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光触媒コーティング塗装の前にプライマーを下塗りすべきか?

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光触媒コーティング塗装の前にプライマーを下塗りすべきか?

光触媒コーティングの施工方法には、下地剤(プライマー)を下塗りする場合としない場合の2通りの方法があります。

プライマーとは、光触媒コーティング塗料による劣化から塗装面を守るため、光触媒コーティング剤を塗装する前に、下塗りする塗料のことです。

プライマーを下塗りしないパターンでは、光触媒コーティングの塗装のみで完了するものです。プライマーを下塗りするパターンでは、先にプライマーを下塗りし、乾燥させた上で、その上から光触媒コーティング塗料を塗装する施工方法です。

「プライマーを下塗りしない方が格安で施工ができる」ということで、安易にプライマーを下塗りしない施工方法を選んでしまうと、光触媒の効果が出なかったり、塗装面を傷めてしまったりする場合があります。プライマーを下塗りすべきか、それともすべきか、光触媒コーティング塗料の効果の高さと塗装適所に関係します。

それぞれの特徴と、どのような場所の施工に向いているのかを比較しながら、ご説明いたします。

プライマーの下塗り有無での手間と光触媒効果の違い

プライマーを下塗りしない施工方法では、塗装面を清掃してから光触媒コーティングを塗装します。塗装面に直に光触媒コーティング塗料を下塗りするため、施工の時間が短くて済みます。また、施工の手間や使用する塗料の分量からしても、プライマーを下塗りする施工方法よりは費用が安価で済みます。

プライマーを下塗りする施工方法は、光触媒コーティング塗装をする前にプライマーを下塗りし、その上から光触媒コーティング塗料を上塗りする施工方法です。

プライマーを下塗りし、乾燥させてから光触媒コーティング塗料の塗装をするので、プライマーを下塗りしない施工方法よりも時間と費用が余計にかかります。

プライマーを下塗りする理由は、光触媒が塗装面の有機材の分解を抑えるためです。光触媒の作用が強く出過ぎると、塗装面を劣化させしまうことがあります。

外壁に光触媒コーティング剤を直接塗装した場合は、塗装面の有機材が光触媒コーティング剤により分解され塗装面に粉が吹いたようになることがあります。この反応のことを、「チョーキング」といいます。チョーキングを抑え、光触媒の効果を発揮するためにプライマーを下塗りするのです。

きちんと下地を整えてから光触媒コーティングの塗装工事をする、というイメージです。

このことから、プライマーを下塗りしない施工方法では時間と手間が少ない分、光触媒の効果が弱い製品を使用している可能性があり、塗装面に汚れが発生するなどして施主様からのクレームになることもあります。

効果の高い光触媒コーティング塗料を使用している施工業者は、プライマーの塗装をする施工を基本としています。

プライマーを下塗りしなくても良い場所、すべき場所

光触媒効果の高い光触媒コーティング塗料を使用していたら、必ずプライマーを下塗りする施工が必要なのかと言えば、そうではありません。

プライマーを下塗りしなくても良い場合と、下塗りしなければいけない場合があります。これらを踏まえている施工業者に依頼すると、光触媒の高い効果を得つつも費用を格安に抑えることもできますし、光触媒コーティングを塗装した箇所の素材を長持ちさせることにもなります。

光触媒コーティングの塗装をしたにもかかわらず、その効果が弱かったり、塗装した建材や内装材を傷ませてしまったりすると本末転倒です。プライマーを下塗りしなくても良い場所とすべき場所の判別方法を、ぜひ知っておいてください。

プライマーを下塗りしなくても良い場合

プライマーを下塗りしなくても良い場合は、この2つのどちらかです。

  1. 効果の弱い光触媒コーティング塗料を使用する
  2. 効果が強い光触媒コーティング塗料を直射日光が当たらないところに使用する

「光触媒コーティングをしたい」とお考えの方であれば、やはり、効果の高い光触媒コーティング塗料を選びたいことでしょう。直射日光が当たらない場所としては、地下室や室内の壁や天井などです。そういった場所では、効果の高い光触媒コーティング塗料を利用しないと、カビや臭いが発生してしまうことが多いです。

