ホルムアルデヒド(HCHO)は、樹脂や接着剤などに使用される刺激性のある臭いのある揮発性有機化合物の一種です。
常温で揮発性のある有機化合物はVOCといわれますが、ホルムアルデヒドはVOCの一種に分類されています。
VOCは他にもトリクロロエチレンやテトラクロロエチレン、トルエン、キシレン、スチレン、ベンゼンなどがあります。これらの分解については、各コラムをご参照ください。
- トルエンの分解
⇒ トルエンを光触媒で分解する方法 - キシレンの分解
⇒ キシレンを光触媒で分解・除去する方法 - スチレンの分解
⇒ スチレンを光触媒で分解・除去する方法
住宅用建材や家具にはホルムアルデヒドが含まれるものがあり、新築の一戸建てやマンションの中に入ると、部屋の中で独特の刺激臭がします。シックハウス症候群に悩む人は、ホルムアルデヒドも原因の一つといわれています。
乗用車でも、新車は車内のホルムアルデヒドの濃度が高いことが知られています。(「車室内VOC低減に対する自主取り組み」を参照)
このコラムでは、光触媒がホルムアルデヒドを分解できることや、光触媒コーティングの方法などを解説します。
光触媒でホルムアルデヒドを分解
ホルムアルデヒドは、弊社が製造・販売している光触媒コーティング剤に含まれる酸化チタンの光触媒効果によって、分解されることが知られています。
光触媒がホルムアルデヒドを分解するメカニズム
酸化チタンは、紫外線から紫色の波長の光を吸収することで、表面にOHラジカルを発生させます。そのOHラジカルが、ホルムアルデヒドと結合して分解します。
もちろん、光触媒がなくても、空気中の水分に紫外線が当たるとOHラジカルが発生しますし、強い紫外線ですとそれ自体でホルムアルデヒドを分解できます。しかし、光触媒ですと効率よくOHラジカルが発生させられるので、ホルムアルデヒドの分解に効果的だと言えます。
室内のホルムアルデヒドを分解する方法
酸化チタンは、紫外線や紫色の光を受けて光触媒としての効果が出てきます。そのため、室内では効果が出にくいです。そこで、可視光応答型光触媒を用います。可視光応答型光触媒とは、蛍光灯などの可視光でも光触媒の効果が出るように調合された光触媒のことです。
弊社は、世界で初めて銅を添加した効果の高い可視光応答型光触媒を開発し、製造方法で特許を取得しました。その後、多くの大学や研究所で研究され、その効果が実証されました。
室内のホルムアルデヒドを分解するためには、可視光応答型光触媒を用いることと、空気中のホルムアルデヒドが光触媒と接触する必要があります。
空気中のホルムアルデヒドと光触媒を接触される方法には、主に次の2種類があります。
- 部屋全体に光触媒コーティング塗装をしたり、光触媒コーティングされた人工観葉植物を室内に設置し、扇風機などで空気を循環させる
- エアコンや空気清浄機のフィルターに光触媒コーティング剤が塗布して、送風をONにする
室内を光触媒コーティングする方法
室内を光触媒コーティング塗装する方法としては、自分で光触媒コーティング剤を購入して塗装する方法と、業者に依頼して業務用光触媒コーティング塗装をする方法があります。
自分で光触媒を塗布したい場合
室内に光触媒コーティングする方法は、もちろん専門業者に依頼することで、しっかりと塗装ができるのですが、弊社の商品「アキュートクリーン」を用いると、自分で手軽に光触媒を塗布することができます。
アキュートクリーンには、コーティング剤ではございませんが、弊社の業務用で使用している室内用光触媒コーティング剤「屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)」の光触媒成分を、一般家庭用に希釈したものです。希釈されていても、効果は期待できるものですのでご安心ください。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、弊社が特許取得した独自の酸化チタンと銅のハイブリッド技術により、効果の高い可視光応答型光触媒ですので、他社の屋内用光触媒コーティング剤よりもホルムアルデヒドを分解する能力が高くなっています。
アキュートクリーンは、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)よりも若干性能が劣りますが、他社製品よりも光触媒の効果が圧倒的に高いです。
