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エアコンフィルターに消臭機能を付与できる光触媒コーティング加工

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光触媒フィルターで部屋の消臭は可能。消臭力と臭いの発生量で効果が決まる。消臭力の高い光触媒は銅ドープ酸化チタン
エアコンフィルターに消臭機能を付与できる光触媒コーティング加工

エアコンフィルターは、家庭用のものから大型空調機までさまざまな種類やサイズがあります。

エアコンで部屋の空気が循環させたら、部屋に舞っている埃がエアコンフィルターによって取り除かれます。

エアコンフィルターの目よりも細かい埃は通過していってしまいます。部屋の臭い成分はもっと細かいので、通過していってしまいます。

もし、エアコンフィルターを光触媒コーティングしておいたら、そこを通過してしまう臭いを消臭できるかもしれません。

この記事では、光触媒の消臭効果について、光触媒コーティング加工ができるエアコンフィルターの材料、エアコンフィルターに光触媒コーティング加工をすることで本当に消臭ができるのかなど、エアコンフィルターの光触媒コーティング加工を解説いたします。

15年ほど前に大手空調機・エアコンメーカーが光触媒フィルターを発売していましたが、効果が感じられなかったためか現在は発売されていません。弊社の技術を使えば、消臭効果のあるエアコンフィルターの開発も可能と考えます。

エアコンフィルターのメーカー様も、ぜひ最後までご覧ください。

光触媒の消臭効果

光触媒とは、光エネルギーが当たることで、物質を酸化分解する性質が出ます。酸化分解とは、酸素と結合して別の物質に変化させることです。

この酸化分解は、燃焼とは違い、熱が出るほどのものではありません。光触媒の表面に発生したOHラジカルという活性酸素が、別の物質と結合して酸化されるわけです。

この作用によって、臭いの原因物質とOHラジカルが結合したら、消臭ができます。OHラジカルは、菌類やウイルスとも結合するので、抗菌や抗ウイルスもできます。また、アレルゲンや化学物質などとも結合して、酸化分解してくれます。

エアコンフィルターを光触媒加工すれば、エアコンが空気を吸い込むときに、光触媒の作用によって、空気中の臭いの原因物質を分解して消臭してくれるわけです。

ただし、光触媒成分の種類によってその効果の高さに違いがあります。光触媒成分の種類によっては、エアコンフィルターに加工したときに、まったく消臭効果の無いものもあります。消臭効果の高い光触媒成分の種類については、後ほどご説明いたします。

光触媒コーティング加工とは?

光触媒コーティング加工とは?

光触媒コーティング加工とは、光触媒コーティング剤といわれる液剤を塗装して、光触媒効果を付与する加工方法のことです。

光触媒コーティング剤は、水のような粘性の液剤で、エアコンフィルターの表面に塗装機械を用いて塗装します。

光触媒コーティング剤の成分は、光触媒成分とそれを接着するためのバインダー成分が含まれています。バインダー成分には、主にアモルファス酸化チタンが用いられていて、とても耐久性が高いので、長期間エアコンフィルターに接着します。また、エアコンフィルターを水洗いするくらいであれば、ほとんど光触媒成分が落ちることはありません。

光触媒コーティング加工は、エアコンフィルターだけでなくフェイクグリーンの加工や、部屋全体の加工もできます。

光触媒コーティング加工ができる
エアコンフィルターの材料

エアコンフィルターの材質には、主に次のようなものがあります。このどちらにも光触媒コーティング加工が可能です。

  • プラスチックのメッシュフィルター
  • 樹脂フィルター
  • PPハニカムフィルター
  • 不織布フィルター
  • ステンレスメッシュフィルター

プラスチックのメッシュは、家庭用エアコンや天吊り型の業務用エアコンに多いです。樹脂フィルターは、樹脂でできたフィルターのことです。

PPハニカムとは、ポリプロピレンの繊維を編み込んでハニカム構造にしたものです。パッケージエアコンのフィルターに用いられます。

不織布フィルターは、オイルミストフィルターや大型空調機のフィルターに用いられます。

ステンレスメッシュは、ステンレスの網になっているフィルターです。

光触媒コーティング加工で消臭ができる臭い

エアコンフィルターに光触媒コーティング加工をすることで消臭ができる臭いは、次のようなものがあります。

  • 油やスパイス、ニンニクなどの食べ物の臭い
  • ペットの臭い
  • タバコの臭い
  • トイレの臭い
  • 下水の臭い

これらの臭い成分は、光触媒によって酸化分解できます。ただし、これらの臭いが「消臭された」と実感できるようになるかどうかは、臭いの発生量が多いのか、それとも光触媒が臭いを分解する速度が早いのかによって、感じ方が異なります。

臭いの発生量が多く、エアコンフィルターに加工された光触媒だけでは分解が間に合わない場合には、臭いの消臭ができていないように感じることがあります。

その場合は、エアコンフィルターだけではなく、部屋全体を光触媒コーティング加工することをおすすめします。

エアコンフィルターを光触媒コーティング加工して
消臭効果を感じられるのか?

光触媒加工されたエアコンフィルターの効果について、少しぶっちゃけトークをしたいと思います。

過去に販売された光触媒エアコンフィルターは効果が無かった!?

