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ホルムアルデヒド除去ができる光触媒コーティング施工

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ホルムアルデヒド除去ができる光触媒コーティング施工

新築住宅を建てた方、室内のリフォームを行った方の中には、ホルムアルデヒドの匂いでお困りの方は、少なからずいらっしゃいます。

ホルムアルデヒド除去の基本は換気です。普段、部屋を閉め切っていると、帰宅してきたときに部屋の中がホルムアルデヒドの匂いが充満していることもあり、不快に思われる方もいらっしゃいます。そのような、ホルムアルデヒドでお困りの方に、ぜひお試しいただきたいことが、光触媒コーティング施工です。

光触媒コーティング施工と言っても、いろいろな種類の液剤が存在し、液剤の種類によってはまったく効果の無いものもあります。

この記事では、光触媒コーティング施工によるホルムアルデヒド除去の方法について、詳しくご説明いたします。どのような液剤を選ぶとホルムアルデヒド除去に効果的なのか、しっかり覚えておいてください。

ホルムアルデヒド除去の光触媒コーティング施工

ホルムアルデヒド除去をするための光触媒コーティング施工は、光触媒コーティング剤と言われる液剤を、専用のスプレー装置で、部屋全体に塗布します。

次のイメージ図のように、銅ドープ酸化チタンを部屋の壁や天井、家具などに塗布しておくと、ホルムアルデヒドが揮発してくるときに、銅ドープ酸化チタンに触れてホルムアルデヒドが分解されます。

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティングでホルムアルデヒドを分解消臭するイメージ

その液剤には、いろいろな種類があり、業者さんによっては効果の弱い液剤を使っていても「うちの液剤は効果がある」と偽ってPRするところもあるようです。契約前に、液剤に使用されている成分のことを知って、ホルムアルデヒド除去に向いている液剤かを判断することが大切です。

光触媒メーカーの本音トークでご説明すると、ホルムアルデヒド除去で効果のある液剤の成分は、次の組み合わせのものをお選びください。

  • 光触媒成分・・・銅ドープ酸化チタン
  • バインダー成分(接着成分)・・・アモルファス酸化チタン

光触媒成分は、ホルムアルデヒドを分解する成分です。バインダー成分とは、光触媒成分を接着させるための成分です。

光触媒成分の種類

銅ドープ酸化チタン以外の光触媒成分には、次の種類があります。

  • 酸化チタン
  • 窒素ドープ酸化チタン
  • 酸化タングステン

銅ドープ酸化チタン以外のどの成分も、室内のホルムアルデヒド除去としては効果が無い、もしくは効果が弱いものばかりです。銅ドープ酸化チタンだけが、高い効果を発揮します。その理由は、後ほど詳しくご説明します。

バインダー成分(接着成分)の種類

バインダー成分(接着成分)には、主に次の2種類ございます。

  • アモルファス酸化チタン
  • フッ素樹脂

アモルファス酸化チタンとは、非結晶の酸化チタンのことです。銅ドープ酸化チタンと相性の良い成分で、耐久性と安全性が両立された成分です。

フッ素樹脂は、樹脂ですから銅ドープ酸化チタンによって分解される恐れがあり、耐久性が悪くなります。また、ホルムアルデヒド対策とは、いわゆる化学物質対策ですから、フッ素樹脂と言われる化学物質をわざわざ部屋中に塗布することは、本末転倒です。

光触媒コーティング剤には、銅ドープ酸化チタンとアモルファス酸化チタンを使ったものをお選びください。

ここまでのご説明で、かなり難しい用語がいっぱい出てきましたが、「難しくてわからない」という方、ホルムアルデヒド対策を本格的に行いたい方は、イリスまでお気軽にご相談ください。

光触媒によるホルムアルデヒド除去のメカニズム

「そもそも光触媒とは何ぞや?」という方もいらっしゃると思うので、もう少し詳しくご説明をいたします。

光触媒とは?