アキュートクリーンの使用方法は、スプレーのストッパーを解除し、壁面やエアコンフィルターなどに向けてスプレーするだけです。
ホルムアルデヒドをより多く分解するためには、部屋の中をなるべく広範囲にスプレーすることが大事です。スプレーする箇所は、次のような箇所があります。
- 壁面のクロス
- 天井や床
- エアコンや空気清浄機のフィルター
- ソファーや椅子
- テーブルの表面や裏面
- カーテン
- カーペット
スプレーする量は、少し量を多めに噴霧してください。2度塗りも効果的です。光触媒成分量が多く塗装されると、それだけ光触媒の効果が高くなります。光触媒コーティング剤がかかってはいけない箇所は、養生(マスキング)をしてから塗装してください。
塗装業者に光触媒コーティング塗装を依頼する方法
自分ではなく、塗装業者に依頼する場合は、業務用の光触媒コーティング剤を使用するので、アキュートクリーンよりも強力な液剤を、全体的に塗装してもらえます。ホルムアルデヒドをなるべく分解したいとお考えの場合は、塗装業者に依頼することをおすすめします。
弊社の施工代理店であれば、弊社製品である屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗装いたします。この製品の効果は、先ほどご説明した通りです。
塗装業者に依頼すると、料金がかかってしまいますが、光触媒コーティング塗装を確実に正しく行ってくれます。料金をなるべく安く抑えたい場合は、塗装をする箇所の荷物や棚などを、塗装しやすい箇所に移動させておくことです。移動を業者に依頼することもできますが、移動したり元に戻したりする手間賃がかかります。
できましたら、新築を建てられたり、リフォームをされた直後のお引越しをされた直後に、室内全域に光触媒コーティング塗装をされることをおすすめします。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗装した場合の耐久性は、部屋の使用状況にもよりますが10年以上です。
塗装業者が塗装する箇所は、壁面や天井、床がメインとなりますが、家具などにも塗装をご希望の場合には、業者にお申しつけください。
イリスの光触媒コーティング剤なら
ホルムアルデヒドの分解は容易!?
光触媒は、さまざまな有機系の化学物質を分解することが知られています。弊社の製品であれば、直射日光の射さない部屋の中でも、ホルムアルデヒドが分解されるように、薬剤が調合されています。
この特許技術を用いた屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、室内の光だけで、ホルムアルデヒドはもちろんのこと、VOCやさまざまな有機系の化学物質を分解します。また、除菌、防カビ、臭い対策にもなります。
臭いの元となる化学物質の一つに、芳香族系といわれるものがあります。この分解は、室内の光だけでは少し弱いので、紫外線を照射することで分解ができることを、実験によって確認しております。
芳香族系の臭いも分解できる強力な空気清浄機の開発をお考えの企業様がいらっしゃいましたら、ぜひご相談ください。
光触媒コーティングの施工講習会のご案内
弊社では、屋内や屋外、ガラス面などに光触媒コーティング塗装の豊富を実習で学べる「施工講習会」を開催しています。
新築戸建てのハウスメーカー様、工務店様、リフォーム業者様など、ホルムアルデヒド対策を事業の一つとしたい、光触媒コーティング塗装を事業の一つとして取り入れたいとお考えの企業様は、ぜひご利用ください。
施工講習会を終了された方には、「光触媒コーティング施工技術者」の証を発行しており、光触媒コーティング施工技術者が所属される組織や個人の方は、申請によって弊社の施工代理店に登録させていただいております。弊社の施工代理店になられましたら、弊社製品を卸価格で仕入れることができたり、弊社HPでご紹介させていただいたりと、さまざまなメリットがあります。
ご興味のある企業様は、ぜひ資料をご請求ください。ご連絡をお待ちしております。
この記事の著者/責任者
株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。