説いたします。
効果の弱い光触媒が使われている
光触媒成分は、いろいろな種類があり、種類によっては、部屋の中ではまったく消臭効果がないものもあります。反対に、とても効果の強いものもあります。
部屋の消臭ができるかどうかは、光触媒成分の消臭力の強さ、つまりは光触媒効果の強さによります。
光触媒加工された人工観葉植物で部屋の消臭効果が弱いと感じるときは、もしかしたら、酸化タングステンなどの効果の弱い成分が用いられている可能性があります。または、酸化チタンなど、室内ではまったく効果のない光触媒が用いられている可能性があります。
後ほど、どの光触媒成分が最も効果が高いのかを解説するので、光触媒加工された人工観葉植物で部屋の消臭をしたい場合は、どのような光触媒成分が用いられているかをご確認ください。
光触媒が活性化する光が当たっていない
光触媒加工された人工観葉植物に使用されている光触媒成分で、酸化チタンが用いられていたとすると、部屋の中ではまったく効果がありません。
その理由は、酸化チタンは紫外線が当たることによって光触媒として活性化し、消臭効果が出ます。ところが、部屋の中では紫外線がほとんどないので、酸化チタンが消臭効果を発揮しないのです。
「直射日光が当たる窓辺に置いていたら消臭ができる」と思われたかもしれませんが、消臭を望む時間帯が、昼間とは限りません。
部屋にある蛍光灯やLED照明などの光でも高い消臭効果を発揮する光触媒成分を使った人工観葉植物をご利用ください。
光触媒に臭い成分が当たっていない
部屋の臭いが気になるときは、臭いの成分が部屋の中に漂っているわけです。その臭い成分が、光触媒に到達し、そこに光が当たっていることによって分解されます。
ところが、部屋の空気が循環されていなければ、臭い成分が光触媒加工された人工観葉植物に当たりにくいので、消臭が進まないケースがあります。
部屋の空気を扇風機やサーキュレーター、エアコンなどで攪拌して、光触媒加工された人工観葉植物に臭い成分が当たるようにしてください。
臭い成分の供給量が多いので、分解が間に合わない
臭い成分が光触媒加工された人工観葉植物に到達して消臭が行われていても、臭い成分の発生量が分解量を上回ってしまったら、部屋の消臭がしきれないので、部屋の臭いが気になることがあります。
特に、部屋の中でタバコを吸っているときや、部屋の中で鍋や焼肉をしているなどの料理をしているときは、臭い成分の発生量が多いので、光触媒加工された人工観葉植物で分解する速度を超え、部屋の臭いがなかなか消えないことがあります。
トイレの消臭であれば、人工観葉植物を利用するのではなく、便器やその周りをしっかり清掃し、換気をして臭い成分を排気した方が、早く消臭できると思います。
部屋の中で、頻繁に臭いが発生する場合は、光触媒加工された人工観葉植物だけでなく、部屋全体を光触媒コーティングすることをおすすめします。
光触媒で分解できない臭い成分を分解したい
光触媒加工された人工観葉植物では分解できない臭い成分があります。
一般的な光触媒で分解できる臭い成分は、アンモニアや体臭、ホルムアルデヒドなどの成分です。それよりも強い臭い成分は、スパイスの臭いや揮発性有機化合物(VOC)の臭いです。
強い臭い成分を分解したい場合は、後ほどご紹介する強力な光触媒成分を用いた人工観葉植物、もしくはその成分での部屋全体の光触媒コーティングをご利用ください。
また、どのような光触媒でも分解できない成分もあります。それは、硫黄などの無機成分の臭いです。そういった成分は、別の方法での消臭が必要となります。
光触媒加工された人工観葉植物で
部屋の消臭を効果的に行うための条件
光触媒加工された人工観葉植物で部屋の消臭が難しい理由を述べましたが、その真逆で考えると、光触媒で部屋の消臭を効果的に行うための条件が出てきます。
まとめると、次の条件になります。
- 部屋の光でも効果の高い光触媒成分を使っている人工観葉植物を選ぶ
- 部屋の空気を攪拌して、人工観葉植物に部屋の空気を当てる
- 臭い成分の発生量が多い場合は、部屋全体を光触媒コーティングする
部屋の光でも効果の高い光触媒成分を使っている人工観葉植物を選ぶ
光触媒成分にはいろいろな種類がありますが、その中でも効果の高い光触媒成分は、銅ドープ酸化チタンです。
銅ドープ酸化チタンとは、紫外線に対して光触媒活性する酸化チタンに、銅を加えたものです。
