光触媒コーティング剤のメーカーとしては、「何でも消臭できる」と言いたいところですが、世の中には、そうはいかないものもあります。
その一つにタバコ臭があります。これの消臭に、各社メーカーは苦労されていると思います。
光触媒はタバコの煙や臭いを分解できるのですが、タバコの煙は供給し続けるために、光触媒による分解の速度を超えてしまうことがあり、タバコの煙が蓄積されていくためです。
ですので、強力な消臭力を持つ光触媒成分を使うことが大事です。
この記事では、光触媒でタバコ臭が消臭できるかどうかを、解説いたします。
自動車のタバコの臭いは消臭できるか?
自動車に複数人で乗車したときに、一人でもタバコを吸う人がいたら、イヤに思う人は多いことでしょう。それが上司であれば、「タバコを吸っていいか?」と訊かれたら、「イヤだ」とは言いにくいものです。
タバコの煙に慣れていない人には、頭がクラッとしてしまうこともあります。衣服や髪の毛にタバコの臭いが付いてしまうことも、いやなものです。
さて、自動車の車内でタバコを吸っている人がいたら、その臭いを消臭できるかを解説いたします。
一般的な車用光触媒コーティングとタバコ臭
光触媒コーティングは、シートや天井、床などに光触媒成分をコーティングするものです。光触媒コーティングされた車内でタバコを吸ったら、その煙はシートや天井に付着しますが、光触媒によって分解されます。
また、車内には直射日光が入りますから、その強い光によって光触媒が強力に活性化し、タバコの臭いを強力に分解してくれるはずです。
光触媒は光エネルギーによってタバコ臭を分解してくれますが、自動車の車内は紫外線カットガラスが採用されていますから、光は入ってきても紫外線が入ってきません。そのため、光触媒コーティング剤に使用されている光触媒成分によっては、タバコ臭を消臭できるほどの消臭力を発揮してくれない成分もあります。
ですので、一般的な光触媒コーティング剤を自動車の車内に使った人が、「タバコ臭が消えない」と言われることがあります。
車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)を塗装した場合
弊社では、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)という自動車の車内の除菌・消臭コーティング製品も製造・販売しています。この光触媒コーティング剤には、「銅ドープ酸化チタン」光触媒を用いています。銅ドープ酸化チタンは、紫外線が無くても強力に消臭してくれる特殊な光触媒成分です。
銅ドープ酸化チタンだと、紫外線カットガラスを通過した光でも、強力にタバコ臭を分解してくれます。
以前に、弊社の光触媒コーティング塗装された車の助手席に乗せていただいたことがありました。その人は、灰皿がいっぱいになるくらいにタバコを連続的に吸っている人で、私が乗車したときもタバコを常に吸っていました。
私はタバコを吸いませんから、横でタバコを吸われたら、気になって仕方がありません。ところが、光触媒がタバコの臭いをグングンと分解していったようで、助手席にいたのにも関わらず、タバコの臭いが気にならないほどでした。
タバコの煙の供給量と光触媒の分解速度の差
常にタバコを吸っている人は、タバコの煙が常に供給され続けるため、タバコの煙の成分を分解するのに時間がかかります。一般的に販売されている光触媒コーティング剤であれば、自動さのタバコの臭いを分解し切ることは難しいと思います。
一般的な光触媒コーティング剤では、タバコを吸い過ぎていたら、消臭はし切れないので、臭いが残ってしまいます。タバコを吸うときは、窓を開けて換気をするようにしてください。
弊社が開発した光触媒成分は、自動車の車内でも強力に消臭ができます。自動車の車内のタバコ臭を消臭するためには、弊社が開発した光触媒コーティング剤のように、強力な消臭効果を持つ製品を選ぶことをおすすめします。
夜間のタバコ臭はどうなのか?
昼間は強い光が入ってきますが、夜間は光がほとんど差し込みません。そういった中でタバコ臭はどうなるのでしょうか?
