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光触媒を使ったクロスコーティングで部屋の抗菌・消臭・防カビが可能

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光触媒を使ったクロスコーティングで部屋の抗菌・消臭・防カビが可能

クロスコーティングとは、壁紙クロスを抗菌や消臭、防カビをするためのコーティング塗装です。

クロスコーティング塗装にはいくつかの種類がありますが、光触媒を使ったクロスコーティングですと、抗菌・抗ウイルス・消臭・防カビの4つの効果を1つで行えます。

光触媒を使ったクロスコーティングがこれらの効果を発揮するためには、条件があります。

この記事では、光触媒とはどういったものなのか、室内で効果の高い光触媒「銅ドープ酸化チタン」とはどういったものか、銅ドープ酸化チタンを使ったクロスコーティング剤の特長などをご説明いたします。

これからクロスコーティングを導入しようかお悩みの方は、この記事を最後までお読みになられ、銅ドープ酸化チタンの魅力をお感じいただけたらと思います。

光触媒の効果とは?

光触媒とは、あまり聞きなれない言葉だと思います。光触媒とはどういったものか、その種類と効果などをご説明いたします。

光触媒とは?

光触媒の前に、「触媒」についてご説明いたします。触媒とは、それに触れることで分解したり合成したりできる、化学変化を起こすことができる物質のことです。

自動車の排気ガスのところに触媒が用いられていて、排気ガスをある程度浄化してくれる効果があります。そして、触媒そのものは化学変化が起きないので、継続的に化学変化を起こし続けることができます。

では「光触媒」とは、光が当たることで触媒効果を発揮する物質のことです。具体的には、光触媒に光が当たり活性化しているところに、有機物やアンモニアなどが触れると、それを酸化分解する性質があります。

例えば、光触媒が活性化しているところに、ホルムアルデヒドが接触すると、ホルムアルデヒドが酸化分解されて、最終的には水と二酸化炭素になります。ホルムアルデヒドは、新築の建物に入ったときにする臭い成分の一種です。光触媒を使ったクロスコーティングをしておくことで、部屋の臭いの分解が期待できるわけです。

細菌類やウイルスも有機物の一種ですから、光触媒によって酸化分解される対象です。臭い成分と異なり、細菌類やウイルスはサイズが大きいため、完全な分解までに膨大な時間がかかります。しかし、それらの表面はすぐに分解できるので、それらの活動を抑制したり殺菌したりできるので、抗菌や抗ウイルス、防カビといった効果が期待できるわけです。

光触媒による抗菌・抗ウイルス、消臭のメカニズム

光触媒による抗菌・抗ウイルス、消臭のメカニズムをもう少し詳しくご説明いたします。この節は読み飛ばしていただいてかまいません。

次の図をご覧ください。

光触媒の消臭成分OHラジカルが発生するメカニズム

光触媒に光が当たると、光触媒から励起電子が飛び出してきます。この電子はエネルギーが高いので、空気中の酸素とくっつくことができ、活性酸素に変化させます。この活性酸素のことを、スーパーオキシド(O2)といいます。スーパーオキシドは、空気中の水分子と結合して過酸化水素(H2O2)になります。

空気中の過酸化水素は不安定なので、すぐに2つのOHラジカル(・OH)に分離します。

このOHラジカルも活性酸素の一種で、強い酸化力を持っています。このOHラジカルによって、有機物などを酸化させて分解するのです。

このときに、光触媒そのものは変化しませんから、光が当たり続けることで半永久的にOHラジカルが発生し続けることになります。この性質を利用して、クロスコーティングによって抗菌や消臭などができるわけです。

光触媒の種類と効果の高さ

光触媒にはいろいろな種類があり、どの光触媒でも同じく抗菌力や消臭力を発揮するとは限りません。光触媒の種類によっては、室内でまったく効果の無い成分もあります。

例えば、光触媒の中でもっとも利用されている「酸化チタン」ですと、紫外線に反応して活性化する性質があります。紫外線以外の光が当たっても、ほとんど抗菌や消臭といった効果を発揮しません。室内の光源には、蛍光灯や白熱球、LED電球などが主なものとして利用されています。それらの光源からは、紫外線がほとんど出ていませんから、「酸化チタンを使ったクロスコーティング」というものを施工してもらっても、「室内は紫外線が無いからほとんど効果が無い」と覚えておいてください。