この成分の性質は後ほどご説明いたしますが、銅ドープ酸化チタンを使った人工観葉植物を選ぶことで、部屋の光であっても臭い成分を強力に分解消臭してくれます。
部屋の空気を攪拌して、人工観葉植物に部屋の空気を当てる
部屋を消臭したい場合は、臭い成分が人工観葉植物にコーティングされた光触媒成分で分解される必要があります。そのためには、臭い成分が人工観葉植物まで到達しなければいけません。
部屋を扇風機やサーキュレーター、エアコンなどで攪拌してあげることで、人工観葉植物に臭い成分が到達するので、臭いが分解されやすくなります。
臭い成分の発生量が多い場合は、部屋全体を光触媒コーティングする
さらには、臭い成分の発生量が多い部屋では、人工観葉植物の光触媒だけでは分解が間に合わずに、部屋の臭いが気になる場合があります。
そういった部屋では、光触媒加工された人工観葉植物の数を増やしたり、部屋の壁紙や天井などに光触媒コーティングすることで、部屋の消臭効果を高めることができます。
もちろん、銅ドープ酸化チタンの光触媒コーティングをおすすめします。
銅ドープ酸化チタン光触媒を使った人工観葉植物
銅ドープ酸化チタンや、それをコーティングした人工観葉植物について解説いたします。
銅ドープ酸化チタンの性質
銅ドープ酸化チタンは、弊社が世界で初めて発見した、可視光応答し高い除菌・消臭効果を発揮する酸化チタン光触媒です。銅を添加しているので、「銅ドープ」と名付けられました。
銅は抗菌作用がありますし、それ自体が触媒としても利用されており、ナノサイズの酸化銅は高い触媒効果を示すことも知られています。そのような銅を、酸化チタンに加えたところ、室内の光でも光触媒の高い効果を発揮することを発見しました。
また、銅ドープ酸化チタンは、暗所でも抗菌作用があることが実験で分かりました。
銅ドープ酸化チタン光触媒で加工した人工観葉植物は、蛍光灯やLED照明などの光でももちろん光触媒の効果を発揮して、他の光触媒成分よりも高い消臭効果が得られるのですが、他の光触媒成分と違って暗所でも消臭ができるようです。
部屋の空気が攪拌されている状態であれば、暗所の消臭も可能ですので、お出かけのときにサーキュレーターを動かしておいてください。すると、「旅行から帰ってきたら部屋が臭かった」ということもなくなると思います。
銅ドープ酸化チタンを使った人工観葉植物
銅ドープ酸化チタンをコーティングした人工観葉植物であれば、他の光触媒成分とは異なり、昼間や電灯を点灯させている間はもちろんのこと、夜間でも消臭ができます。
弊社は、光触媒コーティング剤のメーカーですので、弊社では人工観葉植物を製造しておりませんが、銅ドープ酸化チタンを人工観葉植物メーカーに卸しています。そのメーカーの人工観葉植物であれば、高い消臭効果が得られることと思います。
ちなみに、人工観葉植物に用いる銅ドープ酸化チタンの光触媒コーティング剤は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を利用しています。
この光触媒製品をご利用いただいている人工観葉植物メーカーは、緑花の楽園です。この会社のホームページやAmazonのページで、銅ドープ酸化チタン光触媒で加工された人工観葉植物をご購入いただけます。
また、人工観葉植物メーカーで弊社製品をご利用になられたい方は、弊社までお気軽にご相談ください。
本格的に部屋を消臭したいなら
部屋全体を光触媒コーティング
銅ドープ酸化チタンを使った人工観葉植物は、高い消臭効果があるとは言え、先ほども述べたように、人工観葉植物だけでは消臭効果の能力に限界があります。
そこで、人工観葉植物だけでは部屋の臭いが気になる方は、銅ドープ酸化チタンを部屋全体にコーティングして、部屋の壁紙や天井、内装など、全体に消臭機能を持たせることをおすすめします。
部屋全体の光触媒コーティングをするときの塗料は、先ほどご紹介した人工観葉植物と同じ塗料になります。この塗料は、もともと室内用として開発したものを、人工観葉植物に利用しています。
部屋全体を光触媒コーティングすることにより、部屋の消臭だけでなく、除菌や防カビもできます。
この製品は、業務用製品ですので、部屋への施工は施工代理店にご依頼ください。施工代理店一覧はこちらです。
この記事の著者/責任者
株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。