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光触媒の外壁塗装とは?

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光触媒の外壁塗装とは?

光触媒の外壁塗装とは、外壁に光触媒成分が含まれる塗料を塗装することです。

光触媒コーティング液を外壁に塗装すると、光エネルギーで汚れを分解したり、親水性によって雨水で汚れが洗い流されたりする効果があります。

また、光触媒は有機物を分解する効果があるので、カビ菌やコケを分解してくれます。

外壁に光触媒コーティング液を塗装するメリットは、外壁の防汚や防カビ・防苔です。

この記事では、光触媒によって外壁の防汚や防カビ・防苔ができるメカニズムや、光触媒コーティング液の種類、どのような光触媒コーティング液を選べばいいのか、光触媒コーティング液の施工方法などをご説明いたします。

光触媒コーティング液選びや施工方法を間違ってしまうと、これらの効果が弱かったり、まったく効果がなかったり、外壁を傷めてしまったりする場合があります。

外壁の光触媒塗装をお考えの方は、最後までご覧ください。

外壁に光触媒塗装をするメリット

冒頭でもご紹介しましたように、外壁に光触媒塗装をする主なメリットは、次の3つです。

  • 防汚
  • 防カビ
  • 防苔

防汚は汚れの防止です。防カビや防苔は、外壁にカビやコケが生えることを防ぐことです。外壁でもジメジメした箇所は、カビやコケが生えることがあるので、それを光触媒が防止してくれます。

光触媒は、触媒の一種ですので、カビやコケを分解しても、光触媒成分は変質しないので、半永久的に防カビ・防苔をしてくれます。これらの効果によって、外壁がメンテナンスフリーに近づきます。

防汚、防カビ、防苔によって、メンテナンスがし難い外壁であっても長期間美観が保てるので、メンテナンスコストの削減や建物の景観の維持や企業イメージ低下を防ぐことができるといったメリットが得られます。

工事現場の外壁に使われている白いパネルに、光触媒塗装されたフィルムを張り付けてあるものがあります。工事現場の入り口や工事現場の表示(許可票)付近に、「このパネルは光触媒が塗装されています。パネルの防汚、NOxやSOxの分解、PM2.5の分解といった効果があります。」と表示されていることがあります。

このように、工事現場で少しでも環境負荷を減らすイメージを持ってもらえるように、光触媒加工されたパネルを利用するという特殊なケースもあります。

光触媒で外壁の防汚や防カビ・防苔ができるメカニズム

光触媒で外壁の防汚や防カビ・防苔ができるメカニズムをご説明したいと思います。

防汚のメカニズム

外壁は、空気中の油分が付着し、そこに汚れが付着して、汚れてきます。

光触媒は光が当たるとOHラジカルという活性酸素の一種を発生させます。OHラジカルは高い酸化力があるので、外壁に付着した油分などの汚れを分解してくれます。

また、光触媒は親水性があります。親水性とは、水に馴染む性質のことです。光触媒塗装した外壁に雨水が当たると、雨水が外壁と汚れの間に入り込んで、汚れを浮かします。すると、雨水の流れといっしょに汚れが落ちていきます。

このように外壁が自分で勝手に汚れを落とす効果のことを、「セルフクリーニング」といいます。

防カビ・防苔のメカニズム

防汚で油分などの汚れを分解することを述べましたが、OHラジカルは有機物を分解する効果があり、カビ菌やコケの胞子やコケそのものも有機物ですので、それらを分解してくれます。

光触媒は光が当たると効果を発揮します。外壁にカビやコケが発生する箇所は、日光が当たりにくいジメジメした箇所であることが多いので、そういった箇所でも効果の高い光触媒を選ぶことが大事です。

光触媒塗料の種類

光触媒塗料の種類をわかりやすく述べるとするならば、主に次の2種類があります。

  • 「顔料+光触媒剤+有機バインダー」の塗料タイプ
  • 「光触媒剤+無機バインダー」のコーティング液タイプ

「顔料+光触媒剤+有機バインダー」の塗料タイプ

塗料タイプ

このタイプのものは、塗料の中に光触媒成分が添加されているタイプです。

塗料の色の成分のことを顔料といいます。顔料が有機物でできている場合は、光触媒によって色の成分が分解されてしまうので、色あせが起きます。そのため、使用される色は光触媒によって分解されない無機顔料に限られるので、色のレパートリーが少ないです。

また、塗料の溶剤や接着剤(バインダー)には有機物が利用されています。有機物は光触媒によって分解されることは何度も述べましたが、溶剤やバインダーも分解されてしまします。

つまり、効果の高い光触媒成分を使ったものは、耐久性がとても悪いです。耐久性の高いものは、光触媒の効果が弱いので、防汚や防カビなどの効果が弱くなります。

このようなことから、効果の高さと耐久性の両立を望まれる場合には、塗料タイプを選ばないようにした方が良いでしょう。

ただ塗料を塗装するだけですから、塗装の手間がかからないので、施工費用は安く済みます。

「光触媒剤+無機バインダー」のコーティング液タイプ

コーティング液タイプ

コーティング液タイプは、あらかじめ一般的な塗料を塗装しておいて、その上からクリア塗装をするタイプの光触媒コーティング液です。クリア塗装とは、透明な塗装のことで、下地の塗料の色に制限はありません。

光触媒コーティング液は、光触媒で分解されない無機バインダーを用いています。ですので、光触媒の効果を高めつつ、耐久性の高さも得られます。

一般的な塗料は有機物でできているので、もちろん効果の高い光触媒をコーティングしたら、塗料が分解されてしまい、チョーキングと言って白い粉を吹いたような劣化現象を起こします。

それを防止するために、光触媒成分で分解されない下地剤(無機プライマー)を先に塗装しておいて、下地の塗料と光触媒コーティング液が直接触れないようにします。

これらの施工では、塗料、無機プライマー、光触媒コーティング液の3種類を塗装する必要があるので、施工費用は高くなります。

どちらの塗料を選べばよいのか?