酸化チタンは紫外線でないとほとんど反応しない

このことを知らずに施工している業者も少なからずあるので、消費者の皆様が気を付けないといけません。

室内で効果のある光触媒は、可視光応答型光触媒と言われるものです。可視光応答型光触媒とは、目に見える光、つまりは蛍光灯やLED電球といった照明の光にも反応する光触媒のことです。最低でも、室内で利用されている照明で反応する光触媒を使わないといけません。

ここで、「可視光応答型光触媒が使用されていたら、どのようなクロスコーティングでも良いのか?」ということですが、これも否ということになります。可視光応答型光触媒にも効果の高さに違いがあります。

室内でも効果の高い光触媒の種類

室内でも効果の高い光触媒の種類とは、銅ドープ酸化チタン(銅担持酸化チタン)という可視光応答型光触媒です。

「ドープ」や「担持」という聞きなれない用語が出てきましたが、銅ドープ酸化チタンとは酸化チタンに酸化銅を結合させた光触媒です。酸化チタンは紫外線にしか反応しないことをご説明しましたが、酸化銅を結合させることで可視光応答型光触媒に変化し、室内でも高い効果を得ることができる成分です。

銅ドープ酸化チタンが反応する光の種類

夜のリビングでは、明るさが200lxほどと薄暗い明るさです。200lxでその他の可視光応答型光触媒と比較すると、例えば酸化タングステンと比較すると、銅ドープ酸化チタンは10~20倍ほどの効果があります。

銅ドープ酸化チタンを使ったクロスコーティングを行うことで、室内を抗菌・抗ウイルス、消臭、防カビといった効果を高いレベルで得られます。

もう一つ、銅ドープ酸化チタンには特別な性質があります。それは、光が当たっていなくても抗菌や消臭といった効果が期待できることです。

酸化チタンに結合されたナノサイズの酸化銅が触媒効果を発揮し、光が当たっているときよりは効果が落ちますが、夜の寝ている間に電灯を消灯していても、抗菌や消臭などをし続けてくれるのです。

このようにして、銅ドープ酸化チタンを使ったクロスコーティングは、高い効果が期待できます。

銅ドープ酸化チタンを使ったクロスコーティング剤

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)

銅ドープ酸化チタンを使ったクロスコーティング剤は、20年以上前に弊社が世界で初めて実用化し、効果の高さと耐久性を高め、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)という製品に至りました。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の特長

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の特長は、次の通りです。

  • 銅ドープ酸化チタンによって、室内でも高い抗菌力、消臭力、防カビ力を発揮
  • 暗所でもそれらの効果がある
  • 透明な塗装(クリア塗装)が可能
  • 耐久性が高く、効果の持続期間は環境にもよるが20年以上の実績あり

もちろん、高い効果を得るためには、専用の塗装装置を使って均一に正しくクロスコーティング塗装をする必要があることは、述べるまでもありません。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の成分

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の成分には、次のものが添加されています。

  • 光触媒成分・・・銅ドープ酸化チタン
  • バインダー成分・・・アモルファス酸化チタン
  • その他の成分・・・水

この3種類だけです。光触媒成分に銅ドープ酸化チタンが用いられていることは、先ほどご説明した通りです。バインダー成分とは、接着剤のことです。接着剤にも酸化チタンを使っているので、クロスコーティングの耐久性が高くなります。

そして、その他の成分が水ですから、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は完全な無機塗料です。そのため、ホテルなどの防炎規制が設けられている施設でもご利用いただけます。