また、あまり光の入らない部屋でもプライマーを使用しなくてもかまいません。カビの発生しやすい倉庫や、あまり人が出入りしないで締め切りがちな部屋、なかなか換気ができない空間は、あまり光が入らない部屋が多いことと思います。そういった部屋は、プライマーを下塗りしなくてもほとんど問題はありません。

エアコンのフィルターのように、光が入らないところにも光触媒コーティング剤のみの塗装でかまいません。

弊社の屋内用光触媒コーティング塗料は「酸化チタンの可視光応答型光触媒」で、蛍光灯やLED照明の光でも光触媒の効果が強い製品です。おそらく世界最強レベルです。

そのため、日光が入りにくい室内でも高い効果を発揮することができるので、できれば部屋全体にプライマーを下塗りしていただきたいのですが、施工費用が高くなるので、「直射日光が当たる場所だけで良い」としています。

プライマーを下塗りすべき場合

プライマーの下塗りをすべき場合は、直射日光が当たる場所に光触媒コーティングをする場合です。その塗装面が、光触媒が塗装面を傷めたり、化学変化を起こしやすい材料を使用している箇所であればなおさらです。

ペンキが塗られた外壁、車の内装、直射日光の当たる室内などは、効果の高い光触媒コーティング塗料を使用する場合には、プライマーの下塗りが必須となります。

光触媒は、直射日光の紫外線を受けると、光触媒効果が強く出て、有機物を分解します。ペンキやプラスチックなどは有機物ですので、それらに光触媒コーティング塗料を塗装し直射日光を当てると、光触媒の効果でその素材を傷めてしまいます。

先ほど、外壁の場合はチョーキングという塗装面に白い粉が吹いたような色目が出ることを述べました。外壁への光触媒コーティングをする理由は、防汚や防カビといった見栄えの良さを保つ効果を狙ってのことです。看板や外壁の汚れを防ぐことが目的なのに、チョーキングが出てしまったら、これでは本末転倒です。

外壁のペンキなどの有機物への光触媒コーティングでは、先にプライマーを塗装し、その上から光触媒コーティングをすることで、塗装面を劣化から守り、光触媒の効果を発揮させることができます。

プライマーならどのような種類でも良いのかと言ったら、そうではありません。外壁といった紫外線の強い場所に塗装するのか、それとも室内のような紫外線の弱い場所に塗装するのか、自動車の車内のシートのような黒い塗装面に使用するのかによって、プライマーに求められる性質が異なります。

弊社では、用途別に屋内用、屋外用、車用のプライマーをご用意しております。それぞれ使用する場所に合わせて選択してください。ご利用になられる光触媒コーティング塗料の種類によって、プライマーの成分を最適調整しています。

まとめ

ここまで、光触媒コーティング塗装する前のプライマーの下塗りの有無の違いや、プライマーの特長などについて述べてきました。

それぞれ、どのような場所に施工するのか、施工する面の素材によってプライマーの下塗りをするのかどうかを分けていただくと、光触媒の効果を発揮しつつも、格安で施工ができます。

コスト面で、プライマーを下塗りしない施工方法の選択を希望されるお客様もいらっしゃるかもしれません。しかし、長くよい状態でお使いいただくためにも、適材適所で光触媒コーティング塗料の種類や施工方法を選択されるとよいでしょう。

光触媒効果の高さが世界最高レベルの光触媒コーティング塗料を使った施工をご希望であれば、弊社製品を使っている施工代理店にご相談ください。施工代理店一覧はこちらのページです。また、光触媒コーティング施工の詳しい内容については、イリスまでお気軽にご相談ください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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