
ホテルの支配人様やホテル客室の消臭施工をされる業者様に向けてのご提案です。
ホテルの客室の臭い対策は、インバウンド顧客を対象とするホテルでは急務となっているところも、あるのではないでしょうか。
インバウンドのお客様の中には、香水が強い方もいらっしゃいます。また、タバコを吸わない人が多いのにもかかわらず、宿泊予約が多くて喫煙室に泊まることを強いられる方も多いと思います。
この記事では、ホテル客室の消臭コーティング施工を光触媒で行う場合に、業務用光触媒コーティング剤の選び方をご説明いたします。
その種類の選び方を間違うと、消臭効果がほとんど無い光触媒コーティング施工を、高い費用を払って行うことになり、クレームになることが多いからです。
消臭コーティング施工業者の多くが知らない
酸化チタンの性質
光触媒による消臭コーティング施工から撤退していった業者さんならご存じの方は多いと思いますが、光触媒メーカーからすると「酸化チタンは、消臭効果がほとんど無い」ということは常識です。
このことを聞くと、「えっ?本当に?」と思われた方も多いかもしれません。「酸化チタンは消臭効果がある」とPRしている業者が、未だに多くいるため、間違った情報を信じてしまっている可能性があります。
酸化チタンの性質を少し解説したいと思います。この性質を知っていないと、ホテルの客室に酸化チタンを施工して、「消臭できていないじゃないか」とクレームになることがあるからです。
酸化チタンは、紫外線が当たることで強い消臭効果を発揮します。しかし、紫外線が当たらないところでは、ほとんど消臭効果がありません。つまり、ホテルの室内では消臭効果がほとんど無いのです。

次の図は、酸化チタンが反応する光の種類を表したものです。横軸には「紫外線(UV)」と「可視光」が書かれていますが、これは光の波長です。
酸化チタンは、紫色の光があればほんの少しだけ消臭効果を発揮しますが、それ以外の光ではほとんど消臭効果がありません。
酸化チタン製品の消臭効果を調べる試験内容を見ると、ほとんどがブラックライトや紫外線ランプを使用しています。紫外線を当てないと、消臭効果が無いことを証明しているようなものです。
ホテル客室の消臭をするなら銅ドープ酸化チタン

銅ドープ酸化チタンとは、ナノサイズの酸化チタン結晶の表面にナノサイズの酸化銅を結合させた特殊な光触媒です。
銅ドープ酸化チタンの性質
上図のように、銅ドープ酸化チタンは、可視光が当たっても消臭効果を発揮することが知られています。
光触媒について詳しい方であれば、「酸化タングステンでも可視光で消臭ができるはずだ」と思われたかもしれません。しかし、酸化タングステンは消灯をしたら消臭効果が発揮されません。ところが、銅ドープ酸化チタンなら暗所でも消臭効果を発揮します。
そのようなことで、銅ドープ酸化チタンはどのような光が当たっても消臭効果を発揮し、シアンや青色、紫色、紫外線が当たると、なお消臭効果が高くなります。
ホテルでは夜に照明を消しますが、真っ暗であっても消臭ができる唯一の光触媒である銅ドープ酸化チタンを用いることが得策です。

銅ドープ酸化チタンで消臭できる臭い
銅ドープ酸化チタンで消臭できる臭いは次のようなものがあります。
- タバコの臭い
- 香水の臭い
- ニンニクやスパイスの臭い
- カビの臭い
- ペットの臭い
- 化学物質の臭い(新築ホテルの臭い)
喫煙室のタバコの臭いの場合は、部屋に染みついた臭いがあるので、銅ドープ酸化チタンを塗布しても、すぐに消臭できない場合があります。しかし、時間の経過とともに少しずつ分解が進み、いずれはタバコの臭いが緩和されます。
銅ドープ酸化チタンを客室に利用すると得られる消臭以外の効果
銅ドープ酸化チタンを客室に利用すると、消臭効果の他にも次のような効果が得られます。
- 除菌や抗菌
- 防カビ
- アレルゲンの分解
- 揮発性有機化合物(VOC)の分解
これらの効果も得られる理由は、消臭とこれらの効果は、同じ原理で可能だからです。光触媒は光が当たることでOHラジカルと言われる活性酸素を発生させます。OHラジカルは強い酸化力を持っているので、それに触れたものを酸化分解します。その効果によって、臭い成分や細菌類、アレルゲン、VOCといったものが酸化分解されて、効果を発揮します。

