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タバコ臭いホテル客室の対策なら銅ドープ酸化チタンの消臭コーティング

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タバコの臭い対策は喫煙室/禁煙室の両方に必要な時代

タバコ臭いホテル客室の対策なら銅ドープ酸化チタンの消臭コーティング

ホテルを運営していると、部屋がタバコ臭くてクレームになることは多いと思います。

最近では、禁煙室が増えていますが、一定数タバコを吸われるお客様もいらっしゃるので、喫煙室は必要です。

禁煙室が満室になったら、タバコを吸わない人は喫煙室に泊まることになりますが、喫煙室だと知っていても「タバコ臭い」とクレームを言われる場合もあります。

タバコの臭いは、市販の消臭スプレーでは対策が難しいものです。タバコを吸わない人は、ちょっとでもタバコの臭いがすると気になって、寝られたものではありません。

喫煙室が満室の場合に、タバコを吸われる方が禁煙室に泊まっても、禁煙室にも関わらず喫煙される方もいらっしゃいます。

喫煙室だけでなく、禁煙室のタバコ対策も大事ですから、難しいところです。

そういったことで、ホテル運営をされる方は、「タバコの臭いの消臭コーティングをしたい」と考えます。ところが、タバコの臭いを効果的に消臭してくれる消臭コーティングを、なかなか発見することができません。

試しに施工してみても、消臭効果がほとんど無いものもあると思います。また、「試しに1室だけ消臭コーティングをしたい」ということであれば、高い値段を言われることもあると思います。

以下、格安で効果的なタバコの消臭コーティングを解説いたします。

ここでご紹介する消臭コーティングは、多くのホテルで実績のあるものです。まずは1~2室だけ試しに消臭オーティング施工して、臭いの変化を試験され、効果をご実感されてから全室に導入されることをおすすめします。

光触媒による消臭コーティング

光触媒の消臭コーティングとは、光触媒を使った液剤を室内にスプレーする施工方法です。

そのような液剤のことを光触媒コーティング剤といいます。

この写真は、弊社で開発した室内用消臭コーティング剤です。後ほどご紹介させていただきます。

さて、光触媒コーティング剤は水のような粘性の液剤で、それを客室内にスプレーします。

光触媒は、次の図のように光が当たることで、OHラジカルが発生し、臭い成分を直接分解して消臭ができます。その成分を部屋の中にコーティング塗装します。

光触媒によるタバコの消臭メカニズム

ホテル客室で光触媒は有効か?

「ホテル客室で光触媒が有効か?」と問われると、光触媒メーカーによっては言葉を詰まらせてしまう場合があります。その理由は、光触媒を使った多くの消臭コーティングでは、消臭効果が弱かったり、ホテル客室に使えなかったりするからです。

酸化チタンの消臭コーティングはほぼ効果無し

市販されている光触媒を使った消臭コーティング剤の成分を確認すると、多くの製品に「酸化チタン」が用いられています。

酸化チタンは、紫外線が当たることで、とても高い消臭効果を発揮することが知られています。

もうお気づきのことと思いますが、ホテル客室内で紫外線はほとんど存在しませんから、酸化チタンを使っても消臭効果がほとんど得られないという現実があります。

北側の外壁は紫外線が当たらないので防汚ができない

効果がほとんど無いと言っても、若干効果はあるので、酸化チタンを使った室内用消臭コーティング剤は、酸化チタンの添加量が著しく多い製品も市販されています。弊社から見ると、苦肉の策としか思えないような製品です。

そのような製品を利用すると、スプレーした箇所が白く変色してしまいます。なぜなら、酸化チタンは白い色をしているからです。酸化チタンが塗装面に付着し、白く変色するわけです。

白い壁紙を利用している部屋であれば問題無いかもしれませんが、ベッドやカーペット、カーテン、バスルームなどには利用できません。そして、利用したとしても、効果はほとんど無いことには変わりないわけです。

可視光応答型光触媒なら室内でも多少の消臭効果あり

ホテル客室内の光で消臭効果のある光触媒は、可視光応答型光触媒と言われる種類のものです。

可視光とは、目で見ることが出来る光のことです。蛍光灯やLED照明、スポットライトといった光は目に見ることができる光が出ているわけですが、そういった光で消臭効果を発揮する光触媒が、可視光応答型光触媒と言われるものです。

可視光応答型光触媒を使った消臭コーティングであれば、酸化チタンよりは圧倒的に消臭効果が得られるものと思います。

しかし、可視光応答型光触媒にも種類があり、効果の高さが異なります。多くの可視光応答型光触媒は、薄暗い部屋や部屋の照明を消灯してしまって、光が無くなってしまったら、消臭効果が無くなってしまいます。

ですから、ホテル客室の消臭コーティングでは、可視光応答型光触媒の中でも薄暗い光や消灯時でも消臭効果を発揮する光触媒を用いることが大切です。

そのような光触媒が1種類だけ存在します。それが「銅ドープ酸化チタン」です。

ホテル客室の消臭は銅ドープ酸化チタンがおすすめ

酸化チタン結晶にナノサイズの酸化銅を結合

銅ドープ酸化チタンとは、酸化チタン結晶の表面にナノサイズの酸化銅を結合させた特殊な光触媒です。

酸化チタンのみでしたら、紫外線が当たったときのみ消臭効果を発揮しましたが、ナノサイズの酸化銅が結合されたことで、可視光でも反応するようになります。さらに、ナノサイズの酸化銅が、光が当たっていなくても単独で消臭効果を発揮します。