光触媒とは、光が当たると触媒効果を発揮する成分のことです。触媒効果とは、それに触れるものの化学変化を促進させる成分で、触媒自体は化学変化をしない物質のことです。

光触媒は、光が当たると触れるものを酸化分解する性質があります。ホルムアルデヒドも酸化分解します。ですが、光触媒そのものは化学変化を起こしませんから、光が当たり続ける限り、ホルムアルデヒドを酸化分解し続けてくれます。

そのメカニズムは、次の図をご覧ください。

光触媒がホルムアルデヒドを分解するメカニズム。OHラジカルがホルムアルデヒドを分解

光触媒に光が当たると、その表面にOHラジカルが発生します。OHラジカルはホルムアルデヒドと反応して、水と二酸化炭素に分解してくれます。このメカニズムによって、ホルムアルデヒドを除去できます。

光触媒コーティングは、そのような効果のある光触媒を液剤にしたものを、専用のスプレー装置で塗布する施工方法のことです。

先ほど、銅ドープ酸化チタンがもっとも効果が高いことをご説明しましたが、銅ドープ酸化チタンを使った液剤を部屋全体に塗布しておけば、部屋のホルムアルデヒド除去ができ、濃度を下げることができます。

銅ドープ酸化チタンとは?

銅ドープ酸化チタンとは、ナノサイズの酸化チタン結晶の表面に、ナノサイズの酸化銅を結合させた、特殊な光触媒です。

酸化チタンは、それ自体もホルムアルデヒド除去で利用されるものですが、酸化チタンが効果を発揮するためには、紫外線を照射することが必要です。酸化チタンは、紫外線が当たったときでないと、効果が出ません。

酸化チタンは室内などの紫外線でないとほとんど反応しない

ですが、酸化チタンに紫外線が当たったときは、ホルムアルデヒド除去の高い効果が得られます。そのような酸化チタンが、部屋の蛍光灯やLEDといった光源でも効果が出るように出来ないかを研究し、発見された成分が、銅ドープ酸化チタンです。

銅ドープ酸化チタンが反応する光の種類

ちなみに、世界で始めて銅ドープ酸化チタンを発見し、実用化したのは、弊社の技術スタッフです。

銅ドープ酸化チタンは、室内の明かりでもホルムアルデヒドを分解してくれます。

他にも室内でもホルムアルデヒドを分解してくれる光触媒の種類はありますが、そのような他の光触媒と比べて、銅ドープ酸化チタンは10~20倍以上の効果があります。

銅ドープ酸化チタンの効果を100としたときの他の光触媒との効果比較

化学物質はホルムアルデヒドだけではありません!

ホルムアルデヒド除去をご相談、もしくはご依頼されるお客様によっては、「ホルムアルデヒドの匂いだと思っていたけれども、実は違っていた」ということもあります。

室内に発生する化学物質の種類と分解除去ができる光触媒の種類

新築住宅を建てた後、もしくはリフォームをした後に揮発してくる化学物質は、ホルムアルデヒドだけではありません。他にも、さまざまな種類の化学物質が揮発してきます。

  • アセトアルデヒド
  • トルエン
  • キシレン
  • スチレン などなど

それらの化学物質のことを、揮発性有機化合(Volatile Organic Compounds、VOC)といいます。VOC濃度は、厚生労働省にて13種類のVOCにおいて室内濃度の指針値が定められています。厚生労働省ホームページ「室内空気中化学物質の室内濃度指針値について」をご参照ください。

ちなみに、ホルムアルデヒド濃度の指針値は、「100μg/m3(0.1mg/m3)」です。この濃度は、「部屋の空気1m3当たりに、ホルムアルデヒドが100μg以下となるように目指す」という意味です。

ホルムアルデヒド以外の化学物質が出てきている場合、それらも除去したいところですが、光触媒では分解が難しいVOCの種類は、トルエンやキシレンといった、芳香族化合物です。

これらは一般的には、光触媒では分解が出来ないと言われていますが、唯一、銅ドープ酸化チタンだけが分解できます。

ですから、光触媒によってホルムアルデヒド除去だけでなく、VOC除去もしたい場合には、銅ドープ酸化チタンを選ぶことが必須条件となります。

銅ドープ酸化チタンによって分解できることを確認した化学物質

銅ドープ酸化チタンによって分解できることを確認した化学物質の種類は、次の通りです。一般的な光触媒では分解ができない化学物質の種類も含まれているので、試験を依頼した業者の担当者様に驚かれたこともあります。

