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光触媒サイディングのメンテナンス

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光触媒サイディングのメンテナンス

光触媒が塗布されたサイディングは、セルフクリーニングによって汚れが防止できます。

セルフクリーニングとは、汚れが雨水といっしょに落ちていって、自動的に洗浄できる効果のことです。

光触媒が機能し、サイディングが美しいまま保たれているのであれば、メンテナンスは何もいりません。

ところが、光触媒サイディングを使用していても、サイディングが汚れたりして、メンテナンスを必要とする場合があります。

この記事では、光触媒サイディングが黒く汚れたり、コケ汚れが発生したり、色あせしたり、ひび割れてきたりしたときのメンテナンス方法についてご説明いたします。

サイディングに光触媒を塗布する方法

サイディングに光触媒を塗布する方法は、次の2種類あります。

  • 光触媒塗料を塗布する方法
  • 光触媒コーティング液剤を塗布する方法

光触媒塗料とは、ペンキのような顔料の入った塗料に光触媒成分が添加されたものです。ペイントローラや刷毛を使って塗ることができます。光触媒塗料は、添加されている顔料の色が付着するので、色の種類に限りがあります。

光触媒コーティング液剤とは、光触媒成分が入った水のような半透明の液剤です。塗布には、専用のスプレー装置を用います。光触媒コーティング液剤はクリア塗装ができるので、下地の色に関係がありませんから、いろいろな色のサイディングを選ぶことができます。

このどちらかの方法で、光触媒サイディングがつくられるわけですが、サイディングを工場から出荷するときに、すでに光触媒加工されたものと、サイディングを取り付けた後に光触媒加工する方法があります。

光触媒サイディングが黒く汚れた場合

光触媒サイディングが黒く汚れる場面は、セルフクリーニングが機能していない場合です。

雨が当たらない箇所の場合

セルフクリーニングは、雨水の流れといっしょに汚れが落ちていく機能ですから、光触媒サイディングに雨が当たることがセルフクリーニングの条件となります。

雨が当たらない箇所は、ホースで水道水をかけてください。すると汚れが流れ落ちていくと思います。しつこい汚れは、高圧洗浄機を用いてください。

雨が当たっていても汚れている場合

光触媒サイディングで、雨が当たっていても、黒く汚れる場合があります。

サイディングの形状によっては汚れが溜まりやすい場所があるので、そういった場所は高圧洗浄機を使って汚れを落としてください。

また、光触媒の効果が弱くて汚れてしまう場合もあります。その場合は、防汚効果の高い製品を上塗りすることをおすすめします。

光触媒の効果が弱い製品については、後述いたします。

光触媒サイディングにコケ汚れ(緑汚れ)が発生した場合

サイディングの緑汚れ

光触媒サイディングにコケ汚れが発生する場合は、光触媒の種類がコケを防止できないタイプのものが使用されています。

コケが発生する場所と言えば、直射日光が当たりにくく、ジメジメした場所です。そのような場所は、酸化チタンを使った光触媒サイディングでは、コケを防止できませんから、コケ汚れが発生する場合があります。

そのときのメンテナンス方法は、コケ汚れ専用の洗浄剤と高圧洗浄機で掃除をします。

コケの発生を防止したい場合は、洗浄後に銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング液剤を塗布してください。銅ドープ酸化チタンを使った光触媒製品は、光触媒コーティング液剤しか存在しませんので、光触媒コーティング施工を行うことになります。

光触媒サイディングが色あせした場合

光触媒サイディングが、直射日光の影響で、色あせすることがあります。

色あせとチョーキング

チョーキングが発生した外壁

外壁の色が色あせし始めている場合には、チョーキングが発生し、光触媒の部分が劣化してポロポロと落ちてきている可能性があります。チョーキングとは、チョークの粉が付着したように白くなる現象のことです。劣化した看板を手で触ると、手が白くなりますが、それがチョーキングです。

チョーキングが発生している場合には、光触媒塗料もしくは光触媒コーティング液剤の塗布が必要です。光触媒コーティング液剤を利用する場合は、ペンキを塗ってから塗布してください。