つまり、銅ドープ酸化チタンなら薄暗い部屋であっても、消灯したときでも消臭効果を発揮する唯一の光触媒なのです。

直射日光、明るい部屋、薄暗い部屋、消灯した部屋のそれぞれの部屋で効果のある光触媒の種類

完全無機塗料でないと利用できない場合も

ホテル客室の消臭コーティングを行いたい場合には、完全な無機塗料でないと利用できない場合があります。

ホテルは不特定多数の人が出入りする特定建築物に分類されます。そういった建物では、防炎規制というものがあり、燃えるような成分を使った消臭コーティング剤を部屋の中に利用する場合には、煙が出ないことを証明しないと使えない場合があります。

銅ドープ酸化チタンは無機成分ですから問題がありません。しかし、銅ドープ酸化チタンを使っていたとしても、それを塗装面に接着させるための接着剤(バインダー)に有機バインダーを使用していたら、防炎規制に引っかかってしまう可能性があります。

そういったことから、ホテル客室の消臭コーティングには、銅ドープ酸化チタンを使い、なおかつ無機バインダーを使った製品の利用が求められます。

銅ドープ酸化チタンを使った消臭コーティング剤

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)

そのようなホテル客室の消臭に最適な消臭コーティング剤を、弊社にて販売しております。

製品名は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)です。

消臭コーティング施工は、弊社の施工代理店にて承っています。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の成分

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の成分は、次の表の通りです。すべて無機成分で構成されているので、防炎規制には関係の無い製品です。

光触媒成分銅ドープ酸化チタン
バインダー成分アモルファス酸化チタン
その他

アモルファス酸化チタンとは、非結晶の酸化チタンのことで、これも無機成分です。アモルファス酸化チタンを液剤にしたものは、いろいろなものに塗装ができ、水分が蒸発すると強固に固定化されます。

つまり、ホテル客室内のいろいろな場所を消臭コーティングでき、耐久性が高いという性質があります。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の特長

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の特長は次の通りです。

  • 消灯してもタバコの臭いを消臭可能
  • クリア塗装
  • 完全無機塗料
  • いろいろなものに塗装可能
  • 効果の持続期間は10年以上

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、喫煙室にも利用されている実績があり、タバコの臭いを強力に消臭する効果があります。暗所よりは光を当てた方が、消臭効果が高くなります。

クリア塗装とは、透明な塗装のことです。専用のスプレー装置を使って丁寧に塗装すれば、クリア塗装ができます。ですから、いろいろなものに塗装しても、光触媒の色によって変色することはありません。

先ほど、成分をご紹介しましたが、完全な無機塗料ですから、防炎規制の対象外です。

いろいろなものに塗装できますが、塗装できる箇所については、次にご説明いたします。

効果の持続期間は、摩擦や衝撃の無い場所でしたら10年以上です。カーペットや床などであれば、人が歩いたときに取れやすいので、その箇所だけは5年未満となる場合もあります。天井などの人がまったく触れない箇所であれば、20年以上効果が持続する場合もあります。

塗装できる箇所

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)が、ホテル客室内で塗装できる箇所は、主に次のような箇所になります。

  • 壁紙クロス(壁や天井)
  • ベッドマットレス
  • 床やカーペット
  • テーブルや椅子
  • クローゼットの中
  • カーテン
  • ドアノブ
  • スイッチ類
  • システムバスの中
  • トイレの便器
  • シャワーカーテン
  • エアコン内部やエアコンフィルター

銅ドープ酸化チタンによるタバコ消臭以外の相乗効果

銅ドープ酸化チタンを使った屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、ホテル客室内で高い消臭効果が得られることをご説明いたしましたが、他にも効果があります。

  • 香水の消臭
  • テーブルや椅子の抗菌
  • カビ臭の消臭/防カビ
  • ユニットバス/シャワーカーテンの防カビ
  • エアコン内部やフィルターの抗菌
  • トイレ便器の抗菌
  • ドアノブやスイッチ類の抗菌
  • 新築ホテルのVOC分解(新築の臭いの消臭)

光触媒はOHラジカルが発生して臭い成分を分解消臭することをご説明いたしましたが、OHラジカルは細菌類をも分解対象とします。臭い成分と比較すると、細菌類は巨大なサイズになりますから、完全な分解は難しいのですが、細菌類の成分や突起、細胞壁などを酸化分解して、活動を抑制したり無害化したりできます。

光触媒で抗菌や消臭ができるメカニズム

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、エビデンスとして大腸菌や黄色ブドウ球菌、新型コロナウイルスといった細菌類やウイルスで、弱い光や暗所でも抗菌効果を確認しております。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の施工方法

