
カーテンウォールは、高層ビルやオフィスビルの外壁として利用されています。
それらはとても面積が広いので、防汚コーティングをしておかないと、汚れが付着したときの掃除が大変です。
カーテンウォールの親水コーティングは、工場で仕上げまで一貫して行われ、現場で取り付けをするだけです。
カーテンウォールの仕上げには、フッ素樹脂やアクリルシリコン樹脂が用いられます。それらは水を弾く性質があるので、ガラス面に汚れが付着することを防いでくれます。
それらのコーティングは20年ほどすれば再塗装しないと、ガラス面が汚れてくると思います。
そのときが光触媒コーティング塗装のタイミングになります。
この記事では、親水コーティングのメリットや親水コーティングとして最適な光触媒コーティングをご説明しつつ、弊社が開発したタングステン担持酸化チタン光触媒をご紹介いたします。
親水コーティングとは?
親水コーティングとは、ガラス面に親水性を持たせるためのコーティング施工です。
撥水性と親水性
親水性の反対は撥水性です。
撥水性は雨水を弾く性質のことですが、親水性は水と馴染む性質のことです。地面に対して平行に置いたガラス面などに水滴が付着したときに、その水滴が撥水して盛り上がった状態になるのか、反対に平らに伸びていってしまうのかが、撥水性と親水性の違いです。
撥水性と親水性の度合いは、付着した水滴の角度によって決まるようです。水滴が表面張力で丸く盛り上がっている状態であれば撥水性が高く、表面張力が弱く付着面に馴染んでいる状態、鋭角な状態になっていたら親水性が高いです。
親水性が高いガラスは「濡れやすい」と言えます。反対に撥水性の高いガラスは「濡れにくい」と言えます。この性質の度合いを、濡れ性といいます。
ちなみに、よく洗浄された無垢なガラス面は、親水性があります。ガラスの表面にOH基が存在するからです。OH基は何かと結合する性質がありますから、空気中の汚れやコーティング剤と結合しやすい性質があります。ですから、ガラス表面を何らかのコーティング塗装する前に、コンパウンドなどでガラス表面を入念に研磨しないといけません。
カーテンウォールに親水コーティングをする理由
カーテンウォールに親水コーティングをする理由は、セルフクリーニングによる防汚のためです。セルフクリーニングとは、雨水の流れでカーテンウォールに付着した汚れを自動的に落としてくれる効果のことです。

雨水が当たらないカーテンウォールでも、親水コーティングをしておけば高圧洗浄機などで水を掛けると容易に汚れを落とすことができます。
カーテンウォールは空気中の汚れ、雨水に含まれているシリカなどの汚れが付着していくことがあります。その汚れを放置しておくと、室内にいる人達が外を見たときに、汚れが気になります。その汚れを自動的に落としてくれる効果をカーテンウォールに付与することで、清掃の回数を減らすことができます。
親水コーティング剤の種類
親水コーティングをするためには、親水コーティング剤をガラス面に塗布します。親水コーティング剤にはいくつかの種類があります。主な種類としては、次の3種類です。
- シリカ系
- 有機化合物系
- 光触媒系
シリカは、ケイ素Siを含む成分です。シリカは無垢のガラス面に付着しやすい性質があります。シリカは基本的に親水性があり、ガラス面に均一に付着させるとガラス面に親水性を持たせることができます。シリカには、特別な加工をすることで撥水性を持たせることもできます。撥水性のあるシリカは、よく自動車のボディーコーティング用として用いられます。
有機化合物系は、親水性の高い有機化合物をガラス表面に付着させるコーティング剤です。
光触媒系のものは、光触媒の効果によって親水性を高めるものです。シリカ系や有機化合物系のものはその成分自体が親水性の効果を持っていますが、光触媒は光が当たることで親水性が発揮されます。
どの親水コーティング剤を選べば良いのかは、弊社としては光触媒コーティング剤メーカーでもありますが、一般論として「親水効果の高い光触媒コーティング剤」をおすすめしています。
ただし、施主様や設計会社様が「光触媒コーティングをされたカーテンウォールを採用したい」と思っても、カーテンウォールのメーカーが光触媒コーティングを扱っていなければ、採用はできません。
カーテンウォールにおすすめの
親水効果の高い光触媒とは?