一般的な光触媒成分であれば、光が当たりませんから、消臭効果はゼロです。
ところが、銅ドープ酸化チタンは光が当たらない場所でも消臭効果がある特殊な成分です。添加されたナノサイズの酸化銅が触媒の効果を発揮しているようです。
弊社の車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)は、有名な高級自動車の純正品として採用されていますが、その自動車のユーザー様に聞いたところ、「夜間でもタバコの臭いが気にならない」と感想をいただいたこともあります。
部屋の壁紙クロスのタバコ汚れは分解できるか?
自動車の車内と部屋は同じ密閉空間です。自動車は外気を取り入れて換気されていることが多いですが、部屋では密閉された空間になっていることが多いです。
一般的な室内用光触媒コーティング剤とタバコ臭
一般的な室内用光触媒コーティング剤には、酸化タングステンが用いられているものが多いです。酸化タングステンが、タバコ臭を分解して、臭いが気にならなくなるためには、おそらくは手術室ほどの明るさが必要だと思われます。
明るいオフィスであれば、手術室くらいの明るさがあるかもしれませんが、一般的な夜の団らんでは、明るさは手術室の1/5程度ですから、タバコ臭を分解するほどの効果を実感できないと考えます。
タバコを吸う人の部屋に光触媒コーティング塗装
弊社では、室内を強力に消臭ができる光触媒コーティング剤として、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を製造・販売しています。この製品にも銅ドープ酸化チタンが使用されており、先ほどご紹介した自動車用よりも、光触媒成分の量が多いので、室内の弱い光でも高い消臭効果が得られます。
この製品を、タバコを部屋の中でよく吸っている人の部屋に、試験的に施工させていただきました。その人は、毎日1箱以上を部屋の中で吸っている人で、夏や冬は部屋を閉め切っていることが多いようでした。
光触媒コーティング塗装をしてから、いつものようにタバコを吸って1年ほど経過したところで、部屋に入れていただく機会がありました。すると、タバコの臭いが一切しませんでした。
銅ドープ酸化チタンが、室内の弱い光でもタバコ臭を分解してくれたようです。
壁紙クロスもタバコの煙の供給量が問題
酸化チタン光触媒コーティング剤は、屋外で使用されるものであり、室内では効果がありませんから、タバコの臭いを分解できません。一般的な室内用光触媒コーティング剤は、壁紙クロスに付着したタールを分解しようとするのですが、タールの供給量が多すぎて分解したものが残ってしまう場合があります。
一般的な光触媒コーティング剤を塗装したときは、自動車のときの同様に、タバコの煙をなるべく屋外に出すように工夫することが大事です。また、タバコの煙を脱臭してくれる空気清浄機を利用することもおすすめです。タバコの煙を吸い取ってくれる灰皿もあるようです。
タバコを吸っていて窓を閉め切っている場合には、弊社が開発した光触媒コーティング剤を利用することをおすすめします。
喫煙室の消臭はどうか?
喫煙室は、狭い部屋で何人もの人がタバコを吸っていて、しかも部屋が薄暗い環境です。そのような環境では、さすがの銅ドープ酸化チタンでも、タバコ臭を分解し切れないようです。
タバコの脱臭機を設置し、換気も行いつつ、部屋の明るさを数倍に明るくしたら、タバコ臭が気にならないほどにできるかもしれません。
以上、光触媒でタバコ臭を消臭できるのかどうかを述べました。
タバコの煙の供給量と光触媒がタバコ臭を分解する量の差で、部屋が臭うかどうかが決まります。タバコ臭の分解を強めるためには、銅ドープ酸化チタンを用い、部屋を明るくして光触媒の効果を高めることです。
銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティングなら、弊社もしくは弊社製品を扱う施工代理店にご相談ください。施工代理店の一覧は、こちらをご覧ください。
この記事の著者/責任者
株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。