弊社の光触媒コーティング剤を扱う施工代理店の皆様に様に向けて、コンクリート外壁に光触媒コーティングを行う場合の注意点を解説したいと思います。
弊社製品以外の光触媒コーティング剤を扱っている業者様にも、参考になると思います。
表題にもあるように、光触媒コーティング塗装の前に、コンクリートの表面を防水コーティングすることが大事です。
コンクリート外壁に光触媒コーティングをする目的とは?
コンクリート外壁に光触媒コーティングをする理由は、主に次の3点になります。
- 防汚
- 防カビ
- 防苔
すでに光触媒コーティング塗装を事業としてなされている方であれば、このことは当たり前のことですから、読み飛ばしてください。
防汚とは、コンクリート外壁の汚れを防止することです。光触媒の性質によって汚れが落ちていきます。ただし、コンクリートの表面は凸凹しているので、そこに汚れが引っかかって落ちない場合もありますから、ときどき高圧洗浄をしてあげると良いでしょう。
防カビと防苔ですが、湿気の多いコンクリート外壁は、カビやコケが発生することがあります。擁壁のコンクリートでは、地面の湿気がしみ出してきてカビやコケが発生することがあります。光触媒コーティングによって、カビやコケを防ぐことができます。
一般的には、コンクリートに用いる光触媒コーティング剤は、屋外用光触媒コーティング剤(BX01)です。この液剤は、酸化チタン光触媒を主成分としたものです。
ところが、カビやコケが発生する箇所は、直射日光が当たりにくい日陰になるような場所もあります。そういった場所では、屋外用光触媒コーティング剤(BX01)が効果を発揮しにくいため、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を用いることをおすすめします。
コンクリート外壁の防カビや防苔をしたい場合には、弊社までご相談ください。どちらの製品を利用した方が良いのかをアドバイスさせていただきます。
ただし、擁壁の汚れはあまり気にされない場合が多いので、擁壁に光触媒コーティングをすることは聞いたことがありません。コンクリートにしみ込んでいる水分が放出されるようにすべきですから、光触媒コーティングをしない方が良いと思います。
光触媒コーティングをしたいと考えるコンクリート外壁とは、住宅や美術館といった建物の外壁になります。
コンクリート外壁の光触媒コーティング施工手順
コンクリート外壁に光触媒コーティング施工をする場合の手順は、次の流れで行います。
- コンクリート外形の清掃(高圧洗浄)
- 養生
- 防水コーティング塗装
- 光触媒コーティング塗装
まず外壁を高圧洗浄して汚れを流します。汚れを落としておかないと、光触媒コーティングをしたときに汚れといっしょに、塗装が落ちてしまうからです。
養生では、防水コーティング剤や光触媒コーティング剤がかかってはいけない場所を養生します。例えば、コンクリート外壁に設置してある電灯、近くに駐車してある自動車や、壁際に生えている植木といったものです。
施工手順の3番目に、表題にもある防水コーティング塗装があります。防水コーティング塗装をする理由などについて後ほど解説していきたいと思います。
防水コーティングの後は、その上からABAC温風低圧塗装機を使って光触媒コーティング塗装をします。
光触媒コーティングの前に防水コーティングをすべき理由
なぜ光触媒コーティングをする前に、防水コーティングをするのでしょうか。防水コーティングをしないで、コンクリートに直接光触媒コーティング塗装をしてはいけないのでしょうか。
その理由は、光触媒の性質にあります。光触媒は、表面にOHラジカルを発生させます。OHラジカルは水分子と相性がよく、光触媒の表面に水分を寄せ付ける性質があります。光触媒は親水性の効果がありますが、その性質のことです。
すると、コンクリートの表面に水分が付着するようになります。厳密には湿気たようにはなりませんが、水分を感じる程度です。しかし、確実に水分を寄せ付けます。
コンクリートを劣化させる天敵はなんでしょうか。それは水分です。水分によってコンクリートの成分が流れ出して、アルカリ性が中性になっていきます。それを「中性化」といいます。コンクリートが中性化していったら、それが鉄筋まで達したときに怖いことが起きます。
それは、鉄筋の酸化です。鉄が酸化したら、表面が盛り上がってしまいますが、その盛り上がりによってコンクリートに亀裂が入ります。するとさらに水分がしみ込みやすくなって、連鎖的にコンクリートが崩れていってしまいます。
それを防ぐために、コンクリート外壁に防水コーティングしてから、その上に光触媒コーティングをするのです。
コンクリート外壁に直接光触媒コーティング塗装をしても、すぐには劣化しませんが、長い年月を経て劣化を早めてしまいます。それを防ぐために、あらかじめ防水コーティングをしておくのです。
おすすめの防水コーティング剤は?
