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エアコンフィルターの除菌・消臭に効果的な光触媒コーティング

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エアコンフィルターの除菌・消臭に効果的な光触媒コーティング

エアコンは空気を吸い込むときに、フィルターで埃などのゴミを取り除いて、エアコン内部にゴミが入らないようにしています。

エアコンフィルターを掃除することで、エアコンの風量が増えて、エアコンの効率が上がると言われています。でも、エアコンフィルターは高所にあるので、エアコンフィルターの掃除がおろそかになりがちです。

エアコンフィルターは、掃除をしないで何ヶ月も放置されたままになることが多いです。その間に、エアコンフィルターにはゴミだけでなく、雑菌が付着して繁殖している可能性があります。

お風呂場のエアコンに取り付けてあるフィルターであれば、湿気によるカビも気になるものです。

このコラムでは、エアコンフィルターに付着した雑菌の繁殖を抑えエアコンから発する臭いを防ぐための光触媒コーティングについてご説明いたします。

エアコンフィルターの臭いの原因

エアコンの冷房をONにしたら、カビの臭いが漂うことがあります。これは、特にエアコン内部にカビが発生していることが原因です。エアコン内部の熱交換フィンのところを、定期的に洗浄することが大事です。

また、お部屋に設置してあるエアコンのフィルターはともかく、お風呂場などの湿気のある場所のエアコンであれば、エアコン内部だけでなくエアコンフィルターにも雑菌が繁殖することがあります。

家庭用だけでなく、テナントビルなどの大型エアコンや大型空調機のフィルターも同様です。エアコンフィルターやエアコンの内部にカビ菌が繁殖していたら、その菌をエアコンの風で部屋中にばらまいているようなものです。飲食店や厨房のエアコンであれば、なおさら注意していただきたいと思います。

ご家庭でも業務用でも、エアコンフィルターやエアコンの内部は定期的に清掃しつつ、除菌・消臭コーティングをして雑菌の繁殖を抑えることをおすすめします。

なぜ光触媒コーティングなのか?

エアコンフィルターのコーティング剤には、いろいろな種類のものがあります。数あるコーティング剤の中でも、光触媒コーティングをおすすめしています。

光触媒とは、光のエネルギーを受けることによって、有機物を分解する効果がある成分のことです。今現在、もっとも光触媒の効果が強い物質で知られているものは酸化チタンです。

酸化チタンは、日焼け止めクリームや化粧品などに使用されている成分で、お化粧品のパッケージに「SPF」や「PA+++」といったコードが書かれているものには、たいてい酸化チタンが入っています。そのように、身体に安全な成分であることがわかります。

さて、酸化チタンが光のエネルギーを受けると、有機物を分解するわけですが、カビ菌や雑菌、ウイルスといった細菌類は有機物ですから光触媒で分解されるので、光触媒コーティングによって除菌・消臭ができます。

光触媒の効果のある成分をエアコンフィルターに塗装したら、エアコンフィルターに除菌・消臭効果を付与することができます。

エアコンフィルターに効果のある
可視光応答型光触媒とは?

酸化チタンを使ったコーティング剤をエアコンフィルターに塗装すると、除菌・消臭ができるようにご説明しましたが、酸化チタンにも問題点があります。それは、「酸化チタンは弱い光や可視光には反応しない」というものです。

結論から先に申しますと、酸化チタンでも弱い光や可視光にも反応させられる方法があります。そのような、可視光で反応する光触媒のことを可視光応答型光触媒といいます。そして、酸化チタンに工夫をして可視光応答型光触媒にしたものでないと、エアコンフィルターの除菌・消臭の効果が得られにくいのです。

このことについて、ご説明いたします。

酸化チタン光触媒の性質

鉄が酸化したものを酸化鉄といいますが、酸化チタンとは金属であるチタンが酸化したものです。酸化チタンは、常温では物質そのものが何か別のものに変化することはないので、半永久に光触媒の効果を発揮してくれます。

ですので、酸化チタンを光触媒として用いたならば、一度塗布すると、その場所に酸化チタンが残り続けてくれるのであれば、半永久に効果を発揮し続けてくれます。半永久ですので、とても良い性質だと言えます。

次に、酸化チタンの問題となる性質について述べたいと思います。

光には赤色や青色など、さまざまな色がありますが、これは光の波長が異なることで、目で見える色が異なります。そして、光触媒は成分によって反応する光の波長が異なります。

酸化チタンが反応する光の波長は、400nm前後の紫色から紫外線(UVA)といった光です。

エアコンは室内で利用されるものですので、エアコンフィルターの部分には、紫色の光や紫外線が当たりません。そのため、エアコンフィルターに酸化チタンのみのコーティング剤を塗装しても、除菌・消臭効果が得られないのです。

酸化チタン以外の光触媒を使ったら?

