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ペットを飼っている室内の匂いを光触媒で消臭する方法

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ペットの匂いの元

ペットを飼っている室内の匂いを光触媒で消臭する方法

ペットを室内で飼っていると、ペットの匂いは必ず気になるものです。ペットの匂い対策の基本は、こまめな清掃です。ですが、知らない間に匂いがジワジワと出てきます。

室内でどのようなペットを飼っているのかによって、匂いの元となる成分は異なります。

ワンちゃんを飼っているのであれば、ワンちゃんの体臭もありますし、食べ残したものの匂いもあります。マーキングでのオシッコやウンチの匂いがあります。イタズラで、ゴミ箱の中身を散らかすこともあります。

猫ちゃんを飼っている場合には、イタズラされることはあまりありませんが、トイレの臭いが気になる方が多いと思います。

また、マーキングでのオシッコの臭いも気になります。

だいぶ昔の話になりますが、実家で飼っていた猫が、電気コードを噛んでいて感電してしまい、震えながら失禁していたことがありました。ちょっと特別なケースですが、そういったトイレ以外の場所でのオシッコの匂いもあります。

熱帯魚を飼っている方であれば、湿気によるカビの臭いもあるかもしれません。爬虫類は排泄物の匂いが強烈だと聞いたことがあります。そのような匂いは、完全には難しい場合もあります。

ドラッグストアで市販されている消臭スプレーは、ペットの匂いにあまり効果がありませんし、銀イオンを使ったものは除菌力が高くても消臭力が低いし、ペットの身体に悪いと言われています。

ペットによってさまざまな匂いの元がありますが、ほとんどの匂いは光触媒(ひかりしょくばい)で消臭ができます。しかもペットに安全です。

ただし、光触媒にはいろいろな種類があり、消臭力の高さに差があります。消臭力の高い光触媒を選ぶことが大切です。

光触媒による消臭

光触媒とは?

光触媒とは、光が当たることで、それに触れている成分を化学変化させる機能を持つ物質のことです。光触媒自体は成分が変性しませんから、光が当たり続ける限り、半永久的に関学変化を起こし続ける性質があります。

光触媒によるペットの匂い対策ですが、光触媒には匂いを酸化分解する性質を持つものがあります。そのような光触媒を利用することで、光が当たり続ける限り、ペットの匂いを消臭し続けてくれるわけです。

光触媒による消臭の仕組み

光触媒による消臭の仕組みは、次の図をご覧ください。

光触媒による消臭メカニズム。光触媒が光や空気と反応してOHラジカルが発生。

光触媒に光が上がると、自由電子が飛び出します。自由電子は、空気中の酸素や水と反応して、OHラジカルと言われる活性酸素に変化します。OHラジカルは、ペットの匂いなど、さまざまな匂い成分と反応し、水や二酸化炭素などの匂いの無い物質へと化学変化させます。

酸化とは、酸素とくっついて別の物質に変化することです。例えば、アンモニアは強い臭いがする成分です。OHラジカルによって酸化分解されると、水と二酸化窒素に分解されます。二酸化窒素は匂いがありますが、低濃度ではほとんど匂いが感じられないので、結果的に消臭ができます。

OHラジカルは、細菌類やウイルス、アレルゲン、化学物質を酸化分解する性質もあります。そういったことで、消臭と同時に除菌や抗菌などができ、それを目的に利用されることもあります。

光触媒成分の形状

匂いを分解消臭するための光触媒成分は、酸化金属のナノ粒子を利用します。寸法がナノサイズの粒子です。

ナノとは、とても小さな寸法の単位です。1mmの1/1,000が1μm(マイクロメートル、もしくはミクロン)、それをさらに1/1,000にしたものが1nmです。

アナターゼ型酸化チタンの結晶構造

光触媒によく利用される金属は、酸化チタンです。酸化チタンは、ルチル型やブルッカイト型といった結晶構造もありますが、アナターゼ型と言われる結晶構造のナノ粒子を利用します。アナターゼ型が光触媒としての効果が高く、手に入りやすいからです。

