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光触媒コーティングで鳩の糞の除菌は可能か?

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光触媒コーティングで鳩の糞の除菌は可能か?

先日、弊社に「光触媒コーティングで鳩の糞の除菌は可能でしょうか?」というご相談をいただきました。

ご事情を伺うと、お住まいのマンションには小さなベランダがあるそうです。そこに鳩が住み着き、糞で汚れていました。この糞による汚れで、健康被害を心配されていました。

ご相談いただいた方は、生き物の命を大切に考えておられ、「鳩を追い出すようなことまではしたくない」とのことで、この糞の除菌が光触媒コーティングでできるかどうかが論点でした。

鳩や鳩の糞には感染症の原因となる細菌類や寄生生物がいるようです。詳細は、株式会社フジナガのホームページ「ハトが原因になりうる病気について」が参考になります。

結論から申しますと、このような糞は光触媒コーティングでは除菌ができないと思います。鳩の糞の清掃と、鳩がベランダに寄り付かないようにする対策が必要です。

鳩の糞の除菌を光触媒コーティングでは出来ない理由

光触媒コーティングをすると、その表面に触れているものは除菌ができます。しかし、鳩の糞は立体的です。光触媒コーティングに触れている箇所は除菌ができても、立体的な糞までは除菌ができません。

また、屋外用光触媒コーティングは酸化チタンが用いられています。酸化チタンは紫外線を受けると強い除菌効果を発揮しますが、糞がたまってくると、光触媒に紫外線が当たりにくくなると思います。

また、鳩が巣をつくる箇所は、薄暗いところが多いと思います。そこでは、さらに紫外線が当たりにくい場所と考えられ、光触媒コーティングの除菌効果が弱くなります。

なお、紫外線が当たりにくい場所では、屋外用光触媒コーティング剤を用いるのではなく、屋内用光触媒コーティング剤を用いた方が良いです。屋内用光触媒コーティング剤は、紫外線でなくても除菌効果を発揮するからです。

光触媒コーティングで鳩の糞を掃除しやすくなる

光触媒コーティングをすると、塗装面の親水性が増します。親水性とは、水と馴染む性質のことです。すると、鳩の糞を水で流して掃除するときに、掃除がしやすくなります。

また、光触媒コーティングの塗装面に触れた糞が分解されるので、糞が剥がれ落ちやすくなると思います。この効果と親水性の効果によって、鳩の糞の掃除がしやすくなると思います。

バルコニーは共用部分なので勝手に掃除しても良いのか?

バルコニーは共用部分です。共用部分は、マンションの部屋を所有しているものではなく、マンション管理組合のものです。バルコニーの糞を勝手に掃除しても怒られることはありませんが、マンション管理組合に相談した方が良いと思います。

光触媒コーティングをするとなると、マンション管理組合に許可を得ることが必要です。

マンション管理組合があれば、定期的にミーティングが開催されていると思います。そのミーティングに参加され、鳩が飛来してきて糞をしていることの現状報告と、光触媒コーティングの提案をされると良いと思います。

光触媒コーティングをするタイミングは、大規模改修のときがベストです。

鳩の卵やヒナを駆除してはいけない

鳩が飛来してきている箇所では、鳩が巣をつくっていて、そこに卵やヒナがいる場合もあります。その場合、「鳩や巣を駆除したい」とお考えになられることでしょう。

ところが、鳩はもちろんのこと、巣の卵やヒナを勝手に駆除してはいけなという法律があります。その法律を、鳥獣保護管理法と言います。鳥獣保護管理法の解説は、環境省のホームページ「鳥獣保護管理法の概要」をご覧ください。

駆除するときは、自治体に相談してからになります。

鳩がバルコニーに来なくするための対策を

鳩がバルコニーに来なくする対策もおすすめです。手軽なものから大がかりなものまえあります。

バルコニー全体にネットを張ったり、鳩除けの針を設置したりします。この針のことを、剣山やバードスパイクと言います。鳩が嫌う臭いのスプレーもあります。100円ショップやAmazonなどのネット通販で購入できます。

大がかりな鳩対策は、もちろんマンション管理組合に相談してからになります。

以上、鳩の糞の除菌を光触媒コーティングで可能かどうかのご相談対応から、記事を作成いたしました。

結局のところ、光触媒コーティングでは鳩の糞の除菌はできません。鳩が飛来しないようにする対策と、定期的な糞の清掃を心がけてください。また、マンション管理組合に相談して、対策を講じるようになさってください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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