コンクリートの防水コーティング剤はいろいろな種類があります。光触媒コーティングをする前に理想的な防水コーティング剤とは、次の条件を満たすものです。
- 防水効果が高い
- 光触媒コーティング剤が定着しやすい
- 光触媒によって劣化しない無機系のもの
- クリア塗装ができる
- コンクリートの強度を高める
防水効果が高いことは当たり前のことです。光触媒コーティング剤を、防水コーティングの上に塗装したときに、光触媒が定着することが大事です。防水効果が高すぎると、光触媒コーティング剤を塗装したときに、液剤を弾いてしまって、均一に塗装ができないからです。
光触媒は有機物を分解する性質があるため、無機系のものでなければいけません。防水コーティングが光触媒によって分解されてしまったら、防水コーティングが剥がれ落ちてしまい、それといっしょに光触媒コーティングも落ちてしまいますから、耐久性が悪くなってしまいます。
中には光触媒によって分解されない有機物もありますが、ごく限られた製品ですから、一般的には無機系の防水コーティングを行うべきです。
4つ目のクリア塗装とは、透明な塗装のことです。光触媒コーティングはクリア塗装ができますが、防水コーティングでもクリア塗装ができると、打ちっ放しコンクリートの質感をそのまま保つことができます。
コンクリート用防水コーティング剤の中には、色が付着するものもありますが、コンクリートの質感を保ちたい場合には、クリア塗装ができることが理想です。
5つ目は必須ではありませんが、防水コーティングによってコンクリートの強度が増すものもありますから、そういった塗料を選ぶと良いでしょう。防水コーティングによって、光触媒コーティングによる弱点を克服し、さらにはコンクリートのひび割れを防いでくれるものが理想です。
これらの条件を満たす防水コーティング剤で、弊社がおすすめするものは「コンクリート用プライマー(セラミックプライマー)」です。
セラミックプライマーの成分は、珪酸カリウム、珪酸ナトリウム、水です。防水効果があり、コンクリートにクリア塗装もでき、光触媒コーティングも固定化しやすい性質があります。また、雨水の侵入も吸製でくれるので、コンクリートの補強にもなります。
セラミックプライマーのご購入方法は、弊社でも販売しているので、いつものようにご注文ください。
セラミックプライマーの塗装方法
セラミックプライマーの塗装方法は簡単です。ペイントローラーで塗装するだけです。
塗料の使用量は4~8m2/Lです。しっかり防水コーティングしたい場合は4m2/Lで塗装をします。
以上、弊社の光触媒コーティング施工代理店様に向けて、コンクリート外壁の光触媒コーティングをするときの注意点を解説いたしました。
まとめると、次のようになります。
- コンクリート外壁は光触媒コーティングをすると水分を引き寄せるので、コンクリートの劣化を早めてしまう可能性があること
- それを防止する方法として光触媒コーティングの前に防水コーティングをすること
- 防水コーティングにはセラミックプライマーがおすすめ
コンクリート外壁を光触媒コーティング施工したいとお考えの施工代理店様は、弊社までお気軽にご相談ください。
弊社では、効果の高い光触媒コーティング製品を製造販売しているだけでなく、施工代理店様の事業活動をしやすくするために、施工機材の販売や施工方法のご指導、営業フォローなども行っています。
施工代理店になられたい方もお気軽にご相談ください。
この記事の著者/責任者
株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。