  • アンモニア
  • ホルムアルデヒド
  • アセトアルデヒド
  • エチレン
  • トルエン
  • キシレン
  • スチレン
  • イソプロパノール(イソプロピルアルコール)
  • 酢酸
  • トリメチルアミン
  • メチルメルカプタン
  • アルコール類

銅ドープ酸化チタンの相乗効果

銅ドープ酸化チタンを利用すると、部屋のホルムアルデヒドやVOCを除去できるだけでなく、次のような効果もあります。

  • 抗菌
  • 防カビ
  • 消臭・防臭
  • アレルゲン分解

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング施工ひとつで、これらの効果がある理由は、これらの効果の根本が、OHラジカルによって分解できるものだからです。

細菌類やカビ菌は、OHラジカルがあると、それらの表面の粘液や突起、細胞壁などを酸化分解し、細菌類やカビ菌の活動を抑制してくれます。もちろん、ウイルスにも効果があります。

匂い成分も、OHラジカルによって酸化分解されて、水や二酸化炭素といった無臭の成分、もしくは匂いの弱い成分に分解されるので、消臭ができます。そして、銅ドープ酸化チタンは塗装面に長期間残り続けるため、防臭ができます。

また、ホルムアルデヒドもアレルゲンの一種かもしれませんが、花粉やペットなどから出るアレルゲンも表面が酸化分解されて、人に対して悪さができないようになると言われています。

銅ドープ酸化チタンで消臭できる匂いの種類

弊社が行った試験で、銅ドープ酸化チタンによって消臭ができた匂いの種類は、次のものがあります。ホルムアルデヒドの匂いはもちろんのこと、ご家庭で出てくる匂いのほとんどは、銅ドープ酸化チタンによって消臭ができます。

  • トイレの匂い
  • ペットの匂い
  • カビの匂い
  • タバコの匂い
  • 介護の匂い
  • 加齢臭や汗の匂い
  • 生ゴミの匂い
  • 焼肉の匂い
  • 香水の匂い
  • 布団の匂い
  • 新車や新築の匂い(化学物質の匂い)
  • アンモニアの匂い

ホルムアルデヒド除去の施工事例

さて、ホルムアルデヒド除去の話に戻りたいと思います。弊社、もしくは弊社の銅ドープ酸化チタン液剤を扱う施工代理店では、たくさんのホルムアルデヒドなどのVOC除去を行ってきました。

次の写真は、リノベーションを行った施工業者様から、「VOC濃度が下がらないので納品ができない」というご相談をいただいた現場の施工写真です。

東京の区営住宅でVOC対策をした事例。光触媒コーティング施工と紫外線ランプの設置の様子
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)

左側が、銅ドープ酸化チタンを使った液剤、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗布している様子です。塗布には、専用のスプレー装置を用いて、部屋全体に塗布します。

右側は、塗布後に紫外線ランプを設置した様子です。

銅ドープ酸化チタンは、薄暗い部屋でもホルムアルデヒドなら簡単に分解できますが、分解が難しいトルエンやキシレンなどの芳香族化合物の分解は、薄暗い部屋では難しい場合があります。そういった場合には、紫外線ランプを設置して、分解を加速させます。

いくつかの部屋を施工しましたが、施工後1~2週間ほどで、すべての部屋のVOC濃度が下がり、無事に納品ができました。

施工の流れ

ホルムアルデヒド除去のご相談から施工実施の流れ

ホルムアルデヒド除去のご相談から施工実施の流れは、次の通りです。

  1. 弊社にご連絡(お電話、もしくはお問い合わせフォーム)
  2. 施工代理店ご紹介
  3. 現地調査(ホルムアルデヒド濃度測定)
  4. 施工内容の決定とお見積もり
  5. ご発注と日時調整
  6. 施工実施
  7. 施工後のホルムアルデヒド濃度測定