カーテンウォールを光触媒コーティング塗装したら、その光触媒がどのような性質を持つのかをご説明しつつ、親水効果の高い光触媒をご紹介いたします。
光触媒による親水性と防汚効果
光触媒は、光が当たるとOHラジカルを発生させます。OHラジカルは水と馴染みやすい性質があるため、カーテンウォールに光触媒コーティングをしておけば、OHラジカルが発生すれば、親水性が出ます。
また、光触媒にはシリカ系や有機化合物系には無い性質があります。それは、カーテンウォールに付着した有機物の汚れを分解する性質があります。
カーテンウォールを利用しているビルは、都心に存在します。都心では自動車が多く走っていたり、近所に飲食店があったりするので、空気中に微量の油分が含まれています。その油分がカーテンウォールに付着するわけですが、油分の粘性によって空気中の汚れが付着しやすくなるのです。
光触媒は油分を分解する性質があるので、シリカ系や有機化合物系と比較しても、汚れが落ちやすいわけです。
親水性の高い光触媒
光触媒にはたくさんの種類があります。その中でも親水性の高い光触媒というものがあります。
一般的に多く利用されている光触媒の種類は「酸化チタン」です。酸化チタンは、紫外線が当たることでOHラジカルを発生させます。紫外線が当たる環境では、おそらく酸化チタンがもっとも親水性を発揮するものと考えます。しかし、酸化チタンはセルフクリーニング効果があまり高くありません。
なぜ酸化チタンは、セルフクリーニング効果が弱いのでしょうか?
ここで、セルフクリーニングの効果について思い出して頂きたいと思います。セルフクリーニングとは、雨水が当たることで汚れが自動的に流れていく効果のことでした。雨が降っているときというのは雲によって日光が遮られているので、紫外線があまり存在しません。ということで、紫外線によってOHラジカルが発生する酸化チタンは、雨の日は効果が弱くなるのです。
弊社では、この酸化チタンの弱点を補うことができる光触媒成分の合成に着手し、さまざまな光触媒成分と試したところ、親水性効果の高い光触媒「タングステン担持酸化チタン」を開発しました。
タングステン担持酸化チタンとは、酸化チタンに酸化タングステンを結合させた成分です。
タングステン担持酸化チタンを用いると、雨の日の紫外線の弱い日であっても、高い親水性が得られます。「光触媒は親水性の効果が弱い」とお感じの方は、ぜひタングステン担持酸化チタンを使った光触媒コーティング剤をお試しください。
カーテンウォールが光触媒によって親水性を持つための条件
カーテンウォールが光触媒コーティングによって親水性を持つためには条件があります。その条件の一つは、先ほどご説明したように、光が当たることです。それ以外にも、施工の条件があります。
- 光触媒コーティング塗装をする前にガラスを磨くこと
- 光触媒コーティング剤を均一に塗装すること
1つ目の条件は、ガラス面を入念に磨き、無垢なガラス面をむき出しにすることです。先ほど撥水性と親水性のご説明で、ガラス面は本来親水性が高いこと、汚れの付着やコーティングによって撥水性を持つことをご説明しました。無垢なガラス面をむき出しにしないと、光触媒コーティング剤が本来の力を発揮できないため、撥水するようになってしまうのです。
2つ目は、光触媒コーティング剤を均一に塗装することです。塗りムラがあれば、その部分は親水性が出ません。カーテンウォール全体に均一に親水性を出すためには、光触媒コーティング剤を均一に塗装することが大事です。
これら2つのことを守っていただければ、タングステン担持酸化チタンの性質が最大限に活かされ、高い親水性を発揮します。
タングステン担持酸化チタンを使った
ガラス用光触媒コーティング剤BTG01

タングステン担持酸化チタンを使った光触媒コーティング剤は、ガラス用光触媒コーティング剤BTG01という名称で販売しています。
この光触媒コーティング剤は、ガラス用として特化された液剤です。高い親水性効果を発揮しつつも、ガラス面への塗装には技術を要しますがクリア塗装ができます。また、高い耐久性を持っており、効果の持続期間は10年以上としていますが、実際には20年ほど効果が持続している建物が多いです。
この液剤は、カーテンウォールだけでなく、高層ビルの窓ガラスや太陽光パネルなどの防汚としてもご利用いただいています。
ガラス用光触媒コーティング剤BTG01を使ってカーテンウォールの親水コーティングを依頼されたい方は、弊社もしくは弊社の光触媒製品を扱う施工代理店にご相談ください。
また、ガラス用光触媒コーティング剤BTG01を扱いたいとお考えのガラスコーティング施工業者様は、弊社までご相談ください。弊社では、ガラス面への光触媒コーティング施工の方法を学べる施工講習会を開催しています。どうぞご利用ください。
親水コーティング後はガラス清掃が必要ないのか?
