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サイディングの苔対策なら銅ドープ酸化チタンの防苔コーティング

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サイディングの苔対策なら銅ドープ酸化チタンの防苔コーティング

サイディングを利用している戸建て住宅は多いと思います。窯業系サイディングが、外壁で利用される割合がもっとも多いと言われています。

一般社団法人日本サッシ協会の報告「2023年3月版『住宅用建材使用状況調査』の概要」によると、戸建て住宅に利用されている外壁に窯業サイディングが採用されている割合が78.4%だそうです。

窯業系サイディングとは、セメントや繊維を混合して焼き固めた外壁材のことです。

さて、この記事のタイトルにもあるように、サイディング外壁に苔が発生して、緑色に変色することがあります。

苔をそのまま放置しておくと、苔が湿気を持ち、外壁の劣化を早めてしまうことがあります。

苔が発生しやすい条件やその対策として光触媒を活用する方法をご紹介します。光触媒であれば何でも苔を防止できるわけではなく、効果的な光触媒の種類は銅ドープ酸化チタンです。

サイディングに苔が生えやすい条件とは?

サイディングに苔が生えやすい条件は、次のような環境です。

  • 家が隣接していて、いつも日陰になっている湿っぽい場所
  • 雑木林や大木が隣接していて湿っぽい場所

苔は湿気の多いところに繁茂しやすいため、どちらも日陰になりやすい場所であることが関係しています。苔対策のご相談が多いのは、温泉地のホテルや別荘といった、山林に囲まれた場所です。

苔は掃除をしても、雑草と同じように次から次へと発生しますから、何らかの対策が必要です。除草剤と同じように苔を枯らして対策する方法はあります。

そういった製品は、繰り返し利用する必要がありますから、面倒に感じることでしょう。「1回だけ施工したら、ずっと苔が発生しにくい対策ができないものか」とお考えの方は、光触媒をお試しください。

サイディングの苔防止が光触媒の種類

光触媒をサイディングに利用する方法は、光触媒コーティング剤を塗布することです。光触媒コーティング剤とは、光触媒成分が含まれた液剤のことです。光触媒コーティング剤についてご説明いたします。

光触媒コーティング剤に用いられる光触媒の種類

光触媒コーティングに利用されている光触媒にはいろいろな種類があります。主な種類は、次の通りです。

  • 酸化チタン
  • 銅ドープ酸化チタン
  • 窒素ドープ酸化チタン
  • 鉄ドープ酸化チタン
  • 酸化タングステン

これらの中でもっとも利用されているのが酸化チタンです。後ほど理由をご説明しますが、酸化チタンではサイディングの苔対策には、ほとんど効果がありませんからご利用になられない方が良いです。

酸化チタン結晶にナノサイズの酸化銅を結合

これらはそれぞれ性質が異なり、サイディングの苔対策に適した種類は、銅ドープ酸化チタンになります。

銅ドープ酸化チタンとは、ナノサイズの酸化チタン結晶の表面にナノサイズの酸化銅を結合させた特殊な光触媒です。

苔対策に効果の無い光触媒の種類

市販されている光触媒コーティングの多くは、酸化チタンが用いられています。酸化チタンは、紫外線が当たると強い酸化力を発揮し、コケの繁茂を抑制してくれます。

ところが、コケが発生しやすいサイディングの環境は、直射日光が当たらないジメジメした場所です。そういった場所には紫外線がほとんど当たりませんから、酸化チタンでは効果がほとんどありません。

北側の外壁は紫外線が当たらないので防汚ができない

外壁の苔対策として酸化チタンがPRされていることがありますが、ほとんど苔対策の効果はありませんのでご注意ください。

苔対策なら銅ドープ酸化チタン

酸化チタンはほとんど効果が無いことをご理解いただけたと思います。なぜ銅ドープ酸化チタンが良いのかをご説明いたします。

ジメジメした場所のサイディングは、直射日光が当たりませんから、紫外線でなくても苔防止ができる光触媒を利用することが必須です。

銅ドープ酸化チタンは、紫外線にも反応しますが、可視光にも反応して苔を防止してくれる性質があります。他にも紫外線以外の光に反応する光触媒はありますが、銅ドープ酸化チタンはそれらの種類よりも10倍以上の効果があります。