では、「酸化チタン以外の成分で、エアコンフィルターに届く光でも光触媒の効果があり、半永久のものは無いか?」ということですが、酸化タングステンや窒素ドープ型とか酸素欠損型などの光触媒がそれに該当し、可視光で光触媒の効果が出ます。

このような可視光でも光触媒の効果のある成分のことを、可視光応答型光触媒といいます。

酸化タングステンとは、酸化チタンと同様にタングステンという金属が酸化した物質です。タングステンは電球のフィラメントに利用されている金属です。

確かに酸化タングステンや窒素ドープ型とか酸素欠損型などは、可視光で効果が出るのですが、「効果が弱い」という問題があります。

ですので、それらの光触媒成分を用いたコーティング剤は、「コーティングした箇所にカビが生えた」ということで、クレームになることが多いようです。

酸化チタンのように光触媒の効果が高く、なおかつ可視光でも効果のある光触媒は存在しないのでしょうか?

銅ドープ酸化チタン光触媒の発見

弊社は、当時光触媒メーカーが誰も考えもしなかった「酸化チタンが可視光でも効果が出るように改質できないだろうか?」という研究に取り組み、世界で初めて「酸化チタンに銅を添加したら、可視光でも効果が出る」ということを発見し、特許を取得しました。

この特許は光触媒を研究している大学や研究機関、光触媒メーカーの間で話題となり、東京大学をはじめさまざまな研究所で研究され、そのメカニズムが解明され、効果の高さも実証されました。

弊社でも、さまざまな研究機関に依頼し、抗菌性や抗ウイルス性などの試験を行っていただき、可視光や弱い光でも高い除菌効果があることが実証されました。

この銅ドープ酸化チタンを使った可視光応答型光触媒コーティングをエアコンフィルターに施工すれば、抗菌・消臭効果が期待できます。

イリスの可視光応答型光触媒コーティング剤ご紹介

弊社では、すぐさま銅ドープ酸化チタンを使った可視光応答型光触媒コーティング剤を開発し、クリア塗装のしやすさや定着性の改良などを行ったり、コンシューマ向け製品の開発も行いました。

業務用光触媒コーティング剤

可視光応答型光触媒を用いた業務用光触媒コーティング剤は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)という品目にて販売しております。

品名屋内用光触媒コーティング剤
型番BX01-AB1
形状液体
サイズ(重量、容器)10L(約10kg、バロンボックス)
5L(約5kg、バロンボックス)
1L(約1kg、ボトル)
成分酸化チタン(アナターゼ、アモルファス)、銅、その他
塗装面積50m2/L
使用期限製造から1年以内
保管方法常温(5~30℃)の暗所にて保管。

光触媒の耐久性は、エアコンフィルターの使用状況にもよりますが、塗装してから5年以上です。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、塗装するのに設備や技術を要するため、業務用光触媒製品として施工代理店様か販売代理店様にのみ販売しています。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)によるエアコンフィルターの施工をご希望の方は、弊社の施工代理店にご連絡ください。施工代理店の一覧は、こちらのページをご覧ください。

大型空調機の内部は完全に密閉されているので、光がないので光触媒の効果がなくなってしまいます。そこで、大型空調機の不織布フィルターに光触媒コーティング塗装をして除菌・消臭をしたい場合は、紫外線ランプと組み合わせると効果的です。大型空調機内部の不織布フィルター部分に紫外線ランプを設置して、空調機の動作と連動させて点灯させます。

大型空調機のメーカー様で、光触媒コーティングによる除菌・消臭をお考えの方がいらっしゃいましたら、弊社までお気軽にご相談ください。

コンシューマ向け光触媒製品

家庭用除菌・消臭スプレー「アキュートクリーン」

可視光応答型光触媒を用いたコンシューマ向け光触媒スプレーもございます。製品名は、除菌消臭スプレー「アキュートクリーン」です。

ご自分でエアコンフィルターの除菌・消臭をされたい方は、アキュートクリーンをご利用ください。

使い方は、エアコンフィルターの埃を掃除し、よく乾燥させてから、アキュートクリーンをまんべんなくスプレーしてください。

アキュートクリーンは、エアコンフィルター以外にもさまざまな場面での除菌や消臭にご利用いただけます。例えば、キチン・トイレ・洗面・下駄箱などの除菌・消臭にもご利用ください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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