エアコンフィルターを製造しているメーカー様が、「光触媒コーティング加工されたエアコンフィルターを開発したい」とお考えになられたとしましょう。

光触媒加工されたエアコンフィルターは、15年ほど前に販売されていましたが、現在はほとんど見かけることがありません。当時の製品は、ほとんど効果が無かったと思われます。消臭効果のあるエアコンフィルターは需要があるので、もし効果があればかなり普及していて、現在も販売され続けていると思います。

そういったことで、消臭効果の高いエアコンフィルターが開発できたとしたら、画期的なことと思います。

しかし、先ほど解説したように、「光触媒コーティング加工されたエアコンフィルターで消臭が実感できるのか?」ということですが、加工面積が小さいことや、効果の弱い光触媒成分を利用しために、消臭が実感できなかったという可能性もあります。

そもそも一般的な光触媒成分は、光が当たらないと消臭効果を発揮しません。エアコンフィルターはエアコン内部に設置するので、光が当たりにくい環境ですから、消臭効果が極めて弱くなることは明らかです。

利用環境や臭いの強さによっては、消臭を期待して導入された方から、「臭いが消えないじゃないか」とクレームが入る可能性もあります。実際に、そのようなクレームがあり、光触媒コーティング加工されたエアコンフィルターは出回っていないのだと思います。

業務用として強い臭いを強力に消臭したい場合

もし、業務用として強い臭いを強力に消臭ができるようにしたい場合には、次のような条件を整えることが大事です。

  1. なるべく加工面積を大きくする ⇒ 不織布を利用する
  2. 消臭効果の高い光触媒成分を利用する ⇒ 銅ドープ酸化チタンを利用する
  3. フィルター部に強い光を当てる ⇒ 光源を設ける
  4. 消臭力が足りない場合はフィルターを何十にも重ねる ⇒ チャンバー利用でカートリッジ式にする

これらの組み合わせで、エアコンが吸いこむ空気を強力に消臭できるようになるはずです。

ご家庭やオフィスの臭いなら
銅ドープ酸化チタン加工で消臭が可能

エアコンフィルターの消臭効果がもっとも高い銅ドープ酸化チタン

ご家庭用エアコンやオフィスのエアコンであれば、エアコンフィルターに銅ドープ酸化チタンを光触媒コーティング加工したら、部屋の消臭が可能だと思われます。その理由は、家庭用では臭いがそれほど強くないからです。

銅ドープ酸化チタンとは、アナターゼ型酸化チタンにナノサイズの酸化銅を結合させた光触媒成分です。この光触媒は、紫外線だけでなく室内の弱い光でも消臭効果を発揮します。またナノサイズの酸化銅の作用で、光が当たっていなくても消臭ができる特殊な光触媒成分です。

エアコンフィルター部分にはあまり光が当たりませんから、他の光触媒成分では消臭効果がほとんど得られません。銅ドープ酸化チタンだと、光があまり当たらない場所でも消臭効果を発揮しますから、エアコンフィルターはエアコン内部の光があまり当たらない場所に設置されますから、銅ドープ酸化チタンを使って加工することが必須条件となります。

ただし、部屋の中でタバコをたくさん吸うなどして部屋の臭いが強い場合には、エアコンフィルターだけでなく部屋全体の光触媒コーティング加工をなさってください。

エアコンフィルターの光触媒コーティング加工方法

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)

銅ドープ酸化チタンを加工は、弊社の光触媒コーティング剤であれば、屋内用光触媒コーティング剤BX01-AB1をご利用ください。

この光触媒コーティング剤は、プラスチックやステンレスに塗装が可能です。合成樹脂に強固に定着するため、エアコンフィルターを清掃するなどしても、光触媒コーティング加工が落ちにくく、消臭効果は10年以上持つと思います。ステンレスは、加熱処理することで10年以上の耐久性になります。

加工方法は、次の2種類ございます。

  • 光触媒コーティング剤にエアコンフィルターをどぶ漬けして乾かす方法
  • エアコンフィルターに光触媒コーティング剤をスプレーガンで塗布する方法

どぶ漬けとは、水槽に光触媒コーティング剤を入れておき、そこにエアコンフィルターを浸します。その後、すぐに取り上げて、乾燥させたら完成です。

スプレーガンでの塗布は、光触媒コーティング剤専用の塗装機械を用いて塗装をします。

ステンレスに塗装をした場合は、300℃くらいに加熱をすると、銅ドープ酸化チタンが強固に定着しますから、耐久性が高くなります。

以上、光触媒の消臭効果について、光触媒コーティング加工ができるエアコンフィルターの材料、エアコンフィルターに光触媒コーティング加工をすることで本当に消臭ができるのかなど、エアコンフィルターの光触媒コーティング加工を解説いたしました。

まとめると、エアコンフィルターに銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング加工を行うことで、薄暗い場所にあるエアコンフィルターでも消臭効果を発揮します。

エアコンフィルターに銅ドープ酸化チタンを加工したい企業様、チャンバー内に設置する消臭フィルターを開発したい企業様は、弊社までお気軽にご相談ください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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