
VOCとは、揮発性有機化合物の略です。ホルムアルデヒドやトルエン、キシレンなど、たくさんの種類があります。
VOCはシックハウスの原因にもなっているので、対策をしたいと考えている方や企業様は多いことでしょう。
VOC対策には、分解、吸着、排気といった方法があります。
この記事では、光触媒では分解が難しいとされるベンゼン環のVOCが分解できてしまう銅ドープ酸化チタン光触媒の特性や、その光触媒を使ったご家庭用の除菌・消臭用光触媒スプレー「アキュートクリーン」の利用方法などについて解説いたします。
アキュートクリーンをご購入されたい方は、このホームページよりご購入いただけます。価格は2,200円(税込)です。この記事を見られ「アキュートクリーンを試しても良い」と思われた方は、ぜひご利用ください。
光触媒とは?
光触媒とは、光が当たることで触媒として機能し、触れるものを酸化分解する性質を持つ物質のことです。光触媒は、VOCを分解したとしても化学変化が起きませんから、光触媒があり続けたら半永久的にVOCを分解し続けてくれます。
そのような光触媒を液剤にして、スプレーボトルに入った製品のことを、光触媒スプレーといいます。ハンドスプレーのものもあれば、エアゾールのものもあります。
光触媒スプレーに利用される光触媒の種類
光触媒スプレーに利用される成分は、何種類かあります。主な種類は次のものです。
- 酸化チタン
- 銅ドープ酸化チタン
- 窒素ドープ酸化チタン
- 鉄ドープ酸化チタン
- 酸化タングステン
酸化チタンは、紫外線が当たることで触媒としての効果が出ます。ですから、室内利用ではほとんど効果がありません。
酸化チタン以外のものは、すべて室内の光で消臭効果のある可視光応答型光触媒です。ただし、効果の高さは大きく異なります。
室内で効果が高いものは、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒スプレーです。それ以外の酸化タングステンなどは、確かに室内の光でも効果がありますが、効果が低いことで知られています。
銅ドープ酸化チタンとは?

銅ドープ酸化チタンとは、アナターゼ酸化チタン結晶の表面に、ナノサイズの酸化銅を結合させた成分です。
アナターゼ酸化チタンは、上記の紫外線が当たることで触媒として効果が出る光触媒です。その結晶にナノサイズの酸化銅を結合させると、紫色や青色、水色(シアン)といった可視光にも反応して、触媒としての効果を発揮するようになります。
さらには、数ある光触媒の中で唯一、光が当たっていなくても触媒としての効果を発揮します。どうやら、添加されたナノサイズの酸化銅が、触媒として機能しているようなのです。

銅ドープ酸化チタンならいろいろなVOCを分解
そのような性質のある銅ドープ酸化チタンですが、いろいろと試験をしていると、長所はそれだけでないことが判明しました。その長所の一つとして、「ベンゼン環のVOCをも分解できる」という長所があります。
酸化チタンに紫外線を照射することで、触媒としての効果が出ますが、それと同じ条件で、トルエンやキシレン、スチレンといったベンゼン環のVOCが分解できるかを試験したところ、銅ドープ酸化チタンはそれらのVOCを分解することができました。
次にその試験結果を解説いたします。
試験を依頼したときに担当された方から、「光触媒でトルエンやキシレンは分解できないよ」とアドバイスしてくださったのですが、試験してもらったところ予想と裏腹にグングンと分解されていったので、担当者された方は常識が覆されて驚いていました。
ベンゼン環のVOCを強力分解できる光触媒成分
「銅ドープ酸化チタン」の実力

シックハウス対策で有名なVOCは、ホルムアルデヒドです。ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドは、どのような光触媒成分でも条件が合えば簡単に分解消臭ができます。
ところが、ベンゼン環を持つトルエンやキシレン、スチレンといったVOCは、光触媒では分解が難しいとされます。
それに対して銅ドープ酸化チタンであれば、それらベンゼン環を持つ成分をも簡単に分解してしまう特性を持つことをお伝えしました。実際にその試験結果をご紹介したいと思います。
弊社では日本食品分析センターに依頼し、酸化チタンと銅ドープ酸化チタンで、トルエンやキシレン、スチレンの分解性能を比較試験していただきました。
トルエンの分解
3つのトルエンが入ったビニール袋を用意し、それぞれブランクのタイル、酸化チタンや銅ドープ酸化チタンがコーティング塗装されたタイルを入れ、そこに紫外線を照射しました。定期的に内部トルエンの濃度を測定し、その結果が次の図になります。