銅ドープ酸化チタンで消臭できる臭い成分

銅ドープ酸化チタンで消臭できる臭い成分をご紹介しておきたいと思います。これらの中には、シックハウスの原因と言われるものも含まれています。

  • アンモニア
  • ホルムアルデヒド
  • アセトアルデヒド
  • エチレン
  • トルエン
  • キシレン
  • スチレン
  • イソプロパノール
  • 酢酸
  • トリメチルアミン
  • メチルメルカプタン
  • アルコール類
  • 加齢臭(2-ノネナール)

クロスコーティング剤として実用化されている光触媒の種類の中で、これほど多くの臭いを分解できる他社製品は、弊社の調査では確認できませんでした。

※これらガスの分解は、試験環境における結果であることや、臭いの感じ方には個人差があるので、実際に住宅などに施工した場合に完全に消臭できることを保証するものではありません。予めご了承願います。

長持ちするクロスコーティング剤の成分とは?

一般的なクロスコーティング塗装をしたときに、効果が長持ちするためには、次の2つの条件があります。

  1. 効果のある薬剤が持続すること
  2. 薬剤をクロスに接着するバインダー成分が劣化しにくいこと

薬剤が長期間持続すること

一般的なクロスコーティングでは、さまざまな薬剤が存在します。銅イオンもそのうちの一つです。世の中には、銅ドープ酸化チタンと似た成分「銅イオン光触媒」や「ハイブリッド光触媒」といったものがあります。それらは銅イオンが溶けだしていって、それによって抗菌や消臭が期待できるわけですが、銅イオンが溶け切ってしまった、効果がなくなります。

それに対して銅ドープ酸化チタンは、銅が酸化チタンに結合されているので、銅イオンは多少含まれているかもしれませんが、銅が溶けだしていかないので、半永久的だと言えます。

バインダー成分が長期間劣化しないこと

そして、薬剤をクロスに接着するバインダー成分が劣化しにくいことです。バインダー成分とは、接着剤のことでした。薬剤が半永久的だとしても、バインダー成分が劣化してしまったら、クロスから剥がれ落ちてしまいますから、効果が長持ちしないことになります。

光触媒を使ったクロスコーティング剤に利用されているバインダー成分は、主に次の2種類があります。

  • アモルファス酸化チタン
  • フッ素樹脂

どちらも、光触媒成分をクロスに付着させることができますが、耐久性が高いのはアモルファス酸化チタンです。その理由は、アモルファス酸化チタンは酸化チタンですから、銅ドープ酸化チタンで分解されないためです。

それに対してフッ素樹脂は、種類によって耐久性は高いと言えますが、有機物ですから光触媒による分解の対象となってしまうわけです。

さまざまな効果があり、効果が高く、長持ちするクロスコーティングには、光触媒成分に銅ドープ酸化チタンを、バインダー成分にアモルファス酸化チタンを使ったクロスコーティング剤のご利用することと述べておきたいと思います。

クロスコーティングの塗装装置

先ほど、光触媒を使ったクロスコーティングを行って高い効果を得るためには、専用の塗装装置を使って均一に正しくクロスコーティング塗装をする必要があることを述べました。

専用の塗装装置とは、温風低圧塗装機とスプレーガンのセットになります。弊社がおすすめするメーカーは、ドイツのABAC(アバック)社です。次の図は、ABAC温風低圧塗装機SG-91です。

ABAC温風低圧塗装機SG-91とスプレーガン

弊社が開発したクロスコーティング剤を均一に正しく塗装できる塗装装置を探していたときに、ABAC社の装置だけが、故障なく均一に塗布することができました。それ以降、弊社ではABAC社の塗装装置のみをおすすめしています。

このように、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗装するときには専用の塗装装置が必要となるので、クロスコーティング施工は弊社の施工代理店にお任せいただくことになります。

以上、光触媒を使ったクロスコーティングで部屋の中を抗菌、抗ウイルス、消臭、防カビを行いたい場合に、どのようなクロスコーティング剤を選べば、効果があり長持ちするのかをご説明いたしました。

銅ドープ酸化チタンを使った長持ちするクロスコーティング塗装なら、弊社もしくは弊社の光触媒製品を利用する施工代理店までお気軽にご相談ください。施工代理店一覧はこちらのページです。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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