アナターゼ酸化チタン以外にもさまざまな種類の光触媒があり、それぞれ性質や消臭力の高さが異なります。

光触媒の利用方法は3種類

光触媒は、それが入った液剤を利用します。液剤には接着成分が入ったものと、入っていないものがあります。

接着成分が入っている液剤は、光触媒を接着させ継続的に消臭ができます。接着成分が入っていない液剤は、消臭剤として利用します。

それらの液剤を使って室内を消臭するわけですが、光触媒の利用方法には、主に次の3種類がございます。

  1. 光触媒スプレー
  2. 光触媒コーティング
  3. 光触媒空気清浄機

1.光触媒スプレー

接着成分が入っていない液剤を、スプレーボトルに充填した製品です。光触媒を手軽に利用できます。ペットの匂いが気になる場所に直接スプレーして利用します。

光触媒をスプレーすると、その箇所に光触媒成分の目に見えな細かなパウダーが残るので、それに触れる匂い成分は分解されます。消臭効果が、ある程度は持続します。

光触媒スプレーを選ぶポイントは、消臭力の高い光触媒成分を利用しているのかどうかです。

2.光触媒コーティング

光触媒コーティングは、接着剤入りの液剤を塗布する施工方法です。その液剤のことを、光触媒コーティング剤といいます。それを専用の塗装機械で塗布します。

光触媒コーティングした箇所に匂い成分が触れると、匂い成分が酸化分解されて消臭できます。部屋全体の消臭ができるだけでなく、メンテナンスがほとんどいらないことが特長です。

光触媒コーティング剤には、光触媒スプレーよりも光触媒成分が多く入っていて、接着成分も入っているので、光触媒が塗布面にくっついたままになるため、消臭効果が長く持続します。

消臭効果の持続期間は、接着成分の耐久性によります。耐久性の高い接着成分を利用している場合は、使用環境にもよりますが、10年以上効果が持続する場合もあります。

光触媒コーティングは、専用の塗装装置を利用するので、施工は業者に依頼することになります。業者が扱っている光触媒コーティング剤の種類が、消臭力が高く、持続期間が長いものを利用しているかが、業者選びのポイントになります。

3.光触媒空気清浄機

光触媒空気清浄機とは、フィルターに光触媒を利用した空気清浄機です。光触媒は光が当たることで匂い成分を酸化分解するので、内部のフィルター部分に光源が設置されています。光源にはとても明るい照明や紫外線ランプなどが用いられています。

光触媒空気清浄機が空気といっしょに匂い成分を吸い込み、それが光触媒フィルターに触れたら酸化分解されて消臭されます。

光触媒フィルターは半永久的に使用できますが、埃が付着したら効果が落ちるので、定期的な清掃が必要になると思います。また、内部の照明が寿命を迎えたら、照明の交換が必要となります。

他にも、光触媒活性炭や光触媒観葉植物を利用する方法もあります。

光触媒の種類と消臭力の高さ

続いて光触媒の種類についてご説明いたします。光触媒の利用方法を3種類ご紹介しましたが、これらに利用される光触媒の種類によって、性質や効果の高さが異なります。消臭力の高い製品を選びたい場合には、光触媒の種類について知っておくことが大切です。

少し難しい話になりますが、ついてきてください。

光触媒の種類と消臭効果を発揮する光

光触媒は、光が当たることで消臭力を発揮しますが、光と言っても、紫外線と可視光、赤外線の3種類のカテゴリに分けられます。紫外線や赤外線はご存知の方は多いことと思います。可視光とは、青色や緑色といった目に見える光のことです。

光触媒の種類によって、どの光の種類が当たると消臭力を発揮するのかが異なります。

上記のような光触媒スプレーや光触媒コーティングなどとして実用化されている光触媒の種類と消臭効果を発揮する光の種類の関係をまとめると、次の表のようになります。

消臭効果を発揮する光の種類光触媒の種類
紫外線のみ
  • 酸化チタン
紫外線や可視光
  • 銅ドープ酸化チタン
  • 窒素ドープ酸化チタン
  • 鉄ドープ酸化チタン
  • 酸化タングステン

ペットを飼っている室内の消臭に適した光触媒は?

上記の表は、紫外線にのみ反応する酸化チタンと、紫外線と可視光にも反応する光触媒に分かれています。ペットを飼っている室内の消臭であれば、室内の光で消臭効果を発揮する光触媒を選ぶ必要があります。

室内は、LEDや蛍光灯、白熱球といった照明器具を利用しますが、それらからは紫外線がほとんど出ていません。そうすると、酸化チタンは紫外線にしか反応しませんから、室内では消臭力がありません。

酸化チタンは室内などの紫外線でないとほとんど反応しない

少なくとも、可視光に反応して消臭効果を発揮する種類を選ぶ必要があります。

もっとも消臭力が高いのは銅ドープ酸化チタン

可視光でも消臭効果を発揮する光触媒の中で、もっとも消臭力が高い光触媒は、銅ドープ酸化チタンです。

銅ドープ酸化チタンとは、酸化チタンのナノ粒子の表面に酸化銅を結合させた成分です。酸化チタンは紫外線でしか消臭効果を発揮しませんが、酸化銅が結合することで、可視光でも消臭効果を発揮するようになります。

ちなみに、酸化チタンのナノ粒子に酸化銅を結合させる方法は、弊社が世界で初めて発見し、特許を取得しました。

さて、銅ドープ酸化チタンは可視光でも高い消臭力を発揮するわけですが、他の光触媒とくらべて10倍以上の消臭力があります。

次の図は、光の明るさが200lxという薄暗い光の中での消臭力の比較したものです。200lxと言えば、本を読むのに苦労するくらいの明るさです。銅ドープ酸化チタンを100とすると、他のものは1/10以下の効果しかありません。

銅ドープ酸化チタンの効果を100としたときの他の光触媒との効果比較

ペットを飼っている室内の消臭は、銅ドープ酸化チタンをご利用になられることをおすすめします。

夜間の消臭力はどうなのか?