銅ドープ酸化チタンの効果を100としたときの他の光触媒との効果比較

しかも、銅ドープ酸化チタンだけが光が当たっていなくても苔防止ができます。添加されているナノサイズの酸化銅が触媒効果を発揮し、苔を防止してくれるようです。

銅ドープ酸化チタンによる苔防止施工の方法

銅ドープ酸化チタンをサイディングに利用する方法は、光触媒コーティング施工を行います。

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティングは、弊社製品であれば屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)です。品名が「屋内用」となっていますが、サイディングにも利用可能です。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の成分は次の通りです。完全に無機成分ですから、さまざまな材質のサイディングに利用できます。

光触媒成分銅ドープ酸化チタン
バインダー成分アモルファス酸化チタン
その他の成分
下地保護剤、屋内用プライマー(AS01)

ただし、顔料を使用したサイディングや樹脂サイディングに屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を利用する場合は、銅ドープ酸化チタンが顔料や樹脂を劣化させる恐れがあるため、予め下地保護剤(プライマー)を塗装します。

弊社のプライマーは、屋外用プライマー(ASS01)です。

屋外用プライマー(ASS01)を塗装し乾燥してから、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗装します。

塗装機材

ABAC温風低圧塗装機とスプレーガン

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)と屋外用プライマー(ASS01)の塗装には、専用の塗装機械とスプレーガンを用います。弊社が推奨する塗装機械は、ABAC温風低圧塗装機です。

ABAC温風低圧塗装機は、ブロワーユニットとスプレーガンがセットになった塗装機械で、温風が噴き出すので光触媒コーティング剤が早く乾燥します。

スプレーガンからは、次の図のように塗布する液剤を包み込むようにエアカーテンが噴き出す仕組みになっています。このエアカーテンによって、光触媒コーティング剤が飛び散りにくくなるので、光触媒コーティング剤の塗着効率は70%程度あります。これは、一般的なスプレーガンと比べると2~3倍の塗着効率です。

ABACのスプレーガンから出るエアカーテンが光触媒コーティング剤を包み込み塗着効率が70%

また、サイディングの塗装では風が少しでも吹いたら光触媒コーティング塗装ができませんが、エアカーテンによって風から液剤が守られるので塗装ができます。

塗装の流れ

サイディングに光触媒コーティング塗装をするときの流れは、おおよそ次の通りです。

  1. 水がかかってはいけない場所を養生
  2. サイディングの洗浄
  3. 屋外用プライマー(ASS01)の塗装(必要であれば)
  4. 乾燥
  5. 屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の塗装
  6. 乾燥
  7. 養生の撤去

養生とは、ビニールシートや養生テープを用いて液剤がかからないようにする施工のことです。外部コンセントや街灯、植木、自動車といったサイディングの近くにあるもので、光触媒コーティングや水などが掛かってはいけないものに、あらかじめ養生をします。

近隣と接しているようなサイディングに光触媒コーティング塗装をする場合は、近隣への説明が予め必要な場合もあります。

施工費用

施工費用は、細かく分けると次の項目の合算になります。

  1. 現場管理費
  2. 機材の準備費用
  3. 養生の費用
  4. 足場の設置費用
  5. 洗浄費用
  6. 光触媒コーティング塗装(面積に応じた費用で1m2当たり3,500~5,000円ほど)
  7. 報告書の作成費用(必要であれば)
  8. 出張費や駐車場代
  9. 宿泊費(必要であれば)

いくつかの費用は、ざっくりと「諸経費」としてまとめられる場合が多いです。光触媒コーティング剤の塗装の相場は、1m2当たり2,500~3,500円ほどになります。洗浄費用と合わせると、1m2当たり4,000~5,000円ほどになります。

他にも現地調査が必要な場合は、その費用がかかる場合があります。

概算見積もりをご希望の方は、手書きでもかまいませんので、施工面積がわかる図面をお送りください。

以上、銅ドープ酸化チタンを用いたサイディングの苔対策について解説いたしました。銅ドープ酸化チタンなら、他の光触媒と比較して、サイディングの苔対策に高い効果を発揮してくれます。

銅ドープ酸化チタンの施工なら、弊社もしくは弊社の施工代理店までお気軽にご相談ください。

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この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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