酸化チタンは、トルエンをほとんど分解できていませんが、銅ドープ酸化チタンは素早く分解できました。
キシレンの分解
トルエンと同様にキシレンの分解試験結果が次の図になります。

酸化チタンは、キシレンをほとんど分解できていませんが、銅ドープ酸化チタンは素早く分解できました。
スチレンの分解
トルエンと同様にスチレンの分解試験結果が次の図になります。

スチレンも、酸化チタンではほとんど分解できていませんが、銅ドープ酸化チタンは試験開始直後から大幅に分解され、トルエンやキシレン以上に素早く分解できました。
これらの試験結果では紫外線を照射していますが、銅ドープ酸化チタンは可視光にも反応するので、一般的な室内で利用してもVOCを分解してくれます。
銅ドープ酸化チタンを使った消臭スプレー
「アキュートクリーン」

銅ドープ酸化チタンの利用方法ですが、弊社から光触媒スプレー「アキュートクリーン」という名称でハンドスプレータイプの消臭スプレーを市販しております。
詰め替えもございます。
アキュートクリーンの特長
アキュートクリーンは、次のような特長があります。
- 銅ドープ酸化チタンを使った世界初の光触媒スプレー
- 液剤が細かな霧になるスプレーを採用。消臭効果が高まる
- 無臭
- アルコールフリー
- 手軽に利用できる
- 高い除菌効果
- 効果が継続しやすい
- 安全成分
- 詰め替えもご用意
効果のほどは、先ほどご説明した通り、VOCの分解ができる銅ドープ酸化チタンが使用されています。
アキュートクリーンの成分
アキュートクリーンの成分は、
- アナターゼ酸化チタン
- 銅
- 界面活性剤
- 水
銅は、アナターゼ酸化チタン結晶の表面に結合されて、銅ドープ酸化チタンになっています。
バインダー(接着剤)は入っていませんから、塗布してもコーティング塗装はできません。ただし、添加されているアナターゼ酸化チタンはナノサイズですから、塗布してもその場に成分が残りやすいです。
例えば、アキュートクリーンを壁紙に塗布するとしましょう。壁紙は顕微鏡で見ると凹凸があります。その凹凸はナノサイズからすると、山脈や渓谷のようなものですから、その隙間に入り込んでいくので、内部で一定期間は留まっていると思います。
アキュートクリーンの使い方
アキュートクリーンの使い方は簡単です。アキュートクリーンの使い方は、よく振って除菌や消臭したい箇所に、30cmほど離してスプレーしてください。
- スプレーの首にあるフックを回転させて、スプレー操作ができるようにする
- ボトルをよく振る
- VOCが気になるところにスプレーする
以上です。1回スプレーするだけで、「臭いが消えた」とご実感いただけると思います。
安全性は試験して確認しておりますが、念のため人やペットなどの動物、食べ物などの口に入るものなどに直接スプレーすることは避けてください。
アキュートクリーンのVOC消臭の用途例
アキュートクリーンがVOC消臭のご利用シーンは、次のようなものがあります。
- 新築戸建てや新築マンションの臭いの消臭
- 新車の臭いの消臭
- タンスや棚の臭いの消臭
- シンナーを利用した後の消臭
- 塗装工場や印刷工場など、塗料を使用する工場での簡易的な消臭
- 紙管や段ボール箱など、接着剤を利用する工場での簡易的な消臭
他の消臭スプレーとの違い

