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人工観葉植物を光触媒加工する方法【光触媒塗料や機材を適切に選ぶ】

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人工観葉植物を光触媒加工する方法

人工観葉植物には、光触媒加工された製品があります。

人工観葉植物を光触媒加工することによって、部屋の消臭や除菌ができます。

この記事では、人工観葉植物を扱っているメーカー様に向けて、部屋の消臭力や除菌力が高い光触媒コーティング剤の選び方や光触媒加工の方法を解説いたします。

人工観葉植物を光触媒加工するメリット

人工観葉植物を光触媒加工するメリットはいくつもあります。それは、付加価値の向上による増収増益です。

人工観葉植物を購入しようとする人が、光触媒加工されているものを選ぶ傾向があります。人工観葉植物は光触媒加工されたものが一般的ではありませんから、光触媒加工された製品は付加価値の高いものになります。

例えば、トイレのタンクの水が出てくるところがあります。そこに人工観葉植物を置いておくと、味気ないトイレが、華やかになります。そして、なおかつ人工観葉植物がトイレの消臭をしてくれるとなると、お客様が購入してくれやすくなります。

光触媒加工をする機材の準備や加工方法を習得するといった初期投資が必要になりますが、光触媒加工によって増収増益になるのであれば、メリットとなります。

部屋でも消臭・除菌効果の高い光触媒とは?

光触媒にはいろいろな種類がありますが、人工観葉植物に光触媒加工をするときに、何でも良いかと言えば、そうではありません。

人工観葉植物は室内に置かれるものですが、光触媒によっては、室内では消臭や除菌の効果をまったく発揮しない成分もあるからです。

もし間違った光触媒を選んでしまったら、お客様からクレームになる可能性もあります。部屋でも消臭・除菌効果の高い光触媒を選ぶことが大事です。

効果がありそうで無い光触媒は「酸化チタン」

最初に部屋の中でまったく消臭や除菌の効果を発揮しない成分をご紹介します。それは、「酸化チタン光触媒」です。

酸化チタン光触媒は、紫外線が当たると強力な消臭効果や除菌効果を発揮します。しかし、その効果を発揮する条件が、紫外線が当たったときなのです。

つまり、部屋の中では紫外線がほとんどありませんし、白熱球を利用しているトイレであれば、紫外線はほぼゼロのことでしょう。ですから、人工観葉植物に酸化チタンを加工しても、室内の消臭や除菌はできません。

稀に「酸化チタンを加工したら、部屋の消臭や除菌ができる」と謳っている光触媒塗装業者もあるので、騙されないようにご注意ください。

部屋の中で効果の高い光触媒は「銅ドープ酸化チタン」

人工観葉植物に加工できる光触媒の中で、もっとも効果の高い光触媒は、銅ドープ酸化チタンといわれる成分です。

銅ドープ酸化チタンは、酸化チタンをベースとして銅を結合させた光触媒です。酸化チタン単体ですと紫外線にしか反応しなかったものが、銅を結合させることによって、室内の光でも強力に消臭や除菌ができる成分に変化します。

他にも、室内の光で強力に消臭や除菌ができる光触媒は存在すると思いますが、人工観葉植物を光触媒加工できる成分としては、銅ドープ酸化チタンがもっとも効果的です。

「銅ハイブリッド酸化チタン」に要注意

銅ドープ酸化チタンに似た製品で、銅ハイブリッド酸化チタンというものがあります。この製品は、室内では光触媒の効果がありませから、要注意です。

ドープとハイブリッドの違いは何かと申しますと、ドープは「結合させた」という意味に対して、ハイブリッドは「混ぜた」という意味です。ですので、成分がまったく異なりますし、性質も異なります。

銅ハイブリッド酸化チタンは、酸化チタン液剤に銅イオンを混ぜただけですので、酸化チタンと銅イオンがそれぞれ単体で存在しているだけです。結合はしていません。ですから、酸化チタンは紫外線にしか反応しないので、室内では消臭や除菌の効果を発揮しません。

銅ドープ酸化チタンと銅ハイブリッド酸化チタンの違いについて詳しく知りたい方は、「ハイブリッド光触媒とは?ドープとの違い」をご参照ください。

人工観葉植物を光触媒加工する方法

人工観葉植物を効果の高い光触媒で加工する方法を解説いたします。

1.銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤を採用すること

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)

まずは、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤を採用することが大事です。光触媒コーティング剤とは、スプレーガンで塗装する液剤のことですが、クリア塗装ができることが条件となります。

クリア塗装とは、透明な塗装のことです。人工観葉植物にクリア塗装ができないと、人工観葉植物に別の色が着いてしまうので、商品価値が失われてしまいます。

クリア塗装ができると、人工観葉植物の見た目が変わらずに光触媒加工ができます。

弊社の銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティングの名称は、「屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)」です。

2.専用のスプレーガンを用いて塗装する

光触媒コーティング剤の塗装は、専用のスプレーガンを用いて行います。市販のスプレーボトルですと、均一に塗布する事が難しく、液剤の無駄が多くなります。

弊社でおすすめするスプレーガンは、ABAC温風低圧塗装機とスプレーガンのセットです。この機械を利用すると、液剤がムダなく塗装できるので、液剤のコストを抑えることができます。

3.光触媒コーティング塗装は葉の裏表をそれぞれ2回ずつ

光触媒コーティング塗装は、葉の裏表をそれぞれ2回ずつ行ってください。葉の表だけに塗装することと比べたら、単純に考えて2倍の消臭や除菌の効果を発揮するからです。

葉の表面と裏面に塗装し、夏であれば30分ほど、冬であれば1時間ほど乾燥させてから、2度目の塗装を行います。

光触媒コーティング剤には危険な溶剤が使われていませんから、塗装は室内でされてもかまいません。室内に液剤を塗布したときの湿気がこもるといけませんから、換気は行ってください。

以上、人工観葉植物に光触媒加工するメリットや選ぶべき光触媒コーティング剤の種類、光触媒加工の方法を解説いたしました。

選ぶべき光触媒は「銅ドープ酸化チタン」でした。その理由は、室内でもっとも消臭や除菌の効果のある成分だからです。そして、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤を選び、人工観葉植物の葉の表裏に2回ずつ塗装することです。

弊社では、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティングを製造・販売しているだけでなく、人工観葉植物の光触媒加工方法をお教えする講習会も開催しています。

人工観葉植物のメーカー様で、効果の高い光触媒加工をしたいとお考えの方は、ぜひ弊社までご相談ください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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