ホルムアルデヒド濃度測定は、ハンディータイプの簡易測定器を使って行います。本格的な測定をご希望の方は、専門業者に依頼しています。

施工当日の細かな流れ

施工当日の細かな流れは、次の通りです。

  1. 施工前のホルムアルデヒド濃度測定
  2. 家具の移動や掃除
  3. 養生
  4. 下地保護材(プライマー)の塗布(直射日光が当たる箇所のみ)
  5. 乾燥
  6. 銅ドープ酸化チタン液剤の塗布
  7. 乾燥
  8. 紫外線ランプ設置
  9. 施工後のホルムアルデヒド濃度測定
  10. 1週間後のホルムアルデヒド濃度測定(必要に応じて)

使用する銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)です。

光触媒成分銅ドープ酸化チタン
接着成分(バインダー)アモルファス酸化チタン
その他

施工方法の詳細は、「壁紙リフォームのホルムアルデヒド対策」をご覧ください。

新築住宅を建てた直後やリフォーム直後で、家具を入れる前であれば、家具の移動や掃除の手間がかかりませんし、養生の手間が軽減されるため、見積もり金額が、その分だけ安くなります。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗布できる箇所

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗布できる箇所は、次のような箇所です。

  • 壁紙(壁や天井)
  • フローリング
  • クッションフロア
  • キッチンパネル
  • カーペット
  • カーテン
  • ソファー
  • マットレス

塗布できないものは、主に家電製品や照明器具、コンセントなどの電気機具、ガラスや鏡、観葉植物です。そういったものは、あらかじめビニールシートや養生テープなどで養生をしてから、施工を行います。

ホルムアルデヒド除去では、できるだけ多くのものに銅ドープ酸化チタンを塗布することが大切ですが、材質によっては塗布が難しいものもあります。塗布が難しいものについては、施工時にご説明いたします。

よくあるご質問Q&A

銅ドープ酸化チタンを使うと、必ずホルムアルデヒド除去ができますか?

ホルムアルデヒド濃度が高い場合は数値が下がります。すでにホルムアルデヒド濃度が低い場合は、それ以上下がらない場合もあります。

銅ドープ酸化チタンによるコーティング施工は、オゾン脱臭と比べてどうですか?

オゾン脱臭は、銅ドープ酸化チタンによるコーティング施工と比べて、

  1. ホルムアルデヒドをはじめとするVOCを分解する効果が弱いこと
  2. 装置をずっと起動させておかないといけないこと
  3. オゾン脱臭器から発生してしまう窒素酸化物(自動車の排気ガスと同じ成分)が身体に悪いこと

オゾン脱臭は、コストと手間がかからないというメリットはあります。

現地調査に来てもらえますか?

弊社もしくは弊社の施工代理店の担当者がハンディータイプのホルムアルデヒド測定器を持ってお伺いします。ただし、出張費や現地調査費用がかかる場合があります。

見積もりは無料ですか?

見積もりは無料です。ただし、現地調査が必要な場合は、現地調査費用がかかる場合がございます。

銅ドープ酸化チタンは身体に安全ですか?

次の試験を行い、安全性を確認しています。

  • 急性経口毒性試験
  • 皮膚一次刺激性試験
  • 皮膚感作性試験
  • 変異原性試験
  • 重金属等の溶出試験

また、弊社スタッフは、20年以上、毎日のように銅ドープ酸化チタン液剤を扱っていますが、問題はございません。

全国に対応していますか?

対応しています。弊社の光触媒コーティング施工部の営業エリアは、佐賀県、福岡県、長崎県の3県ですが、他の場所は施工代理店にて対応させていただいています。

弊社製品を扱う施工代理店は、専門知識をもった人たちばかりですから、安心してお任せいただけます。

以上、ホルムアルデヒド除去コーティングを、銅ドープ酸化チタンで行うことのメリットや方法について解説いたしました。

ホルムアルデヒドでお悩みの方は、イリスまでお気軽にご相談ください。

イリス光触媒コーティング施工部の営業エリアは、佐賀県、福岡県、長崎県ですが、それ以外の場所では、弊社の光触媒コーティング剤を扱って施工している施工代理店にて対応させていただいています。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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