銅ドープ酸化チタンを使ったアキュートクリーンは、他の光触媒スプレーやVOC消臭スプレーとの違いを訊かれることがあります。
いくつかの市販製品との違いを、一般論でご説明いたします。他社製品の中には、優れた製品もあることをご留意ください。
酸化チタンの光触媒スプレーとの違い
酸化チタンを使った光触媒スプレーは、紫外線が当たるところでないとほとんど効果が無いことが知られています。また、先ほどのトルエンなどのVOC分解試験結果でもご紹介したように、紫外線が当たってもVOCが分解できません。
それに対して銅ドープ酸化チタンを使ったアキュートクリーンは、VOCの分解消臭ができます。そのようにVOCが分解できるかどうかの違いがあります。
ちなみに上記の試験では紫外線を用いていますが、可視光や暗所でもVOCの分解が可能です。
酸化タングステンの光触媒スプレーとの違い
光触媒スプレーには、酸化タングステンを使ったものもあります。大手メーカーからもエアゾールで市販されています。
酸化タングステンは、それ単体で可視光でも触媒効果を発揮する成分です。酸化タングステンは、確かに可視光でも反応するのですが、トルエンの分解には、相当な明るい光を必要とします。とある光触媒スプレーのVOC分解試験結果を確認すると、「3,000lxの光を可視光を照射」とありました。
「lx」とは、ルクスと言って、光の明るさの単位です。3,000lxは直射日光が入る自動車の車内の明るさほどです。
それに対してアキュートクリーンは、200lxという夜の薄暗いリビングでもVOCを分解できますし、光が当たっていなくても分解が可能です。そのように酸化タングステンでは、効果の高さの違いがあります。
酸化タングステンを使った製品で、「蛍光灯下で酸化チタンの10倍の効果」とPRしているものがあります。可視光ではほとんど効果の無い酸化チタンと比較して10倍ですから、酸化タングステンの効果は弱いと言えます。ちなみに、同じ条件では、銅ドープ酸化チタンは酸化タングステンの10倍以上の効果がありますから、酸化チタンの100倍以上と言えます。

VOCを吸着する消臭スプレーとの違い
市販されているVOC消臭スプレーの中には、VOCを吸着するポリマー成分を塗布するものがあります。空気中にVOC吸着ポリマーを散布し、VOCを除去するスプレーです。一般的な光触媒と比較すると、暗所でも効果があるわけですから、環境に左右されることがありません。
ポリマーで包まれたVOCの臭いは消えるかもしれませんが、それを吸い込むことはあり得ると思います。また、吸着したらそれ以上のVOCを吸着することはありませんから、使用し続ける必要があると思います。
アキュートクリーンは銅ドープ酸化チタンを使用しているので、暗所であったとしてもVOCを分解消臭してくれます。また光触媒成分が塗布された箇所に残り続けることもあるので、分解し続けてくれる場合もあります。VOC吸着剤とは、性質が根本的に異なります。
部屋全体のVOCを分解したい場合は光触媒コーティング
シックハウスが気になる方、工場内の作業環境を改善したい方には、部屋全体に銅ドープ酸化チタンを使って光触媒コーティングをするという方法があります。
その場合は、アキュートクリーンではなく、業務用消臭コーティング剤「屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)」を塗装します。

光触媒コーティング剤には、接着成分が入っているので、アキュートクリーンよりも銅ドープ酸化チタンが長期間にわたってVOCを分解し続けてくれます。ちなみに、効果が持続する期間は10年以上です。
施工は専用の塗装機械を用いたり、施工の腕前や知識が必要となりますから、弊社もしくは弊社の施工代理店にご依頼ください。
「銅ドープ酸化チタンに効果が本当にあるのかを知ってから光触媒コーティング塗装を依頼したい」と思われた方がアキュートクリーンをご購入される場合もあります。
アキュートクリーンで、VOCを分解できるかをテストされて、分解をご実感されてから部屋全体を光触媒コーティングされてはいかがでしょうか?
以上、光触媒スプレーを使ってベンゼン環を持つVOCをも分解できる成分「銅ドープ酸化チタン」と、その成分を使った光触媒スプレー「アキュートクリーン」を解説いたしました。
アキュートクリーンのご購入は、このホームページにてご購入いただけます。ぜひご利用ください。
この記事の著者/責任者

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。