光触媒は、光が当たっているときだけ消臭力が出ますが、光が当たらない夜間はどうなのでしょうか?

一般的な光触媒は、光が当たらない場所では消臭力はありません。先ほど、200lxほどの明るさについて述べましたが、200lxでの明るさですと、ほとんどの光触媒は消臭力がゼロになります。ですから、光が当たっていなければ消臭力を持たないものがほとんどです。

ところが、一つだけ例外があります。それは、先ほどご紹介した銅ドープ酸化チタンです。

銅ドープ酸化チタンは、酸化チタンのナノ粒子の表面に結合された酸化チタンが、光が当たっていなくても触媒効果を発揮するらしく、そのため夜間でも消臭力があります。もちろん、光が当たっているときの方が消臭力は高まりますが、光がなくても消臭がある程度できることは魅力です。

直射日光、明るい部屋、薄暗い部屋、消灯した部屋のそれぞれの部屋で効果のある光触媒の種類

銅ドープ酸化チタンを使った製品

銅ドープ酸化チタンを使った消臭スプレーや消臭コーティング施工、光触媒空気清浄機をご紹介いたします。

銅ドープ酸化チタンを使った消臭スプレー「ペットの消臭」

銅ドープ酸化チタン光触媒を使った消臭スプレー「ペットの消臭」

まず、ご利用いただきたいのは、銅ドープ酸化チタンを使った消臭スプレー「ペットの消臭」です。

200mL入りで価格は2,200円(税込)です。600回ほどスプレーできます。

銅ドープ酸化チタンの消臭力をお試しください。

「ペットの消臭」の特長

  • 銅ドープ酸化チタンを使用し、ペットのさまざまな匂いの消臭が可能
  • ナノ粒子の銅ドープ酸化チタンがスプレーした箇所に残るので、しばらくは消臭効果が持続します
  • 除菌や抗菌もできる
  • ノンアルコール、無香料、無臭
  • ペットにも安全な成分を使用。安全性も第三者機関で確認済。
  • スリムボトルで持ち運びに便利
  • 消臭力を高めるために、細かな霧が出るスプレーボトルを採用
光触媒スプレー「ペットの消臭」ネット通販。ご購入はこちら

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銅ドープ酸化チタンの消臭コーティング施工

消臭コーティング施工は、銅ドープ酸化チタンを使ったコーティング剤を部屋全体に塗布し、ペットの匂いを消臭する方法です。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)

消臭コーティング施工に使用する液剤は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)です。接着成分が入っているので、銅ドープ酸化チタンを部屋の塗布面に強力に接着します。

接着成分には、耐久性の高いアモルファス酸化チタンを使っています。効果の持続期間は、施工箇所や使用環境にもよりますが、人が触れない天井などであれば10年以上効果が持続します。

この液剤は完全な無機塗料ですから、ホテルや商業施設のペットショップなどといった防炎規制が関連する施設でも、手軽にご利用いただけます。

施工は専用の塗装機械とスプレーガンを用いて行うので、弊社もしくは施工業者にご相談ください。

消臭コーティング施工の特長

  • 銅ドープ酸化チタンを使用しているので、部屋全体を24時間消臭ができます
  • 消臭だけでなく除菌や抗菌、アレルゲン分解も可能
  • 液剤の安全性は第三者機関で確認済です
  • 施工箇所や使用環境にもよりますが、効果の持続期間が10年以上
  • 拭き掃除をしても光触媒が落ちにくいので、消臭効果は持続します
  • ペットのゲージやソファー、トイレなどにも施工可能
光触媒コーティング施工のご依頼・ご相談・見積もり。まずはご相談から

施工ご相談・ご依頼フォーム

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒空気清浄機

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒空気清浄機は、生産終了し、今現在のところ販売はしておりません。再度開発を予定しておりますが、発売は未定です。

一般消費者様からのご要望が多ければ、開発を早めたいと思います。

また、「銅ドープ酸化チタンを使った光触媒空気清浄機を販売したいので、OEM製造してもらいたい」というご要望がありましたら、すぐに対応いたします。

お気軽にお問い合わせください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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