あまり費用がかけられない方で、「光触媒の効果が弱くても良い」とか「耐久性が悪くても良い」、「3~5年毎に塗り直しをする」という方であれば、塗料タイプを選ぶと良いでしょう。

それに対して、「効果の高さと耐久性を両立させたい」、「外壁塗装を頻繁にすると余計に費用がかかるので、10~20年の耐久性が持つ方を選びたい」という方は、クリア塗装ができる無機の光触媒コーティング液を選ぶと良いでしょう。

短期スパンでの安さを選ぶなら塗料タイプ、長期スパンでの安さを選ぶなら光触媒コーティング液です。

弊社では、光触媒コーティング液をおすすめします。弊社が製造販売している外壁用の光触媒コーティング液は、屋外用光触媒コーティング剤(BX01)です。

外壁の光触媒コーティング液の塗装方法と注意点

外壁にクリア塗装ができる光触媒コーティング液を塗装する方法をご説明いたします。

光触媒コーティング液を塗装する装置

光触媒コーティング液を塗装するときは、専用の塗装装置とスプレーガンを用います。

弊社では、塗装装置にABAC温風低圧塗装機を推奨しています。また、スプレーガンはノズル口径が0.3~0.5mmの小口径のものを利用することをおすすめします。

ABAC温風低圧塗装機とスプレーガン

ABAC温風低圧塗装機は、スプレーノズルからエアカーテンが出るので、光触媒コーティング液が飛び散ってしまうことを防いでくれて、光触媒コーティング液のムダを減らしてくれます。

小口径のスプレーノズルを使う理由は、光触媒コーティング液は塗料とはことなり、水のようにサラサラしています。大口径のものを利用すると、光触媒コーティング液を塗布し過ぎてしまい、仕上がりの見栄えが悪くなる恐れがあります。

光触媒コーティング液を塗装するときは、専用の装置をご利用ください。

看板などのペンキやプラスチックに塗装するときの注意点

看板には、ペンキで塗った看板と、プラスチックの看板があります。どちらも有機物でできているので、光触媒コーティング液を直接塗装すると、ペンキやプラスチックが分解されて劣化してしまいます。

それらが劣化すると、白い粉が噴いたようになるチョーキング現象が起きたり、プラスチックが茶色く焦げてしまったようになったりします。

それを防ぐために、先ほどご説明したように、ペンキやプラスチックの上に無機プライマーを塗装して、有機物と光触媒が直接触れないようにして、劣化を防止します。

弊社では、屋外用プライマー(ASS01)という名称で、外壁用の無機プライマーを製造販売しています。

コンクリート打ちっ放しに光触媒塗装するときの注意点

光触媒は、親水性が高いことは、さきほどご説明しました。コンクリート打ちっ放しに光触媒コーティング液を塗装すると、光触媒成分が水分を引き寄せてしまって、コンクリートが湿気てしまうことがあります。

湿気ると言っても、濡れるほどではありませんが、水分を引き寄せるので、コンクリートを劣化させてしまう恐れがあります。

そのため、コンクリート打ちっ放しに光触媒コーティング液を塗装する前に、水分をはじく性質のあるプライマーを塗装しておくことが大事です。弊社がおすすめするプライマーは、「セラミックプライマー」です。

セラミックプライマーは、クリア塗装ができるので、コンクリート打ちっ放しの質感を失うことなく、コンクリートの耐久性を高めてくれる成分ですので、光触媒が水分を引き寄せても、コンクリートにしみ込まないようにしてくれます。

日光が当たらないジメジメした場所に塗装するときの注意点

外壁には、直射日光が当たる場所と、ビルとビルの間とか、擁壁に面した壁、北側の壁などと言った、日光が当たらない場所があります。

外壁用光触媒コーティング液には、酸化チタンが使用されていますので、酸化チタンは、直射日光が当たると高い光触媒効果を発揮します。

そのため、直射日光が当たらないジメジメした場所の外壁では、酸化チタン光触媒を使った光触媒コーティング液では、効果が出ません。光触媒で塗装をしても、カビやコケが発生することがあります。

そういった場所には、直射日光が当たらなくても光触媒効果を発揮する光触媒成分が入った塗料を選ぶことが大事です。そのような光触媒成分で、もっとも効果的なものは「銅ドープ酸化チタン」です。

弊社では、銅ドープ酸化チタンを使った製品を、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)という名称で製造販売しています。屋内用という名称ですが、外壁にも利用可能です。

以上、「光触媒の外壁塗装とは?」というテーマで、外壁に光触媒塗装をするメリットや光触媒で外壁の防汚や防カビ・防苔ができるメカニズム、光触媒コーティング液の種類、外壁の光触媒コーティング液の塗装方法と注意点をご説明いたしました。

外壁を光触媒塗装したいとお考えの方は、どのような材質の外壁に、どのような光触媒コーティング液を選んで塗装すべきなのか、ご理解いただけたことと思います。

もし、効果の高さと耐久性の高さを兼ね備えた弊社の光触媒コーティング液をお選びいただけるのなら、弊社までお気軽にご依頼ください。弊社の光触媒製品を扱う施工代理店に直接ご連絡いただいてもかまいません。

弊社の光触媒製品を扱い、低層外壁の光触媒コーティング施工代理店一覧は、こちらのページです。

外壁の光触媒塗装のご依頼をお待ちしています。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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