結論から申しますと、清掃は必要です。防汚コーティングをしていたとしても、汚れが付着するからです。
光触媒コーティングの場合は、汚れが分解されて落ちやすいことは確かですが、雨が降らないと汚れが落ちてくれません。雨の少ないシーズンでは、汚れが付着したままになりやすいです。
また、黄砂が飛来するシーズンでは、雨が降ったとしても汚れが付着する場合が多いです。黄砂のシーズンが終わったタイミングで、汚れが目立つ場合にはガラス清掃を行ってください。
オフィスビルのガラス清掃では、2ヶ月に1回ほどされるところが多いと思います。光触媒コーティングを行えば、その頻度を少なくすることができますし、清掃時に汚れが落ちやすいです。
先日、15年ほど前にガラス用光触媒コーティング剤BTG01を塗装した建物の窓ガラスを確認しました。ビルの管理者様に確認したところ、「1年に2回ほどの頻度ですが、この美しさを保っています」とのことで、新品と同様のガラスの美しさでした。
1年間に5~6回ほどの清掃回数が、2回程度でも新品同様の窓ガラスの美しさになります。
カーテンウォールの光触媒コーティング施工の流れ
カーテンウォールに光触媒コーティング施工をするときの流れは、次の手順で行います。これ以外にも、現地調査や足場を組むための工事も必要になります。
- ガラス面を入念に清掃ならびに研磨する
- ガラス面がしっかり磨かれて無垢なガラス面が出てきたかをチェック(親水性が不足していたら再度研磨を行う)
- ガラス用光触媒コーティング剤BTG01を塗装する
- 乾燥した後、親水性の確認をする
砂埃やPM2.5などの汚れを高圧洗浄で清掃し、必要に応じて洗剤による油分の清掃をした後に、酸化セリウム配合のコンパウンドを用いて研磨し、シリカやエフロの汚れを除去します。
ガラス面がしっかりと清掃できたら、ガラス面が親水性を持つようになるので、水を掛けてチェックします。親水性が不足している箇所を再度研磨します。
親水性が出ていたら、ガラス用光触媒コーティング剤BTG01を塗装します。塗装は、専用のブロワーユニットとスプレーガンを用いて行います。

ブロワーユニットには温風低圧塗装機を、スプレーガンには口径0.3mmの小口径のスプレーノズルを装着したものをご利用ください。弊社では、ABAC社製の温風低圧塗装機とスプレーガンを推奨しています。
いろいろな塗装機械を試したところ、ABAC社温風低圧塗装機とスプレーガンのセットがもっとも安定して塗装ができたからです。
ガラス用光触媒コーティング剤BTG01は、塗布量が多くなると窓ガラスを見る角度によっては、光食k倍の虹色のまだら模様が出てしまいます。また、さらに塗布量が多くなると白く見えてしまう箇所も出てきます。ガラス用光触媒コーティング剤BTG01の塗布量が多いと、汚れが付着しにくいことには変わりないのですが、虹色や白色が出てしまうことがあります。
そのようなことから、ABAC温風低圧塗装機のスプレーガンに小口径のスプレーノズルを装着して塗装をしてください。また、ガラス用光触媒コーティング剤BTG01の塗装には、弊社の施工講習会を受けて、正しい塗装方法を学んでから行うようにしてください。
以上、カーテンウォールの親水コーティングに最適な光触媒コーティングとその液剤、施工方法などをご説明いたしました。光触媒成分としては、タングステン担持酸化チタンを用いることで、高い親水性が得られます。
弊社のタングステン担持酸化チタンを使った光触媒コーティング剤は、ガラス用光触媒コーティング剤BTG01です。
光触媒を使ったガラスの親水コーティングのことなら、イリスまでお気軽にご相談ください。
この記事の著者/責任者

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。