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光触媒に最適なバインダーは無機バインダー

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光触媒に最適なバインダーは無機バインダー

光触媒の主成分は、光触媒成分とバインダー成分の2種類です。

光触媒成分とは、酸化チタンや銅ドープ酸化チタンといった光触媒の効果のある成分のことです。

バインダー成分とは、光触媒成分を塗装面に固定させる接着剤のことです。

バインダー成分には、無機系と有機系のものがあり、光触媒に最適なものは無機系になります。

この記事では、有機バインダーと無機バインダーの違いや、無機バインダーが最適な理由などを解説いたします。

光触媒に利用される「バインダー」とは?

光触媒が使用されている塗料には、バインダーが入っているものと、入っていないものがあります。

バインダーを使用したものは、光触媒塗料や光触媒コーティング剤といわれるものになります。バインダーを使用していないものは、光触媒スプレーといわれるものです。

光触媒塗料や光触媒コーティング剤は、バインダーが入っているので、光触媒成分が塗装面に固定化され、光触媒の効果が長く持続するというメリットがあります。

それに対して、光触媒スプレーは、塗装した直後は塗装面に光触媒成分が付着しますが、指で触るなどの摩擦で、すぐに光触媒成分が落ちてしまいます。手軽に光触媒を利用できることがメリットです。

バインダーには、有機バインダーと無機バインダーがあります。

有機バインダーとは、バインダー成分が樹脂などの有機物でできているものです。無機バインダーとは、無機成分が利用されたバインダーですが、主にアモルファス酸化チタンが利用されています。

世の中には、セラミックを主成分とした無機系の接着剤も存在するので、セラミックのバインダーに光触媒成分を入れた塗料が存在するかもしれません。

樹脂バインダー(有機バインダー)は劣化しやすい

光触媒は、光が当たると有機物を分解する性質があります。つまり、光触媒を固定するために樹脂バインダーを使ったとしたら、光触媒がその樹脂を分解し、劣化させることがあります。

樹脂バインダーの中には、光触媒で劣化しいないものもあるようですが、種類はごく限られたものになります。

基本的に、樹脂バインダーを使った光触媒塗料は、光触媒の効果が自分にも働いて、塗料を劣化させてしまいます。

外壁に利用する塗料は、いずれは直射日光や酸素による劣化で、色あせが生じたり、ひび割れたりしますが、有機バインダーを使った光触媒塗料は、光触媒による酸化分解も加わるので、劣化が早まります。

樹脂バインダーを使用した塗料は光触媒の成分量が少ない

光触媒による劣化の強さは、添加されている光触媒成分の多さによって異なります。そのため、光触媒成分量が少なく調整されて、光触媒による劣化が目立たないようにした塗料もあります。

そういった塗料は、もちろん光触媒の効果が弱くなりますから、カビ防止やコケ防止などの効果も弱まります。

樹脂バインダーを使用していて、劣化しないような光触媒塗料であれば、基本的に「光触媒の効果が弱い」とお考えください。

外壁に塗装する光触媒に、カビ防止やコケ防止の効果を期待するのであれば、有機バインダーを使用したものは避けるべきだと考えます。

劣化しないバインダーは無機バインダー

光触媒は、有機物は分解しますが、無機物は分解できません。ですから、バインダーに無機系のものを利用している場合は、光触媒塗料や光触媒コーティング剤の耐久性は高くなります。

一般的な無機バインダーの成分は、アモルファス酸化チタンです。アモルファスとは、非結晶のことです。

「酸化チタンは、光触媒の効果があるのではないか?」と思われたかもしれませんが、光触媒の効果がある酸化チタンは、酸化チタンが結晶化したものです。主に、アナターゼ型と言われる結晶構造のものです。

アモルファス酸化チタンとアナターゼ酸化チタンを混合した光触媒コーティング剤を塗装すると、アモルファス酸化チタンが塗装面で強力に固化するため、アナターゼ酸化チタンが塗装面に強固に定着します。

以上、光触媒に最適なバインダーは無機バインダーであることを解説いたしました。

世の中には例外があるもので、有機バインダーであっても光触媒によって劣化しないものもあると思います。また、無機バインダーにもアモルファス酸化チタン以外の成分が利用されたものもあるかもしれません。

ただ、光触媒コーティング剤のメーカーとしては、有機バインダーと無機バインダーのどちらを利用するとしても、お客様にとって最適なバインダーを選ぶことが大事であると考えます。

それは、安価で塗装面に定着しやすく、耐久性があり、光触媒に分解されず、塗装しやすいものになります。

イリスでは、さらにお客様や施工代理店様に喜んでいただけるバインダーを開発していく所存です。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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