銅ドープ酸化チタンの利用方法

銅ドープ酸化チタンを使い、部屋の中を消臭コーティングする方法は、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤を利用します。
弊社の製品は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)です。
品名 | 屋内用光触媒コーティング剤 | |
---|---|---|
型番 | BX01-AB1 | |
形状 | 液体 | |
成分 | 光触媒 | 銅ドープ酸化チタン |
接着成分 | アモルファス酸化チタン | |
その他 | 水 | |
pH | 弱塩基性 | |
臭い | 無臭 | |
塗装面積 | 50m2/L | |
サイズ (重量、容器) | 10L(約10kg、バロンボックス) | |
5L(約5kg、バロンボックス) | ||
1L(約1kg、ボトル) | ||
使用期限 | 製造から1年以内 | |
保管方法 | 常温(5~30℃)の暗所にて保管。 |
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の特長
- 200lxという薄暗い光の下でも効果を発揮
- 銅ドープ酸化チタンを使い、部屋の中を24時間消臭できる
- タバコや香水の臭いを消臭できる
- 完全な無機塗料なので防炎規制を気にしないで塗装が可能
塗装方法
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の塗装には、専用のスプレー装置を利用するか、もしくは不織布などにしみ込ませて塗布します。弊社がおすすめする装置は、ABAC温風低圧塗装機です。
このスプレー装置は、温風が噴き出すので、塗布した液剤が乾きやすいという特長があります。

ホテル客室内で塗装できる箇所/できない箇所
塗装できる箇所は、次の材質のものに塗装できます。
- 壁紙
- 珪藻土
- 木材
- 樹脂
- 繊維類(天然繊維、化学繊維)
- 陶器類
- ステンレス
壁や天井、テーブル、ベッド、マットレス、カーペット、カーテン、マット、タイル、システムバスの中やシャワーカーテン、便器、洗面台、蛇口などに塗装ができます。
反対に塗装できないものは、次のものです。
- 漏電の恐れがあるもの
- 鏡やガラス
これらに屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)がかからないように、塗装前に養生をして覆ってしまいます。
施工の流れ
施工の流れは次の通りです。
- 室内の片付け
- 塗装箇所の清掃
- 養生
- 下地保護剤(プライマー)の塗装
- 乾燥
- 屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の塗装
- 乾燥
- 養生の撤去
下地保護剤(プライマー)の塗装について

光触媒を利用する場合の注意点として、下地保護剤(プライマー)の利用があります。
光触媒は、強い光が当たるとそれだけ消臭効果が強く現れます。そのため、塗装面が壁紙やプラスチックといった有機物である場合で、直射日光が当たる場所であれば、それらの劣化を促進させてしまう場合があります。
劣化を促進すると言っても、すぐに分解されてしまうわけではなく、2~3年ほどして色あせをしたり、茶色く変色したりといった変化が目立ってくることがあります。
それを防ぐために、予めプライマーを塗装しておき、塗装面の有機物と銅ドープ酸化チタンが直接触れないようにします。

弊社製品は、屋内用プライマー(AS01)です。
プライマーの塗装は面倒なように思いますが、プライマーを必要とする光触媒コーティング剤は、それだけ消臭効果が高いことを意味します。
以上、ホテル客室の消臭を行いたいとお考えの方に向けて、銅ドープ酸化チタンによる光触媒コーティングの魅力をお伝えいたしました。
銅ドープ酸化チタンを使った消臭コーティング施工をお考えの方は、ぜひ弊社までご相談ください。弊社もしくは弊社製品を扱う施工代理店にて、消臭施工に対応いたします。
施工のご相談・ご依頼は、こちらのページをご覧ください。
また、ホテルの清掃業者様やリフォーム業者様で、銅ドープ酸化チタンを使った消臭コーティング施工をしたいとお考えの方は、ぜひ弊社の業務用製品をご検討ください。弊社では、液剤のご提供のみならず、施工講習や販売支援といったサービスも提供しています。
施工代理店にご興味のある方は、こちらのページをご覧ください。
この記事の著者/責任者

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。