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)をどのように施工するのかをご説明いたします。ホテル1室当たりの施工時間は、部屋の広さや下準備の有無などで異なりますが、作業要員2名で3~4時間です。

施工機材

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の塗装は、専用のスプレー装置を用いることをご説明しましたが、弊社で推奨している装置は、ABAC温風低圧塗装機です。BACは「アバック」と呼びます。

次の図は、ABAC温風低圧塗装機SG-91です。

ABAC温風低圧塗装機SG-91とスプレーガン

この装置を利用すると、次のようなメリットがあります。

  • 温風が噴き出すので液剤が早く乾くため、施工時間が短くなる
  • エアガンから噴き出す液剤を包み込むようにエアカーテンが噴き出すので、塗着効率が高く、液剤のムダを防ぐ

施工作業の流れ

施工日当日の施工作業の流れは次の通りです。部屋の中が温かいと塗料が乾燥しやすくなり、施工時間が短く短縮できるので、できれば暖房をかけておいてください。

  1. 塗装箇所の清掃
  2. 液剤がかかってはいけない箇所を養生
  3. 直射日光が当たる箇所にプライマー(下地保護剤)を塗装
  4. 乾燥
  5. 屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗装
  6. 乾燥
  7. 養生の取り外しなどの復旧

養生について

液剤がかかってはいけない箇所とは、コンセントやスイッチ、照明器具、窓ガラスです。スイッチ類に消臭コーティングをしたい場合には、スプレー装置を使わずに、液剤を不織布にしみ込ませて塗布します。

プライマー(下地保護剤)について

下地保護剤「屋外用プライマー(ASS01)」

プライマー(下地保護剤)とは、光触媒による塗装面の劣化を防止するための下地剤です。弊社製品は、屋内用プライマー(AS01)です。

直射日光が当たる場所は、光触媒が強く反応しやすいので、下地が有機物の場合には色あせが起こりやすいです。それを防ぐためにプライマーを先に塗装しておいて、その上から屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗装します。

すると、銅ドープ酸化チタンが塗装面に直接触れなくなるので、塗装面を光触媒による劣化から守ることができます。

屋内用プライマー(AS01)の材質は、アモルファス酸化チタンと水だけですので、無機塗料ですから、これも防炎規制には関係のない製品です。

乾燥について

プライマーや光触媒コーティング剤の乾燥の時間は、夏場であれば30分ほど、冬場で暖房を入れたときは1時間ほど置いてください。塗装された液剤はすぐに乾きますが、固化するまでに時間がかかるので、30分以上置いた方が良いわけです。

乾燥時には、暖房を利用することで早く乾きます。施工担当者は、現場には大型扇風機やサーキュレーターを持って行きますから、それを使って室内を強制乾燥させます。

施工が完了した部屋は、すぐにお客様にご利用いただけます。

ホテル側の施工準備

施工当日までにホテル側にてやっておいていただきたい準備がございます。主には次の通りです。

  • 部屋の入念な清掃
  • 備品の移動
  • カーテンの洗濯
  • エアコン内部の高圧洗浄
  • シャワーカーテンの交換

部屋の清掃では、カーペットに塗装する場合には、カーペットの洗浄を行っておいてください。ベッドマットレスの洗浄は出来ませんから、そのままでかまいません。

壁紙にタバコのヤニなどが付着しているので、それらも清掃しておいてください。ヤニの汚れが酷い部屋の場合は、壁紙クロスやカーペットをリニューアルされることをおすすめします。

タバコのヤニなどが付着したままですと、タバコの臭いが消えるのに時間がかかります。また、ヤニが分解されて落ちていくときに、塗装した消臭コーティング剤もいっしょに落ちてしまいますから、消臭効果が下がってしまいます。

施工後のメンテナンス

施工後のメンテナンスは、ほとんどございません。ほぼメンテナンスフリーで、タバコの臭いを消臭し続けてくれます。

部屋の清掃は通常通り行っていただいてかまいません。屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は強固に付着するので、掃除機をかけたり拭き掃除をした程度では、落ちることはゼロとは言えませんが、ほとんどありません。

ただし、定期的なエアコン清掃をおすすめします。エアコン内部に埃がたまっていくと、その埃にタバコの臭いが付着して、エアコンからタバコの臭いが出てくることがあるからです。

エアコンの内部やエアコンフィルターに消臭コーティングをした場合には、埃がたまってくると消臭効果が落ちてしまいます。エアコン清掃を行い、埃を取り除くことで、銅ドープ酸化チタンが表面に出てくるので、また消臭効果を発揮し始めます。

客室1~2室のお試しでもご依頼ください

銅ドープ酸化チタンの魅力をお伝えしてきましたが、実際に消臭コーティング施工を行って効果があるのかは、ご実感いただいた方が良いと思います。

まずは客室を1~2室をお試しで施工されて、効果をご実感いただいてから、喫煙室を消臭コーティングされてはいかがでしょうか?

そして高い効果をご実感いただけましたら、禁煙室やレストラン、厨房、脱衣場、廊下などへの施工もご検討ください。

消臭コーティング施工は、弊社の施工代理店が行いますが、ご相談は弊社までお気軽にご相談ください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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