ちなみに、色あせするタイプの光触媒製品を利用した場合には、早ければ1年ほどで表面が劣化して、色あせが始まります。

色あせやチョーキングをそのままにしておいても、「外壁の色が薄くなって見栄えが悪くなった」と思う程度のことですから、そのままでもかまいません。しかし、劣化をしているということなので、塗料の表面にひび割れが起きる可能性があります。

色あせ修復と頻度

色あせを修復したい場合は、同じ光触媒塗料を上塗りする方法が一般的です。しかし、また色あせが起こるので、普通の塗料を使って塗装しておき、その上から光触媒コーティング液剤を塗布することをおすすめします。

ちなみに、光触媒塗料の顔料に有機顔料を用いている場合は、早ければ1年ほど、遅くとも2~3年ほどで色あせが起きます。

色あせしない光触媒サイディングで、なおかつ防汚効果の高いものを導入したい場合には、一般的なサイディングに下地保護剤と光触媒コーティング液剤を塗布することをおすすめします。

光触媒サイディングがひび割れてきた場合

光触媒サイディングのひび割れイメージ

光触媒サイディングが色あせして、それを放置しておくと、光触媒塗料がひび割れしてくる場合があります。ひび割れと言っても、「よく見たら小さなひび割れがたくさん発生している」というものです。

ひび割れは、光触媒塗料の樹脂を、光触媒成分が分解していっているために起こります。

ひび割れをそのまま放置しても、サイディングの内部に水が入っていくわけではありませんから、見栄えが悪くなるだけです。

ひび割れしていたら、その上から光触媒塗料を上塗りするか、一般的な塗料を塗って光触媒コーティング液剤を塗布します。

光触媒コーティング液剤を選ぶ場合の注意点

光触媒コーティング液剤を選ぶ場合の注意点についてご説明いたします。それは、「下地保護剤(プライマー)を利用すること」です。

プライマーで下地を保護する

プライマーとは、光触媒コーティング液剤に使用されている光触媒成分が、下地に接触することを防ぎ、光触媒による下地の劣化を防止してくれる液剤のことです。

プライマーを塗装しておくことで光触媒によるサイディングの劣化を防いでくれる

光触媒コーティング液剤は、クリア塗装ができるので、直射日光の紫外線が下地まで到達します。すると、そこに光触媒成分が存在すると、下地を劣化させてしまい、色あせが起きます。

ただし、光触媒塗料のようにひび割れは起きないと思います。なぜなら、下地が劣化してチョーキングが発生し、ポロポロと落ちていくときに、光触媒コーティングも落ちていくので、それ以上の劣化が起きなくなるからです。

劣化防止剤、屋外用プライマー(ASS01)

ともあれ、光触媒コーティング液剤を下地に直接塗布すると下地が劣化しますから、あらかじめプライマーを塗布してください。

弊社のプライマーは、屋外用プライマー(ASS01)です。

屋外用プライマー(ASS01)を塗布してから、弊社の光触媒コーティング液剤を塗布します。

プライマーを製品化できていないメーカーの光触媒コーティング液剤

プライマーの製品化は、とても技術が必要です。そのため、プライマーを製品化できていないメーカーもあります。

そのようなメーカーの光触媒コーティング液剤は、下地が劣化しないように、光触媒成分を極端に少なくしています。そして、謳い文句として「プライマーを必要としないため、施工費用が安くなります」とPRしているのです。

光触媒成分の含有量が少ない光触媒コーティング液剤は、確かに下地が劣化しにくいのですが、防汚効果もそれなりに弱くなります。光触媒コーティング施工をしてもサイディングが汚れてしまうので、要注意なのです。

以上、光触媒サイディングのいろいろな状況に合わせてのメンテナンス方法を解説いたしました。本音でお話しすると、光触媒塗料は、完全な無機塗料であれば良いのですが、有機顔料を使っているものは色あせが起きやすく、樹脂を使っているものはひび割れが起きやすいので、選択なさらない方が良いです。

効果の高い光触媒コーティング液剤での補修をお考えの方は、イリスまでお気軽にご相談ください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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